JPWO2003032308A1 - 情報記憶装置および欠陥検出回路 - Google Patents
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Abstract
本発明は、小規模で高精度な欠陥検出手段を提供し、記録時における欠陥区画の的確な排除と、再生時における再生能力の向上を図ることを目的とし、光磁気記録方式で情報が記録される領域における欠陥の有無を、情報記憶媒体が反射した反射光の強度を表す強度信号を使って判定することを特徴とする。
Description
技術分野
本発明は、情報記憶媒体に対して少なくとも情報再生を行う情報記憶装置、および情報記憶媒体の欠陥を検出する欠陥検出回路に関する。
背景技術
従来より、音声信号や画像信号を記憶する大容量の記憶媒体として、CD,CD−ROM,CD−R,DVD,PD,MO,MD等といった情報記憶媒体が広く使われている。特に、情報が磁気マークで記録されて光で再生される光磁気記憶方式の情報記憶媒体は、情報の書き換えが可能な高密度記憶媒体として注目されており、さらなる高記録密度化などのために盛んに研究開発が行われている。また、そのような情報記憶媒体に対する情報再生や情報記憶を行う情報記憶装置の研究開発もさかんに行われている。
ところで、情報記憶媒体には、製造時や使用時に傷などの欠陥が生じる場合がある。このような欠陥はしばしば記録エラーの原因となる。そこで従来は、出荷時や情報記録時に情報の書込みと再生チェックを行い、エラーレートを測定することによって欠陥を検出している。記憶領域のうち、エラーレートが高い区画は、欠陥が存在する欠陥区画として処理され、その区画への情報記録が回避される。
しかし、情報記憶媒体には、小さな欠陥が生じる場合もあり、このような小さな欠陥が存在する区画では、情報記録や情報再生が失敗する場合もあるし、成功する場合もある。ある区画について、情報記録時における再生チェックには成功し、その後、記録情報が必要となったときの情報再生に失敗した場合には、その区画に記録された情報が失われてしまうこととなる。
このため、情報記憶装置は、このような小さな欠陥を高精度に検出することができる欠陥検出手段を備えることが望ましく、この欠陥検出手段を備えることにより、記録時における欠陥区画の的確な排除と、再生時における再生能力の向上が図られる。
しかし、欠陥検出手段として光学部品が追加されると、装置の小型化を妨げるという不都合を生じる。従って、信号処理によって欠陥を検出することができる欠陥検出回路を備えることが望ましいが、小規模で高精度な欠陥検出回路は知られていない。
発明の開示
本発明は、上記事情に鑑み、小規模で高精度な欠陥検出手段を備えた情報記憶装置、および小規模で高精度な欠陥検出回路を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の情報記憶装置は、所定の情報記憶領域に光磁気記録方式で情報が記録される情報記憶媒体に対して、少なくとも情報再生を行う情報記憶装置において、
情報記憶媒体によって反射された反射光を受光して、その反射光の強度に応じた強度信号を出力する強度信号出力部と、
強度信号出力部が出力した強度信号を取得する強度信号取得部と、
強度信号取得部によって取得された強度信号を使って上記情報記憶領域における欠陥の有無を判定する欠陥判定部とを備えたことを特徴とする。
一般に、光磁気記録方式の情報記憶媒体には、多数の平行線状のトラックが設けられており、それら多数のトラックそれぞれに情報が記録される。また、各トラックは複数のセクタに分割されている。各セクタの先頭(ヘッダ)には、各セクタを判別するID情報が凹凸ピットで記録され、そのヘッダの後の平らなMO領域に磁気マークで任意情報が記録される。凹凸ピットで記録されたID情報は、情報記憶媒体による反射光の強度に基づいて読み出され、磁気マークで記録された情報は、反射光の偏光方向に基づいて読み出される。
本発明の情報記憶装置では、MO領域における欠陥の有無が、反射光の強度に応じた強度信号に基づいて判定される。上述した小さな欠陥が反射光の強度に与える影響は、反射光の偏光方向に与える影響よりも大きくかつ明確であるため、小規模な回路で高精度に欠陥判定を行うことができる。
本発明の情報記憶装置は、上記情報記憶媒体によって反射された反射光を受光して、該反射光の偏光方向に応じた偏光信号を出力する偏光信号出力部と、
偏光信号出力部が出力した偏光信号のピークを追尾してピーク値の残像を保持するピークホールド部と、
ピークホールド部がピークを追尾する感度を、欠陥判定部により欠陥無と判定された場合には第1の感度に設定し、欠陥判定部により欠陥有と判定された場合には第1の感度よりも低い第2の感度に設定する感度設定部とを備え、
上記ピークホールド部が、感度設定部によって設定された感度に従って偏光信号のピークを追尾するものであることが好適である。
情報記憶媒体による反射光の偏光方向に応じた偏光信号の信号レベルは、温度などといった使用環境やレーザパワーなどといった様々な要因で変動する。また、反射光の強度に応じた強度信号の信号レベルも、レーザパワーや媒体の種類などといった要因で変動する。このため、凹凸ピットや磁気マークで情報が記録される際には、その情報の先頭に規定の繰り返しマーク(VFO)が書き込まれており、情報再生時には、その繰り返しマークに起因する信号のトップピークとボトムピークが上記ピークホールド部によって測定され、それらトップピークとボトムピークの中間値がスライスレベルとして設定される。このスライスレベルが基準として用いられて記録情報に起因する信号が2値化され、記録情報が再生される。
ところが、上述した繰り返しマーク(VFO)が書き込まれている部分に欠陥が存在すると、スライスレベルが本来のレベルからずれてしまい、再生エラーを生じる。そこで、本発明の情報記憶装置では、欠陥判定部により欠陥有と判定された場合にピークホールド部の感度を下げることにより、スライスレベルのずれを防ぎ、正常な情報再生を実現する。
本発明の情報記憶装置は、上記感度設定部が、ピークホールド部がピークを追尾する感度を、欠陥判定部により欠陥有と判定された場合には感度0に設定するものであることも好適である。
このような感度設定部を備えた情報記憶装置によれば、欠陥が検出されたときにはスライスレベルのずれが0となる。
本発明の情報記憶装置が、情報記憶媒体に対して情報再生と情報記録とを行うものであるとともに、記録した情報の再生確認も行うものである場合には、この情報記憶装置は、
ピークホールド部がピークを追尾する感度を、情報の再生確認時に、上記第1の感度に固定する感度固定部を備えることが好適である。
また、本発明の情報記憶装置は、欠陥判定部により欠陥有と判定された場合に強制的に再生エラーを生じさせるエラー強制部を備えることも好適である。
この感度固定部やエラー強制部を備えた情報記憶装置によれば、欠陥が存在する場合には欠陥セクタを積極的に交替させることができるので、情報記録の品質が向上する。
本発明の情報記憶装置における欠陥判定部は、強度信号の信号レベルが所定の高位レベルを越えた場合に欠陥有と判定するものであってもよく、あるいは、強度信号の信号レベルが所定の低位レベルを下回った場合に欠陥有と判定するものであってもよい。また、この欠陥判定部は、これら高位レベルと低位レベルとの双方を用いて両極性の欠陥判定を行うものであることが好ましい。
強度信号の信号レベルは、欠陥によって上昇することが多いが下降することもある。そこで、両極性の欠陥判定が行われることにより高い判定精度が得られる。
また、このような欠陥判定部は、強度信号の信号レベルが所定の高位レベルを所定時間間隔以上継続して越え続けた場合や、所定の低位レベルを所定時間間隔以上継続して下回り続けた場合に欠陥有と判定するものであってもよい。この場合には、欠陥のサイズが所定サイズを超えた場合に欠陥有と判定されることとなる。
さらに、これらの欠陥判定部は、上記高位レベルが設定自在なものであることや、上記低位レベルが設定自在なものであることが好ましい。このような欠陥判定部を有する情報記憶装置によれば、高位レベルや低位レベルを最適値にチューニングして欠陥判定能力や情報再生能力を向上させることができる。
本発明の情報記憶装置は、「上記強度信号取得部が、取得した強度信号を増幅するものであり、かつ
上記欠陥判定部が、強度信号取得部によって増幅された強度信号を使って、上記情報記憶領域における欠陥の有無を判定するものである」ということも好適である。このような情報記憶装置によれば、強度信号の増幅によって欠陥判定精度が向上する。
また、本発明の情報記憶装置は、「上記欠陥判定部が、欠陥の有無を判定した結果を2値で表す判定信号を出力するものであり、かつ
欠陥判定部によって出力された判定信号を受け取り、欠陥有という判定結果を表す信号値から欠陥無という判定結果を表す信号値への該判定信号の変化タイミングを遅延させて出力する遅延部を備える」ということも好適である。このような情報記憶装置によれば、上記強度信号や上記判定信号の変化タイミングと、欠陥の存在位置との誤差の影響を排除することができる。
上記目的を達成する本発明の欠陥検出回路は、所定の情報記憶領域に光磁気記録方式で情報が記録される情報記憶媒体の欠陥を検出する欠陥検出回路であって、
情報記憶媒体が反射した反射光の強度を表す強度信号を取得する強度信号取得部と、
強度信号取得部によって取得された強度信号を使って上記情報記憶領域における欠陥の有無を判定する欠陥判定部とを備えたことを特徴とする。
なお、本発明の欠陥検出回路については、ここではその基本形態のみを示すのにとどめるが、これは単に重複を避けるためであり、本発明の欠陥検出回路には、上記の基本形態の欠陥検出回路のみではなく、前述した情報記憶装置の各形態に対応する各種の形態の欠陥検出回路が含まれる。
発明を実施するための最良の形態
まず、ピークホールド回路を用いてスライスレベルを決定する原理について比較例を用いて説明し、その後、本発明の実施形態について説明する。
図1は、情報記憶媒体に記録された規定の繰り返しマーク(VFO)を示す図である。
この図1のパート(A)には、光磁気記録方式で情報が記録されるMO領域の先頭付近が示されており、規定の繰り返しマーク(VFO)が書き込まれるVFO部分10に続いて、情報を表すマークが書き込まれる情報部分11が設けられている。
図1のパート(B)には、パート(A)に示す領域に書き込まれているマークから得られた偏光信号13の波形が示されており、以下説明するピークホールド回路によってこの偏光信号13の波形のエンベロープ14,15が求められる。
図2は、ピークホールド回路の比較例を示す図である。
