JPWO2003004647A1 - 遺伝子組換えエカリン及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

プロトロンビンを特異的に活性化する組換えエカリンタンパク質、及び当該蛋白質を、1)プロモーターの下流にエカリンをコードする遺伝子を組み込んだ発現ベクターにより形質転換された微生物または動物細胞からなる形質転換体を培養し、培養液または形質転換体中にエカリンを生成蓄積せしめこれを採取する工程、2)採取・回収されたエカリン含有溶液を精製し、純化されたエカリンを得る精製工程を含む遺伝子組換え技術を用いて効率的に製造する。組換えエカリンタンパク質の工業レベルでの製造を実用化することが可能になった。

Description

技術分野
本願発明は、新規なポリペプチドに関する。さらに詳細には、プロトロンビンを特異的に活性化する組換えエカリン並びに当該組換えエカリンの製造方法に関する。
背景技術
動物には、蛇毒を始めとしてクモ毒、サソリ毒、ハチ毒などのように強力な毒を有するものが存在し、その毒には神経毒や出血毒、血栓毒、生理活性ペプチド、細胞増殖因子活性など実用面で有用なものを含むことが明らかとなってきている。
エカリンはEchis carinatusより単離精製された(T.Morita等:J.Biochem.83,559−570,1978)蛇毒由来のプロテアーゼで、プロトロンビンを特異的に活性化することが知られており、エカリンをコードするcDNAはS.Nishida等によりクローニングされ(Biochemistry,34,1771−1778,1995)、その構造が明らかとなった。エカリンは糖タンパク質で、成熟型は総アミノ酸残基数426、Zn2+キレートのほか、disintegrinドメインやCys−richドメインを含み、RVV−X(Russell’s viper venom X アクチベーター)のH鎖との間に61%の相同配列を持つモザイク構造からなる金属プロテアーゼである。また、その酵素活性はEDTAで失活し、DFPやアンチトロンビンIIIで阻害を受けないことから、血液凝固第Xa因子とは全く異なる酵素である。
ところで、エカリンによる活性化対象となり得るプロトロンビンは、血液凝固因子群の一つであるトロンビンの前駆物質であり、活性化されたトロンビンは、生体内においては様々な基質と相互作用し、凝固、抗凝固的に作用する多機能を有するセリンプロテアーゼである。ヒト血中においてはプロトロンビンの活性化は血液凝固第Xa因子がプロトロンビンのArg−Thr及びArg−Ileの2箇所を限定分解することにより起こるのに対し、エカリンはArg−Ileのみを加水分解し、プロトロンビンから分子量の大きいメイゾトロンビンを生成する。また、プレトロンビン−2(プロトロンビンのglaドメイン、クリングルドメインが除かれたもの)から活性トロンビン(α−トロンビン)への変換(Arg−Ileの切断)はエカリンによってその基質特異性の高さから確実に行われる。Arg−Ileの切断は例えば同じセリンプロテアーゼに属するトリプシンによっても可能であるが、エカリンはその切断部位の特異性の高さから、トリプシンに観られるように他の部位を切断することはない。トリプシンを用いてプレトロンビン−2の活性化を行った場合、部分的にα−トロンビンへの活性化は認められるものの大部分は分解されてプレトロンビン−2すべてをα−トロンビンに変換することは不可能である。一方、プレトロンビン−2にエカリンを添加した場合、エカリンはプレトロンビン−2に1カ所しか存在しないArg−Ileのみを切断することから、プレトロンビン−2からα−トロンビンへの変換は分解産物を伴わず定量的に行うことが可能である。
生体内においてプロトロンビンがα−トロンビンに変化する過程においては、前述のメイゾトロンビンと呼ばれる中間体を経て活性化される。生体内では血液凝固第Xa因子によりプロトロンビンのArg−Ile部位が切断されメイゾトロンビンが生じ、続いてArg−Thr部分の切断が血液凝固第Xa因子により生じ、α−トロンビンへと活性化される。メイゾトロンビンは、蛋白分解酵素活性は有しているものの、α−トロンビンとは基質特異性が異なり、フィブリノーゲンに対する凝固活性は著しく低いが、プロテインCの活性化能は保持していることが知られている。このようにユニークな基質特異性を示すメイゾトロンビンは、生体内では血液凝固第Xa因子がプロトロンビンのArg−Thr及びArg−Ileの2箇所を切断することから、安定な状態では存在せずα−トロンビンへと変換されてしまう。しかしながら、プロトロンビンに対してエカリンを用いて活性化を行った場合、エカリンはArg−Ileのみを切断することから、安定なメイゾトロンビンを調製することが可能である。また、エカリンはビタミンK非存在下で生合成される異常プロトロンビンに対しても作用することから、血中の異常プロトロンビン濃度の測定に利用されている。
