JPWO2003033716A1 - 微生物触媒によるアクリルアミド及び/又はメタクリルアミドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は酵素ニトリルヒドラターゼの作用により、アクリロニトリル等のニトリル化合物からアクリルアミド等の対応するアミド化合物を製造する方法に関する。更に詳しくは特定の化合物の含有量を一定の濃度以下としたニトリルヒドラターゼ産生微生物触媒を用いるアクリルアミド等の製造方法、並びに該アクリルアミド等を重合することによるアクリルアミド/メタクリルアミド系重合体の製造方法に関する。
Description
技術分野
本発明は酵素ニトリルヒドラターゼの作用により、アクリロニトリル等のニトリル化合物からアクリルアミド等の対応するアミド化合物を製造する方法に関する。更に詳しくは特定の化合物の含有量を一定の濃度以下としたニトリルヒドラターゼ産生微生物触媒を用いるアクリルアミド等の製造方法、並びに該アクリルアミド等を重合することによるアクリルアミド/メタクリルアミド系重合体の製造方法に関する。
背景技術
アクリルアミドは、従来、還元状態の銅を触媒として対応するアクリロニトリルを水和することにより工業的に製造されているが、近年、銅触媒に代えて微生物触媒を用いる方法が開発され、その一部は実用化されている。生体触媒法は、その反応条件が温和で副生成物も殆ど無く、極めてシンプルなプロセスが組めることから工業的製法として有力視されており、これまでにアクリロニトリルを水和してアクリルアミドに変換する触媒能を有する酵素を産生する多くの微生物が見出されている。
これらの微生物を用いたアクリルアミドの製造方法として、特開平11−123098、特開平7−265091、特開平11−89575等があげられる。
一方、微生物触媒の洗浄に関しては、酵素活性低下を抑制するために生理食塩水、リン酸やトリス塩酸の水溶液などの緩衝液を用いて洗浄することが一般に知られている。しかし、洗浄液成分が及ぼすアクリルアミド系重合体物性への影響まで考慮した微生物触媒の洗浄に関するものはこれまで報告されていない。
アクリルアミド系重合体は高分子凝集剤、製紙用薬剤、土壌改良剤、石油回収用薬剤、掘削泥水用増粘剤,高分子吸収体等多くの分野において使用されている。特に高分子凝集剤として使用される場合には、充分な凝集作用を発現させるために高分子量で、且つ重合体を水に溶解した場合に水不溶物が少ないことが求められる。
このような高分子量且つ溶解性の良好なアクリルアミド系重合体を得る方法として、異常な高分子量の重合体の生成を防止する連鎖移動剤や乾燥時の架橋を防ぐ効果を有する物質を使用する方法等、種々提案されているが、アクリルアミドの品質によるところも大きいとされる。例えば、アクリルアミドの製造において、原料であるアクリロニトリル中のオキサゾールやアクロレイン等の不純物を除去する方法が特開2001−131135や特開平8−157439等、種々提案されていることからも推測できる。アクリルアミド系重合体の溶解性の低下は、使用時の溶解時間の延長により、ある程度は改善されうるが、甚しいときは水中で長時間攪拌しても膨潤するのみで溶解しない粒子を多く残した溶液を与え、凝集剤として廃水等に適用する場合は低い凝集性能を示す等の問題を有する。
発明の開示
本発明は、酵素ニトリルヒドラターゼを産生する微生物触媒を用いるアクリルアミド等の製造において、高分子量且つ高溶解性のアクリルアミド系重合体等を製造することのできるアクリルアミド等の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ニトリルヒドラターゼ産生微生物触媒を用いてアクリロニトリル等のニトリル化合物からアクリルアミド等の対応するアミド化合物を製造する際に、該微生物触媒に含まれる、ニトリルヒドラターゼ産生微生物の培養液に由来する単糖類の残留量をある一定の濃度以下とした該微生物触媒を用いることにより、良好な溶解性を示す高分子量のアクリルアミド系重合体を得ることのできるアクリルアミド化合物等が得られることを見出し、本発明に到達したものである。
即ち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)単糖類の含有量が5質量%以下であるニトリルヒドラターゼ産生微生物触媒を用いてアクリロニトリル及び/又はメタクリロニトリルを処理することを特徴とするアクリルアミド/メタクリルアミドの製造方法。
(2)単糖類の含有量が5質量%以下であるニトリルヒドラターゼ産生微生物触媒を用いてアクリロニトリル及び/又はメタクリロニトリルを処理して対応するアミド化合物を得て、次いで該アミド化合物を含むモノマーを重合することを特徴とするアクリルアミド/メタクリルアミド系重合体の製造方法。