このピークホールド回路20には、チャージ定電流電源21と、ディスチャージ定電流電源22が備えられており、チャージ定電流電源21は一定のチャージ電流でコンデンサ23に電荷をチャージし、ディスチャージ定電流電源22は一定のディスチャージ電流でコンデンサ23から電荷をディスチャージする。ディスチャージ定電流電源22におけるチャージ電流の値は、電流値設定系24によって設定されるものであり、チャージ電流の値よりも小さい値の電流がディスチャージ電流として設定される。従って、コンデンサ23には、チャージ電流からディスチャージ電流が差し引かれた実効チャージ電流によって電荷が蓄積され、ある程度の時間が経過するとコンデンサ23の電荷が飽和する。コンデンサ23の電荷が飽和しているときにも、ディスチャージ定電流電源22は常にコンデンサ23の電荷をディスチャージし続けており、ディスチャージされた分の電荷は、チャージ定電流電源21によって遅滞なくチャージされる。
出力端子25からは、コンデンサ23に蓄積されている電荷に比例した電圧信号がエンベロープ信号として出力される。
このピークホールド回路20には、上述した偏光信号が再生信号としてオペアンプ26とダイオード27を介して入力され、点28には再生信号に応じた電圧が印加される。コンデンサ23が蓄電可能な電荷量は、この点28に印加された電圧に比例した電荷量であり、コンデンサ23の電荷が飽和したときには、点28の電圧と同じ電圧の信号が出力端子25からエンベロープ信号として出力される。
コンデンサ23の電荷が飽和しているときに再生信号が変化すると、コンデンサ23が蓄電可能な電荷量も変化する。蓄電可能な電荷量が増えると、コンデンサ23は未飽和となり、上述した実効チャージ電流によってコンデンサ23に電荷が蓄積される。一方、蓄電可能な電荷量が減ると、コンデンサ23は過飽和となり、上述したディスチャージ電流によってコンデンサ23から電荷が放出される。コンデンサ23が未飽和あるいは過飽和であるときには、エンベロープ信号が再生信号から未飽和量や過飽和量に応じた電圧だけずれており、未飽和や過飽和が解消されるにつれてエンベロープ信号は再生信号に近づいていく。エンベロープ信号が再生信号に近づく早さは、実効チャージ電流およびディスチャージ電流に比例している。このため、実効チャージ電流がディスチャージ電流よりも大幅に大きい場合には、エンベロープ信号は、再生信号のレベル上昇に対して速やかに追随するとともに、再生信号のレベル下降に対して大幅な遅れを生じる。即ち、エンベロープ信号は、高レベル側への信号ピーク(トップピーク)を追尾するとともにそのトップピークの残像を保持することとなり、図1に示す高レベル側のエンベロープ14が得られる。逆に、実効チャージ電流がディスチャージ電流よりも大幅に小さい場合には、エンベロープ信号は、低レベル側への信号ピーク(ボトムピーク)を追尾するとともにそのボトムピークの残像を保持することとなり、図1に示す低レベル側のエンベロープ15が得られる。以下の説明では、エンベロープ信号とエンベロープとを区別せずに用いる場合がある。
一般に、情報記憶装置には、2つのピークホールド回路が備えられており、その2つのピークホールド回路のうちの一方は、高レベル側のエンベロープ14を得るためのトップピークホールド部として機能し、他方は、低レベル側のエンベロープ15を得るためのボトムピークホールド部として機能する。
トリガ信号12は、2つのエンベロープ14,15が偏光信号13の波形に対して十分に収束していると経験から予想される所定タイミングで立ち上がり、その立ち上がりのタイミングでスライスホールドが行われてスライスレベル16が固定される。その後、偏光信号13は、固定されたスライスレベル16を基準とした2値化処理によって2値化され、情報部分11に記憶されている情報が再生される。
ここで、VFO部分10に欠陥が存在すると、図1のパート(C)に示すように、偏光信号13_1の波形は、欠陥の位置で急激な変動を生じる。そして、従来の情報記憶装置では、2つのエンベロープ14_1,15_1のうちの一方のエンベロープ14_1が、欠陥後しばらくの間は本来のエンベロープから大きく振られた状態になる。このため、スライスレベル16_1も欠陥後しばらくの間は本来のレベルからずれており、その間にトリガ信号12が立ち上がると、スライスレベル16_1は、本来のレベルからずれたまま固定されてしまい、再生エラーの原因となる。
このようなスライスレベルのずれを避けるために、従来は、再生エラーの後にリードリトライが行われる時に、トリガ信号12の立ち上がりタイミングが変更されている。
しかし、リードリトライ後の対処は、読出し速度の低下を招く。また、スライスホールドのタイミングが先頭側に変更された場合には、エンベロープ14_1,15_1が偏光信号の波形13_1に十分に収束せずに、DCオフセットが十分に除去できていない状態でスライスホールドが行われて、スライスズレが生じるおそれがあった。
このような比較例の問題点を踏まえて、以下、本発明の実施形態について説明する。
図3は、本発明の情報記憶装置の一実施形態である光ディスク装置のブロック図である。
この光ディスク装置では、本発明にいう情報記憶媒体として光ディスクが用いられる。
光ディスク装置はコントローラ40と光ヘッド部30を備えている。
この図3では光ヘッド部30は1つの四角形で示されているが、実際には、光ヘッド部30は可動部と固定部とで構成されている。可動部は光ディスクに対し半径方向に移動されるものであり、固定部は光ディスク装置の筐体に固定されたものである。
光ヘッド部30にはボイスコイルモータ(VCM)34が設けられており、このVCM34は、光ヘッド部30の可動部を光ディスクの半径方向に移動して位置決めする。
レーザダイオード31は、ライト動作時のライトビーム、リード動作時のリードビーム、更にはイレーズ動作時のイレーズビームを発生する。
フォーカスアクチュエータ33は、光ヘッド部30に設けられている(ここでは図示を省略)対物レンズを光軸方向に移動して、光ディスク上に規定サイズのビームスポットが結像するように焦点の調整を行う。
光検出器32は、光ディスクに照射されたレーザビームが光ディスクによって反射されてなる反射光を受光する。光検出器32としては、ここでは一例として、受光面が4分割された4分割フォトディテクタが使用され、4つの受光面は、レンズやプリズムなどを介して反射光を受光する。4分割フォトディテクタは、4つの受光面それぞれにおける受光量に応じた4つの受光信号を出力し、これら4つの受光信号が所定の組み合わせで合成されることにより、トラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号が得られ、反射光の強度に応じた強度信号、および反射光の偏光方向に応じた偏光信号も得られる。
電磁石36は、イレーズ動作時における媒体の初期化のための外部磁界、又はライト動作時における外部磁界を発生する。温度センサ35は、光ディスク装置内部の環境温度を検出する。
光ヘッド部30の可動部には、対物レンズやフォーカスアクチュエータ33が搭載され、一方、固定部にはVCM34、光検出器32、レーザダイオード31、温度センサ35、電磁石36が設置されており、可能な限り可動側が軽量化されている。
スピンドルモータ64は、光ディスク装置内に挿入された光ディスクを回転駆動するものである。光ディスクを内包した光ディスクカートリッジが光ディスク装置にローディングされると、スピンドルモータ64の回転軸に光ディスクがチャッキングされ、チャッキング完了でスピンドルモータ64が起動されて、光ディスクが一定速度で回転される。
光ディスク装置の筐体外部に設けられたイジェクトボタンが押されると、光ディスクのチャッキングが解除され、光ディスクはイジェクトモータ66によって光ディスクカートリッジごと光ディスク装置の外部に送出される。
次にコントローラ40側を説明する。コントローラ40の機能は、マイクロプロセッサ(MPU)やデジタル・シグナルプロセッサ(DSP)のプログラム制御によって実現されている。この図3には、コントローラ40の機能ブロックが示されている。
コントローラ40には全体制御部41が設けられており、この全体制御部41は、インタフェース制御部47を介して、パーソナルコンピュータなどといった上位装置に対してコマンドやデータなどをやり取りする。また、この全体制御部41は、光ディスク装置内の各部を制御して、ライト動作、リード動作、およびイレーズ動作を行わせるものである。
全体制御部41は、電源投入時に初期化診断動作を行う。その後、インタフェース制御部47を介して上位装置から指定トラックへのアクセス要求を受けると、指定されたトラックアドレスに対するシーク動作を行わせ、目的とするトラック上にレーザビームのスポットの位置を維持するオントラック制御を行わせる。また、目的とするトラック上にビームスポットが維持された状態でライト動作、リード動作あるいはイレーズ動作を行わせる。
コントローラ40には、全体制御部41の他に、トラックサーボ制御部46、フォーカスサーボ制御部45、発光パワー制御部42、バイアス磁石制御部43およびモータ制御部44が設けられている。
トラックサーボ制御部46は、光検出器32の受光信号からトラッキングエラー検出部55によって検出されたトラッキングエラー信号を、ADコンバータ56を介して取り込む。また、トラックサーボ制御部46は、このトラッキングエラー信号に基づいて、DAコンバータ52およびVCMドライバ51を介したVCM34の制御を行って、シーク動作およびシーク動作完了後のオントラック制御を行う。
フォーカスサーボ制御部45は、光検出器32の受光信号からフォーカスエラー検出部57によって得られたフォーカスエラー検出信号をADコンバータ58を介して取り込む。また、フォーカスサーボ制御部45は、このフォーカスエラー検出信号に基づいて、DAコンバータ54およびアクチュエータドライバ53を介したフォーカスアクチュエータ33の制御を行って、レーザビームが規定のスポット径となるようにフォーカス制御する。
発光パワー制御部42は、全体制御部41によるライト動作、リード動作、イレーズ動作それぞれの制御指示のもとに、それぞれの動作用に規定された発光パワーとなるように、レーザ駆動回路59を介してレーザダイオード31の駆動電流を制御し、規定の発光パワーのレーザビームを出力させる。
バイアス磁石制御部43は、イレーズ動作時あるいはライト動作時に、電磁石ドライバ62を介して電磁石36を駆動して外部磁場を発生させる。
モータ制御部44は、全体制御部41より光ディスクのカートリッジ投入完了に基づく起動指令を受けると、スピンドルモータドライバ65を介してスピンドルモータ64を一定速度で回転駆動させる。また、このモータ制御部44は、全体制御部41よりイジェクトボタンの押下に基づく送出指令を受けると、イジェクトモータドライバ67を介してイジェクトモータ66を駆動させて光ディスクの送出を行わせる。
更に、この光ディスク装置には記録回路60と再生回路61が設けられている。記録回路60は、データ変調回路として動作し、ライト動作時に全体制御部41から書込データを受けとって変調信号を生成し、その変調信号をレーザ駆動回路59に供給してライトビームの光量を書込データに応じて変調制御する。再生回路61は、データ復調回路として機能し、光ヘッド部30の光検出器32から出力された受光信号に基づく強度信号および偏光信号を受け取り、その強度信号および偏光信号からデータを復調して全体制御部41に供給する。
図4は、再生回路の詳細を示す図である。
