JPWO2002074951A1 - 発現遺伝子同定用cDNAタグの作成方法、及び遺伝子発現解析方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、発現遺伝子同定用cDNAタグの作成方法、該cDNAタグライブラリー、及び遺伝子発現解析方法に関するものである。さらに詳細に述べると、発現遺伝子産物であるmRNA、該mRNAに対するcDNA又はそのcDNA断片の特定領域に対応する、同定用cDNAタグを作成する方法、及び該cDNAタグを利用した遺伝子発現解析方法に関するものである。該遺伝子発現解析方法は、該cDNAタグをそのまま用いる直接的な方法と、該cDNAタグの連結物を用いる間接的な方法とを含んでいる。
背景技術
各生物種は独自のゲノム配列に基づく、固有の遺伝子発現パターンを有し、また、生物の種が同一でも、細胞の分化の程度、増殖、老化などの生理的状態や、癌化、感染症、免疫病などの各種病的状態などにより、正常な状態と比べ異なる遺伝子発現パターンを有すると考えられている。したがって、このような遺伝子発現パターンを確立し、細胞間の遺伝子発現パターンを相互に比較することができれば、適切な治療ターゲットの同定、遺伝子治療用の候補遺伝子の同定、組織タイピング、法的な遺伝子確認、疾病関連遺伝子の位置決定、診断・予診用のインジケーター遺伝子の同定など、遺伝子発現パターンの幅広い応用が可能になる。
従来、遺伝子発現を評価するため、ノーザンブロッティング法、RNアーゼプロテクション法、及び逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)分析法(Alwineら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、74:5550、1977;Zinnら、Cell、34:865、1983;Veresら、Science、237:415、1987)、さらに遺伝子を検索するための有用なエクスプレスド・シークエンス・タグ(expressed sequence tag:EST)法(Adamsら、Science 252:1656、1991;Adamsら、Nature、355:632、1992;Okuboら、Nature Genetics、2:173、1992)などが開発されたが、一度に限られた数の遺伝子しか評価できなかった。例えば、Okuboらは二本鎖cDNAを4塩基認識酵素Sau3AIで切断し、mRNAの3’末端部分だけからなるcDNAライブラリーを得て、これをクローニングしてランダムに塩基配列決定を行い遺伝子発現プロフィールを得る方法を開発した[Nature Genet.2、173(1992)]が、この方法で得られるそれぞれのクローンの長さは平均約300塩基であり、配列決定は−クローンずつ行わねばならず、このため最終的に配列決定されたmRNAの総数は一つの細胞種当たりわずか1000個程度であって、細胞における真の遺伝子発現パターンからは程遠いものであった。また、これらの方法は、大量の原材料(例えば、ヒトの組織)が必要なこと、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を繰り返すためバイアスがかかること、結果に再現性がないこと等の理由により、研究室で用いられているに過ぎないのが現状であった。
近年、発現された遺伝子の領域に対応する転写産物の限定領域を同定することにより、多数の転写産物を分析することができる遺伝子発現の逐次分析(serial analysis of gene expressi on:SAGE)法が開発された(国際公開公報WO97/10363、米国特許出願第5,695,937号及び第5,866,330号)。この方法では、試料中の各cDNAに対応する短いヌクレオチド配列が二量体化された「ジタグ」(ditag)と称するタグを調製し、このジタグを鎖状に連結して単一の連結体(コンカテマー)としてクローン化しタグの配列決定により遺伝子発現パターンを明らかにするものである。このSAGE法では、試料中の各cDNAに対応する単一の発現遺伝子同定用cDNAタグを得ることはできず、また一度に同定できる発現遺伝子の数は連結体が含み得るジタグの限界から1000以下、通常400以下である。
発明の開示
本発明は、各生物種に固有な遺伝子発現パターン、及び細胞の生理的状態、発生段階、各種病的状態などにおける特有な遺伝子発現パターンの効率的な解析を可能にする、発現遺伝子同定用cDNAタグの作成方法、及び該同定用タグを用いる遺伝子発現解析方法を提供する。本発明の方法は、従来の技術に比べ、遺伝子発現の解析に要する細胞試料の量が少なくて済み、効率的で、かつ信頼度の高いものである。なお、発現遺伝子同定用タグ(Expressed Gene Identification cDNA Tag)を、必要に応じてEGI cDNAタグ又はEGIタグという略号で表す。
本発明が提供するのは、発現遺伝子同定用cDNAタグの作成方法であって:
相補的デオキシリボ核酸(cDNA)を準備し;
該cDNAをII型制限酵素で切断してcDNA断片を作成し;
該cDNA断片に、第1IIS型制限酵素の認識配列を含み、かつ前記II型制限酵素の切断末端との連結部分に第2IIS型制限酵素の認識配列を生じるリンカーXを連結して、リンカーX−cDNA断片連結物を作成し;
該リンカーX−cDNA断片連結物を第2IIS型制限酵素で切断して、リンカーX−cDNAタグ連結物を作成し;
リンカーX−cDNAタグの第2IIS型制限酵素による切断末端に、第1IIS型制限酵素の認識配列を含むリンカーYを連結して、リンカーX−cDNAタグ−リンカーY連結物を作成し;
リンカーX−cDNAタグ−リンカーY連結物を増幅し;かつ
得られた増幅産物を第1IIS型制限酵素で切断して、発現遺伝子同定用cDNAタグを得る前記作成方法である。
また、本発明は、第1IIS型制限酵素の認識配列を含み、かつII型制限酵素で切断されたcDNA断との連結部分に第2IIS型制限酵素の認識配列を形成することができるリンカーXを提供する。
さらに、本発明は、前記発現遺伝子同定用cDNAタグの作成方法で得られたcDNAタグライブラリーを、検出すべき核酸を固定した検出装置に接触させることを特徴とする遺伝子発現解析方法を提供する。
さらに、本発明は、前記発現遺伝子同定用cDNAタグの作成方法で得られた該タグを互いに連結する工程、及び該連結物の塩基配列を決定する工程を含む発現遺伝子解析方法を提供する。該解析方法には、該連結物の配列を決定し、その配列からそれぞれのcDNAタグの配列を決定する定性的解析方法、及びその配列からそれぞれのcDNAタグの配列及び出現頻度を求める、定量的発現遺伝子解析方法が含まれる。
さらに、本発明が提供するのは、発現遺伝子同定用cDNAタグ作成キットであって、II型制限酵素、第1IIS型制限酵素、第2IIS型制限酵素、第1IIS型制限酵素の認識配列を含み、かつ前記II型制限酵素の切断末端との連結部分に第2IIS型制限酵素の認識配列を生じるリンカーX、及び第1IIS型制限酵素の認識配列を含むリンカーYを含む、該キットである。
本発明はいくつかの基本的な原理に基づいている。