本発明で使用できる微生物とは、アクリロニトリル及びメタクリロニトリル等のニトリル化合物を対応するアミド化合物に変換する触媒活性を持つ微生物であれば特に限定されないが、酵素ニトリルヒドラターゼを産生する微生物が好ましく、そのような微生物として、例えば、バチルス(Bacillus)属、バクテリジューム(Bacteridium)属、ミクロコッカス(Micrococcus)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、ノカルジア(Nocardia)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ミクロバクテリウム(Microbacterium)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、アクロモバクター(Achromobacter)属又はシュードノカルディア(Pseudonocardia)属に属する微生物等が挙げられる。これらの微生物は単独又は組み合わせて使用することができる。
また、この他に、ニトリルヒドラターゼを産生する微生物としては、前記微生物由来のニトリルヒドラターゼ遺伝子を取得し、そのまま又は人為的に改良し、任意の宿主に該遺伝子を導入した形質転換体も挙げられ、これらも同様に本発明で用いることができる。
前記形質転換体としては、アクロモバクター(Achromobacter)属のニトリルヒドラターゼで形質転換した大腸菌MT10770(FERM P−14756)(特開平8−266277号公報)、シュードノカルディア(Pseudonocardia)属のニトリルヒドラターゼで形質転換した大腸菌MT10822(FERM BP−5785)(特開平9−275978号公報)、又はロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)種のニトリルヒドラターゼ(特開平4−211379号公報)で形質転換した微生物が好ましい。
本明細書でいうニトリルヒドラターゼ産生微生物触媒とは、前記微生物を培養することにより得られた微生物菌体、微生物破砕物、微生物菌体抽出液等の菌体処理物、並びにニトリルヒドラターゼ産生微生物から得られる粗ニトリルヒドラターゼ及び精製ニトリルヒドラターゼ、さらにこれらのうちの少なくともひとつを含む水溶液、緩衝液等の溶液又は懸濁液をも含む意味である。前記微生物触媒は、必要に応じ、ポリアクリルアミドゲル、アルギン酸塩、カラギーナン等で固定化してもよい。微生物触媒の使用形態は、酵素の安定性、生産規模等により適宜選択される。
本発明の製造方法においては、上記のニトリルヒドラターゼ産生微生物触媒を用いるが、ニトリルヒドラターゼ産生微生物の培養時に用いた単糖類の残留量が一定の濃度以下のものを用いる。より詳細には、微生物培養液に由来する単糖類の含有量が5質量%以下、好ましくは3質量%以下のニトリルヒドラターゼ産生微生物触媒を用いる。
上記単糖類としては、例えば下記式(I):
(式中、Rは−OH、−H、−CH2OH又は−OCH3を示し、X及びYはそれぞれ独立に、−OH、−H、−CH2OH、−OCH3又は共同して=Oを示す。)で表される単糖類が挙げられる。
前記式(I)で表される単糖類としては、例えば、果糖、D−(−)−アラビノース、D−(+)−グルコノ−1,5−ラクトン等が挙げられる。これらの単糖類には、5員環構造、ケト型及び鎖状構造となっている物をも含まれる。
上記単糖類の含有量が5質量%以下である微生物触媒を用いて、常法により原料のニトリル化合物を処理することにより対応するアミド化合物が得られる。用いる微生物触媒中の単糖類の含有量を5質量%以下とする方法としては特に限定されないが、例えば、前記微生物の培養終了後に微生物を含む培養液を生理食塩水、リン酸緩衝液等で洗浄して微生物を遠心分離する方法や、該微生物を含む培養液を中空糸膜等の濾過膜を用いてろ過する方法等が挙げられる。
微生物含有溶液中の単糖類の濃度の測定は、公知の方法により行うことができる。例えば、微生物菌体を遠心分離や膜分離等により除去した遠心上清液又はろ液を高速液体クロマトグラフィーを用いて測定する方法や、あるいは遠心上清液又はろ液を酵素法により測定する方法等が挙げられる。また、果糖やブドウ糖であれば市販のキット(例えば、ロッシュ社製のF−キット)により容易に測定することができる。
なお、本明細書において「単糖類の含有量が5質量%以下」であるニトリルヒドラターゼ産生微生物触媒とは、用いるニトリルヒドラターゼ産生微生物触媒全体に含まれる単糖類の含有量が5質量%以下であるものをいい、例えば、ニトリルヒドラターゼ産生微生物触媒が該微生物を含む溶液の形態として用いられる場合、該微生物含有溶液全体に含まれる単糖類の含有量が5質量%以下である微生物触媒をいう。