発明の開示
(発明が解決しようとする技術的課題)
上述のように、エカリンは産業上有用な活性を有することが明らかとなっているが、現段階では、その原料をEchis carinatusにしか頼らざるを得ず、量的な制限から産業上利用されるには至っていない。現状では、エカリンは試薬メーカーが試薬として販売をしているが、高価であること及び供給量の少なさから、産業上有用である大量のプレトロンビン−2の活性化やメイゾトロンビンの調製を行うのは不可能である。さらにこれら原料となる野生のEchis carinatusは、常に安定に供給される保証もなく、そのヘビの持つ毒性から飼育・繁殖作業はその従事者の安全面などを考慮すると大量のエカリンを得ることは困難を極めるものである。これらエカリンをEchis carinatusより調製することに由来する危険性と限界を考慮すれば、より安全で安定な供給が可能な原料や方法が期待される。
このような状況下、本願発明の課題は、トロンビンの工業的規模での効率的製造方法を確立することを前提とし、その有力な手段として遺伝子組換え技術によるエカリンを提供することである。
(その解決方法)
そこで、本願発明者等は上述の諸問題に鑑み鋭意検討した結果、遺伝子組換え技術を用いて、効率的なエカリンの製造方法をもたらす本願発明を完成するに到った。
すなわち、本発明の目的は、Arg−Ile部位の切断を介してプレトロンビン−2からα−トロンビンまたはプロトロンビンからメイゾトロンビンへの変換を媒介し得る遺伝子組換えエカリン(以下、「組換えエカリン」と称することがある)を提供することであり、配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列によって特徴づけられる分子量約80,000のタンパク質、あるいは上記蛋白質の1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列または前記いずれかのアミノ酸配列の部分配列または前記アミノ酸配列を含有するアミノ酸配列を有するペプチドまたは当該ペプチド群をもたらすことによって達成される。
また、本発明は、上記の組換えエカリンをコードし配列番号2に記載の塩基配列で示される遺伝子断片あるいは該タンパク質の一部のアミノ酸配列を含有するペプチドをコードする遺伝子断片並びにこれらの遺伝子断片を含むプラスミドを包含する。さらに、上記プラスミドによって形質転換された組換え微生物および動物細胞を包含する。また、これらの形質転換体を用いて、目的とする組換えエカリンタンパク質またはその一部のアミノ酸配列を含むペプチドを製造する方法を包含する。
発明を実施するための最良の形態
エカリンのタンパク質をコードする遺伝子は、文献(S.Nishida et.al.,Biochemistry,34,1771−1778 p.1995)に報告されている配列のものをテンプレートに用い、配列番号3及び配列番号4に記載の合成DNAをプライマーとして用いたPCR法を用いて得ることが可能である。
完全長のエカリンタンパク質の構造領域の一部をコードするcDNA断片を、適当な発現ベクターに組み込み、これを用いて適当な微生物又は動物細胞を形質転換し、形質転換体を培養することにより、エカリン又はその一部の蛋白質を生産することができる。エカリンタンパク質の一部を生産する場合は、ペプチド合成機を利用することもできる。
本発明のタンパク質をコードするDNAの上流に、分泌のための微生物用又は動物細胞用の適当なシグナル配列を接続すれば、該タンパク質を培地中に分泌発現させることも可能である。このように分泌型に改変したDNAは、培地中に分泌した該タンパク質を容易に回収できる点で有用である。シグナル配列としては、大腸菌用としてpel Bシグナル(S.P Lei et al.J.Bacteriology Vol.169,4379−4383,1987)、酵母用としてαfactorのシグナル(A.J.Brake,Yeast Genetic Engineering,p269 Butterworth,1989)、動物細胞用としてイムノグロブリンのシグナルSG−1(H.Maeda et al.Hum.Antibod.Hybridomas Vol.2,124−134,1991)、C25のシグナル(特許、国際公開番号WO 94/20632)などが挙げられる。