まず第一は、遺伝子転写産物内の一定の位置から単離された短いヌクレオチド配列のタグが、その転写産物を同定するのに十分な情報量を含むということである。例えば、9bpの配列のタグは、4の9乗、すなわち262,144種の配列が可能であり、これに対応する同数の転写産物を識別することができる。一方、ヒト・ゲノムは約80,000〜200,000の転写産物をコードすると示唆されている(Fieldsら、Nature Genetics、7:345、1994)。したがって、理論的には9bpの配列のタグを得られれば、すべてのヒト遺伝子転写産物を同定することができる。下等な真核生物や原核生物の場合、ゲノムによりコードされる転写産物の数はより少ないので、タグのサイズをもっと短くすることができる。例えば、酵母では転写産物を識別するのに6〜7bpほどの短いタグで十分である。本発明の方法は、それぞれの遺伝子転写産物に対応する、様々なヌクレオチド長さを有する、単一の発現遺伝子同定用cDNAタグを提供するので、遺伝子発現パターンを解析するのに有益である。
第二は、上流及び下流をリンカーに挟まれた単一の短いcDNAタグを1回増幅処理するだけで、発現遺伝子の解析を行なうことができるので、増幅及び/又はクローニングに起因するバイアスが起こり難いことである。
第三は、本発明の方法により得られたEGIcDNAタグライブラリーを利用して、EGIcDNAタグ配列に対応するcDNAを定性的、また定量的に測定し、対応する発現遺伝子のパターンを調べられることである。
第四は、本発明の方法で作成された同定用cDNAタグにより、スペーサー配列の無い、又は有る連結体(コンカテマー)を作成し、必要に応じてベクターなどを用いてクローン化し連続的、かつ効率的に解析することができる。特に、該cDNAタグがそれぞれ独立した配列なので、連結体の配列を解析するのも容易であるし、連結体から単独のcDNAタグを単離することも容易に行なうことができる。
なお、本発明と先に記載したSAGE法とは、短いヌクレオチド配列のタグが転写産物を同定するのに十分な情報量を含むという第一原理を応用する点で共通する。しかし、SAGE法は、「ジタグ」(ditag)と称する二量体化されたタグを利用するものであり、本発明で作成される単一の同定用cDNAタグ、そのライブラリー、単一の同定用cDNAタグからなる連続体を作成しないという点で相違する。
発明の好ましい実施の形態
本発明の好ましい実施の形態を、図1及び2に示すフローチャートで示す発現遺伝子同定用cDNAタグ(以下、EGIcDNAタグという。)の作成方法に基づき説明する。この方法により、例えば、特定の発生段階または特定の疾病状態における、特定の細胞、組織または細胞抽出物の遺伝子発現を示す、EGIcDNAタグ及びそのライブラリーが容易に得られる。
この図1及び2に示されているのは、発現遺伝子同定用cDNAタグの作成方法であって:
(1)相補的デオキシリボ核酸(cDNA)を準備し、
(2)該cDNAをII型制限酵素で切断してcDNA断片を作成し;
(3)該cDNA断片に、第1IIS型制限酵素の認識配列を含み、かつ前記II型制限酵素の切断末端との連結部分に第2IIS型制限酵素の認識配列を生じるリンカーXを連結して、リンカーX−cDNA断片連結物を作成し;
(4)該リンカーX−cDNA断片連結物を第2IIS型制限酵素で切断して、リンカーX−cDNAタグ連結物を作成し;
(5)必要に応じて該リンカーX−cDNAタグ連結物を純化し;
(6)必要に応じて該リンカーX−cDNAタグ連結物のcDNAタグの末端を、第1IIS型制限酵素の認識配列を含むリンカーYが結合可能な状態に処理し;
(7)該リンカーX−cDNAタグの第2IIS型制限酵素による切断末端に、第1IIS型制限酵素の認識配列を含むリンカーYを連結して、リンカーX−cDNAタグ−リンカーY連結物を作成し;
(8)該リンカーX−cDNAタグ−リンカーY連結物を増幅し;かつ
(9)得られた増幅産物を第1IIS型制限酵素で切断して、発現遺伝子同定用cDNAタグを得て、
(10)必要に応じて、得られた発現遺伝子同定用cDNAタグを分離することを含む、発現遺伝子同定用cDNAタグの作成方法である。
(1)の工程では、試料となるcDNAを準備する。通常、まず被検細胞からmRNAを調製し、逆転写酵素を用いてcDNAを作成する。該cDNAは、全長mRNAに対応するもの及びそのフラグメントのいずれであってもよい。該被検細胞は、3’末端にポリAテールを有するmRNAを産生する細胞である限り限定されず、動物細胞、植物細胞、微生物細胞等のあらゆる細胞を含む。ウイルス感染した動物細胞、植物細胞、微生物細胞を被検細胞として用いることも可能である。
本発明では、1μgのmRNAがあれば解析を行うことができる。1μgのmRNAは、通常1mgの細胞から得られるので、本発明は、ニードルバイオプシーなどで得た貴重な人体組織サンプルなど取り扱う際には特に有効である。
被検細胞からのmRNAの分離は、通常行われる手法により行うことができる。例えば、被検細胞を、グアニジン試薬、フェノール試薬等で処理してトータルRNAを分離後、オリゴdT−セルロースやセファロース2Bを担体とするポリU−セファロース等を用いるアフィニティーカラム法やバッチ法等によりmRNAを得る。
次いで、得られたmRNAを鋳型とし、オリゴdTプライマー及び逆転写酵素を用いて、第一鎖cDNA(一本鎖cDNA)を合成後、該第一鎖cDNAを鋳型として第二鎖cDNA(二本鎖cDNA)を合成する。ここのオリゴdTプライマーとしては、固相固定化オリゴdTプライマー、補酵素標識オリゴdTプライマー等が挙げられるが、再現性や目的DNA断片の回収率の点から、固相固定化オリゴdTプライマーが好ましい。該固相固定化オリゴdTプライマーには、ラテックスビーズ固定化オリゴdTプライマー、マグネットビーズ固定化オリゴdTプライマー等があるが、マグネットビーズ固定化オリゴdTプライマーが好ましい。
(2)の工程では、試料中の該cDNAをII型制限酵素で切断してcDNA断片を作成する。
試料中の該cDNAは、固相固定化オリゴdTプライマーに結合した二本鎖cDNAとすることができる。本明細書中の「II型制限酵素」という用語は、所定の認識配列を認識して、該認識配列の内側又はその隣接した特異的な位置でDNAを切断する制限酵素をいう。本発明で用いるII型制限酵素としては、解析するmRNA中に少なくとも1つは認識配列を有すると考えられるもの、例えば、4、5あるいは6個の塩基からなる認識配列を有するII型制限酵素が好ましい。特にmRNAの平均鎖長が2000塩基である点を考慮すると、4の4乗=256塩基に1つの割合で制限部位が出現し得る4塩基の認識配列を有するII型制限酵素が好ましい。
本発明に用いるII型制限酵素の例を挙げると、AfaI,AluI,CviRI,DpnI,HpyCH4V,HpyF44III,RsaI,BfaI,Csp6I,HpyCH4IV,MaeI,MaeII,TaqAlphaI,TaqI,TthHB8I,XspI,Bsp143I,DpnII,MboI,NdeII,Sau3AI,NIaIII,AccII,Bsh1236I,BstUI,BsuRI,FnuDII,HaeIII,MvnI,AciI,BsiSI,HapII,Hin6I,HinP1I,HpaII,MspI,SciNI,CfoI,HhaI,MseI,Tru1I,Tru9I,TasI,Tsp509I,及びTspEIがある。
これらのII型制限酵素には、認識配列が4塩基ATCGすべてを含むもの、CGのみを含むもの及びATのみを含むものがある。