この図4に示す光ディスク68には、最小記録単位としてのセクタが多数設けられており、各セクタは、各セクタを判別するID情報が凹凸ピットのプリフォーマットにより再生専用の情報として記憶されているID部と、任意の情報が光磁気記録方式で記録される書き換え可能なMO部とで構成されている。ID部に記録されているID情報は、上述した強度信号が用いられて再生され、MO部に記録されている情報は、上述した偏光信号が用いられて再生される。なお、以下の説明では、強度信号のことをID信号と称し、偏光信号のことをMO信号と称する場合があるが、これは本発明の技術分野における習慣的な呼称であり、信号がID情報に起因するか否かに係わらず強度信号のことをID信号と称している。
光ディスク68からの反射光は、光学ヘッド30の光検出器32によって受光され、上述した4つの受光信号が出力される。そしてMO信号(偏光信号)用のヘッドアンプ37は、それら4つの受光信号が偏光方向により2つずつに分けられて合成されてなる2つの信号A、Bの差分A−Bを増幅して、反転非反転信号MOP,MONを生成する。これら2つの信号MOP,MONの差分が上述したMO信号に相当する。従って、光学ヘッド30の光検出器32およびMO信号(偏光信号)用のヘッドアンプ37は、本発明にいう偏光信号出力部の一例を構成している。
また、ID信号(強度信号)用のヘッドアンプ38は、上述した2つの信号A、Bの和A+Bを増幅して、反転非反転信号IDP,IDNを生成する。これら2つの信号IDP,IDNの差分は上述したID信号に相当する。従って、光学ヘッド30の光検出器32およびID信号(強度信号)用のヘッドアンプ38は、本発明にいう強度信号出力部の一例を構成している。
このように生成された4つの信号MOP,MON,IDP,IDNは再生回路61に送られる。
再生回路61では、ミュート71により上位制御部からのミュートゲート信号のタイミングで4つの信号MOP,MON,IDP,IDNからDCオフセットが除去される。また、マルチプレクサ72によって、上位制御部からのID部/MO部切り換え信号に従って、2つの信号IDP,IDNあるいは2つの信号MOP,MONが選択されてローパスフィルタ73に入力される。ローパスフィルタ73では、入力された2つの信号それぞれに対して、フィルタ処理、微分信号処理及びAGC処理等が施されて、ノーマル再生信号NP,NNと微分再生信号DP,DNが作成される。ノーマル再生信号NP,NNの差分信号が、再生信号としてトップピークホールド(PH)部74aとボトムピークホールド(PH)部74bとの双方に入力され、高レベル側および低レベル側それぞれのエンベロープが生成される。トップピークホールド(PH)部74aとボトムピークホールド(PH)部74bはほぼ同一の回路構成を有するものであり、以下ではこれらを総称してピークホールド(PH)部と称する場合がある。
2つのピークホールド部によって生成された2つのエンベロープはスライス回路75aに入力され、上述したスライスホールド信号のタイミングで、2つのエンベロープの中間値がスライスレベルとして固定される。本実施形態では、ピットポジション記録方式が採用されており、ノーマル再生信号NP,NNの差分信号と、固定されたスライスレベルとが比較器75bによって比較されてウィンドウ信号が作成される。
2値化回路78には、ウィンドウ信号と上述した微分再生信号DP,DNが入力され、微分再生信号DP,DNがゼロクロス比較され、さらに、その比較結果とウィンドウ信号との論理和が演算されて2値の再生データが得られる。
このようにして得られた再生データは、記録媒体に対する記録や再生に適するように記録時に変調されたデータであり、この再生データが復調回路79で通常のデータに復調されて全体制御部41に入力される。
再生回路61には欠陥検出部76が備えられており、ID信号の基となる2つの信号IDP,IDNが入力されて、光ディスクのMO部における欠陥が後述するように検出される。欠陥検出部76による検出結果を表す判定信号は、トップピークホールド(PH)部74aとボトムピークホールド(PH)部74bとの双方に入力され、ピークを追随する感度が、後述するように判定信号によって設定される。また、判定信号は、2値化回路78にも入力され、2値化回路78の動作非動作が判定信号によって設定される。但し、判定信号の入力先は、全体制御部41によって適宜に振り分けられているものとする。
シリアルインターフェース77は、全体制御部41に接続されており、リード動作時における各種設定が、全体制御部41によってシリアルインターフェース77を介して実行される。
以下、欠陥検出部76とピークホールド(PH)部の詳細について説明する。但し、以下の説明では、トップピークホールド部としての構成を代表として用いた説明を行い、ボトムピークホールド部としての構成については補足説明にとどめる。
図5は、本発明の欠陥検出回路の第1実施形態とピークホールド部を示す図であり、図6は、そのピークホールド部で生成されるエンベロープ信号を示す図である。
図5に示す欠陥検出回路76_1は、図4に示す欠陥検出部76として組み込まれる回路であり、図5に示すピークホールド部74は、図4に示すトップピークホールド(PH)部74aとして組み込まれる回路である。
欠陥検出回路76_1には、本発明にいう強度信号取得部の一例である差分回路81と、本発明にいう欠陥判定部の一例である比較器83が備えられており、この欠陥検出回路76_1は、単純で小規模な回路である。
差分回路81には、ID信号の基となる2つの信号IDP,IDNが入力され、これら2つの信号IDP,IDNの差分であるID信号が電圧信号として生成される。
このID信号の信号レベルが、比較器83によって、スライス電圧発生器82によって発生されるスライス電圧と比較されて2値の判定信号が出力される。信号レベルがスライス電圧を越えているときの判定信号の値は、欠陥有を表す値「1」であり、スライス電圧以下であるときの判定信号の値は、欠陥無を表す「0」である。
図6のパート(B)には、ID信号17とスライス電圧18が示されており、ここに示すID信号17は、レーザビームのスポットがMO部を辿っているときのID信号である。MO部は平らな形状をしているので、MO部に欠陥が生じている場合には、その欠陥によってレーザビームの反射光量が大きく変化してID信号17の信号レベルも大きく変化する。このため、ID信号17のレベルとスライス電圧18とを比較することで、MO部における欠陥を高精度に検出することができる。
なお、ここで、本発明との対比のために、図6のパート(A)に示す偏光信号(MO信号)13_1とスレッショルドレベルとの比較によって欠陥の有無を判定することを想定してみる。すると、MO信号には欠陥による波形変化が正常な波形と混在しているので、スレッショルドレベルを正常な波形の最大振幅以上に、且つ、欠陥をより正確に検出する為になるべく低く設定する必要があり、設定が非常に困難であることがわかる。また、MO信号の変化は光の偏光方向の変化を表しているので、欠陥に対するMO信号の挙動を予測することは困難であり、場合によっては正常波形振幅よりも小さな振幅の信号波形となって、スレッショルドレベルとの比較による判定が不可能であることもあり得る。
図5に示す比較器83によって生成された判定信号は、上述したID部/MO部切り換え信号とともにANDゲート84に入力される。ID部/MO部切り換え信号は、光ディスクに照射されたレーザビームのスポットがID部上に存在するときには値「0」となり、レーザビームのスポットがMO部に存在するときには値「1」となる信号である。このため、比較器83によって出力された判定信号は、レーザビームのスポットがMO部に存在するときにだけピークホールド部74へ入力される。
ピークホールド部74は、上述した比較例のピークホールド回路が備えている1つのチャージ定電流電源に替えて2つのチャージ定電流電源21a、21bを備えている点で比較例と相違する回路であり、比較例と同一の構成要素については同一の符号を付して重複説明を省略する。ただし、ここに示す電流値設定系24は、図4に示すシリアルインターフェース77および全体制御部41による設定機能を表している。また、2つのチャージ定電流電源21a、21bによる合計のチャージ電流値は、比較例に備えられている1つのチャージ定電流電源によるチャージ電流値に等しい。なお、図4に示すボトムピークホールド(PH)部74bの場合には、比較例と同様に1つのチャージ定電流電源が備えられるとともに、比較例に備えられている1つのディスチャージ定電流電源に替えて2つのディスチャージ定電流電源が備えられる。
ピークホールド部74に備えられている2つのチャージ定電流電源21a、21bのうちの一方のチャージ定電流電源21bには、欠陥検出回路76_1による検出結果を表す判定信号が入力される。欠陥検出回路76_1による検出結果が欠陥無という検出結果であればチャージ定電流電源21bの動作がオン状態となり、ピークホールド部74は、上述した比較例と全く同じ動作でエンベロープ信号を生成する。一方、欠陥検出回路76_1による検出結果が欠陥有という検出結果であればチャージ定電流電源21bの動作がオフ状態となり、ピークホールド部74が再生信号のピークに追随する感度が上述した比較例よりも低くなる。つまり、チャージ定電流電源21bは、本発明にいう感度設定部として機能する。
図6のパート(A)には、図1のパート(C)に示した偏光信号13_1と同じ偏光信号(MO信号)13_1が示されている。また、トップ側およびボトム側それぞれのピークホールド部によって生成されるエンベロープ信号14_2,15_2も示されている。
欠陥が存在しない間は、図6のパート(B)に示すID信号17のレベルはスライス電圧18以下であり、エンベロープ信号14_2,15_2は、偏光信号13_1のトップピークおよびボトムピークに追従する。レーザビームのスポットが欠陥部に遭遇するとID信号17のレベルがスライス電圧18を越えて、欠陥検出回路が欠陥を検出し、ピークホールド回路がピークに追随する感度が下がる。このため、偏光信号13_1の波形に急激な変化が生じてもエンベロープ信号14_2,15_2の変化は小さい。その後、レーザビームが欠陥を通過するとスライスレベル16_2が速やかに正常なレベルに復帰する。従って、比較例で生じたようなスライスレベルの大幅なずれは本実施形態では回避され、スライスホールドされた後には正常な2値化作業が行われることとなる。
以上で、本発明の欠陥検出回路の第1実施形態についての説明を終了し、以下では、この第1実施形態に替えて図4に示す欠陥検出部76として組み込まれる他の実施形態の欠陥検出回路について説明する。
図7は、本発明の欠陥検出回路の第2実施形態を示す図である。
この図7に示す欠陥検出回路76_2には、図5に示す欠陥検出回路76_1と同様に差分回路81とスライス電圧発生器82と比較器83が備えられており、更に別のスライス電圧発生器85と比較器86も備えられている。そして、2つの比較器83,86の比較結果がORゲート87によって統合されて判定信号が生成され、ANDゲート84に入力される。