発現ベクターとしては、プラスミド、ウイルスベクター等を用いることができる。該発現ベクターに含まれるプロモーターは、宿主として用いる微生物又は動物細胞との組み合わせにより、SV40初期、SV40後期、サイトメガロウイルスプロモーター、ニワトリβアクチンなど、最終的に活性型のエカリンタンパク質が得られるのであればどのようなものでも良い。マーカー遺伝子として、微生物細胞用発現ベクターを用いる場合は、宿主として大腸菌を用いる場合はアンピシリン耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子、宿主として酵母を用いる場合はLeu2遺伝子などが利用される。また、動物細胞用発現ベクターを用いる場合は、アミノグリコシド3’ホスホトランスフェラーゼ(neo)遺伝子やジヒドロ葉酸還元酵素(dhfr)遺伝子、グルタミン合成酵素(GS)遺伝子などを利用できる。そのような発現ベクターの一例としてpCAGG−S1(Sal).dhfr.neoを図1に示す。選択用添加物質としては、G418、ネオマイシン、メソトレキセート等が例示される。
動物細胞用の発現ベクターの場合、宿主細胞として、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞やSP2/0等マウスミエローマ細胞、BHK21細胞、293細胞、COS細胞など様々な細胞が利用可能である。このようにして構築したエカリン発現ベクターを、例えば、COS7細胞(アフリカミドリザル由来)を宿主として一時的発現および、SP2/0細胞、CHO細胞を宿主として安定的発現させることができる。
宿主細胞の形質転換は公知の方法、例えば、リン酸カルシウム法、DEAEデキストラン法、リポフェクチン等を用いる沈殿法、プロトプラストポリエチレングリコール融合法、エレクトロポレーション法などが利用でき、用いる宿主細胞により適当な方法を選択すればよい。
本発明の組換えエカリンタンパク質は、以下の方法により製造される。上記の安定的発現をさせた動物細胞を通常の培養条件、例えば、選択マーカーとしてネオマイシン耐性遺伝子を用いた場合には、400μg/ml〜1mg/mlネオマイシン及び10%FCSを含有するMEMアルファ培地等で培養し、ネオマイシン耐性細胞を得た後、培養上清中のエカリン酵素活性を測定する。該エカリン産生形質転換細胞をもとに無血清条件下で増殖するクローンを得た後大量培養し、回収したその培養上清から、エカリンによるプロトロンビンのα−トロンビンへの活性化を指標に精製を行い製造することができる。
本発明の組換えエカリンタンパク質の分離、精製は、前述のプロトロンビン活性化能を指標に、タンパク質化学において通常使用される方法、例えば、塩析法、限外濾過法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換クロマトグラフィー法、疎水クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー法、逆相クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー法等を適宜選択して行えばよい。組換えエカリンタンパク質の好ましい精製例として、実施例9以下に示すような条件で、陽イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィーを順次行う方法が挙げられる。この方法により、組換えエカリンタンパク質を、プロトロンビン活性化能を指標にして、活性収率13%で比活性で2,600倍程度まで精製することができる。
かくして得られた精製画分を2−メルカプトエタノール存在下でドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)分析を行うことにより、分子量約80,000のメインバンドを確認することができる(図2)。
かくして得られるエカリンは、プロトロンビンを活性化する活性を有するものである。本発明のエカリンは、プロトロンビンからのメイゾトロンビンの調製、プレトロンビン−2からα−トロンビンへの活性化、異常プロトロンビン検出試薬への利用などが可能である。
また、上述のエカリン及びその一部のアミノ配列を含むポリペプチドは、今や常法となっている方法により、ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体を作製するための免疫抗原として使用される。かくして得られるエカリン及びその一部のアミノ配列を含むポリペプチドとの結合能を有する抗体並びに該タンパク質又はポリペプチドは、ウエスタンブロット法、ELISA法などの抗原検出系に利用することができ、診断薬を構築する材料となる。また、上記の抗体を適当な担体に結合させ、これを用いたアフィニティークロマトグラフィーにより、上記の抗原タンパク質を精製することができる。