認識配列がATCGすべてを含むII型制限酵素の例を挙げると、AfaI,AluI,CviRI,DpnI,HpyCH4V,HpyF44III,RsaI,BfaI,Csp6I,HpyCH4IV,MaeI,MaeII,TaqAlphaI,TaqI,TthHB8I,XspI,Bsp143I,DpnII,MboI,NdeII,Sau3AI及びNIaIIIがある。認識配列がCGのみを含むII型制限酵素の例を挙げると、AccII,Bsh1236I,BstUI,BsuRI,FnuDII,HaeIII,MvnI,AciI,BsiSI,HapII,Hin6I,HinP1I,HpaII,MspI,SciNI,CfoI,及びHhaIがある。また、認識配列がATのみを含むII型制限酵素の例を挙げると、MseI,Tru1I,Tru9I,TasI,Tsp509I,及びTspEIがある。これらの認識配列の特徴と、IIS型制限酵素を解析すべき発現遺伝子の特性とを考慮して、II型制限酵素を選択するがの好ましい。
なお、前記II型制限酵素は、図1のように(2)の工程で得られるcDNA断片に、(3)の工程でリンカーXを連結したとき、該cDNA断片とリンカーXとの連結部分が所望の第2IIS型制限酵素の認識配列となる切断末端を形成するようにII型制限酵素を選択する。例えば、第2IIS型制限酵素として認識配列「5’−GGGAC−3’」のBsmFIを選択する場合、cDNA断片とリンカーXとの連結部分がその認識配列と一致するよう3’末端が「5’−GGG−3’」のリンカーXと、5’切断末端「5’−AC−3’」のcDNA断片を用いればよい。したがって、当該(2)の工程では、認識配列が「5’−GTAC−3’」であって、TとAとの間のホスホジエステル結合を切断するII型制限酵素RsaI又はAfaIを用いればよい。
(3)の工程では、該cDNA断片に、第1IIS型制限酵素の認識配列を含み、かつ前記II型制限酵素の切断末端との連結部分に第2IIS型制限酵素の認識配列を生じるリンカーXを連結して、リンカーX−cDNA断片連結物を作成する。
まず、(2)の工程で得られたcDNA断片群から、オリゴdTプライマー配列を含むcDNA断片を分離する。分離は、オリゴdTプライマーの標識を利用して行うことができる。例えば、ラテックスビーズ固定化オリゴdTプライマーを前記cDNAの調製に用いている場合には、II型制限酵素で処理した後、遠心分離することによって、該ビーズに固定されたオリゴdTプライマー配列を含むcDNA断片を沈降、分離することができる。ここで得られるcDNA断片は、mRNAのポリAテールと該ポリAテールから5’上流側に向かって最初に出現する前記II型制限酵素の切断末端部位を含むものである。次いで、該cDNA断片に、リンカーXをDNAリガーゼ(例えば、T4DNAリガーゼ)を用いて連結する。
本明細書中で用いる「リンカーX」という用語は、第1IIS型制限酵素の認識配列を含み、かつ前記cDNA断片のII型制限酵素の切断末端との連結部分に、第2IIS型制限酵素の認識配列を形成できるリンカーをいう。また、該認識配列は、第1IIS型制限酵素がスペーサー配列を残さないよう該cDNAタグを切断する位置、又は所望のスペーサー配列を残すような適切な位置に在るのが好ましい。
例えば、第1IIS型制限酵素の認識配列としてBseRIの認識配列を含み、かつII型制限酵素としてRsaIを用いたときに得られるcDNA断片に連結させるリンカーXとしては、次の構造を有する二本鎖DNA断片がある。
該リンカーX中の配列「5’−GAGGAG−3’」は第1IIS型制限酵素BseRIの認識配列である。また該リンカーX中の3’末端配列「5’−GGG−3’」は、cDNA断片のRsaIの切断末端「5’−AC−3’」との連結によりBsmFIの認識配列「5’−GGGAC−3’」を形成させることを意図して設定した配列である。なお、本明細書中の塩基配列において使用するN又はnは、任意の塩基を意味する。
本明細書中で用いる「第1IIS型制限酵素」という用語は、原則として、リンカーX及びリンカーY上の共通の認識配列を認識し、所望のEGIcDNAタグを形成できるIIS型制限酵素及び、同様の機能を発揮するI型及びIII型制限酵素をも含むものである。
該第1IIS型制限酵素の例を挙げると、MmeI,BpmI,BsgI,BspGI,Eco57I,GsuI,BsmFI,BcefI,FokI,BbvI,Bsp423I,Bst71I,RleAI,EciI,BseMII,BseRI,HgaI,LweI,SfaNI,Aprl,BspMI,HphI,MboII,MnlI,BbsI,BciVI,BbvII,BpiI,BplI,BpuAI,及びFauIがある。
これらのうち、認識配列から最長末端までの距離が10塩基以上の第1IIS型制限酵素には、MmeI,BpmI,BsgI,BspGI,Eco57I,GsuI,BsmFI,BcefI,FokI,BbvI,Bsp423I,Bst71I,RleAI,EciI,BseMII,BseRI,及びHgaIがある。また、該距離が16塩基以上の第1IIS型制限酵素には、MmeI,BpmI,BsgI,BspGI,Eco57I,及びGsuIがある。
本明細書中で用いる「第2IIS型制限酵素」という用語は、原則としてリンカーXとcDNA断片の間に形成された連結部の認識配列と認識して、cDNA断片の適切な位置を切断するIIS型制限酵素、及び同様の機能を発揮するI型及びIII型制限酵素を含むものである。該第2IIS型制限酵素の切断により、リンカーXとcDNAタグの連結物が得られる。
該第2IIS型制限酵素の例を挙げると、MmeI,BpmI,BsgI,BspGI,Eco57I,GsuI,BsmFI,BcefI,FokI,BbvI,Bsp423I,Bst71I,RleAI,EciI,BseMII,BseRI,HgaI,LweI,SfaNI,Aprl,BspMI,HphI,MboII,MnlI,BbsI,BciVI,BbvII,BpiI,BplI,BpuAI,及びFauIがある。
これらのうち、認識配列から最長末端までの距離が10塩基以上の第2IIS型制限酵素には、MmeI,BpmI,BsgI,BspGI,Eco57I,GsuI,BsmFI,BcefI,FokI,BbvI,Bsp423I,Bst71I,RleAI,EciI,BseMII,BseRI,及びHgaIがある。また、該距離が16塩基以上の第2IIS型制限酵素には、MmeI,BpmI,BsgI,BspGI,Eco57I,及びGsuIがある。
なお、第1IIS型制限酵素は切断部位の配列を限定する必要はないので、第1及び第2のIIS型制限酵素の組み合わせは限定されない。一方、II型制限酵素は、リンカーXとcDNA断片との連結物に第2IIS型制限酵素の認識配列を形成できるものを選択しなければならない。例えば、次のII型制限酵素と第2IIS型制限酵素との組み合わせがある。
なお、上記表の右端の記号*は正鎖の切断位置が相補鎖の切断位置よりも離れているため、リンカーYにランダム配列を必要とする組み合わせで、*の右側の数字はその塩基数を示す。
(4)の工程では、該リンカーX−cDNA断片連結物を第2IIS型制限酵素で切断して、リンカーX−cDNAタグ連結物を作成する。例えば、第2IIS型制限酵素としてBsmFIを用いる場合には、当該酵素は、該リンカーX−cDNA断片連結物に形成された認識配列「5’−GGGAC−3’」及びその相補鎖からなる二本鎖DNAを認識し、「5’−GGGAC−3’(10/14)」の位置を切断する。すなわち、BsmFIは、認識配列「5’−GGGAC−3’」の3’末端の塩基Cから3’下流側10番目の塩基と11番目との間のホスホジエステル結合、及び認識配列「5’−GGGAC−3’」の相補鎖「3’−CCCTG−5’」の5’末端の塩基Gから5’上流側14番目の塩基と15番目との間のホスホジエステル結合を切断し、以下の構造を有する切断末端を有するDNA断片を生じる。