アクリルアミドの製造は常法により行うことができるが、例えば、次のようにして実施することができる。単糖類の含有量が5質量%以下であるニトリルヒドラターゼ産生微生物触媒をアクリロニトリルの水溶液に添加する。このとき、反応溶液中のニトリルヒドラターゼ産生微生物触媒の濃度は乾燥菌体質量換算で0.005〜5質量%、好ましくは0.01〜2質量%である。また、反応溶液中のアクリロニトリルの濃度は0.01〜10質量%とすることが好ましい。反応溶液のpHは3〜11に、そして温度は0〜70℃に調節して反応を行うことが好ましい。生成したアクリルアミドを、例えば、濃縮、イオン交換、晶析等の方法により精製してもよい。
本発明では単糖類の含有量が5質量%以下であるニトリルヒドラターゼ産生微生物触媒を用いて、前記単糖類の含有量が500ppm以下、好ましくは300ppm以下であるアクリルアミド生成物を得ることができる。原料としてメタクリロニトリルを用いる場合も、上記と同様にして前記単糖類の含有量が500ppm以下、好ましくは300ppm以下であるメタクリルアミドを得ることができる。
上記のようにして得られる、単糖類の含有量が500ppm以下であるアクリルアミド及び/又はメタクリルアミド生成物をモノマーとして用いることにより、高分子量且つ高溶解性のアクリルアミド/メタクリルアミド系重合体を製造することができる。単等類の含有量が300ppm以下であるアクリルアミド及び/又はメタクリルアミドをモノマーとして用いることが、その品質が良く、より高分子量且つ高溶解性のアクリルアミド/メタクリルアミド系重合体を製造することができるという観点から好ましい。
本明細書でいうアクリルアミド系重合体とは、アクリルアミドを主成分(好ましくは、全モノマー成分中30mol%以上)とする重合体をいい、アクリルアミド単独重合体以外にアクリルアミドと共重合可能な単量体からなる共重合体であってもよい。アクリルアミドと共重合可能な単量体としては、メタクリルアミド、CH2=CR1−CO−(CH2)n−NR2R3(式中、R1は水素又はメチル基であり、R2及びR3はそれぞれ水素又は炭素数1〜6のアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)およびこれらの塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のアクリルアミドアルカンスルホン酸塩等、アクリル酸、メタクリル酸およびこれらの塩、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。本明細書でいうメタクリルアミド系重合体についても上記の定義と同様であり、メタクリルアミドを主成分(好ましくは、全モノマー成分中30mol%以上)とする重合体をいい、メタクリルアミド単独重合体以外に上述のようなメタクリルアミドと共重合可能な単量体からなる共重合体であってもよい。
また、アクリルアミド又はメタクリルアミドの単独重合の際、又は単独重合後にその重合体の一部を加水分解したり、メチロール化、或いはマンニッヒ反応等により変性するものであっても良い。
本発明により得られるアクリルアミド及び/又はメタクリルアミドを用いたアクリルアミド/メタクリルアミド系重合体の製造法は特に限定されるものではないが、通常ラジカル重合開始剤を用いた水溶液重合であり、5〜70質量%、好ましくは5〜50質量%の主としてアクリルアミド及び/又はメタクリルアミドよりなる単量体の水溶液に無機過酸化物(過硫酸塩、過酸化水素等)、有機過酸化物(過酸化ベンゾイル、クメンヒドロパーオキサイド等)、又はこれらと3級アミン、亜硫酸塩、もしくは第一鉄塩などの還元剤を組み合わせたレドックス系開始剤、或いはアゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、4,4’−アゾビス−(4−シアノ吉草酸)等のアゾ系開始剤、或いはレドックス系開始剤とアゾ系開始剤との併用開始剤を単量体に対し、0.0001〜0.4質量%程度添加し、−10℃〜100℃で重合すればよい。
更にゲル状の含水重合体の場合は通常50〜150℃で乾燥するが、本方法の場合も同様に乾燥すればよい。
本発明により、分子量100万〜5000万、好ましくは500万〜3000万の高分子量のアクリルアミド/メタクリルアミド系重合体を得ることができる。さらに、得られる該重合体は重合体1.0g中の不溶物量(水に対して0.2質量%の重合体粉末を加えて室温で4時間攪拌後、80メッシュの金網で濾過したときの残留物)が15g(含水物)以下、好ましくは10g以下と少なく、水にすばやく溶解するという特徴を有する。
