JPWO2002064114A1 - 新規眼科用組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、点眼液のように投与が容易且つ使用感が良好で患者に苦痛を与えず、眼軟膏剤のように眼内に残存し薬物の持続放出が可能な点眼剤を提供することを目的とする。すなわち、本発明は、担体成分と、この担体成分中に分散又は溶解された1種もしくは2種以上の眼科用治療活性物質とを含む担体粒子からなり、この担体粒子の比重が1.2以上に調整されていることを特徴とする眼科用組成物である。本眼科用組成物は、微粒子の集合体で、薬物含有担体粒子の比重は、好ましくは1.2以上に調整されている。その主な使用形態は、前記眼科用組成物が分散媒に懸濁されている点眼液である。
Description
技術分野
本発明は、眼科用組成物に関する。詳しくは、本発明品は、眼に適用したときに、結膜または角膜などに刺激または障害を与えることなく、眼科用治療活性物質を含有する担体粒子を長時間眼内に滞留させ、該眼科用治療活性物質を徐々に放出し、その薬効を長時間持続させることのできる眼科用組成物に関するものである。
背景技術
眼科領域において、薬物を投与する場合には、点眼剤の使用、眼軟膏剤の塗布、注射剤の使用等が行われるが、最も簡便で患者にとって苦痛を与えない投与方法は、液剤の点眼によるものである。しかし、従来の点眼液は、眼内からの排出が速く、生物学的利用率が著しく悪い。このため、頻回投与を必要とするものが多い。これは患者のコンプライアンスの低下を招くと共に、不必要な薬物投与により副作用を生じる問題が発生する(高杉益充,医薬ジャーナル,35(9),65,1999)。
この問題点に対し、眼軟膏剤、ゲル化点眼剤、挿入剤等の剤形が検討されている。これらの製剤は、薬効持続という点で点眼液より勝っているが、眼への異物感、べたつき感などの問題がいまだ解決されていない。特に、眼軟膏剤では、投与の困難性と投与後の眼内での違和感(本瀬賢治,点眼剤,.南山堂,p145〜,1986、井口定男,新総合薬剤学<II>.医歯薬出版,p146〜,1981)が、更に、近年開発されているゲル化点眼剤においても、霧視や違和感が指摘されている。
一方、点眼可能な溶媒中に薬剤等を懸濁させた懸濁点眼剤についても種々の検討がなされており、J.W Siegらにより、懸濁粒子(ポリスチレンラテックス)の大きさを25μmとした場合に、前眼部によく保持されたとの報告(J.W.Sieg,J.Pharm.Sci.,69,863,1980)がされている。しかし、これは投与後10分までの報告であり、自社試験では長時間の滞留は認められず、ポリスチレン微粒子による滞留制御は困難であった。
このように、現状使用されている点眼剤においては、懸濁点眼剤も含む液剤では薬効の持続性や生物学的利用率の問題が、眼軟膏剤等では投与の簡便性や使用感の問題が、未だ解決されずに残っている。そこで、本発明においては、点眼液のように投与が容易且つ使用感が良好で患者に苦痛を与えず、眼軟膏剤のように眼内に残存し薬物の持続放出が可能な点眼剤を提供することを課題として、鋭意研究を続けた。
発明の開示
その結果、本発明者らは、懸濁点眼剤において、比重が1.05のポリスチレン粒子単独では長時間の滞留が不可能であったが、担体粒子の比重を調整することにより、眼内からの排出遅延効果を得ることができるという新知見を得て、それに基づいて本発明品を完成させた。即ち、本発明品は、担体成分と、この担体成分中に分散又は溶解された1種もしくは2種以上の眼科用治療活性物質(本明細書中において、「薬物」を同じ意味で用いることがある。)とを含む担体粒子からなり、この担体粒子の比重が調整されていることを特徴とする眼科用組成物であるとともに、その主な使用形態は、前記眼科用組成物が分散媒に懸濁されていることを特徴とする点眼液である。ここで、薬物含有担体粒子の比重は、好ましくは1.2以上に調整することにより、違和感や苦痛等を伴わずに、該薬物含有担体微粒子の眼内からの排出を遅延させ、長時間眼内の薬物有効濃度を維持することに成功した。