以下に、実施例を挙げて本願発明を具体的に説明するが、本願発明はこれらの例に何ら限定されるものではない。なお、以下に示す調製例及び実施例では、特に断りのない限り、ファルマシア、バイオラド、和光純薬、宝酒造、東洋紡およびNew England BioLabs社製の試薬を使用した。
実施例1
(発現プラスミドの構築)
(1)発現プラスミドpCAGG−S1(Sal)の構築
ニワトリβ−アクチンプロモーター系発現プラスミドpCAGG(特開平3−168087)を制限酵素EcoR Iで消化し、T4 DNAポリメラーゼで平滑末端化した後、リン酸化Xho Iリンカー存在下、T4 DNAリガーゼで連結環状化したpCAGG(Xho)を構築した。このpCAGG(Xho)を制限酵素Sal Iで消化し、T4 DNAポリメラーゼで平滑末端化した後、T4 DNAリガーゼで連結環状化したpCAGG−Pv2を構築した。このpCAGG−Pv2を制限酵素Xho Iで消化した後、S1ヌクレアーゼ処理を行うことでXho I認識配列近傍の塩基を若干削り込んだ。ヌクレアーゼ処理の後、dNTP存在下、T4 DNAポリメラーゼで一本鎖部位を修飾した後、リン酸化Sal Iリンカー存在下、T4 DNAリガーゼで連結環状化したpCAGG−S1(Sal)を構築した。
(2)発現プラスミドpCAGG−S1(Sal).dhfrの構築
DHFR遺伝子を持つ発現プラスミドpSV2−dhfr(S.Subramani et.al.,Mol.Cell.Biol.,1,p854−864,1981)を制限酵素Bgl IIで消化した後、T4 DNAポリメラーゼで平滑末端化し、T4 DNAリガーゼで連結環状化したpSV2−dhfr−Bgnを構築した。さらにこのpSV2−dhfr−Bgnを制限酵素Pvu IIで消化した後、リン酸化Bgl IIリンカー存在下、T4 DNAリガーゼで連結環状化したpSV2−dhfr−BgBを構築した。このpSV2−dhfr−BgBを制限酵素Bgl II及びBamH Iで消化した後、アガロースゲル電気泳動により約1.7kbpの断片を取得した。上述のpCAGG−S1(Sal)を制限酵素BamH Iで消化した後、この1.7kbp断片とT4 DNAリガーゼで連結環状化したpCAGGS1.dhfrを構築した。
(3)発現プラスミドpCAGG−S1(Sal).dhfr.neoの構築
アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ(neo)の発現プラスミドpMClneo−polyA(K.R.Thomas et al.,Cell,51,p503−512,1987)を制限酵素Xho Iで消化した後、リン酸化BamH Iリンカー存在下T4 DNAリガーゼを用い連結環状化したpMC1neo−2Bを構築した。このpMC1neo−2Bを制限酵素BamH Iで消化し、アガロースゲル電気泳動により約1.1kbpの断片を取得した。上述のpCAGG−S1(Sal).dhfrを制限酵素BamH Iで消化した後、この約1.1kbpの断片とT4 DNAリガーゼで連結環状化したpCAGG−S1(Sal).dhfr.neoを構築した(図1)。
実施例2
(蛇毒エカリンcDNAの調製)
エカリンcDNAは文献(S.Nishida et al.,Biochemistry,34,p1771−1778,1995)に報告されている配列のものをテンプレートとして用い、配列:ATGCACTCGAGATGATCCAGATTCTCTTGGT(配列番号3)を有する合成DNAおよび配列:TGCATCTCGAGTTAGTAGGCTGTATTCACA(配列番号4)を有する合成DNAをプライマーとしてPCRを用いて、両端に制限酵素Xho Iの認識部位を導入した。この遺伝子を制限酵素Xho Iで消化した後、pUC18にサブクローニングしたpUC.ECを構築した。このプラスミドを常法によりエカリンcDNA部分のDNA塩基配列を確認した、開始コドンから終止コドンまでが文献通りの配列を持ったエカリンcDNAを取得できた(配列番号2)。
ここで得られたエカリンcDNAは配列番号1に記載のポリペプチドをコードする。
実施例3
(エカリン発現プラスミドの構築)