本明細書は本願の優先権の基礎である特願2001−315495号の明細書に記載される内容を包含する。
発明を実施するための最良の形態
以下、実施例および比較例により本発明を更に詳細に説明するが、その要旨を超えない限り、これに限定されるものではない。
(1)菌体の調製
ニトリルヒドラターゼ活性を有するロドコッカス ロドクロス J−1株〔Rhodococcus rhodochrous J−1(FERM BP−1478)〕(特公平6−55148号公報記載)を、グルコース2質量%、尿素1質量%、ペプトン0.5質量%、酵母エキス0.3質量%、塩化コバルト0.05質量%を含む培地(pH7.0)に、培養10時間目より、最終的な果糖添加量が8質量%となるように連続的に果糖を添加しつつ、好気的に培養した。
(2)微生物触媒洗浄方法
洗浄方法を以下に示す。洗浄は液置換を行うことが出来れば良いが、以下に示す方法に限定されるものではない。
洗浄は(1)にて培養した菌液をクロスフロー型中空糸膜モジュール通して循環、ろ過し、ろ液の量に対応する量の洗浄液を連続的に菌液に供給して洗浄を行った。
(実施例1)
菌体を上記(1)のようにして培養して調製し、培養終了後に上記(2)に示す方法で培養終了液を洗浄し、微生物触媒を得た。その後、該触媒5g(果糖の含有量は5質量%)をアクリロニトリルの2質量%水溶液中に仕込み、pHを7.0及び温度を20℃に調節して、アクリルアミドの濃度が50質量%になるまで反応させた。アクリルアミドを分離したところ、得られたアクリルアミド中に含まれる果糖の含有量はアクリルアミドに対し500ppmであった。そのアクリルアミドを用いて、下記に示した方法により重合体を得た。
アクリルアミド系重合体の製造方法および重合体の物性測定法
水80質量%にアクリルアミド20質量%を溶解し、pHを8.0に調整後、ジュワー瓶に移し、系内を窒素で置換した。その後、過硫酸アンモニウム0.0004質量%、硫酸鉄0.0004質量%、4,4’−アゾビス−(4−シアノ吉草酸)0.01質量%を加えて重合を行った。得られた含水ゲル状の重合体を肉挽き機で直径数mmの粒子に解砕し、80℃で10時間乾燥を行って、ウイレー粉砕機で2mm以下の粒径に粉砕し、アクリルアミド系重合体粉末を得た。
(実施例2)
洗浄後の湿菌中の果糖の含有量を3質量%とした以外は実施例1と同様にしてアクリルアミド系重合体粉末を得た。
(実施例3)
洗浄後の湿菌中の果糖の含有量を1質量%とした以外は実施例1と同様にしてアクリルアミド系重合体粉末を得た。
(実施例4)
洗浄後の湿菌中の果糖の含有量を0.1質量%とした以外は実施例1と同様にしてアクリルアミド系重合体粉末を得た。
(実施例5)
菌体の調製の際に果糖の代わりにD−(−)−アラビノースを8質量%用い、洗浄後の湿菌中のD−(−)−アラビノースの含有量を1質量%とした以外は実施例1と同様にしてアクリルアミド系重合体粉末を得た。
(実施例6)
菌体の調製の際に果糖の代わりにD−(+)−グルコノ−1,5−ラクトンを8質量%用い、洗浄後の湿菌中のD−(+)−グルコノ−1,5−ラクトンの含有量を1質量%とした以外は実施例1と同様にしてアクリルアミド系重合体粉末を得た。
(比較例1)
洗浄後の湿菌中の果糖の含有量を7質量%とした以外は実施例1と同様にしてアクリルアミド系重合体粉末を得た。
(比較例2)
菌体の調製の際に果糖の代わりにD−(−)−アラビノースを8質量%用い、洗浄後の湿菌中のD−(−)−アラビノースの含有量を7質量%とした以外は実施例1と同様にしてアクリルアミド系重合体粉末を得た。
(比較例3)
菌体の調製の際に果糖の代わりにD−(+)−グルコノ−1,5−ラクトンを8質量%用い、洗浄後の湿菌中のD−(+)−グルコノ−1,5−ラクトンの含有量を7質量%とした以外は実施例1と同様にしてアクリルアミド系重合体粉末を得た。
上記の実施例及び比較例で得られた重合体粉末を500gの水に0.2質量%濃度となるように添加し、室温で4時間攪拌、溶解した後に、ブルックフィールド粘度(B型粘度計、ローター回転数30rpm、ローターNo.1)を測定した。その後、80メッシュの金網で濾過し、水洗後金網上に残った不溶物の重量を測定した。その結果を表1に示す。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願をそのまま参考として本明細書中にとり入れるものとする。
産業上の利用の可能性
本発明のアクリルアミド及びメタクリルアミドの製造方法によれば、アクリルアミド及びメタクリルアミドの品質を低下させることなく、また、アクリルアミド/メタクリルアミドの重合体の製造工程において生成する水不溶物量の少ない高分子量のアクリルアミド/メタクリルアミド系重合体を製造することができる。