本発明の眼科用組成物は、担体粒子の比重を制御することにより、製剤本体、即ち、粒子状担体の眼内滞留性を向上さること、更に粒子状担体からの薬効成分の持続放出により薬効の持続化が可能となる。これにより、点眼回数の削減による患者のQOLの改善、薬物投与量の減少による全身性副作用の回避を実現することができるので、眼科領域における製剤としては極めて有効である。
発明を実施するための最良の形態
本発明は、担体成分と、この担体成分中に分散又は溶解された1種もしくは2種以上の眼科用治療活性物質とを含む担体粒子からなり、この担体粒子の比重が調整されていることを特徴とする眼科用組成物である。当該眼科用組成物は、通常、多数の微粒子(担体粒子)の集合体であり、担体粒子以外の成分等を含むこともできる。薬物含有担体粒子の比重調整は、比重調整剤の添加により行うか、又は、適当な比重の担体成分を選択することで、比重調整剤の添加なしで行うこともできる。通常担体粒子の比重は1以上に調整されるが、担体粒子の滞留性の観点から、当該比重は好ましくは1.2以上に調整され、更に好ましくは1.7以上、殊に好ましくは2.0以上に調整される。尚、比重値とは、担体成分と薬物と必要に応じて添加される比重調整剤等の全てを含有した担体粒子の比重を意味している。
本発明に使用し得る眼科用治療活性物質としては、例えば、化学療法剤、抗生物質、抗アレルギー剤、抗炎症剤、縮瞳剤、ビタミン剤、血管収縮剤、抗ヒスタミン剤、散瞳剤、緑内障治療剤、白内障治療剤、局所麻酔剤、眼科用診断剤、免疫抑制剤、代謝拮抗剤、充血除去剤、自律神経剤、糖尿病性網膜治療剤、アミノ酸類等が挙げられる。勿論、これらの2種以上を混合して使用することもできる。
本発明において、前記眼科用治療活性物質を含有させ、その放出を制御する担体成分は、粒子状に成形するのに適した性状を有し、生理学的に許容し得る性質のものであれば、いかなる成分も使用できる。このような性質の担体成分としては、例えば、高分子成分、油脂性成分等が考えられるが、望ましいものを以下に列挙する。
担体成分のうち、非水溶性高分子としては、エチルセルロース、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリメチルメタアクリレート、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル・コポリマー、メタクリル酸メチル・メタアクリル酸ブチル・メタアクリル酸ジメチルアミノエチル・コポリマーなどを挙げることができる。生体内分解性高分子としては、例えばポリ乳酸、ポリ乳酸・グルコール酸共重合体、ポリシアノアクリレート、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリ−ε−カプロラクトンなどを挙げることができる。水溶性高分子としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体、アルギン酸カルシウム、キトサン、アルブミン、ゼラチン、メタアクリル酸・メタアクリル酸メチル・コポリマーなどが挙げられる。油脂性成分としては、トリパルミチン、セチルアルコール、コレステロール、各種リン脂質類、パルミチン酸セチル、パルミチン酸コレステロールなどを挙げることができる。
これらの担体成分は、通常、眼科用治療活性物質を含む薬効成分の徐放機能を有している。しかしながら、本発明で使用される担体成分には、このような徐放機能を有するものに限定されるものではない。即ち、徐放機能を有しない担体成分からなる本発明の担体粒子においても、長時間眼内に滞留させることが可能で、その間担体粒子に分散又は溶解させた薬物を、その薬物の溶解速度に応じて眼内に供給することができる。