実施例1にあげたpCAGG−S1(Sal).dhfr.neoへ、実施例2で得られたエカリンcDNAを導入した。pCAGG−S1(Sal).dhfr.neoを制限酵素Sal Iで消化した後、仔ウシ小腸由来アルカリホスファターゼで脱リン酸化した。前述のpUC.ECを制限酵素Xho Iで消化し、エカリンcDNAをコードする約1.8kbpの断片をアガロースゲル電気泳動により精製した。脱リン酸化したプラスミドとエカリンcDNAをコードする断片とをT4 DNAリガーゼで連結環状化したpCAGG−S1.EC.dhfr.neoを構築した。
実施例4
(動物細胞を用いたエカリンの発現)
実施例3で記載したエカリン発現プラスミドpCAGG−S1.EC.dhfr.neoを用いてCHO細胞及びSP2/0 Ag14細胞を形質転換した。CHO細胞はリン酸カルシウム法変法で、SP2/0−Ag14細胞はElectroporation法で形質転換を行った。
形質転換に用いた発現プラスミドは制限酵素Pvu Iで消化することであらかじめ線状化した。
(1)CHO細胞を用いた産生能評価
CHO細胞は以下のようにして形質転換から形質転換体の選択を行った。
形質転換の前日に細胞を10cmディッシュに5×10cells/ディッシュの細胞密度で10%ウシ胎児血清を含む核酸含有MEMアルファ培地を用い播種した。37℃で一夜培養の後、20μg/mLの線状化した発現プラスミドpCAGG−S1.EC.dhfr.neoを用い形質転換を行った。35℃、3%CO培養装置で一夜培養した後、ダルベッコPBS(−)で細胞を洗浄した後、10%透析FCS及び500μg/mLのGeneticinを含む核酸不含MEMアルファ培地に培地交換した。3〜4日毎に培地を交換しながら37℃、5%CO培養装置で培養を続けることで選択を行い、出現した形質転換体をプールし産生能の評価を行った。
形質転換細胞を2×10cells/mLの密度で10%透析FCSを含む核酸不含MEMアルファ培地で播種し、一夜培養した。翌日培地を、血清を含まないYMM培地(インシュリン・トランスフェリン・エタノールアミン・亜セレン酸ナトリウムを含むアミノ酸・ビタミンを強化した核酸不含MEMアルファ培地)に交換した。35℃、5%CO培養装置で約14日間培養後、上清中のエカリン濃度を測定した。上清中に10U/mLのエカリンが確認できた。
(2)SP2/0細胞を用いた産生能評価
SP2/0細胞は以下のようにして形質転換体から形質転換体の選択を行った。
SP2/0細胞を冷却したダルベッコPBS(−)で2回洗浄した後、PBS(−)0.8mLに懸濁した10個の細胞をElectroporation用キュベット(電極幅0.4cm、BIO−RAD社製)に入れた。前述の線状化した発現プラスミド40μgを加えピペットで混合した。Gene Pulser II(BIO−RAD社製)を用い、0.22kv、975μFで1回パルスを加えた。キュベットを氷上10分間冷却した後、細胞懸濁液を10%ウシ胎児血清(FCS)を含む核酸含有MEMアルファ培地で約5,000個/50μLとなるように希釈し、96穴プレート5枚に50μL/wellずつ播種し、35℃、3%CO培養装置で一夜培養した。翌日10%透析FCSを含む核酸不含MEMアルファ培地を50μL/well添加しさらに一夜培養した。翌日1mg/mLのGeneticin及び10%透析FCSを含む核酸不含MEMアルファ培地を100μL/well添加した。10日〜14日間培養の後、出現した形質転換体をwell毎に産生能評価を行った。細胞を約3×10cells/mLの密度で500μg/mLのGeneticin及び2%透析FCSを含む核酸不含MEMアルファ培地を用い播種した、約14間培養後、上清中のエカリン濃度を測定した。各形質転換体は2〜10U/mLのエカリンを発現していた。この中で産生能が高かった形質転換体を、同じ培地を用いて96wellプレートに0.5個/wellの濃度で200μL/wellずつ播種することで限界希釈によるクローニングを行った。得られたクローンについてクローン毎に産生能評価を行った。各クローンを3×10cells/mLの密度で2%透析FCSを含む核酸不含MEMアルファ培地を用い播種し、35℃、5%CO培養装置で約14日間培養後、上清中のエカリン濃度を測定した。得られたクローンのうち、クローン#1H−8は上清中に15U/mLのエカリンを発現していた。
このクローン#1H−8について、YMM培地を用い無血清培地への順応化を行った。YMM培地に透析FCSを2%添加し増殖を確認した後、添加する血清濃度を0.5%−0.1%と低下させながら培養を行った。細胞の増殖性が良好であることを確認した後、血清を全く含まないYMM培地で培養を行い、増殖を確認したうえで、YMM培地を用い上述の方法で産生能評価を行った。無血清培地に順応化したクローン#1H−8は20U/mLの産生能を持っていた。