欠陥の存在は、レーザビームの反射光量およびID信号レベルを増大させる場合もあるし、減少させる場合もある。そこで、第2実施形態ではスライス電圧発生器と比較器が2組備えられてID信号の両極性の変化がモニタされており、高精度な欠陥検出が期待される。
図8は、欠陥検出回路の第3実施形態を示す図である。
この図8に示す欠陥検出回路76_3は、増幅器88を備えている点を除いて、図7に示す欠陥検出回路76_2と同等な回路である。
ID信号は、本来は、明瞭な凹凸ピットによって記録されているID信号を再生するために用いられる信号であるため、欠陥に起因する反射光量の変化では信号レベルの変化が小さすぎる可能性がある。そこで、第3実施形態では、増幅器88によってID信号が増幅されることにより、小さな欠陥に対する検出精度が高められている。
図9は、欠陥検出回路の第4実施形態を示す図である。
この図9に示す欠陥検出回路76_4は、図8に示す欠陥検出回路76_3に対し、電圧値設定系89,90によってスライス電圧発生器のスライス電圧が設定される機能が付加された回路である。これらの電圧値設定系89,90は、図4に示すシリアルインターフェース77および全体制御部41による設定機能を表している。
このような電圧値設定系89,90によってスライス電圧が設定されることにより欠陥の検出感度が設定されることとなる。また、スライス電圧が、レーザパワーや媒体の種類などに応じた最適値にチューニングされることにより、検出精度が向上する。
図10は、欠陥検出回路の第5実施形態を示す図である。
この図10に示す欠陥検出回路76_5は、図5に示す欠陥検出回路76_1に対してディレイ制御回路91が付加された回路である。
この図10に示すディレイ制御回路91は、判定信号の立ち下がりタイミングだけを所定時間遅延させる回路である。このような遅延により、判定信号が立ち上がっている時間間隔が長くなるので、仮に、レーザスポットが欠陥の位置を通過している途中で判定信号の立ち下がりが生じても、再生エラーを回避することができる。
図11は、欠陥検出回路の第6実施形態を示す図である。
この図11に示す欠陥検出回路76_6は、図9に示す欠陥検出回路76_4に対し、Enable信号92に応じて判定信号の出力が制限される機能が付加された回路である。
ここでは、Enable信号92は、リード動作時には値「1」となり、ライト動作における再生確認の際には値「0」となる信号である。このようなEnable信号92によって判定信号の出力が制限されると、ライト動作における再生確認の際には、判定信号が出力されず、欠陥が存在する場合でもピークホールド部は通常の感度でMO信号のピークに追随し、図1のパート(C)に示すようにスライスレベル16のずれが生じる。この結果、再生確認の際には、正常の再生時よりも欠陥による再生エラーが発生しやすく、欠陥セクタを積極的に交替させることができる。このように欠陥セクタを積極的に交替させることによって、情報の記録品質が向上する。
ところで、上述した各実施形態では、欠陥検出回路の判定信号によってチャージ定電流電源のオンオフ状態が切り換えられることによってチャージ電流値が切り換えられて、エンベロープの追随感度が変化するが、そのときの感度の変化量が調整可能であることが望ましい。
図12は、感度の変化量が調整可能なピークホールド部を示す図である。
この図に示すピークホールド部には、欠陥検出回路76_6の判定信号によってオンオフ状態が切り換えられるチャージ定電流電源のチャージ電流値を設定する電流値設定部24’が設けられている。このため、例えば、リード動作に信号再生に失敗した時や、ライト動作時に再生確認に失敗した時などに、チャージ電流値を設定し直して最適の感度変化量にチューニングすることができ、これにより、信号再生能力を向上させることができる。
図13は、ピークホールド部の別の形態を示す図である。
この図13に示すピークホールド部74’は、図2に示す比較例のピークホールド回路20に対し、アナログスイッチ29が付加された回路である。この図13に示すピークホールド部74’も、図4に示すトップピークホールド(PH)部74aとして組み込まれる回路である。
ここでは、欠陥検出回路76_6から出力される判定信号はアナログスイッチ29に入力され、欠陥無という判定結果に応じてアナログスイッチ29がオン状態となり、欠陥有という判定結果に応じてアナログスイッチ29がオフ状態となる。
アナログスイッチ29がオン状態にあるときは、ピークホールド部74’は比較例のピークホールド回路20と全く同様の回路となり、再生信号のピークを所定の感度で追尾する。一方、アナログスイッチ29がオフ状態にあるときは、ピークホールド部74’の出力が固定され、ピークホールド部74’が再生信号のピークを追尾する感度は「0」となる。従って、アナログスイッチ29は、本発明にいう感度設定部の一例である。
図14は、図13に示すピークホールド部によって生成されるエンベロープ信号を示す図である。
図14のパート(A)には、ピークホールド部74’によって生成されるエンベロープ14_3,15_3が示されている。
欠陥が存在しない間は、図14のパート(B)に示すID信号17のレベルはスライス電圧18以下であり、エンベロープ信号14_3,15_3は、偏光信号13_1のトップピークおよびボトムピークに追従する。レーザビームのスポットが欠陥部に遭遇するとID信号17のレベルがスライス電圧18を越えて、欠陥検出回路が欠陥を検出し、エンベロープ信号14_3,15_3の値が固定される。このため、偏光信号13_1の波形が大幅に変動してもエンベロープ信号14_3,15_3およびスライスレベル16_3は変動しない。その後、レーザビームが欠陥を通過してID信号17がスライス電圧18以下に戻るとエンベロープ14_3,15_3の固定が解除され、エンベロープ14_3,15_3は偏光信号13_1の波形に対して速やかに収束する。従って、スライスレベル16_3も、本来のレベルに速やかに収束することとなり、偏光信号13_1の大幅な波形変動に起因する再生エラーが回避される。
図15は、欠陥検出回路の第7実施形態を示す図である。
この図15に示す欠陥検出回路76_7は、図11に示す欠陥検出回路76_6に対し、カウンタ93とレジスタ94と比較器95が付加された回路である。ただし、ここに示すEnable信号は、ライト動作における再生確認の際に値「1」となる信号である。
この図15に示す欠陥検出回路76_7は、上述した各実施形態の欠陥検出回路よりも複雑な回路であるが、十分に小規模な回路で実現することができる。
レジスタ94には、図4に示すシリアルインターフェース77を介して全体制御部により欠陥カウントスライス値が入力されて保持される。
カウンタ93には、判定信号とリードクロックが入力され、判定信号の値が「1」であるとカウンタ93はリードクロックをカウントする。つまり、カウンタ93のカウント値は欠陥の大きさを示すことになる。
カウンタ93のカウント値が、レジスタ94に保持されている欠陥カウントスライス値よりも大きな値となった場合は、比較器95から2値化作業を停止させる信号が出力されて、図4に示す2値化回路78に入力される。この結果、再生エラーが強制的に生じさせられて、再生確認中のセクタが欠陥セクタとして交替の対象となり、情報記録の品質が向上することとなる。
なお、上記実施形態では、欠陥検出回路における欠陥判定方法として極めて単純な判定方法が例示されているが、本発明にいう欠陥判定部では別の判定方法が用いられてもよい。
また、上記説明では、欠陥検出回路による判定結果の利用方法として、ピークホールド部の感度設定と、2値化回路のオンオフ設定が例示されているが、本発明の欠陥検出回路は、これらの利用方法に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、本発明にいう情報記憶媒体の一例として光ディスクが例示されているが、本発明にいう情報記憶媒体の形状はディスク状に限定されるものではなく、カード型などといった他の形状であってもよい。
以上説明したように、本発明によれば、小規模で高精度な欠陥検出手段が得られる。このため、記録時における欠陥区画の的確な排除と、再生時における再生能力の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、情報記憶媒体に記録された規定の繰り返しマーク(VFO)を示す図である。
図2は、ピークホールド回路の比較例を示す図である。
図3は、本発明の情報記憶装置の一実施形態である光ディスク装置のブロック図である。
図4は、再生回路の詳細を示す図である。
図5は、本発明の欠陥検出回路の第1実施形態とピークホールド部を示す図である。
図6は、図5に示すピークホールド部で生成されるエンベロープ信号を示す図である。
図7は、本発明の欠陥検出回路の第2実施形態を示す図である。
図8は、欠陥検出回路の第3実施形態を示す図である。
図9は、欠陥検出回路の第4実施形態を示す図である。
図10は、欠陥検出回路の第5実施形態を示す図である。
図11は、欠陥検出回路の第6実施形態を示す図である。
図12は、感度の変化量が調整可能なピークホールド部を示す図である。
図13は、ピークホールド部の別の形態を示す図である。
図14は、図13に示すピークホールド部によって生成されるエンベロープ信号を示す図である。
図15は、欠陥検出回路の第7実施形態を示す図である。
本発明は、情報記憶媒体に対して少なくとも情報再生を行う情報記憶装置、および情報記憶媒体の欠陥を検出する欠陥検出回路に関する。
背景技術
従来より、音声信号や画像信号を記憶する大容量の記憶媒体として、CD,CD−ROM,CD−R,DVD,PD,MO,MD等といった情報記憶媒体が広く使われている。特に、情報が磁気マークで記録されて光で再生される光磁気記憶方式の情報記憶媒体は、情報の書き換えが可能な高密度記憶媒体として注目されており、さらなる高記録密度化などのために盛んに研究開発が行われている。また、そのような情報記憶媒体に対する情報再生や情報記憶を行う情報記憶装置の研究開発もさかんに行われている。
ところで、情報記憶媒体には、製造時や使用時に傷などの欠陥が生じる場合がある。このような欠陥はしばしば記録エラーの原因となる。そこで従来は、出荷時や情報記録時に情報の書込みと再生チェックを行い、エラーレートを測定することによって欠陥を検出している。記憶領域のうち、エラーレートが高い区画は、欠陥が存在する欠陥区画として処理され、その区画への情報記録が回避される。
しかし、情報記憶媒体には、小さな欠陥が生じる場合もあり、このような小さな欠陥が存在する区画では、情報記録や情報再生が失敗する場合もあるし、成功する場合もある。ある区画について、情報記録時における再生チェックには成功し、その後、記録情報が必要となったときの情報再生に失敗した場合には、その区画に記録された情報が失われてしまうこととなる。
このため、情報記憶装置は、このような小さな欠陥を高精度に検出することができる欠陥検出手段を備えることが望ましく、この欠陥検出手段を備えることにより、記録時における欠陥区画の的確な排除と、再生時における再生能力の向上が図られる。