また、比重調整剤を添加しなくても使用可能な比重の高い担体成分としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート200731(比重1.65)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート220824(比重1.82)、カルボキシメチルエチルセルロース(比重1.59)等が挙げられる。しかしながら、これらの担体成分を用いる場合であっても、更に比重調整剤を添加して、比重値をより高くするのが好ましい。
本発明において、担体粒子の比重調整に使用される比重調整剤としては、例えば、酸化チタン(比重4.17)のような不溶性成分、リン酸三カルシウム(比重3.14)、無水リン酸水素カルシウム(比重2.89)、リン酸水素カルシウム・二水和物(比重2.30)のような難溶性成分、塩化ナトリウム(比重2.17)、塩化カリウム(比重1.98)、塩化カルシウム(比重2.0)、塩化マグネシウム(比重2.41)、炭酸ナトリウム(比重2.53)、リン酸二水素ナトリウム(比重1.95)、リン酸一水素ナトリウム(比重1.7)、リン酸二水素カリウム(比重2.34)のような水溶性成分等が挙げられるが、本発明において使用される比重調整剤は、これらに限定されるものではない。これらの比重調整剤は、前記担体粒子中に含有させて使用する。これらの比重調整剤は、その溶解性、比重がそれぞれ異なるため、これらを単独で、または2種以上を適宜の割合で配合して使用することにより比重を変化させ、製剤の眼内滞留時間を調整することができる。得られる担体粒子の比重は、使用する担体成分の種類、比重調整剤の種類、眼科用治療活性物質の種類、配合割合などに応じて決まる。
比重調整剤の具体的な使用法については、まず、本発明の眼科用組成物を懸濁点眼剤として使用する場合の分散媒(後述)に、溶解しない又は溶解しにくい比重調整剤を選択する。例えば、担体粒子を懸濁するのに水系分散媒を使用する場合は、酸化チタンのような不溶性成分か、前述の難溶性成分を用いるのが好ましい。また、比重調整剤としては、担体粒子が目的とする比重値よりも、かなり高い比重を有するものを選択するのが好ましい。比重の低い比重調整剤を使用すると、担体粒子の目的とする比重値を実現させるために、担体粒子中に占める比重調整剤の割合が増え、その結果、担体成分の添加割合が減少するため、担体成分としての機能、例えば、徐放機能を期待する場合にはその徐放機能が充分発揮され難くなるからである。
尚、そのような観点から見ると、酸化チタンは、各種分散媒に不溶である上、比重も4.17と高いため、比重2.0以上の眼科用組成物を調製するのに好適である。また、できあがった眼科用組成物の比重値は、日本薬局方比重測定法第1法比重瓶による測定方法等で測定することができる。
本発明の眼科用組成物の平均粒子径、即ち担体粒子の平均粒子径は、眼内における違和感を軽減するという観点から、通常75μm以下が好ましく、更に好ましくは40μm以下に調整する(日本薬局方の点眼剤の項には、懸濁粒子の場合の粒子径は75μm以下と定められている。)。本担体粒子の粒子径は、沈降法にて測定することができる。
尚、数μm以下、一般には1μm以下の粒子はコロイド領域に入り、比重の影響が少なくなるため、充分な眼内滞留性が得られない可能性もある。そのため、本発明の眼科用組成物中において、このような1μm以下の微粒子の含有比率を高くすることは、好ましくない。しかし一方では、前記のような1μm以下の微粒子が適量混合されている場合は、これらの微粒子からの薬物の速放効果を期待することができるので、粒子径の大きい部分からの徐放効果と合わせた製剤とすることもできる。