(5)の工程では、必要に応じて、(4)の工程で該リンカーX−cDNA断片連結物を第2IIS型制限酵素で切断して得られた、該リンカーX−cDNAタグ連結物を純化する。この純化は、前記cDNAタグが切除されたcDNA断片残部を、(3)の工程で記載したように、標識オリゴdTプライマーの標識を利用して除去することにより行うことができる。例えば、ラテックスビーズ固定化オリゴdTプライマーを前記cDNAの調製に用いている場合には、ラテックスビーズの沈降性を利用して、制限酵素処理液を遠心分離することによって、標識オリゴdTプライマー配列を含むcDNA断片残部を沈降し、除去することができる。ここで遠心上清には、リンカーX−cDNAタグ連結物が含まれることになる。
(6)の工程では、必要に応じて該リンカーX−cDNAタグ連結物のcDNAタグの末端を、第1IIS型制限酵素の認識配列を含むリンカーYが結合可能な状態にする。
該処理方法としては、標識オリゴdTプライマー配列を含むcDNA断片残部を除去した溶液に、DNAポリメラーゼ及びdNTPを加え突出末端を埋める方法がある。さらにTaqポリメラーゼ及びdATPを加えると3’末端にアデニンが1塩基付加する。例えば、IIS型制限酵素BsmFI処理により得られた上記切断末端は、Taqポリメラーゼ処理によって以下の末端構造を有することになる。なお、該配列に置いて下線部が新たに合成された配列である。
(7)の工程では、該リンカーX−cDNAタグ連結物の第2IIS型制限酵素による切断末端に、リンカーYを連結して、リンカーX−cDNAタグ−リンカーY連結物を作成する。
必要に応じて末端処理した該リンカーX−cDNAタグ連結物にリンカーYをDNAリガーゼ(例えば、T4DNAリガーゼ)を用いて連結する。本明細書中で用いる「リンカーY」という用語は、第1IIS型制限酵素(例えばBseRI)の認識配列を含むリンカーをいう。また、該認識配列は、第1IIS型制限酵素がスペーサー配列を残さないよう該cDNAタグを切断する位置、又は所望のスペーサー配列を残すような適切な位置に在るのが好ましい。例えば、(6)の工程で得られる3’末端にアデニンが1塩基付加したDNA断片に連結するリンカーYとしては、下記構造を有するDNA断片がある。
該工程により、「5’−[リンカーX]−[cDNAタグ(EGIcDNAタグ)]−[リンカーY]−3’」の構造を有する連結物が得られる。
(8)での工程は、該リンカーX−cDNAタグ−リンカーY連結物を増幅する。
(7)の工程で得られる連結物は、リンカーX及びYにそれぞれプライマーX及びYがハイブリダイズする配列を有し、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で容易に増幅することができる。該PCR法は標準的なポリメラーゼ連鎖反応法、例えば、米国特許第4,683,195号に記載されているような方法でよい。さらに、該連結物を原核生物に適合するベクターに組み込むクローニング、又は当業者に公知の他の増幅法により増幅してもよい。
なお、末端にプラマーアニール用のリンカーを連結させた多種類の長さの異なるDNAを含む鋳型混合物を用いてPCRを行った場合、増幅効率は各鋳型DNAの鎖長によって異なる。一般に、鎖長が長いほど増幅効率は低く、鎖長が短いほど増幅効率は高い。そのため、得られた増幅産物中の各鋳型DNAに対応する増幅DNA断片の出現比率は、鋳型DNA混合物中の各DNA断片の存在比を反映しない結果となる。しかし、本発明の方法では、鋳型として使用するDNAの混合物は、鎖長が等しく、かつ短いので、得られた増幅産物中の各鋳型DNAに対応する増幅DNA断片の出現比率は、鋳型DNA混合物中の各DNA断片の存在比を反映したものとなる。従って、本発明においては、PCRによる増幅効率の差による影響は理論的に皆無であり、かつ得られる増幅産物中の各cDNA断片の出現比率は、被検細胞中で発現されている各mRNAの比率を反映したものとなる。
該PCRは、時間、温度などの条件は、標準的な設定で行なうことができる。なお、本発明で増幅するリンカーX−cDNAタグ−リンカーYは、配列長が短く、長さが均一で増幅効率が高いので、アニール/配列延長サイクル数を減らすことが可能である。また、リンカーの配列を変えるとPCRの効率が変わるので、用いるリンカーによりアニール/配列延長サイクルの所望の効率にすることができる。
本明細書中の「プライマーX」という用語は、リンカーXの核酸鎖に相補的で、ポリメラーゼ連鎖反応が誘導される条件下で反応の開始点として作用することができる、天然に存在するまたは合成されたオリゴヌクレオチドを意味する。なお、プライマーXは、リンカーX上の第1IIS型制限酵素の認識配列を残すことができる位置にハイブリダイズし、かつ重合剤の存在下で増幅を開始させるに足る長さのものでなければならない。該プライマーXに必要な長さは温度、pH、使用するリガーゼなど多くの要因により決まってくるであろう。また同様に、本明細書中で用いる「プライマーY」という用語は、リンカーYの核酸鎖に相補的で、ポリメラーゼ連鎖反応が誘導される条件下で反応の開始点として作用することができる、天然に存在するまたは合成されたオリゴヌクレオチドを意味する。
なお、当業者であれば、過度の実験を行わなくとも、第1IIS型制限酵素等を考慮に入れ、リンカーのヌクレオチド配列に基づいて容易に該増幅用プライマーを作製することができるであろう。
(9)の工程では、得られた増幅産物を第1IIS型制限酵素で切断して、発現遺伝子同定用cDNAタグを作成する。例えば、第1IIS型制限酵素としてBseRIを用いた場合には、該酵素はリンカーX上の配列「5’−GAGGAG−3’」及びその相補鎖からなる二本鎖DNAを認識し、「5’−GAGGAG−3’(10/8)」を切断する。すなわち、BseRIは、認識配列「5’−GAGGAG−3’」の3’末端の塩基Gから3’下流側10番目の塩基と11番目との間のホスホジエステル結合、及び認識配列5’−GAGGAG−3’の相補鎖3’−CTCCTC−5’の5’末端の塩基Cから5’上流側8番目の塩基と9番目との間のホスホジエステル結合を切断し、下記構造を有する切断末端を有するリンカーXのDNA断片を生じる。
また同様に、第1IIS型制限酵素BseRIは、リンカーY上の配列「5’−GAGGAG−3’」及びその相補鎖からなる二本鎖DNAを認識し、「5’−GAGGAG−3’(10/8)」を切断する。すなわち、BseRIは、認識配列「5’−GAGGAG−3’」の3’末端の塩基Gから3’下流側10番目の塩基と11番目との間のホスホジエステル結合、及び認識配列「5’−GAGGAG−3’」の相補鎖3’−CTCCTC−5’の5’末端の塩基Cから5’上流側8番目の塩基と9番目との間のホスホジエステル結合を切断する。この結果、リンカーX及びYを含むDNA断片から、EGIcDNAタグが切り離されることになる。
すなわち、(2)の工程において、II型制限酵素としてRseIを使用し、(3)の工程において、配列番号1で表される塩基配列からなるヌクレオチド鎖を含むリンカーXを使用し、(4)の工程において、第2IIS型制限酵素としてBsmFIを使用し、(7)の工程において、配列番号6で表される塩基配列からなるヌクレオチド鎖を含むリンカーYを使用し、(9)の工程において、第1IIS型制限酵素としてBseRIを使用することによって、被検cDNA由来のRsaI切断部位(5’−AC−3’)に隣接するcDNA由来の連続する14塩基のヌクレオチド鎖を含む、下記のEGIcDNAタグが得られる。
細胞由来のmRNAから得たcDNAライブラリーを使用し、本発明の方法を実施した場合、(9)の工程で、EGIcDNAタグのライブラリーが得られる。