しかし、欠陥検出手段として光学部品が追加されると、装置の小型化を妨げるという不都合を生じる。従って、信号処理によって欠陥を検出することができる欠陥検出回路を備えることが望ましいが、小規模で高精度な欠陥検出回路は知られていない。
発明の開示
本発明は、上記事情に鑑み、小規模で高精度な欠陥検出手段を備えた情報記憶装置、および小規模で高精度な欠陥検出回路を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の情報記憶装置は、所定の情報記憶領域に光磁気記録方式で情報が記録される情報記憶媒体に対して、少なくとも情報再生を行う情報記憶装置において、
情報記憶媒体によって反射された反射光を受光して、その反射光の強度に応じた強度信号を出力する強度信号出力部と、
強度信号出力部が出力した強度信号を取得する強度信号取得部と、
強度信号取得部によって取得された強度信号を使って上記情報記憶領域における欠陥の有無を判定する欠陥判定部とを備えたことを特徴とする。
一般に、光磁気記録方式の情報記憶媒体には、多数の平行線状のトラックが設けられており、それら多数のトラックそれぞれに情報が記録される。また、各トラックは複数のセクタに分割されている。各セクタの先頭(ヘッダ)には、各セクタを判別するID情報が凹凸ピットで記録され、そのヘッダの後の平らなMO領域に磁気マークで任意情報が記録される。凹凸ピットで記録されたID情報は、情報記憶媒体による反射光の強度に基づいて読み出され、磁気マークで記録された情報は、反射光の偏光方向に基づいて読み出される。
本発明の情報記憶装置では、MO領域における欠陥の有無が、反射光の強度に応じた強度信号に基づいて判定される。上述した小さな欠陥が反射光の強度に与える影響は、反射光の偏光方向に与える影響よりも大きくかつ明確であるため、小規模な回路で高精度に欠陥判定を行うことができる。
本発明の情報記憶装置は、上記情報記憶媒体によって反射された反射光を受光して、該反射光の偏光方向に応じた偏光信号を出力する偏光信号出力部と、
偏光信号出力部が出力した偏光信号のピークを追尾してピーク値の残像を保持するピークホールド部と、
ピークホールド部がピークを追尾する感度を、欠陥判定部により欠陥無と判定された場合には第1の感度に設定し、欠陥判定部により欠陥有と判定された場合には第1の感度よりも低い第2の感度に設定する感度設定部とを備え、
上記ピークホールド部が、感度設定部によって設定された感度に従って偏光信号のピークを追尾するものであることが好適である。
情報記憶媒体による反射光の偏光方向に応じた偏光信号の信号レベルは、温度などといった使用環境やレーザパワーなどといった様々な要因で変動する。また、反射光の強度に応じた強度信号の信号レベルも、レーザパワーや媒体の種類などといった要因で変動する。このため、凹凸ピットや磁気マークで情報が記録される際には、その情報の先頭に規定の繰り返しマーク(VFO)が書き込まれており、情報再生時には、その繰り返しマークに起因する信号のトップピークとボトムピークが上記ピークホールド部によって測定され、それらトップピークとボトムピークの中間値がスライスレベルとして設定される。このスライスレベルが基準として用いられて記録情報に起因する信号が2値化され、記録情報が再生される。
ところが、上述した繰り返しマーク(VFO)が書き込まれている部分に欠陥が存在すると、スライスレベルが本来のレベルからずれてしまい、再生エラーを生じる。そこで、本発明の情報記憶装置では、欠陥判定部により欠陥有と判定された場合にピークホールド部の感度を下げることにより、スライスレベルのずれを防ぎ、正常な情報再生を実現する。
本発明の情報記憶装置は、上記感度設定部が、ピークホールド部がピークを追尾する感度を、欠陥判定部により欠陥有と判定された場合には感度0に設定するものであることも好適である。
このような感度設定部を備えた情報記憶装置によれば、欠陥が検出されたときにはスライスレベルのずれが0となる。
本発明の情報記憶装置が、情報記憶媒体に対して情報再生と情報記録とを行うものであるとともに、記録した情報の再生確認も行うものである場合には、この情報記憶装置は、
ピークホールド部がピークを追尾する感度を、情報の再生確認時に、上記第1の感度に固定する感度固定部を備えることが好適である。
また、本発明の情報記憶装置は、欠陥判定部により欠陥有と判定された場合に強制的に再生エラーを生じさせるエラー強制部を備えることも好適である。
この感度固定部やエラー強制部を備えた情報記憶装置によれば、欠陥が存在する場合には欠陥セクタを積極的に交替させることができるので、情報記録の品質が向上する。
本発明の情報記憶装置における欠陥判定部は、強度信号の信号レベルが所定の高位レベルを越えた場合に欠陥有と判定するものであってもよく、あるいは、強度信号の信号レベルが所定の低位レベルを下回った場合に欠陥有と判定するものであってもよい。また、この欠陥判定部は、これら高位レベルと低位レベルとの双方を用いて両極性の欠陥判定を行うものであることが好ましい。
強度信号の信号レベルは、欠陥によって上昇することが多いが下降することもある。そこで、両極性の欠陥判定が行われることにより高い判定精度が得られる。
また、このような欠陥判定部は、強度信号の信号レベルが所定の高位レベルを所定時間間隔以上継続して越え続けた場合や、所定の低位レベルを所定時間間隔以上継続して下回り続けた場合に欠陥有と判定するものであってもよい。この場合には、欠陥のサイズが所定サイズを超えた場合に欠陥有と判定されることとなる。
さらに、これらの欠陥判定部は、上記高位レベルが設定自在なものであることや、上記低位レベルが設定自在なものであることが好ましい。このような欠陥判定部を有する情報記憶装置によれば、高位レベルや低位レベルを最適値にチューニングして欠陥判定能力や情報再生能力を向上させることができる。
本発明の情報記憶装置は、「上記強度信号取得部が、取得した強度信号を増幅するものであり、かつ
上記欠陥判定部が、強度信号取得部によって増幅された強度信号を使って、上記情報記憶領域における欠陥の有無を判定するものである」ということも好適である。このような情報記憶装置によれば、強度信号の増幅によって欠陥判定精度が向上する。
また、本発明の情報記憶装置は、「上記欠陥判定部が、欠陥の有無を判定した結果を2値で表す判定信号を出力するものであり、かつ
欠陥判定部によって出力された判定信号を受け取り、欠陥有という判定結果を表す信号値から欠陥無という判定結果を表す信号値への該判定信号の変化タイミングを遅延させて出力する遅延部を備える」ということも好適である。このような情報記憶装置によれば、上記強度信号や上記判定信号の変化タイミングと、欠陥の存在位置との誤差の影響を排除することができる。
上記目的を達成する本発明の欠陥検出回路は、所定の情報記憶領域に光磁気記録方式で情報が記録される情報記憶媒体の欠陥を検出する欠陥検出回路であって、
情報記憶媒体が反射した反射光の強度を表す強度信号を取得する強度信号取得部と、
強度信号取得部によって取得された強度信号を使って上記情報記憶領域における欠陥の有無を判定する欠陥判定部とを備えたことを特徴とする。
なお、本発明の欠陥検出回路については、ここではその基本形態のみを示すのにとどめるが、これは単に重複を避けるためであり、本発明の欠陥検出回路には、上記の基本形態の欠陥検出回路のみではなく、前述した情報記憶装置の各形態に対応する各種の形態の欠陥検出回路が含まれる。
発明を実施するための最良の形態
まず、ピークホールド回路を用いてスライスレベルを決定する原理について比較例を用いて説明し、その後、本発明の実施形態について説明する。
図1は、情報記憶媒体に記録された規定の繰り返しマーク(VFO)を示す図である。
この図1のパート(A)には、光磁気記録方式で情報が記録されるMO領域の先頭付近が示されており、規定の繰り返しマーク(VFO)が書き込まれるVFO部分10に続いて、情報を表すマークが書き込まれる情報部分11が設けられている。
図1のパート(B)には、パート(A)に示す領域に書き込まれているマークから得られた偏光信号13の波形が示されており、以下説明するピークホールド回路によってこの偏光信号13の波形のエンベロープ14,15が求められる。
図2は、ピークホールド回路の比較例を示す図である。
このピークホールド回路20には、チャージ定電流電源21と、ディスチャージ定電流電源22が備えられており、チャージ定電流電源21は一定のチャージ電流でコンデンサ23に電荷をチャージし、ディスチャージ定電流電源22は一定のディスチャージ電流でコンデンサ23から電荷をディスチャージする。ディスチャージ定電流電源22におけるチャージ電流の値は、電流値設定系24によって設定されるものであり、チャージ電流の値よりも小さい値の電流がディスチャージ電流として設定される。従って、コンデンサ23には、チャージ電流からディスチャージ電流が差し引かれた実効チャージ電流によって電荷が蓄積され、ある程度の時間が経過するとコンデンサ23の電荷が飽和する。コンデンサ23の電荷が飽和しているときにも、ディスチャージ定電流電源22は常にコンデンサ23の電荷をディスチャージし続けており、ディスチャージされた分の電荷は、チャージ定電流電源21によって遅滞なくチャージされる。
出力端子25からは、コンデンサ23に蓄積されている電荷に比例した電圧信号がエンベロープ信号として出力される。
このピークホールド回路20には、上述した偏光信号が再生信号としてオペアンプ26とダイオード27を介して入力され、点28には再生信号に応じた電圧が印加される。コンデンサ23が蓄電可能な電荷量は、この点28に印加された電圧に比例した電荷量であり、コンデンサ23の電荷が飽和したときには、点28の電圧と同じ電圧の信号が出力端子25からエンベロープ信号として出力される。
コンデンサ23の電荷が飽和しているときに再生信号が変化すると、コンデンサ23が蓄電可能な電荷量も変化する。蓄電可能な電荷量が増えると、コンデンサ23は未飽和となり、上述した実効チャージ電流によってコンデンサ23に電荷が蓄積される。一方、蓄電可能な電荷量が減ると、コンデンサ23は過飽和となり、上述したディスチャージ電流によってコンデンサ23から電荷が放出される。コンデンサ23が未飽和あるいは過飽和であるときには、エンベロープ信号が再生信号から未飽和量や過飽和量に応じた電圧だけずれており、未飽和や過飽和が解消されるにつれてエンベロープ信号は再生信号に近づいていく。エンベロープ信号が再生信号に近づく早さは、実効チャージ電流およびディスチャージ電流に比例している。このため、実効チャージ電流がディスチャージ電流よりも大幅に大きい場合には、エンベロープ信号は、再生信号のレベル上昇に対して速やかに追随するとともに、再生信号のレベル下降に対して大幅な遅れを生じる。即ち、エンベロープ信号は、高レベル側への信号ピーク(トップピーク)を追尾するとともにそのトップピークの残像を保持することとなり、図1に示す高レベル側のエンベロープ14が得られる。逆に、実効チャージ電流がディスチャージ電流よりも大幅に小さい場合には、エンベロープ信号は、低レベル側への信号ピーク(ボトムピーク)を追尾するとともにそのボトムピークの残像を保持することとなり、図1に示す低レベル側のエンベロープ15が得られる。以下の説明では、エンベロープ信号とエンベロープとを区別せずに用いる場合がある。