実施例5
(エカリン産生細胞の大量培養)
実施例4に示した、無血清培地に順応化したエカリン産生細胞#1H−8をスピナーフラスコを用いて浮遊培養した。細胞を拡張の後、YMM培地を用い250mLスピナーフラスコ(Techne社製)に2×10cells/mLの密度で250mL培養した。細胞が1×10cells/mLを超える密度で細胞を1Lスピナーフラスコに拡張培養した。さらにこの細胞の増殖を確認した後、細胞を1Lスピナーフラスコ5本に拡張した。細胞を約7日間培養した後、上清に発現したエカリン濃度を測定した。約18U/mLのエカリンの発現が確認できた。
実施例6
(エカリン部分ペプチドに対する抗体の作製)
エカリンのcDNAのアミノ酸配列をホップとウッドの方法(T.P,Hopp et al.Proc.Natl.Acad.Sci.Vol.78 3824−3828,1981)に従って親水性及び疎水性の領域を明らかにした後、親水性の高い領域について配列表の配列番号5に示すLys−Asn−Asp−Tyr−Ser−Tyr−Ala−Asp−Glu−Asn−Lys−Gly−Ile−Val−Glu−Pro−Gly−Thr−Lys−Cysの配列を持つペプチドをペプチド合成機(アプライド社製)を用いて合成した。このペプチド500μgをフロイントの完全アジュバント存在下0日目、14日目及び28日目にフロイント不完全アジュバント存在下、ウサギの皮内に接種することで、エカリンペプチドに対するポリクローナル抗体を作製した。得られた抗体がエカリンを認識するかどうかをウエスタンブロット法により確認した。天然のエカリンを2−メルカプトエタノール非存在下SDS−PAGEを行い、泳動終了後、ゲルをトランスファーバッファー(10mM N−サイクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸、10%メタノール、pH11)に5分間浸し、あらかじめ100%メタノールおよびトランスファーバッファーの順に浸しておいたPVDF膜(Immovilon:Millipore)上に重ね、TRANS−BLOTCELL(BIO−RAD)を用いて160mA、16時間転写を行った。この膜を5%スキムミルクを含む50mM Tris−HCl(pH8.0),150mMNaCl,0.05%Tween20(TBST)でマスキングの後、TBSTで500倍希釈した合成ペプチド投与ウサギの血清を室温で1時間インキュベーション後TBSTで膜を洗浄した。次にこの膜を2000倍に希釈した抗ウサギIgG−HRP標識抗体(Bio−Rad)と室温で1時間反応させ、洗浄後コニカイムノステイニンHRP1000(コニカ株式会社)キットを用いて染色を行った。その結果、この合成ペプチドを免役して得られた血清は、エカリンに対して特異的に反応することが確認できた。
実施例7
(エカリンの精製)
1)陽イオン交換クロマトグラフィー
エカリン産生SP2/0細胞の培養上清2000mlを2倍量の水で希釈後、1Mクエン酸でpH5.0に合わせ0.45μmフィルター濾過したものを試料とする。20mMクエン酸(pH5.0)バッファーで平衡化したMacro−Prep High S Support(20ml:Bio−Rad Laboratories)カラムに4ml/min.の流速でアプライした。150mlの上記バッファーでカラムを洗浄後、0mMから1000mMのNaCl/20mMクエン酸(pH5.0)210mlの塩濃度勾配で4ml/min.の流速で溶出を行った。フラクションの一部を用いて、実施例6で得られた抗エカリン抗体を用いたウエスタンブロットによりエカリン溶出画分を同定、プール後,50mM NaClを含む20mM 炭酸水素ナトリウム(pH9.0)バッファーに対して透析した。
2)陽イオン交換クロマトグラフィー
1)の陽イオン交換クロマトグラフィーで得られた透析産物を、50mMNaClを含む20mM炭酸水素ナトリウムバッファー(pH9.0)で平衡化した硫酸セルロファイン(2ml:生化学工業株式会社)カラムに0.5ml/min.の流速でアプライした。14mlの上記バッファーでカラムを洗浄後、50mMから600mMのNaCl/20mM炭酸水素ナトリウム(pH9.0)20mlの塩濃度勾配で0.5ml/min.の流速で溶出を行った。フラクションの一部を用いて、実施例6で得られた抗エカリン抗体を用いたウエスタンブロットによりエカリン溶出画分を同定後、プールした。
3)ゲル濾過