本発明では、得られた該EGIcDNAタグライブラリーを利用して、EGIcDNAタグ配列に対応するcDNAを定性的、また定量的に測定し、対応する発現遺伝子のパターンを調べることができる。
例えば、検出すべきcDNAに応じたEGIcDNAタグライブラリーを前もって作成し、それをスポットした検出装置に準備しておき、これに異なる標識などでラベルした被検者の試料と標準試料とを接触させ、相対的な信号強度を比較して、ターゲットの選択などを行なうことができる。この標識として蛍光標識、アイソトープなど公知のものを広く使用することができる。
また、例えば、該EGIcDNAタグライブラリーを、検出すべきcDNAなどを固定した検出装置に接触させることにより、該EGIcDNAタグライブラリーに含まれるcDNAを検出して、対応する発現遺伝子のパターンを調べることができる。
本発明で用いることができる検出装置には、DNAチップなどのマイクロアレイと、ドットハイブリダイゼーシュンなどのマクロアレイがある。該検出装置に用いる支持体には、ナイロンメンブレン、ニトロセルロースフィルター、ガラス板、シリコンチップなどがある。また、該検出装置とは、例えば、得られたEGIcDNAタグを支持体上に固定し、検出すべきDNA、RNA、及びそのフラグメントなどをハイブリダイズさせて、検出できる装置をいう。
なお、mRNAあるいはcDNAを検出できるように標識することが好ましい。例えば、標識としてラジオアイソトープ、蛍光化合物、生物発光化合物、化学発光化合物、金属キレート剤、または酵素などを使用することができる。
例えば、標識した検出すべきcDNAを一本鎖分子に分離し、必要に応じて段階的に希釈し、そして、例えば、シリコンチップの各グリッド中に、検出すべき遺伝子に対応したEGIcDNAタグを保持した固相支持体と接触させる。得られた遺伝子発現パターンを標準となる遺伝子発現パターンと比較することにより、容易に試料細胞などの状態を知ることができる。また、未知の遺伝子のEGIcDNAタグを固定しておいてパターンを記録しておくと、将来この遺伝子が判明したときに、再解析できる可能もある。
本発明では、II型制限酵素と第2IIS型制限酵素の組み合わせにより、EGIcDNAタグの長さを調整でき、また遺伝子を解析する生物の種類などにより所望の長さは変わってくるが、一般にEGIcDNAタグの長さは6〜25塩基対、さらに10〜25塩基対、特に10〜16塩基対とするのが好ましい。
(10)の工程では、必要に応じて、得られた発現遺伝子同定用cDNAタグを分離する。当該分離は、当業者が通常使用する方法、例えば、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法を利用して行うことができる。
さらに、EGIcDNAタグを互いに連結し、該連結物の塩基配列を決定することにより発現遺伝子を解析することができる。例えば、(9)の工程で得たEGIcDNAタグは3’及び5’の接着末端が相補的であるため、T4リガーゼなどを用いて連結することができる。そして、得られたEGIcDNAタグの連結物(コンカテマー)を当業者に公知な方法、例えば、ベクターに組み込んでクローニングしたり、シークエンサーを用いて配列を読む方法で解析することができる。
本発明においては、該コンカテマーは、一般に3〜200のEGIcDNAタグ、さらに3〜80のEGIcDNAタグ、特に16〜40のEGIcDNAタグを含むのが好ましい。なお、得られたコンカテマーには、EGIcDNAタグの形成方法により、EGIcDNAタグ相互の間にスペーサー配列がないものと、スペーサー配列があるものがある。
本発明のEGIcDNAタグ連結体は、例えば、、プラスミドやファージのようなベクターに挿入して増幅する標準的な方法でクローニングすることができる。
本明細書の「組換えベクター」という用語は、EGIcDNAタグ連結体を挿入し、又は組み込みにより作成されたプラスミド、ウイルスまたは他の運搬体を指す。このようなベクターは、複製起点、プロモーター、及び形質転換細胞の表現型選択を可能とする特定の遺伝子を含むものである。本発明では、公知でシーケンスに適した多くのクローニングベクターを用いることができる。その例を挙げると、pUC18、その改変ベクターpUC118、pUC19、その改変ベクターpUC119,M13mp18RFI,M13mp19RFI,pBR322,pCR3.1,pBAD−TOPO及びその改良ベクター、及びpBluescript(R)IIなどがある。
次に、該組換えベクターを適当な宿主細胞に移入する。本明細書の「宿主細胞」とは、その細胞内でベクターが増殖できかつそのDNAが発現され得る細胞、及び宿主細胞自体の子孫をも意味する。なお、複製の間に突然変異が起こることがあるので、すべての子孫が親細胞と同一であるとは限らない。
また、本発明では外来DNAが宿主内で連続して維持されるような、公知の安定した移入法を用いることができる。例えば、大腸菌のような原核細胞などの宿主を用いる場合は、指数増殖期後に収穫し、続いて公知の手法によるRbCl法、CaCl2法で処理した細胞から、DNA取込み能のあるコンピテント細胞を調製する。また、エレクトロポレーションや常法により形質転換を行うこともできる。
なお、本発明では、ベクターにEGIcDNAタグ連結体を組み込み塩基配列の決定を行うことで、一回の操作で20個以上、20個〜100個、好ましくは約20〜30個程度のEGIcDNAタグの配列を簡単に調べることができる。
これまで、本発明の好ましい実施態様について記載してきたが、当業者ならばこれらの記載に基づき、本発明の技術思想を逸脱することなしに種々の改変ができることは明かである。また次に、本発明の実施例を示して具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の保護範囲は制限することを意図するのもではない。したがって、本発明は特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。
(実施例)
〔実施例1〕 末梢血リンパ球細胞の遺伝子発現解析
まず、健常人由来の末梢血から、NycoPrep1.077A(Nyco Med Pharma社製)を用いて、末梢血単球(PBMC)を集めた。得られた末梢血単球を、10μg/mlリポ多糖(LPS)の存在下又は非存在下、37℃で3時間培養後、それぞれの培養細胞から、Isogen(ニッポンジーン社製)を用いて全RNAを抽出した。得られた全RNA抽出物を、DNaseI(宝酒造社製)で37℃30分間処理後、RNeasy(QIAGEN社製)を用いて精製した。次いで、Oligotex−MAG mRNA精製キット(宝酒造社製)を用いて、全RNAからmRNAを吸着により単離後、cDNA合成キット(宝酒造社製)を用いて、mRNAから二本鎖cDNAを調製した。
得られた二本鎖cDNAを制限酵素RsaI(New England Biolabs社製)で37℃2時間処理することにより切断後、磁石によってマグネットビーズ部分を壁面に集め、回収することによって、前記mRNAにおけるポリAテールと該ポリAテールから5’上流側に向かって最初に出現する前記RsaI認識切断部位との間の塩基配列を含むcDNA断片が存在する画分を得た。次いで、該cDNA断片画分に、T4 DNAリガーゼを用い、次の3つの方法によって、第1IIS型制限酵素BseRIの認識配列を含むリンカーXを連結した。なお、いずれにおいてもリンカーXの連結は好適に行うことができた。
(1)RsaI切断末端にリンカーXを直接連結する方法
RsaIで切断することにより生じた平滑末端に、以下の構造を有するリンカーXを直接連結した。