一般に、情報記憶装置には、2つのピークホールド回路が備えられており、その2つのピークホールド回路のうちの一方は、高レベル側のエンベロープ14を得るためのトップピークホールド部として機能し、他方は、低レベル側のエンベロープ15を得るためのボトムピークホールド部として機能する。
トリガ信号12は、2つのエンベロープ14,15が偏光信号13の波形に対して十分に収束していると経験から予想される所定タイミングで立ち上がり、その立ち上がりのタイミングでスライスホールドが行われてスライスレベル16が固定される。その後、偏光信号13は、固定されたスライスレベル16を基準とした2値化処理によって2値化され、情報部分11に記憶されている情報が再生される。
ここで、VFO部分10に欠陥が存在すると、図1のパート(C)に示すように、偏光信号13_1の波形は、欠陥の位置で急激な変動を生じる。そして、従来の情報記憶装置では、2つのエンベロープ14_1,15_1のうちの一方のエンベロープ14_1が、欠陥後しばらくの間は本来のエンベロープから大きく振られた状態になる。このため、スライスレベル16_1も欠陥後しばらくの間は本来のレベルからずれており、その間にトリガ信号12が立ち上がると、スライスレベル16_1は、本来のレベルからずれたまま固定されてしまい、再生エラーの原因となる。
このようなスライスレベルのずれを避けるために、従来は、再生エラーの後にリードリトライが行われる時に、トリガ信号12の立ち上がりタイミングが変更されている。
しかし、リードリトライ後の対処は、読出し速度の低下を招く。また、スライスホールドのタイミングが先頭側に変更された場合には、エンベロープ14_1,15_1が偏光信号の波形13_1に十分に収束せずに、DCオフセットが十分に除去できていない状態でスライスホールドが行われて、スライスズレが生じるおそれがあった。
このような比較例の問題点を踏まえて、以下、本発明の実施形態について説明する。
図3は、本発明の情報記憶装置の一実施形態である光ディスク装置のブロック図である。
この光ディスク装置では、本発明にいう情報記憶媒体として光ディスクが用いられる。
光ディスク装置はコントローラ40と光ヘッド部30を備えている。
この図3では光ヘッド部30は1つの四角形で示されているが、実際には、光ヘッド部30は可動部と固定部とで構成されている。可動部は光ディスクに対し半径方向に移動されるものであり、固定部は光ディスク装置の筐体に固定されたものである。
光ヘッド部30にはボイスコイルモータ(VCM)34が設けられており、このVCM34は、光ヘッド部30の可動部を光ディスクの半径方向に移動して位置決めする。
レーザダイオード31は、ライト動作時のライトビーム、リード動作時のリードビーム、更にはイレーズ動作時のイレーズビームを発生する。
フォーカスアクチュエータ33は、光ヘッド部30に設けられている(ここでは図示を省略)対物レンズを光軸方向に移動して、光ディスク上に規定サイズのビームスポットが結像するように焦点の調整を行う。
光検出器32は、光ディスクに照射されたレーザビームが光ディスクによって反射されてなる反射光を受光する。光検出器32としては、ここでは一例として、受光面が4分割された4分割フォトディテクタが使用され、4つの受光面は、レンズやプリズムなどを介して反射光を受光する。4分割フォトディテクタは、4つの受光面それぞれにおける受光量に応じた4つの受光信号を出力し、これら4つの受光信号が所定の組み合わせで合成されることにより、トラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号が得られ、反射光の強度に応じた強度信号、および反射光の偏光方向に応じた偏光信号も得られる。
電磁石36は、イレーズ動作時における媒体の初期化のための外部磁界、又はライト動作時における外部磁界を発生する。温度センサ35は、光ディスク装置内部の環境温度を検出する。
光ヘッド部30の可動部には、対物レンズやフォーカスアクチュエータ33が搭載され、一方、固定部にはVCM34、光検出器32、レーザダイオード31、温度センサ35、電磁石36が設置されており、可能な限り可動側が軽量化されている。
スピンドルモータ64は、光ディスク装置内に挿入された光ディスクを回転駆動するものである。光ディスクを内包した光ディスクカートリッジが光ディスク装置にローディングされると、スピンドルモータ64の回転軸に光ディスクがチャッキングされ、チャッキング完了でスピンドルモータ64が起動されて、光ディスクが一定速度で回転される。
光ディスク装置の筐体外部に設けられたイジェクトボタンが押されると、光ディスクのチャッキングが解除され、光ディスクはイジェクトモータ66によって光ディスクカートリッジごと光ディスク装置の外部に送出される。
次にコントローラ40側を説明する。コントローラ40の機能は、マイクロプロセッサ(MPU)やデジタル・シグナルプロセッサ(DSP)のプログラム制御によって実現されている。この図3には、コントローラ40の機能ブロックが示されている。
コントローラ40には全体制御部41が設けられており、この全体制御部41は、インタフェース制御部47を介して、パーソナルコンピュータなどといった上位装置に対してコマンドやデータなどをやり取りする。また、この全体制御部41は、光ディスク装置内の各部を制御して、ライト動作、リード動作、およびイレーズ動作を行わせるものである。
全体制御部41は、電源投入時に初期化診断動作を行う。その後、インタフェース制御部47を介して上位装置から指定トラックへのアクセス要求を受けると、指定されたトラックアドレスに対するシーク動作を行わせ、目的とするトラック上にレーザビームのスポットの位置を維持するオントラック制御を行わせる。また、目的とするトラック上にビームスポットが維持された状態でライト動作、リード動作あるいはイレーズ動作を行わせる。
コントローラ40には、全体制御部41の他に、トラックサーボ制御部46、フォーカスサーボ制御部45、発光パワー制御部42、バイアス磁石制御部43およびモータ制御部44が設けられている。
トラックサーボ制御部46は、光検出器32の受光信号からトラッキングエラー検出部55によって検出されたトラッキングエラー信号を、ADコンバータ56を介して取り込む。また、トラックサーボ制御部46は、このトラッキングエラー信号に基づいて、DAコンバータ52およびVCMドライバ51を介したVCM34の制御を行って、シーク動作およびシーク動作完了後のオントラック制御を行う。
フォーカスサーボ制御部45は、光検出器32の受光信号からフォーカスエラー検出部57によって得られたフォーカスエラー検出信号をADコンバータ58を介して取り込む。また、フォーカスサーボ制御部45は、このフォーカスエラー検出信号に基づいて、DAコンバータ54およびアクチュエータドライバ53を介したフォーカスアクチュエータ33の制御を行って、レーザビームが規定のスポット径となるようにフォーカス制御する。
発光パワー制御部42は、全体制御部41によるライト動作、リード動作、イレーズ動作それぞれの制御指示のもとに、それぞれの動作用に規定された発光パワーとなるように、レーザ駆動回路59を介してレーザダイオード31の駆動電流を制御し、規定の発光パワーのレーザビームを出力させる。
バイアス磁石制御部43は、イレーズ動作時あるいはライト動作時に、電磁石ドライバ62を介して電磁石36を駆動して外部磁場を発生させる。
モータ制御部44は、全体制御部41より光ディスクのカートリッジ投入完了に基づく起動指令を受けると、スピンドルモータドライバ65を介してスピンドルモータ64を一定速度で回転駆動させる。また、このモータ制御部44は、全体制御部41よりイジェクトボタンの押下に基づく送出指令を受けると、イジェクトモータドライバ67を介してイジェクトモータ66を駆動させて光ディスクの送出を行わせる。
更に、この光ディスク装置には記録回路60と再生回路61が設けられている。記録回路60は、データ変調回路として動作し、ライト動作時に全体制御部41から書込データを受けとって変調信号を生成し、その変調信号をレーザ駆動回路59に供給してライトビームの光量を書込データに応じて変調制御する。再生回路61は、データ復調回路として機能し、光ヘッド部30の光検出器32から出力された受光信号に基づく強度信号および偏光信号を受け取り、その強度信号および偏光信号からデータを復調して全体制御部41に供給する。
図4は、再生回路の詳細を示す図である。
この図4に示す光ディスク68には、最小記録単位としてのセクタが多数設けられており、各セクタは、各セクタを判別するID情報が凹凸ピットのプリフォーマットにより再生専用の情報として記憶されているID部と、任意の情報が光磁気記録方式で記録される書き換え可能なMO部とで構成されている。ID部に記録されているID情報は、上述した強度信号が用いられて再生され、MO部に記録されている情報は、上述した偏光信号が用いられて再生される。なお、以下の説明では、強度信号のことをID信号と称し、偏光信号のことをMO信号と称する場合があるが、これは本発明の技術分野における習慣的な呼称であり、信号がID情報に起因するか否かに係わらず強度信号のことをID信号と称している。
光ディスク68からの反射光は、光学ヘッド30の光検出器32によって受光され、上述した4つの受光信号が出力される。そしてMO信号(偏光信号)用のヘッドアンプ37は、それら4つの受光信号が偏光方向により2つずつに分けられて合成されてなる2つの信号A、Bの差分A−Bを増幅して、反転非反転信号MOP,MONを生成する。これら2つの信号MOP,MONの差分が上述したMO信号に相当する。従って、光学ヘッド30の光検出器32およびMO信号(偏光信号)用のヘッドアンプ37は、本発明にいう偏光信号出力部の一例を構成している。
また、ID信号(強度信号)用のヘッドアンプ38は、上述した2つの信号A、Bの和A+Bを増幅して、反転非反転信号IDP,IDNを生成する。これら2つの信号IDP,IDNの差分は上述したID信号に相当する。従って、光学ヘッド30の光検出器32およびID信号(強度信号)用のヘッドアンプ38は、本発明にいう強度信号出力部の一例を構成している。
このように生成された4つの信号MOP,MON,IDP,IDNは再生回路61に送られる。
再生回路61では、ミュート71により上位制御部からのミュートゲート信号のタイミングで4つの信号MOP,MON,IDP,IDNからDCオフセットが除去される。また、マルチプレクサ72によって、上位制御部からのID部/MO部切り換え信号に従って、2つの信号IDP,IDNあるいは2つの信号MOP,MONが選択されてローパスフィルタ73に入力される。ローパスフィルタ73では、入力された2つの信号それぞれに対して、フィルタ処理、微分信号処理及びAGC処理等が施されて、ノーマル再生信号NP,NNと微分再生信号DP,DNが作成される。ノーマル再生信号NP,NNの差分信号が、再生信号としてトップピークホールド(PH)部74aとボトムピークホールド(PH)部74bとの双方に入力され、高レベル側および低レベル側それぞれのエンベロープが生成される。トップピークホールド(PH)部74aとボトムピークホールド(PH)部74bはほぼ同一の回路構成を有するものであり、以下ではこれらを総称してピークホールド(PH)部と称する場合がある。