2)に示したクロマトグラフィーで得られた組換えエカリンを含むフラクションを、100mM NaClを含む10mMリン酸(pH7.0)バッファーで平衡化したゲル濾過カラムHiLoad 16/60(Pharmacia)にかけ、0.5ml/min.の流速で分画を行った。分子量のスタンダードとしてBio Radのゲル濾過用のマーカーを用いた。各フラクションのプロトロンビン活性化能を測定したところ、分子量80,000付近の画分に活性のピークが認められた。得られた精製エカリンを2−メルカプトエタノール存在下でSDS−PAGEを行った後クーマシーブリリアントブルーで染色したパターンを示す(図2)。
以上述べた3ステップの精製により、最終活性収率13%で、比活性で培養上清と比べて2,600倍の組換えエカリンを得た。
実施例8
(組換えエカリンによるプロトロンビンの活性化)
プロトロンビン(20mMTris−HCl,100mM NaCl,pH8.5、1mg/ml)40mlにベンズアミジンを最終濃度50mMになるように加え、その混合物に組換えエカリンを最終濃度2U/mlになるように添加する。この反応液を37℃で16時間インキュベートし、その反応液について、後述の方法に従ってトロンビンの酵素活性の測定を行った。その結果、図3に示すように、組換えエカリンを添加したプロトロンビンにS−2238切断活性が認められた。
実施例9
(組換えエカリンで活性化されたプロトロンビンB鎖のN末端アミノ酸配列)
エカリンは、プロトロンビンのArg−Ile部分のペプチド結合を特異的に切断することにより、プロトロンビンをA鎖とB鎖に分けることが知られている。実施例8で得られた活性化されたトロンビンのB鎖について、そのN末端アミノ酸配列を決定した。
試料を15%ポリアクリルアミドを含むゲルを用いて2−メルカプトエタノール処理後、SDS−PAGEを行った。泳動終了後、ゲルをトランスファーバッファー(10mMN−サイクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸、10%メタノール、pH11)に5分間浸し、あらかじめ100%メタノールおよびトランスファーバッファーに順に浸しておいたPVDF膜(Immovilon:Millipore)上に重ね、TRANS−BLOTCELL(BIO−RAD)を用いて160mA、16時間転写を行った。転写後のPVDF膜を水洗し、0.1%アミドブラック(含40%メタノール、1%酢酸)で1分間染色後、蒸留水で脱色を行った。染色されたB鎖の分子量に相当するバンドの部分を切り出し、この膜断片を477A Protein Seqencer(Applied Biosystems)を用いて分析した。10アミノ酸残基を解読した結果はIle−Val−Glu−Gly−Ser−Asp−Ala−Glu−Ile−Glyであった。この配列はヒトの血液由来のα−トロンビンのB鎖のN末端アミノ酸配列と完全に一致し、本発明で得られた組換えエカリンが、蛇毒由来のエカリンと同様にプロトロンビンのArg−Ile部分のペプチド結合を特異的に切断することを確認した。
なお、上記実施例で実施したトロンビン及びエカリンの活性測定は各々下記の記載に拠った。
1)トロンビンの活性測定
トロンビンの活性は以下の方法で測定した。
ファルコン社製2008チューブに試料20μlと50mM Tris−HCl(pH8.5)+50mM NaClバッファー60μl、0.1%PLURONIC F−68を20μl加え、37℃で3分間インキュベーションした。標準品としてヒトプラズマ由来精製α−トロンビン(ヘマトロジックテクノロジー社から購入:HCT−0020)を同バッファーで5、2.5、1.25、0.625、03125μg/mlに希釈したものを用いた。その反応液にテストチーム発色基質S−2238(1mM:第一化学薬品工業)を100μl添加し攪拌混合し、37℃で5分間の反応後0.1Mクエン酸溶液を800μl加えて反応を停止した。反応液200μlを96ウェルプレートに移し、OD405/650を測定した。
2)エカリンの活性測定
エカリンの活性は以下の方法で測定した。
ファルコン社製2008チューブに試料20μlと50mM Tris−HCl(pH8.5)+50mM NaCl+0.01%PLURONIC F−68バッファー(バッファー▲1▼)60μlを加え、更に0.01%トリプシンを2μl添加して攪拌混合後、37℃で10分間インキュベートした。試料は濃度に応じてバッファー▲1▼で希釈を行った。その反応液に、0.4mg/mlのプロトロンビン(ヘマトロジックテクノロジー社から購入)を10μl添加し37℃で5分間反応させ、10mM EDTAを10μlとテストチーム発色基質S−2238(1mM)を100μl添加し攪拌混合し、37℃で5分間の反応後0.1Mクエン酸溶液を800μl加えて反応を停止した。反応液200μlを96ウェルプレートに移し、OD405/650を測定した。エカリンの活性を定量するために、シグマ社から市販されている蛇毒由来のエカリンをバッファー▲1▼で希釈し25mU/ml、12.5、6.25、3.125mU/mlを調製した。このスタンダード溶液を試料の代わりに20μl加え(トリプシン溶液は加えない)、プロトロンビンを加える以降の操作は、上記と同様に行った。