(2)RsaI切断末端を一塩基付加により接着末端化しリンカーXを連結する方法
dCTPの存在下でTaqDNAポリメラーゼ処理することにより、RsaI切断により生じた平滑末端の3’末端に、以下のように(下線部)、Cを1塩基導入した。
次いで、上記接着末端に、以下の構造を有するリンカーXを連結した。
(3)RsaI切断末端を一塩基除去により接着末端化しリンカーXを連結する方法
dATP、dGTP及びdCTPの存在下でT4 DNAポリメラーゼ処理することにより、RsaI切断により生じた平滑末端の3’末端から、以下のように(下線部)、Tを1塩基除去した。
次いで、上記接着末端に、以下の構造を有するリンカーXを、16℃2時間のT4DNAリガーゼ処理により連結した。
次いで、リンカーXの接続により生じた制限酵素BsmFIの認識配列5’−GGGAC−3’を利用して、BsmFI(New England Biolabs社製)での65℃2時間の切断を行い、今度は前回とは逆にマグネットビーズがない部分、すなわち遠心上清を回収した。この酵素の切断部位は5’−GGGAC−3’(10/14)の位置であるから、回収された部分にはリンカーに引き続くcDNA由来の14塩基が含まれることになる(RsaI部位由来の共通のAC2残基を除く)。
この上清部分に対し、dATP、dCTP、dGTP及びdTTPの存在下で、16℃2時間のT4 DNAポリメラーゼ処理を行った後、dATPの存在下で70℃、30分間のZ−Taq(宝酒造社製)処理を行なった後、そのフラグメントを回収し、dATPの存在下で処理を行った。上記処理により、3’末端に一個のAがついた突出末端を生じるので、これに以下の構造を有する第二のリンカーYを、16℃2時間のT4DNAリガーゼ処理により接続した。
上記リンカーYの接続により、両端を既知のリンカーで挟まれたcDNA由来の14塩基対を含む総延長60塩基対のDNAの一群「リンカーX−AC−cDNA由来の14塩基対(EGIcDNAタグ)−AC−リンカーY」の小断片cDNA連結物ライブラリーを得た。この小断片は、以下のような塩基配列及びその相補鎖からなるものである。
次に、この小断片cDNA連結物ライブラリーを、リンカーX部分にハイブリダイズするプライマーX「5’−TGCAGCTGAGGAGTCCATGGG−3’」(配列番号12)及びリンカーY部分にハイブリダイズするプライマーY「5’−GTCTAGTGAGGAGCGACACATGT−3’」(配列番号17)を用いて、Taq DNAポリメラーゼでPCRにより増幅した。PCRは、96℃で30秒間の変性、50℃で1分間のアニーリング、72℃で1分間の伸長を1サイクルとする合計25サイクルの増幅反応、及び72℃で2分間の最終伸長反応により行った。
得られたPCR産物をIIS型制限酵素BseRI(New England Biolabs社製)で処理した。この酵素の切断部位は「5’−GAGGAG−3’(10/8)」の位置であるから、以下の構造をDNA断片を生じさせた。
次いで、処理物を12%ポリアクリルアミド電気泳動に供し、リンカー断片と分離して上記小断片DNAを回収した。
得られたcDNAタグを再びT4リガーゼで連結後、4.5%ポリアクリルアミド電気泳動に供することによって、500〜1000bpの結合断片を回収した。回収された結合断片は、以下の構造を有するものであり、(N)14に隣接する5’−AC−3’もcDNA上のRsaI認識配列由来の塩基であるから、人為的に付加したスペーサー配列を含まない、完全にcDNA由来のcDNAタグ連結物ライブラリーが得られたことになる。以下の塩基配列中、(N)14はcDNA由来の14塩基5’−NNNNNNNNNNNNNN−3’(配列番号19)を表している。
上記結合断片をプラスミドpUC118に組み込み、ABI377型DNAシーケンサーにより塩基配列を決定した結果、PBMC細胞及びこれをLPSにより刺激した細胞に特異的に発現している遺伝子断片を解析することができた。一回の塩基配列決定操作で約20個程度のEGIcDNAタグの配列を明らかにできたので、約500サンプルの塩基配列決定を行うことにより、細胞で発現されているmRNAの種類とそれぞれの個数をおおむね明らかにできると考えられる1万個の配列を明らかできた。
表1及び2にこの方法で同定された遺伝子をいくつか示した。これらのEGIcDNAタグの塩基配列を既知のデータベースに対し、ホモロジー検索を行った。表1にはLPS刺激により発現が高まる遺伝子を、表2には逆にLPS刺激で発現が抑制される遺伝子を示した。
なお、表1及び表2中、mfIDとして塩基配列の前に示してある数字はコンピューター処理のために14塩基を10進法の数字により表示したものである。すなわち、mfIDは、塩基配列の各塩基を、aを0、cを1、gを2、tを3とそれぞれ読み替えてできた4進数を10進数に変換し、1を加えた数である。このIDにより、塩基配列を、その長短にかかわらず数字で扱うことができる。例えば、塩基数14の塩基配列を扱う場合、次のように数値で特定することができる。
このように該IDにより如何なる14塩基よりなる配列が現れても、全てこれらの9桁の数字の1つに割り当てることができる。これらの数字を小断片ID(mini fragment ID:mf ID)と呼ぶ。
〔実施例2〕
実施例1で得られたEGIcDNAタグライブラリーを、次に述べる検出装置により検出し、遺伝子の発現を解析することができる。
表1記載のLPS刺激により活性化される遺伝子のうち、mfID261849128,220597775,69402230,232235060,110001478,及び196314601のmf塩基配列の対応配列を含むオリゴDNAを合成し、常法によりスライドグラスにスポットしてDNAチップを作成する。
実施例1で得たLPS刺激末梢血単球(PBMC)由来のmRNAを鋳型として蛍光性化合物Cy3−dUTP(*1)(アマシャム・ファルマシア社製)で蛍光標識し、かつLPS無刺激PBMC由来のmRNAを鋳型として蛍光性化合物Cy5−dUTP(*2)(アマシャム・ファルマシア社製)で蛍光標識しプローブ溶液を得る。
このプローブ溶液を混合し、6×SET[0.9M NaCl、10μg/ml Yeast tRNA、0.1%SDS、120mM Tris−HCl(pH7.8)]中で前記DNAチップと45℃で一晩ハイブリダイゼーションを行う。
洗浄液[6×SSC、0.1%SDS]により52℃で洗浄後、スキャナーを用いて各蛍光物質をスキャニングして蛍光強度データを得て、そのデータの解析を行う。各スポットのCy3とCy5とのシグナル強度のスキャッタープロット(Scatter Plot)の結果、LPS刺激を受けたPBMC由来のmRNAに由来するプローブが発する蛍光は、すべてのスポットにおいて、LPS無刺激のものよりもシグナル強度が2倍以上強くなる。
*1 CAS RN Cy3 CAS RN 146368−16−3
CN 3H−Indolium,2−[3−[1−[6−[(2,5−dioxo−1−pyrrolidinyl)oxy]−6−oxohexyl]−1,3− dihydro−3,3−dimethyl−5−sulfo−2H−indol−2−ylidene]−1−propenyl]−1−ethyl−3,3−dimethyl−5−sulfo−,inner salt(9CI) (CA INDEX NAME)
*2 CAS RN Cy5 CAS RN 146368−14−1