2つのピークホールド部によって生成された2つのエンベロープはスライス回路75aに入力され、上述したスライスホールド信号のタイミングで、2つのエンベロープの中間値がスライスレベルとして固定される。本実施形態では、ピットポジション記録方式が採用されており、ノーマル再生信号NP,NNの差分信号と、固定されたスライスレベルとが比較器75bによって比較されてウィンドウ信号が作成される。
2値化回路78には、ウィンドウ信号と上述した微分再生信号DP,DNが入力され、微分再生信号DP,DNがゼロクロス比較され、さらに、その比較結果とウィンドウ信号との論理和が演算されて2値の再生データが得られる。
このようにして得られた再生データは、記録媒体に対する記録や再生に適するように記録時に変調されたデータであり、この再生データが復調回路79で通常のデータに復調されて全体制御部41に入力される。
再生回路61には欠陥検出部76が備えられており、ID信号の基となる2つの信号IDP,IDNが入力されて、光ディスクのMO部における欠陥が後述するように検出される。欠陥検出部76による検出結果を表す判定信号は、トップピークホールド(PH)部74aとボトムピークホールド(PH)部74bとの双方に入力され、ピークを追随する感度が、後述するように判定信号によって設定される。また、判定信号は、2値化回路78にも入力され、2値化回路78の動作非動作が判定信号によって設定される。但し、判定信号の入力先は、全体制御部41によって適宜に振り分けられているものとする。
シリアルインターフェース77は、全体制御部41に接続されており、リード動作時における各種設定が、全体制御部41によってシリアルインターフェース77を介して実行される。
以下、欠陥検出部76とピークホールド(PH)部の詳細について説明する。但し、以下の説明では、トップピークホールド部としての構成を代表として用いた説明を行い、ボトムピークホールド部としての構成については補足説明にとどめる。
図5は、本発明の欠陥検出回路の第1実施形態とピークホールド部を示す図であり、図6は、そのピークホールド部で生成されるエンベロープ信号を示す図である。
図5に示す欠陥検出回路76_1は、図4に示す欠陥検出部76として組み込まれる回路であり、図5に示すピークホールド部74は、図4に示すトップピークホールド(PH)部74aとして組み込まれる回路である。
欠陥検出回路76_1には、本発明にいう強度信号取得部の一例である差分回路81と、本発明にいう欠陥判定部の一例である比較器83が備えられており、この欠陥検出回路76_1は、単純で小規模な回路である。
差分回路81には、ID信号の基となる2つの信号IDP,IDNが入力され、これら2つの信号IDP,IDNの差分であるID信号が電圧信号として生成される。
このID信号の信号レベルが、比較器83によって、スライス電圧発生器82によって発生されるスライス電圧と比較されて2値の判定信号が出力される。信号レベルがスライス電圧を越えているときの判定信号の値は、欠陥有を表す値「1」であり、スライス電圧以下であるときの判定信号の値は、欠陥無を表す「0」である。
図6のパート(B)には、ID信号17とスライス電圧18が示されており、ここに示すID信号17は、レーザビームのスポットがMO部を辿っているときのID信号である。MO部は平らな形状をしているので、MO部に欠陥が生じている場合には、その欠陥によってレーザビームの反射光量が大きく変化してID信号17の信号レベルも大きく変化する。このため、ID信号17のレベルとスライス電圧18とを比較することで、MO部における欠陥を高精度に検出することができる。
なお、ここで、本発明との対比のために、図6のパート(A)に示す偏光信号(MO信号)13_1とスレッショルドレベルとの比較によって欠陥の有無を判定することを想定してみる。すると、MO信号には欠陥による波形変化が正常な波形と混在しているので、スレッショルドレベルを正常な波形の最大振幅以上に、且つ、欠陥をより正確に検出する為になるべく低く設定する必要があり、設定が非常に困難であることがわかる。また、MO信号の変化は光の偏光方向の変化を表しているので、欠陥に対するMO信号の挙動を予測することは困難であり、場合によっては正常波形振幅よりも小さな振幅の信号波形となって、スレッショルドレベルとの比較による判定が不可能であることもあり得る。
図5に示す比較器83によって生成された判定信号は、上述したID部/MO部切り換え信号とともにANDゲート84に入力される。ID部/MO部切り換え信号は、光ディスクに照射されたレーザビームのスポットがID部上に存在するときには値「0」となり、レーザビームのスポットがMO部に存在するときには値「1」となる信号である。このため、比較器83によって出力された判定信号は、レーザビームのスポットがMO部に存在するときにだけピークホールド部74へ入力される。
ピークホールド部74は、上述した比較例のピークホールド回路が備えている1つのチャージ定電流電源に替えて2つのチャージ定電流電源21a、21bを備えている点で比較例と相違する回路であり、比較例と同一の構成要素については同一の符号を付して重複説明を省略する。ただし、ここに示す電流値設定系24は、図4に示すシリアルインターフェース77および全体制御部41による設定機能を表している。また、2つのチャージ定電流電源21a、21bによる合計のチャージ電流値は、比較例に備えられている1つのチャージ定電流電源によるチャージ電流値に等しい。なお、図4に示すボトムピークホールド(PH)部74bの場合には、比較例と同様に1つのチャージ定電流電源が備えられるとともに、比較例に備えられている1つのディスチャージ定電流電源に替えて2つのディスチャージ定電流電源が備えられる。
ピークホールド部74に備えられている2つのチャージ定電流電源21a、21bのうちの一方のチャージ定電流電源21bには、欠陥検出回路76_1による検出結果を表す判定信号が入力される。欠陥検出回路76_1による検出結果が欠陥無という検出結果であればチャージ定電流電源21bの動作がオン状態となり、ピークホールド部74は、上述した比較例と全く同じ動作でエンベロープ信号を生成する。一方、欠陥検出回路76_1による検出結果が欠陥有という検出結果であればチャージ定電流電源21bの動作がオフ状態となり、ピークホールド部74が再生信号のピークに追随する感度が上述した比較例よりも低くなる。つまり、チャージ定電流電源21bは、本発明にいう感度設定部として機能する。
図6のパート(A)には、図1のパート(C)に示した偏光信号13_1と同じ偏光信号(MO信号)13_1が示されている。また、トップ側およびボトム側それぞれのピークホールド部によって生成されるエンベロープ信号14_2,15_2も示されている。
欠陥が存在しない間は、図6のパート(B)に示すID信号17のレベルはスライス電圧18以下であり、エンベロープ信号14_2,15_2は、偏光信号13_1のトップピークおよびボトムピークに追従する。レーザビームのスポットが欠陥部に遭遇するとID信号17のレベルがスライス電圧18を越えて、欠陥検出回路が欠陥を検出し、ピークホールド回路がピークに追随する感度が下がる。このため、偏光信号13_1の波形に急激な変化が生じてもエンベロープ信号14_2,15_2の変化は小さい。その後、レーザビームが欠陥を通過するとスライスレベル16_2が速やかに正常なレベルに復帰する。従って、比較例で生じたようなスライスレベルの大幅なずれは本実施形態では回避され、スライスホールドされた後には正常な2値化作業が行われることとなる。
以上で、本発明の欠陥検出回路の第1実施形態についての説明を終了し、以下では、この第1実施形態に替えて図4に示す欠陥検出部76として組み込まれる他の実施形態の欠陥検出回路について説明する。
図7は、本発明の欠陥検出回路の第2実施形態を示す図である。
この図7に示す欠陥検出回路76_2には、図5に示す欠陥検出回路76_1と同様に差分回路81とスライス電圧発生器82と比較器83が備えられており、更に別のスライス電圧発生器85と比較器86も備えられている。そして、2つの比較器83,86の比較結果がORゲート87によって統合されて判定信号が生成され、ANDゲート84に入力される。
欠陥の存在は、レーザビームの反射光量およびID信号レベルを増大させる場合もあるし、減少させる場合もある。そこで、第2実施形態ではスライス電圧発生器と比較器が2組備えられてID信号の両極性の変化がモニタされており、高精度な欠陥検出が期待される。
図8は、欠陥検出回路の第3実施形態を示す図である。
この図8に示す欠陥検出回路76_3は、増幅器88を備えている点を除いて、図7に示す欠陥検出回路76_2と同等な回路である。
ID信号は、本来は、明瞭な凹凸ピットによって記録されているID信号を再生するために用いられる信号であるため、欠陥に起因する反射光量の変化では信号レベルの変化が小さすぎる可能性がある。そこで、第3実施形態では、増幅器88によってID信号が増幅されることにより、小さな欠陥に対する検出精度が高められている。
図9は、欠陥検出回路の第4実施形態を示す図である。
この図9に示す欠陥検出回路76_4は、図8に示す欠陥検出回路76_3に対し、電圧値設定系89,90によってスライス電圧発生器のスライス電圧が設定される機能が付加された回路である。これらの電圧値設定系89,90は、図4に示すシリアルインターフェース77および全体制御部41による設定機能を表している。
このような電圧値設定系89,90によってスライス電圧が設定されることにより欠陥の検出感度が設定されることとなる。また、スライス電圧が、レーザパワーや媒体の種類などに応じた最適値にチューニングされることにより、検出精度が向上する。
図10は、欠陥検出回路の第5実施形態を示す図である。
この図10に示す欠陥検出回路76_5は、図5に示す欠陥検出回路76_1に対してディレイ制御回路91が付加された回路である。
この図10に示すディレイ制御回路91は、判定信号の立ち下がりタイミングだけを所定時間遅延させる回路である。このような遅延により、判定信号が立ち上がっている時間間隔が長くなるので、仮に、レーザスポットが欠陥の位置を通過している途中で判定信号の立ち下がりが生じても、再生エラーを回避することができる。
図11は、欠陥検出回路の第6実施形態を示す図である。
この図11に示す欠陥検出回路76_6は、図9に示す欠陥検出回路76_4に対し、Enable信号92に応じて判定信号の出力が制限される機能が付加された回路である。