本発明は酵素ニトリルヒドラターゼの作用により、アクリロニトリル等のニトリル化合物からアクリルアミド等の対応するアミド化合物を製造する方法に関する。更に詳しくは特定の化合物の含有量を一定の濃度以下としたニトリルヒドラターゼ産生微生物触媒を用いるアクリルアミド等の製造方法、並びに該アクリルアミド等を重合することによるアクリルアミド/メタクリルアミド系重合体の製造方法に関する。
背景技術
アクリルアミドは、従来、還元状態の銅を触媒として対応するアクリロニトリルを水和することにより工業的に製造されているが、近年、銅触媒に代えて微生物触媒を用いる方法が開発され、その一部は実用化されている。生体触媒法は、その反応条件が温和で副生成物も殆ど無く、極めてシンプルなプロセスが組めることから工業的製法として有力視されており、これまでにアクリロニトリルを水和してアクリルアミドに変換する触媒能を有する酵素を産生する多くの微生物が見出されている。
これらの微生物を用いたアクリルアミドの製造方法として、特開平11−123098、特開平7−265091、特開平11−89575等があげられる。
一方、微生物触媒の洗浄に関しては、酵素活性低下を抑制するために生理食塩水、リン酸やトリス塩酸の水溶液などの緩衝液を用いて洗浄することが一般に知られている。しかし、洗浄液成分が及ぼすアクリルアミド系重合体物性への影響まで考慮した微生物触媒の洗浄に関するものはこれまで報告されていない。
アクリルアミド系重合体は高分子凝集剤、製紙用薬剤、土壌改良剤、石油回収用薬剤、掘削泥水用増粘剤,高分子吸収体等多くの分野において使用されている。特に高分子凝集剤として使用される場合には、充分な凝集作用を発現させるために高分子量で、且つ重合体を水に溶解した場合に水不溶物が少ないことが求められる。
このような高分子量且つ溶解性の良好なアクリルアミド系重合体を得る方法として、異常な高分子量の重合体の生成を防止する連鎖移動剤や乾燥時の架橋を防ぐ効果を有する物質を使用する方法等、種々提案されているが、アクリルアミドの品質によるところも大きいとされる。例えば、アクリルアミドの製造において、原料であるアクリロニトリル中のオキサゾールやアクロレイン等の不純物を除去する方法が特開2001−131135や特開平8−157439等、種々提案されていることからも推測できる。アクリルアミド系重合体の溶解性の低下は、使用時の溶解時間の延長により、ある程度は改善されうるが、甚しいときは水中で長時間攪拌しても膨潤するのみで溶解しない粒子を多く残した溶液を与え、凝集剤として廃水等に適用する場合は低い凝集性能を示す等の問題を有する。
発明の開示
本発明は、酵素ニトリルヒドラターゼを産生する微生物触媒を用いるアクリルアミド等の製造において、高分子量且つ高溶解性のアクリルアミド系重合体等を製造することのできるアクリルアミド等の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ニトリルヒドラターゼ産生微生物触媒を用いてアクリロニトリル等のニトリル化合物からアクリルアミド等の対応するアミド化合物を製造する際に、該微生物触媒に含まれる、ニトリルヒドラターゼ産生微生物の培養液に由来する単糖類の残留量をある一定の濃度以下とした該微生物触媒を用いることにより、良好な溶解性を示す高分子量のアクリルアミド系重合体を得ることのできるアクリルアミド化合物等が得られることを見出し、本発明に到達したものである。
即ち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)単糖類の含有量が5質量%以下であるニトリルヒドラターゼ産生微生物触媒を用いてアクリロニトリル及び/又はメタクリロニトリルを処理することを特徴とするアクリルアミド/メタクリルアミドの製造方法。
(2)単糖類の含有量が5質量%以下であるニトリルヒドラターゼ産生微生物触媒を用いてアクリロニトリル及び/又はメタクリロニトリルを処理して対応するアミド化合物を得て、次いで該アミド化合物を含むモノマーを重合することを特徴とするアクリルアミド/メタクリルアミド系重合体の製造方法。
本発明で使用できる微生物とは、アクリロニトリル及びメタクリロニトリル等のニトリル化合物を対応するアミド化合物に変換する触媒活性を持つ微生物であれば特に限定されないが、酵素ニトリルヒドラターゼを産生する微生物が好ましく、そのような微生物として、例えば、バチルス(Bacillus)属、バクテリジューム(Bacteridium)属、ミクロコッカス(Micrococcus)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、ノカルジア(Nocardia)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ミクロバクテリウム(Microbacterium)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、アクロモバクター(Achromobacter)属又はシュードノカルディア(Pseudonocardia)属に属する微生物等が挙げられる。これらの微生物は単独又は組み合わせて使用することができる。