CN 3H−Indolium,2−[5−[1−[6−[(2,5−dioxo−1−pyrrolidinyl)oxy]−6−oxohexyl]−1,3− dihydro−3,3−dimethyl−5−sulfo−2H−indol−2−ylidene]−1,3−pentadienyl]−1−ethyl−3,3−dimethyl−5−sulfo−,inner salt(9CI)
(CA INDEX NAME)
〔実施例3〕
実施例1で得られた個々のEGIcDNAタグライブラリーの任意のタグを用いて、一組の被検試料における該遺伝子の発現の違いを解析することができる。
LPS刺激刺激末梢血単球(PBMC)由来mRNA、LPS無刺激PBMC由来mRNAをそれぞれ鋳型として逆転写酵素で調製したcDNAをナイロンメンブレンにそれぞれスポットした後、80℃で2時間処理する。
表1記載のLPS刺激により発現が誘導される遺伝子のうちmfID261849128の塩基配列を含むオリゴDNAを合成し、T4ポリヌクレオチドキナーゼで該DNAを[γ−32P]ATP(アマシャム・ファルマシア社製)を用いて32P(放射性同位体)でラベルしプローブ溶液を得る。
このプローブ溶液を6×SET中で前記ナイロンメンブレンと45℃で一晩ハイブリダイゼーションを行う。洗浄液[6×SSC、0.1%SDS]により52℃で洗浄後、オートラジオグラフィーを行う。X線フィルム上のシグナルは、LPS刺激PBMCのmRNA由来cDNAのものの方がLPS無刺激PBMCのものよりも2倍以上強くなる。
〔実施例4〕
II型制限酵素RsaIの代わりにHpyCH4Vを用い、第2IIS型制限酵素BsmFIの代わりにRleAIを用いた他は、実施例1と同様の方法でEGIcDNAタグライブラリーを作成した。まず、下記(1)〜(3)のいずれかの方法でリンカーX−cDNA断片連結物を作成する。
(1)試料中のcDNAを、II型制限酵素HpyCH4Vで切断することにより生じた平滑末端に、下記構造を有するリンカーXを直接連結する。
(2)試料中のcDNAを、II型制限酵素HpyCH4Vで切断することにより生じた平滑末端に、dTTPの存在下で次のように、塩基Tを1個導入する。
次いで、上記接着末端に、次の構造を有するリンカーXを連結する。
(3)試料中のcDNAを、II型制限酵素HpyCH4Vで切断することにより生じた平滑末端から、dATP、dTTP及びdCTPの存在下で、次のように、塩基Gを1個除去する。
次いで、上記接着末端に、下記構造を有するリンカーXを連結する。
次いで、リンカーXの接続により生じた制限酵素RleAIの認識配列5’−CCCACA−3’を利用して、RleAIで切断を行い、遠心上清を回収する。この酵素の切断部位は5’−CCCACA−3’(12/9)の位置であるから、回収された部分にはリンカーXに続くcDNA由来の12塩基のタグが含まれることになる。
続いて下記構造を有するリンカーYを接続した。続いて、実施例1と同じ方法で増幅し、第1IIS型制限酵素で消化することにより所望のEGIcDNAタグライブラリーを得た。
〔実施例5〕
実施例4で得られたEGIcDNAタグライブラリーを、次に述べる検出装置により検出し、遺伝子の発現を解析することができる。
表1記載のLPS刺激により活性化され、かつmfID261849128,220597775,69402230,232235060,110001478,及び196314601に対応する遺伝子に対応し、かつ実施例3で得られるEGIcDNAタグの対応配列を含むオリゴDNAを合成し、常法によりスライドグラスにスポットしてDNAチップを作成する。
実施例3で得たLPS刺激末梢血単球(PBMC)由来のmRNAを鋳型として蛍光性化合物Cy3−dUTP(*1)(アマシャム・ファルマシア社製)で蛍光標識し、かつLPS無刺激PBMC由来のmRNAを鋳型として蛍光性化合物Cy5−dUTP(*2)(アマシャム・ファルマシア社製)で蛍光標識しプローブ溶液を得る。
このプローブ溶液を混合し、6×SET[0.9M NaCl、10μg/ml Yeast tRNA、0.1%SDS、120mM Tris−HCl(pH7.8)]中で前記DNAチップと45℃で一晩ハイブリダイゼーションを行う。
洗浄液[6×SSC、0.1%SDS]により52℃で洗浄後、スキャナーを用いて各蛍光物質をスキャニングして蛍光強度データを得て、そのデータの解析を行う。各スポットのCy3とCy5とのシグナル強度のスキャッタープロット(Scatter Plot)の結果、LPS刺激を受けたPBMC由来のmRNAに由来するプローブが発する蛍光は、すべてのスポットにおいて、LPS無刺激のものよりもシグナル強度が2倍以上強くなる。
産業上の利用可能性
本発明により、被検cDNA又は被検細胞に特異的に発現している遺伝子を再現性よく正確に検出し、解析することができる。本発明の方法により、任意の二つの細胞における機能、形態上の違いを遺伝子の発現状態の差として明らかにできるので、生理的条件下、あるいは病的状態におけるあらゆる生物現象の解析に広く応用できる。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明における発現遺伝子同定用cDNAタグ作成方法の一実施態様のうち(1)から(6)の工程を示す概略図である。図1中の″N″はA、T、C又はGから選ばれる任意の塩基である。
図2は、本発明における発現遺伝子同定用cDNAタグ作成方法の一実施態様のうち(7)から(10)の工程を示す概略図である。
Claims (50)
- 発現遺伝子同定用cDNAタグの作成方法であって:
相補的デオキシリボ核酸(cDNA)を準備し、
該cDNAをII型制限酵素で切断してcDNA断片を作成し;
該cDNA断片に、第1IIS型制限酵素の認識配列を含み、かつ前記II型制限酵の切断末端との連結部分に第2IIS型制限酵素の認識配列を生じるリンカーXを連結して、リンカーX−cDNA断片連結物を作成し;
該リンカーX−cDNA断片連結物を第2IIS型制限酵素で切断して、リンカーX−cDNAタグ連結物を作成し;
該リンカーX−cDNAタグの第2IIS型制限酵素による切断末端に、第1IIS型制限酵素の認識配列を含むリンカーYを連結して、リンカーX−cDNAタグ−リンカーY連結物を作成し;
該リンカーX−cDNAタグ−リンカーY連結物を増幅し;かつ
得られた増幅産物を第1IIS型制限酵素で切断して、発現遺伝子同定用cDNAタグを得る前記作成方法。 - さらに前記リンカーX−cDNA断片連結物を純化する工程を含む、請求項1記載の方法。
- さらに、前記リンカーX−cDNA断片連結物のcDNA断片の末端を、第1IIS型制限酵素の認識配列を含むリンカーYが結合可能な状態に処理する工程を含む、請求項1記載の方法。
- さらに、前記リンカーX−cDNA断片連結物のcDNA断片の末端を、第1IIS型制限酵素の認識配列を含むリンカーYが結合可能な状態に処理する工程を含む、請求項2記載の方法。
- 得られた発現遺伝子同定用cDNAタグを分離する工程を含む、請求項1、2、3又は4のいずれか1項記載の方法。
- 被検細胞由来のmRNAからcDNAを調製する請求項1記載の方法。
- オリゴdTプライマーとして、固相固定化オリゴdTプライマーを用いて、被検細胞由来のmRNAからcDNAを調製する請求項1記載の方法。
- 固相固定化オリゴdTプライマーが、ラテックスビーズ又はマグネットビーズ固定化オリゴdTプライマーである請求項7記載の方法。
- 前記II型制限酵素が、4塩基対の認識部位を有する請求項1記載の方法。