本発明の眼科用組成物は、懸濁点眼剤として眼内に投与するのが好ましい。懸濁点眼剤として投与する場合、粒子状の本発明の眼科用組成物を分散媒に用時懸濁させ、通常の点眼液剤と同様な手技にて眼内に点眼する。勿論、あらかじめ、懸濁点眼液として調製しておくこともできる。
本発明の眼科用組成物を懸濁点眼剤として使用する場合は、眼科用治療活性物質、及び担体成分の溶解性を考慮した水系又は非水系の分散媒を使用することができる。即ち、水系分散媒の場合に、例えば、担体成分としてアルギン酸カルシウムを使用する時は、担体粒子が溶解しないような塩化カルシウム水溶液を分散媒として使用するとか、担体粒子内の薬物が流出しないような薬物飽和水溶液を分散媒として使用する等である。また、非水系分散媒の場合に、水溶性担体成分を使用する時は、その水溶性担体成分及び眼科用治療活性物質が溶解しないような分散媒、例えば、オリブ油、ゴマ油、ダイズ油、ツバキ油、ナタネ油、トウモロコシ油、ラッカセイ油、メンジツ油のような植物油、または、流動パラフィン、プロピレングリコール、グリセリン、β−オクチルドデカノールなどを使用することが例示できる。懸濁点眼剤には、通常眼科用剤の製造に使用される賦形剤、懸濁剤、pH調整剤、緩衝剤、等張化剤、保存剤、粘稠化剤等の付加剤を適宜に添加してもよい。尚、これらの付加剤は、あらかじめ、本発明の眼科用組成物に含有させておくこともできる。
本発明組成物はいかなる方法によって調製してもよい。その調製方法を以下にいくつか例示する。
1.担体成分を適当な溶媒に溶解し、これに眼科用治療活性物質を溶解又は分散させ、次いで比重調整剤を分散させた後、キャスティング法にてフィルム状固形物となし、これを粉砕して担体粒子とする。
2.担体成分を適当な溶媒に溶解し、これに眼科用治療活性物質を溶解又は分散させ、分散液を噴霧乾燥法(Spray drying)にて担体粒子とする。
3.担体成分を溶媒に溶解し、これに眼科用治療活性物質(薬物)または比重調整剤を溶解又は分散させ、ワースターコーティング法(Wuster coating)により核粒子(比重調整剤又は薬物のうち、先に溶媒に溶解又は分散させていない方が核となる。)の表面にコーティングして担体粒子とする。
4.担体成分を溶媒に溶解し、これに眼科用治療活性物質と比重調整剤を少量の担体成分で造粒した核粒子を分散させ、非溶媒を添加し核表面に担体成分膜を形成させるコアセルベーション法にて担体粒子とする。
5.担体成分を溶媒に溶解し、更に眼科用治療活性物質を溶解させる。これに比重調整剤を核粒子として分散させ、非溶媒を添加し、核粒子の表面に担体成分膜を形成させるコアセルベーション法にて担体粒子とする。
尚、所望の粒子径を備えた担体粒子は、得られた担体粒子を篩過することにより、容易に得ることができる。また、遠心沈降式粒度分布測定装置等で測定し、担体粒子径を確認することもできる。
実施例
実施例1(ノルフロキサシン含有エチルセルロース粒子)
エチルセルロース(633mg)をエタノール−ジクロロメタン混液(1:1)(10ml)に溶かし、これにノルフロキサシン(150mg)を加えて溶解させ、更に酸化チタン(2.22g)を分散させた。これをキャスティング法にてシート状に調製した。これを更に粉砕、篩過(20〜32μm)し、比重2.42の担体粒子を得た。
実施例2(ノルフロキサシン含有ポリシアノアクリレート粒子)
ポリシアノアクリレート(570mg)をジクロロメタン(10ml)に溶かし、これにノルフロキサシン(154mg)を加えて溶解させ、更に酸化チタン(2.28g)を分散させた。これをキャスティング法にてシート状に調製した。これを更に粉砕、篩過(20〜32μm)し、比重2.40の担体粒子を得た。
実施例3(ノルフロキサシン含有パルミチン酸セチル粒子)
パルミチン酸セチル(570mg)をジクロロメタン(10ml)に溶かし、これにノルフロキサシン(154mg)を加えて溶解させ、更に酸化チタン(2.28g)を分散させた。これをキャスティング法にてシート状に調製した。これを更に粉砕、篩過(20〜32μm)し、比重2.46の担体粒子を得た。