また、この他に、ニトリルヒドラターゼを産生する微生物としては、前記微生物由来のニトリルヒドラターゼ遺伝子を取得し、そのまま又は人為的に改良し、任意の宿主に該遺伝子を導入した形質転換体も挙げられ、これらも同様に本発明で用いることができる。
前記形質転換体としては、アクロモバクター(Achromobacter)属のニトリルヒドラターゼで形質転換した大腸菌MT10770(FERM P−14756)(特開平8−266277号公報)、シュードノカルディア(Pseudonocardia)属のニトリルヒドラターゼで形質転換した大腸菌MT10822(FERM BP−5785)(特開平9−275978号公報)、又はロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)種のニトリルヒドラターゼ(特開平4−211379号公報)で形質転換した微生物が好ましい。
本明細書でいうニトリルヒドラターゼ産生微生物触媒とは、前記微生物を培養することにより得られた微生物菌体、微生物破砕物、微生物菌体抽出液等の菌体処理物、並びにニトリルヒドラターゼ産生微生物から得られる粗ニトリルヒドラターゼ及び精製ニトリルヒドラターゼ、さらにこれらのうちの少なくともひとつを含む水溶液、緩衝液等の溶液又は懸濁液をも含む意味である。前記微生物触媒は、必要に応じ、ポリアクリルアミドゲル、アルギン酸塩、カラギーナン等で固定化してもよい。微生物触媒の使用形態は、酵素の安定性、生産規模等により適宜選択される。
本発明の製造方法においては、上記のニトリルヒドラターゼ産生微生物触媒を用いるが、ニトリルヒドラターゼ産生微生物の培養時に用いた単糖類の残留量が一定の濃度以下のものを用いる。より詳細には、微生物培養液に由来する単糖類の含有量が5質量%以下、好ましくは3質量%以下のニトリルヒドラターゼ産生微生物触媒を用いる。
上記単糖類としては、例えば下記式(I):
(式中、Rは−OH、−H、−CH2OH又は−OCH3を示し、X及びYはそれぞれ独立に、−OH、−H、−CH2OH、−OCH3又は共同して=Oを示す。)で表される単糖類が挙げられる。
前記式(I)で表される単糖類としては、例えば、果糖、D−(−)−アラビノース、D−(+)−グルコノ−1,5−ラクトン等が挙げられる。これらの単糖類には、5員環構造、ケト型及び鎖状構造となっている物をも含まれる。
上記単糖類の含有量が5質量%以下である微生物触媒を用いて、常法により原料のニトリル化合物を処理することにより対応するアミド化合物が得られる。用いる微生物触媒中の単糖類の含有量を5質量%以下とする方法としては特に限定されないが、例えば、前記微生物の培養終了後に微生物を含む培養液を生理食塩水、リン酸緩衝液等で洗浄して微生物を遠心分離する方法や、該微生物を含む培養液を中空糸膜等の濾過膜を用いてろ過する方法等が挙げられる。
微生物含有溶液中の単糖類の濃度の測定は、公知の方法により行うことができる。例えば、微生物菌体を遠心分離や膜分離等により除去した遠心上清液又はろ液を高速液体クロマトグラフィーを用いて測定する方法や、あるいは遠心上清液又はろ液を酵素法により測定する方法等が挙げられる。また、果糖やブドウ糖であれば市販のキット(例えば、ロッシュ社製のF−キット)により容易に測定することができる。
なお、本明細書において「単糖類の含有量が5質量%以下」であるニトリルヒドラターゼ産生微生物触媒とは、用いるニトリルヒドラターゼ産生微生物触媒全体に含まれる単糖類の含有量が5質量%以下であるものをいい、例えば、ニトリルヒドラターゼ産生微生物触媒が該微生物を含む溶液の形態として用いられる場合、該微生物含有溶液全体に含まれる単糖類の含有量が5質量%以下である微生物触媒をいう。
アクリルアミドの製造は常法により行うことができるが、例えば、次のようにして実施することができる。単糖類の含有量が5質量%以下であるニトリルヒドラターゼ産生微生物触媒をアクリロニトリルの水溶液に添加する。このとき、反応溶液中のニトリルヒドラターゼ産生微生物触媒の濃度は乾燥菌体質量換算で0.005〜5質量%、好ましくは0.01〜2質量%である。また、反応溶液中のアクリロニトリルの濃度は0.01〜10質量%とすることが好ましい。反応溶液のpHは3〜11に、そして温度は0〜70℃に調節して反応を行うことが好ましい。生成したアクリルアミドを、例えば、濃縮、イオン交換、晶析等の方法により精製してもよい。