ここでは、Enable信号92は、リード動作時には値「1」となり、ライト動作における再生確認の際には値「0」となる信号である。このようなEnable信号92によって判定信号の出力が制限されると、ライト動作における再生確認の際には、判定信号が出力されず、欠陥が存在する場合でもピークホールド部は通常の感度でMO信号のピークに追随し、図1のパート(C)に示すようにスライスレベル16のずれが生じる。この結果、再生確認の際には、正常の再生時よりも欠陥による再生エラーが発生しやすく、欠陥セクタを積極的に交替させることができる。このように欠陥セクタを積極的に交替させることによって、情報の記録品質が向上する。
ところで、上述した各実施形態では、欠陥検出回路の判定信号によってチャージ定電流電源のオンオフ状態が切り換えられることによってチャージ電流値が切り換えられて、エンベロープの追随感度が変化するが、そのときの感度の変化量が調整可能であることが望ましい。
図12は、感度の変化量が調整可能なピークホールド部を示す図である。
この図に示すピークホールド部には、欠陥検出回路76_6の判定信号によってオンオフ状態が切り換えられるチャージ定電流電源のチャージ電流値を設定する電流値設定部24’が設けられている。このため、例えば、リード動作に信号再生に失敗した時や、ライト動作時に再生確認に失敗した時などに、チャージ電流値を設定し直して最適の感度変化量にチューニングすることができ、これにより、信号再生能力を向上させることができる。
図13は、ピークホールド部の別の形態を示す図である。
この図13に示すピークホールド部74’は、図2に示す比較例のピークホールド回路20に対し、アナログスイッチ29が付加された回路である。この図13に示すピークホールド部74’も、図4に示すトップピークホールド(PH)部74aとして組み込まれる回路である。
ここでは、欠陥検出回路76_6から出力される判定信号はアナログスイッチ29に入力され、欠陥無という判定結果に応じてアナログスイッチ29がオン状態となり、欠陥有という判定結果に応じてアナログスイッチ29がオフ状態となる。
アナログスイッチ29がオン状態にあるときは、ピークホールド部74’は比較例のピークホールド回路20と全く同様の回路となり、再生信号のピークを所定の感度で追尾する。一方、アナログスイッチ29がオフ状態にあるときは、ピークホールド部74’の出力が固定され、ピークホールド部74’が再生信号のピークを追尾する感度は「0」となる。従って、アナログスイッチ29は、本発明にいう感度設定部の一例である。
図14は、図13に示すピークホールド部によって生成されるエンベロープ信号を示す図である。
図14のパート(A)には、ピークホールド部74’によって生成されるエンベロープ14_3,15_3が示されている。
欠陥が存在しない間は、図14のパート(B)に示すID信号17のレベルはスライス電圧18以下であり、エンベロープ信号14_3,15_3は、偏光信号13_1のトップピークおよびボトムピークに追従する。レーザビームのスポットが欠陥部に遭遇するとID信号17のレベルがスライス電圧18を越えて、欠陥検出回路が欠陥を検出し、エンベロープ信号14_3,15_3の値が固定される。このため、偏光信号13_1の波形が大幅に変動してもエンベロープ信号14_3,15_3およびスライスレベル16_3は変動しない。その後、レーザビームが欠陥を通過してID信号17がスライス電圧18以下に戻るとエンベロープ14_3,15_3の固定が解除され、エンベロープ14_3,15_3は偏光信号13_1の波形に対して速やかに収束する。従って、スライスレベル16_3も、本来のレベルに速やかに収束することとなり、偏光信号13_1の大幅な波形変動に起因する再生エラーが回避される。
図15は、欠陥検出回路の第7実施形態を示す図である。
この図15に示す欠陥検出回路76_7は、図11に示す欠陥検出回路76_6に対し、カウンタ93とレジスタ94と比較器95が付加された回路である。ただし、ここに示すEnable信号は、ライト動作における再生確認の際に値「1」となる信号である。
この図15に示す欠陥検出回路76_7は、上述した各実施形態の欠陥検出回路よりも複雑な回路であるが、十分に小規模な回路で実現することができる。
レジスタ94には、図4に示すシリアルインターフェース77を介して全体制御部により欠陥カウントスライス値が入力されて保持される。
カウンタ93には、判定信号とリードクロックが入力され、判定信号の値が「1」であるとカウンタ93はリードクロックをカウントする。つまり、カウンタ93のカウント値は欠陥の大きさを示すことになる。
カウンタ93のカウント値が、レジスタ94に保持されている欠陥カウントスライス値よりも大きな値となった場合は、比較器95から2値化作業を停止させる信号が出力されて、図4に示す2値化回路78に入力される。この結果、再生エラーが強制的に生じさせられて、再生確認中のセクタが欠陥セクタとして交替の対象となり、情報記録の品質が向上することとなる。
なお、上記実施形態では、欠陥検出回路における欠陥判定方法として極めて単純な判定方法が例示されているが、本発明にいう欠陥判定部では別の判定方法が用いられてもよい。
また、上記説明では、欠陥検出回路による判定結果の利用方法として、ピークホールド部の感度設定と、2値化回路のオンオフ設定が例示されているが、本発明の欠陥検出回路は、これらの利用方法に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、本発明にいう情報記憶媒体の一例として光ディスクが例示されているが、本発明にいう情報記憶媒体の形状はディスク状に限定されるものではなく、カード型などといった他の形状であってもよい。
以上説明したように、本発明によれば、小規模で高精度な欠陥検出手段が得られる。このため、記録時における欠陥区画の的確な排除と、再生時における再生能力の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、情報記憶媒体に記録された規定の繰り返しマーク(VFO)を示す図である。
図2は、ピークホールド回路の比較例を示す図である。
図3は、本発明の情報記憶装置の一実施形態である光ディスク装置のブロック図である。
図4は、再生回路の詳細を示す図である。
図5は、本発明の欠陥検出回路の第1実施形態とピークホールド部を示す図である。
図6は、図5に示すピークホールド部で生成されるエンベロープ信号を示す図である。
図7は、本発明の欠陥検出回路の第2実施形態を示す図である。
図8は、欠陥検出回路の第3実施形態を示す図である。
図9は、欠陥検出回路の第4実施形態を示す図である。
図10は、欠陥検出回路の第5実施形態を示す図である。
図11は、欠陥検出回路の第6実施形態を示す図である。
図12は、感度の変化量が調整可能なピークホールド部を示す図である。
図13は、ピークホールド部の別の形態を示す図である。
図14は、図13に示すピークホールド部によって生成されるエンベロープ信号を示す図である。
図15は、欠陥検出回路の第7実施形態を示す図である。
Claims (14)
- 所定の情報記憶領域に光磁気記録方式で情報が記録される情報記憶媒体に対して、少なくとも情報再生を行う情報記憶装置において、
前記情報記憶媒体によって反射された反射光を受光して、その反射光の強度に応じた強度信号を出力する強度信号出力部と、
前記強度信号出力部が出力した強度信号を取得する強度信号取得部と、
前記強度信号取得部によって取得された強度信号を使って前記情報記憶領域における欠陥の有無を判定する欠陥判定部とを備えたことを特徴とする情報記憶装置。 - 前記情報記憶媒体によって反射された反射光を受光して、該反射光の偏光方向に応じた偏光信号を出力する偏光信号出力部と、
前記偏光信号出力部が出力した偏光信号のピークを追尾してピーク値の残像を保持するピークホールド部と、
前記ピークホールド部がピークを追尾する感度を、前記欠陥判定部により欠陥無と判定された場合には第1の感度に設定し、前記欠陥判定部により欠陥有と判定された場合には前記第1の感度よりも低い第2の感度に設定する感度設定部とを備え、
前記ピークホールド部が、前記感度設定部によって設定された感度に従って前記偏光信号のピークを追尾するものであることを特徴とする請求項1記載の情報記憶装置。 - 前記感度設定部が、ピークホールド部がピークを追尾する感度を、欠陥判定部により欠陥有と判定された場合には感度0に設定するものであることを特徴とする請求項2記載の情報記憶装置。
- この情報記憶装置は、前記情報記憶媒体に対して情報再生と情報記録とを行うものであるとともに、記録した情報の再生確認も行うものであり、
前記ピークホールド部がピークを追尾する感度を、情報の再生確認時に、前記第2の感度に固定する感度固定部を備えたことを特徴とする請求項2記載の情報記憶装置。 - 前記欠陥判定部により欠陥有と判定された場合に強制的に再生エラーを生じさせるエラー強制部を備えたことを特徴とする請求項1記載の情報記憶装置。
- 前記欠陥判定部は、前記強度信号の信号レベルが所定の高位レベルを越えた場合に欠陥有と判定するものであることを特徴とする請求項1記載の情報記憶装置。
- 前記欠陥判定部は、前記強度信号の信号レベルが所定の高位レベルを所定時間間隔以上継続して越え続けた場合に欠陥有と判定するものであることを特徴とする請求項1記載の情報記憶装置。
- 前記欠陥判定部は、前記高位レベルが設定自在なものであることを特徴とする請求項6または7記載の情報記憶装置。
- 前記欠陥判定部は、前記強度信号の信号レベルが所定の低位レベルを下回った場合に欠陥有と判定するものであることを特徴とする請求項1記載の情報記憶装置。
- 前記欠陥判定部は、前記強度信号の信号レベルが所定の低位レベルを所定時間間隔以上継続して下回り続けた場合に欠陥有と判定するものであることを特徴とする請求項1記載の情報記憶装置。
- 前記欠陥判定部は、前記低位レベルが設定自在なものであることを特徴とする請求項9または10記載の情報記憶装置。
- 前記強度信号取得部が、取得した強度信号を増幅するものであり、
前記欠陥判定部が、前記強度信号取得部によって増幅された強度信号を使って、前記情報記憶領域における欠陥の有無を判定するものであることを特徴とする請求項1記載の情報記憶装置。 - 前記欠陥判定部が、欠陥の有無を判定した結果を2値で表す判定信号を出力するものであり、
前記欠陥判定部によって出力された判定信号を受け取り、欠陥有という判定結果を表す信号値から欠陥無という判定結果を表す信号値への該判定信号の変化タイミングを遅延させて出力する遅延部を備えたことを特徴とする請求項1記載の情報記憶装置。 - 所定の情報記憶領域に光磁気記録方式で情報が記録される情報記憶媒体の欠陥を検出する欠陥検出回路であって、
前記情報記憶媒体が反射した反射光の強度を表す強度信号を取得する強度信号取得部と、
前記強度信号取得部によって取得された強度信号を使って前記情報記憶領域における欠陥の有無を判定する欠陥判定部とを備えたことを特徴とする欠陥検出回路。
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