(従来技術より有効な効果)
本発明によると、プロトロンビンを特異的に活性化する組換えエカリンタンパク質が提供される。今回、本発明者が見出した組換えエカリンタンパク質は未だ報告されていない新規タンパク質であり、このように、活性を持ったエカリンタンパク質を発現する、発現ベクター構築、安定発現細胞の作製、組換えエカリンタンパク質の精製など組換えエカリンタンパク質を実用化するための技術的な問題は本発明により解決され、工業レベルでの製造が可能になった。
【配列表】
Figure 2003004647
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【図面の簡単な説明】
図1は、発現プラスミドpCAGG−S1(Sal).dhhr.neoの模式図を示す。
図2は、エカリン産生SP2/0培養上清からエカリンの精製を行い、最終ステップのゲルろ過におけるフラクションについてSDS−PAGEを行い、タンパク染色を行った図である。
図3は、プロトロンビンに組換えエカリンを添加した後のS−2238切断活性を示す図である。

Claims (12)

  1. Arg−Ile部位の切断を介してプレトロンビン−2からα−トロンビンまたはプロトロンビンからメイゾトロンビンへの変換を媒介し得る遺伝子組換えエカリン。
  2. 配列番号1に記載のアミノ酸配列もしくは当該アミノ酸配列の部分配列を有し、うち1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列または前記いずれかのアミノ酸配列の部分配列または前記アミノ酸配列を含有するアミノ酸配列を有するペプチドまたは当該ペプチド群である請求項1記載の遺伝子組換えエカリン。
  3. 以下の工程を含む、遺伝子組換えエカリンの製造方法:
    1)プロモーターの下流にエカリンをコードする遺伝子を組み込んだ発現ベクターにより形質転換された微生物または動物細胞からなる形質転換体を培養し、培養液または形質転換体中にエカリンを生成蓄積せしめこれを採取する工程、
    2)採取・回収されたエカリン含有溶液を精製し、純化されたエカリンを得る精製工程。
  4. プロモーターが、SV40初期プロモーター、SV40後期プロモーター、サイトメガロウイルスプロモーター及びニワトリβ−アクチンプロモーターより選択される請求項3記載の遺伝子組換えエカリンの製造方法。
  5. プロモーターがニワトリβ−アクチンプロモーターである請求項4記載の遺伝子組換えエカリンの製造方法。
  6. 発現ベクターが、エカリンをコードする遺伝子の上流にシグナル配列を有するものである請求項3から請求項5のいずれかに記載の遺伝子組換えエカリンの製造方法。
  7. シグナル配列がpelBシグナル、αfactorのシグナル、イムノグロブリンのシグナルSG−1及びC25のシグナルより選択される請求項6記載の遺伝子組換えエカリンの製造方法。
  8. 発現ベクターが、さらに遺伝子増幅遺伝子を有し、さらに形質転換体の培養を遺伝子増幅条件下に実施する請求項3から請求項7のいずれかに記載の遺伝子組換えエカリンの製造方法。
  9. 遺伝子増幅遺伝子が、ジヒドロ葉酸レダクターゼをコードする遺伝子である請求項8記載の遺伝子組換えエカリンの製造方法。
  10. エカリンをコードする遺伝子が、配列番号2に記載の塩基配列で示される遺伝子断片あるいは該エカリンタンパク質の一部のアミノ酸配列を含有するペプチドをコードする遺伝子断片である請求項3から請求項9のいずれかに記載の遺伝子組換えエカリンの製造方法。
  11. 形質転換体がチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)、マウスミエローマ細胞、BHK21細胞、293細胞またはCOS細胞より選択される動物細胞である、請求項3から10のいずれかに記載の遺伝子組換えエカリンの製造方法。
  12. エカリンの精製工程が、陽イオン交換クロマトグラフィー及びゲル濾過クロマトグラフィーを順次実施することより構成される請求項3記載の組換えエカリンの製造方法。
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