本発明では単糖類の含有量が5質量%以下であるニトリルヒドラターゼ産生微生物触媒を用いて、前記単糖類の含有量が500ppm以下、好ましくは300ppm以下であるアクリルアミド生成物を得ることができる。原料としてメタクリロニトリルを用いる場合も、上記と同様にして前記単糖類の含有量が500ppm以下、好ましくは300ppm以下であるメタクリルアミドを得ることができる。
上記のようにして得られる、単糖類の含有量が500ppm以下であるアクリルアミド及び/又はメタクリルアミド生成物をモノマーとして用いることにより、高分子量且つ高溶解性のアクリルアミド/メタクリルアミド系重合体を製造することができる。単等類の含有量が300ppm以下であるアクリルアミド及び/又はメタクリルアミドをモノマーとして用いることが、その品質が良く、より高分子量且つ高溶解性のアクリルアミド/メタクリルアミド系重合体を製造することができるという観点から好ましい。
本明細書でいうアクリルアミド系重合体とは、アクリルアミドを主成分(好ましくは、全モノマー成分中30mol%以上)とする重合体をいい、アクリルアミド単独重合体以外にアクリルアミドと共重合可能な単量体からなる共重合体であってもよい。アクリルアミドと共重合可能な単量体としては、メタクリルアミド、CH2=CR1−CO−(CH2)n−NR2R3(式中、R1は水素又はメチル基であり、R2及びR3はそれぞれ水素又は炭素数1〜6のアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)およびこれらの塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のアクリルアミドアルカンスルホン酸塩等、アクリル酸、メタクリル酸およびこれらの塩、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。本明細書でいうメタクリルアミド系重合体についても上記の定義と同様であり、メタクリルアミドを主成分(好ましくは、全モノマー成分中30mol%以上)とする重合体をいい、メタクリルアミド単独重合体以外に上述のようなメタクリルアミドと共重合可能な単量体からなる共重合体であってもよい。
また、アクリルアミド又はメタクリルアミドの単独重合の際、又は単独重合後にその重合体の一部を加水分解したり、メチロール化、或いはマンニッヒ反応等により変性するものであっても良い。
本発明により得られるアクリルアミド及び/又はメタクリルアミドを用いたアクリルアミド/メタクリルアミド系重合体の製造法は特に限定されるものではないが、通常ラジカル重合開始剤を用いた水溶液重合であり、5〜70質量%、好ましくは5〜50質量%の主としてアクリルアミド及び/又はメタクリルアミドよりなる単量体の水溶液に無機過酸化物(過硫酸塩、過酸化水素等)、有機過酸化物(過酸化ベンゾイル、クメンヒドロパーオキサイド等)、又はこれらと3級アミン、亜硫酸塩、もしくは第一鉄塩などの還元剤を組み合わせたレドックス系開始剤、或いはアゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、4,4’−アゾビス−(4−シアノ吉草酸)等のアゾ系開始剤、或いはレドックス系開始剤とアゾ系開始剤との併用開始剤を単量体に対し、0.0001〜0.4質量%程度添加し、−10℃〜100℃で重合すればよい。
更にゲル状の含水重合体の場合は通常50〜150℃で乾燥するが、本方法の場合も同様に乾燥すればよい。
本発明により、分子量100万〜5000万、好ましくは500万〜3000万の高分子量のアクリルアミド/メタクリルアミド系重合体を得ることができる。さらに、得られる該重合体は重合体1.0g中の不溶物量(水に対して0.2質量%の重合体粉末を加えて室温で4時間攪拌後、80メッシュの金網で濾過したときの残留物)が15g(含水物)以下、好ましくは10g以下と少なく、水にすばやく溶解するという特徴を有する。
本明細書は本願の優先権の基礎である特願2001−315495号の明細書に記載される内容を包含する。
発明を実施するための最良の形態
以下、実施例および比較例により本発明を更に詳細に説明するが、その要旨を超えない限り、これに限定されるものではない。
(1)菌体の調製
ニトリルヒドラターゼ活性を有するロドコッカス ロドクロス J−1株〔Rhodococcus rhodochrous J−1(FERM BP−1478)〕(特公平6−55148号公報記載)を、グルコース2質量%、尿素1質量%、ペプトン0.5質量%、酵母エキス0.3質量%、塩化コバルト0.05質量%を含む培地(pH7.0)に、培養10時間目より、最終的な果糖添加量が8質量%となるように連続的に果糖を添加しつつ、好気的に培養した。