- 前記II型制限酵素が、AfaI,AluI,CviRI,DpnI,HpyCH4V,HpyF44III,RsaI,BfaI,Csp6I,HpyCH4IV,MaeI,MaeII,TaqAlphaI,TaqI,TthHB8I,XspI,Bsp143I,DpnII,MboI,NdeII,Sau3AI,NIaIII,AccII,Bsh1236I,BstUI,BsuRI,FnuDII,HaeIII,MvnI,AciI,BsiSI,HapII,Hin6I,HinP1I,HpaII,MspI,SciNI,CfoI,HhaI,MseI,Tru1I,Tru9I,TasI,Tsp509I,及びTspEIからなる群から選ばれたものである請求項1記載の方法。
- 前記第1IIS型制限酵素が、MmeI,BpmI,BsgI,BspGI,Eco57I,GsuI,BsmFI,BcefI,FokI,BbvI,Bsp423I,Bst71I,RleAI,EciI,BseMII,BseRI,HgaI,LweI,SfaNI,Aprl,BspMI,HphI,MboII,MnlI,BbsI,BciVI,BbvII,BpiI,BplI,BpuAI,及びFauIからなる群から選ばれたものである、請求項1記載の方法。
- 前記第1IIS型制限酵素が、MmeI,BpmI,BsgI,BspGI,Eco57I,GsuI,BsmFI,BcefI,FokI,BbvI,Bsp423I,Bst71I,RleAI,EciI,BseMII,BseRI,及びHgaIからなる群から選ばれたものである、請求項1記載の方法。
- 前記第1IIS型制限酵素が、MmeI,BpmI,BsgI,BspGI,Eco57I,及びGsuIからなる群から選ばれたものである請求項1記載の方法。
- 前記第2IIS型制限酵素がMmeI,BpmI,BsgI,BspGI,Eco57I,GsuI,BsmFI,BcefI,FokI,BbvI,Bsp423I,Bst71I,RleAI,EciI,BseMII,BseRI,HgaI,LweI,SfaNI,Aprl,BspMI,HphI,MboII,MnlI,BbsI,BciVI,BbvII,BpiI,BplI,BpuAI,及びFauIからなる群から選ばれたものである請求項1記載の方法。
- 前記第2IIS型制限酵素が、MmeI,BpmI,BsgI,BspGI,Eco57I,GsuI,BsmFI,BcefI,FokI,BbvI,Bsp423I,Bst71I,RleAI,EciI,BseMII,BseRI,及びHgaIからなる群から選ばれたものである、請求項1記載の方法。
- 前記第2IIS型制限酵素が、MmeI,BpmI,BsgI,BspGI,Eco57I,及びGsuIからなる群から選ばれたものである、請求項1記載の方法。
- 前記II型制限酵素が、Afal,RsaI,CviRI,HpyCH4V,HpyF44III,AciI,HhaI,HinP1I,Hin6I,SciNI、DpnI及びCfoIからなる群から選ばれたものであり、前記第2IIS型制限酵素が、MmeI,BsmFI,RleAI,HgaI,LweI,SfaNI,MnlI,BbsI,BbvII,BpiI,BplI,BpuAI及びFauIからなる群から選ばれたものである、請求項1記載の方法。
- 前記II型制限酵素がHpyCH4Vであり、前記第2IIS型制限酵素がRleAIである、請求項1記載の方法。
- 前記II型制限酵素がAfaIであり、前記第2IIS型制限酵素がBsmFIである、請求項1記載の方法。
- 前記II型制限酵素がRsaIであり、前記第2IIS型制限酵素がBsmFIである、請求項1記載の方法。
- 前記II型制限酵素がHinP1Iであり、前記第2IIS型制限酵素がHgaIである、請求項1記載の方法。
- 前記II型制限酵素がAfalであり、前記第2IIS型制限酵素がMmelである、請求項1記載の方法。
- 前記II型制限酵素がRsalであり、前記第2IIS型制限酵素がMmelである、請求項1記載の方法。
- 発現遺伝子同定用タグの長さが6〜25塩基対である、請求項1記載の方法。
- 発現遺伝子同定用タグの長さが10〜25塩基対である、請求項1記載の方法。
- 発現遺伝子同定用タグの長さが10〜16塩基対である、請求項1記載の方法。
- 第1IIS型制限酵素の認識配列を含み、かつII型制限酵素で切断されたcDNA断片との連結部分に第2IIS型制限酵素の認識配列を形成することができるリンカーX。
- 配列番号12及び13の塩基配列を有する、請求項27記載のリンカーX。
- II型制限酵素で切断されたcDNA断片と、第1IIS型制限酵素の認識配列を含み、かつ前記II型制限酵素の切断末端との連結部分に第2IIS型制限酵素の認識配列を生じるリンカーXとを含む、リンカーX−cDNA断片連結物。
- 請求項29記載のリンカーX−cDNA断片連結物の切断末端に、第1IIS型制限酵素の認識配列を含むリンカーYを連結したリンカーX−cDNAタグ−リンカーY連結物。
- 配列番号18の塩基配列及びその相補鎖を含む、請求項29記載のリンカーX−cDNAタグ−リンカーY連結物。
- 請求項1、2、3又は4のいずれか1項記載の方法で得られた発現遺伝子同定用cDNAタグライブラリー。
- 請求項31の同定用cDNAタグライブラリーを、検出すべき核酸を固定した検出装置に接触させることを特徴とする遺伝子発現解析方法。
- 該検出装置が、同定すべき一群の核酸を各スポットに有するDNAチップである、請求項33記載の遺伝子発現解析方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の方法で得られた発現遺伝子同定用タグを互いに連結する工程、及び該連結物の塩基配列を決定する工程を含む発現遺伝子解析方法。
- 該連結物が3〜200の発現遺伝子同定用タグを含む、請求項35記載の方法。
- 該連結物が3〜80の発現遺伝子同定用タグを含む、請求項35記載の方法。
- 該連結物が16〜40の発現遺伝子同定用タグを含む、請求項35記載の方法。
- 該連結物の配列を決定し、その配列からそれぞれのcDNAタグの配列を決定する、請求項36記載の定性的発現遺伝子解析方法。
- 該連結物の配列を決定し、その配列からそれぞれのcDNAタグの配列及び出現頻度を求める、請求項36記載の定量的発現遺伝子解析方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の方法で得られたcDNAタグの連結物であって、該cDNAタグの間にスペーサー配列がない連結物。
- 3〜200のcDNAタグを含む、請求項41記載の連結物。
- 3〜80の該cDNAタグを含む、請求項41記載の連結物。
- 16〜40の該cDNAタグを含む、請求項41記載の連結物。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の方法で得られたcDNAタグの連結物であって、該cDNAタグの間にスペーサー配列がある連結物。
- 3〜200のcDNAタグを含む、請求項45記載の連結物。
- 3〜80の該cDNAタグを含む、請求項45記載の連結物。
- 16〜40の該cDNAタグを含む、請求項45記載の連結物。
- 発現遺伝子同定用cDNAタグ作成キットであって、II型制限酵素、第1IIS型制限酵素、第2IIS型制限酵素、第1IIS型制限酵素の認識配列を含み、かつ前記II型制限酵素の切断末端との連結部分に第2IIS型制限酵素の認識配列を生じるリンカーX、及び第1IIS型制限酵素の認識配列を含むリンカーYを含む、該キット。
- さらにリンカーXにハイブリダイズするプライマーX、及びリンカーYにハイブリダイズするプライマーYを含む、請求項49記載の該キット。
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