(2)微生物触媒洗浄方法
洗浄方法を以下に示す。洗浄は液置換を行うことが出来れば良いが、以下に示す方法に限定されるものではない。
洗浄は(1)にて培養した菌液をクロスフロー型中空糸膜モジュール通して循環、ろ過し、ろ液の量に対応する量の洗浄液を連続的に菌液に供給して洗浄を行った。
(実施例1)
菌体を上記(1)のようにして培養して調製し、培養終了後に上記(2)に示す方法で培養終了液を洗浄し、微生物触媒を得た。その後、該触媒5g(果糖の含有量は5質量%)をアクリロニトリルの2質量%水溶液中に仕込み、pHを7.0及び温度を20℃に調節して、アクリルアミドの濃度が50質量%になるまで反応させた。アクリルアミドを分離したところ、得られたアクリルアミド中に含まれる果糖の含有量はアクリルアミドに対し500ppmであった。そのアクリルアミドを用いて、下記に示した方法により重合体を得た。
アクリルアミド系重合体の製造方法および重合体の物性測定法
水80質量%にアクリルアミド20質量%を溶解し、pHを8.0に調整後、ジュワー瓶に移し、系内を窒素で置換した。その後、過硫酸アンモニウム0.0004質量%、硫酸鉄0.0004質量%、4,4’−アゾビス−(4−シアノ吉草酸)0.01質量%を加えて重合を行った。得られた含水ゲル状の重合体を肉挽き機で直径数mmの粒子に解砕し、80℃で10時間乾燥を行って、ウイレー粉砕機で2mm以下の粒径に粉砕し、アクリルアミド系重合体粉末を得た。
(実施例2)
洗浄後の湿菌中の果糖の含有量を3質量%とした以外は実施例1と同様にしてアクリルアミド系重合体粉末を得た。
(実施例3)
洗浄後の湿菌中の果糖の含有量を1質量%とした以外は実施例1と同様にしてアクリルアミド系重合体粉末を得た。
(実施例4)
洗浄後の湿菌中の果糖の含有量を0.1質量%とした以外は実施例1と同様にしてアクリルアミド系重合体粉末を得た。
(実施例5)
菌体の調製の際に果糖の代わりにD−(−)−アラビノースを8質量%用い、洗浄後の湿菌中のD−(−)−アラビノースの含有量を1質量%とした以外は実施例1と同様にしてアクリルアミド系重合体粉末を得た。
(実施例6)
菌体の調製の際に果糖の代わりにD−(+)−グルコノ−1,5−ラクトンを8質量%用い、洗浄後の湿菌中のD−(+)−グルコノ−1,5−ラクトンの含有量を1質量%とした以外は実施例1と同様にしてアクリルアミド系重合体粉末を得た。
(比較例1)
洗浄後の湿菌中の果糖の含有量を7質量%とした以外は実施例1と同様にしてアクリルアミド系重合体粉末を得た。
(比較例2)
菌体の調製の際に果糖の代わりにD−(−)−アラビノースを8質量%用い、洗浄後の湿菌中のD−(−)−アラビノースの含有量を7質量%とした以外は実施例1と同様にしてアクリルアミド系重合体粉末を得た。
(比較例3)
菌体の調製の際に果糖の代わりにD−(+)−グルコノ−1,5−ラクトンを8質量%用い、洗浄後の湿菌中のD−(+)−グルコノ−1,5−ラクトンの含有量を7質量%とした以外は実施例1と同様にしてアクリルアミド系重合体粉末を得た。
上記の実施例及び比較例で得られた重合体粉末を500gの水に0.2質量%濃度となるように添加し、室温で4時間攪拌、溶解した後に、ブルックフィールド粘度(B型粘度計、ローター回転数30rpm、ローターNo.1)を測定した。その後、80メッシュの金網で濾過し、水洗後金網上に残った不溶物の重量を測定した。その結果を表1に示す。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願をそのまま参考として本明細書中にとり入れるものとする。
産業上の利用の可能性
本発明のアクリルアミド及びメタクリルアミドの製造方法によれば、アクリルアミド及びメタクリルアミドの品質を低下させることなく、また、アクリルアミド/メタクリルアミドの重合体の製造工程において生成する水不溶物量の少ない高分子量のアクリルアミド/メタクリルアミド系重合体を製造することができる。
Claims (2)
- 単糖類の含有量が5質量%以下であるニトリルヒドラターゼ産生微生物触媒を用いてアクリロニトリル及び/又はメタクリロニトリルを処理することを特徴とするアクリルアミド/メタクリルアミドの製造方法。
- 単糖類の含有量が5質量%以下であるニトリルヒドラターゼ産生微生物触媒を用いてアクリロニトリル及び/又はメタクリロニトリルを処理して対応するアミド化合物を得て、次いで該アミド化合物を含むモノマーを重合することを特徴とするアクリルアミド/メタクリルアミド系重合体の製造方法。
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