実施例4(プラノプロフェン含有エチルセルロース粒子)
エチルセルロース(633mg)をエタノール(10ml)に溶かし、これにプラノプロフェン(150mg)を加えて溶解させ、更に酸化チタン(2.22g)を分散させた。これをキャスティング法にてシート状に調製した。これを更に粉砕し、20μm〜32μmの径を持つ担体粒子を得るために篩過し、比重2.41の担体粒子を得た。
実施例5(トラニラスト含有パルミチン酸セチル粒子)
パルミチン酸セチル(570mg)をジクロロメタン(10ml)に溶かし、これにトラニラスト(154mg)を加えて溶解させ、更に酸化チタン(2.28g)を分散させた。これをキャスティング法にてシート状に調製した。これを更に粉砕し、20μm〜32μmの径を持つ担体粒子を得るために篩過し、比重2.14の担体粒子を得た。
実施例6(フルオロメトロン含有エチルセルロース粒子)
エチルセルロース(633mg)をエタノール(10ml)に溶かし、これにフルオロメトロン(150mg)を加えて溶解させ、更に酸化チタン(2.22g)を分散させた。これをキャスティング法にてシート状に調製した。これを更に粉砕し、20μm〜32μmの径を持つ担体粒子を得るために篩過し、比重2.46の担体粒子を得た。
実施例7(ノルフロキサシン含有パルミチン酸セチル粒子)
パルミチン酸セチル(851mg)をジクロロメタン(10ml)に溶かし、これにノルフロキサシン(242mg)を加えて溶解させ、更に酸化チタン(1.91g)を分散させた。これをキャスティング法にてシート状に調製した。これを更に粉砕し、20μm〜32μmの径を持つ担体粒子を得るために篩過し、比重1.76の担体粒子を得た。
実施例8(ノルフロキサシン含有パルミチン酸セチル粒子)
パルミチン酸セチル(1.55g)をジクロロメタン(10ml)に溶かし、これにノルフロキサシン(290mg)を加えて溶解させ、更に酸化チタン(1.17g)を分散させた。これをキャスティング法にてシート状に調製した。これを更に粉砕し、20μm〜32μmの径を持つ担体粒子を得るために篩過し、比重1.20の担体粒子を得た。
試験例
本明細書で、濃度(%)に関する記載は、とくに断り書きがない場合は、重量/体積(%)である。尚、断り書きの重量%とは、重量/全重量(%)である。
試験例1
エチルセルロース粒子のウサギ眼内滞留性評価
[方法]
エチルセルロース(260mg)をクロロホルム(6ml)に溶解させた。この溶液中に酸化チタン(1.904g)、食用黄色4号アルミニウムレーキ(835mg)を加え、攪拌した。超音波にて、酸化チタンなどの凝集物を粉砕し、極力分散させるようにした。この混合懸濁液をテフロンシャーレにキャスティングし、自然乾燥させた。得られたフィルムを粉砕、篩過(20〜32μm)し、目的とする粒子(表1,検体1)を得た。各成分の組成比を変え、同様な方法で各比重の担体粒子を調製した(表1,検体2,3,4)。尚、担体粒子径は、確認のため、遠心沈降式粒度分布測定装置にて測定した。表1には、メジアン径を示した。
調製した担体粒子を等張リン酸緩衝液(pH7.4)に2.6%濃度で懸濁し、ウサギ下結膜嚢内に点眼投与し、一定時間経過後に眼内の粒子を回収し、粒子の残存率を色素を指標として算出した。対照としてプラスチベース(7.40g)に食用黄色4号アルミニウムレーキ(19.8mg)を含有させた眼軟膏剤を調製し、ウサギ下結膜嚢内に塗布し、一定時間経過後に眼内の眼軟膏剤を回収し、眼軟膏剤の残存率を色素を指標として算出した。眼軟膏剤の排出速度を1とした場合における比重の異なる担体粒子の排出速度比較を実施した。また参照として、現状技術を確認する目的で、ポリスチレン粒子(FluoresbriteTM Plain Microspheres使用;2.61%Solid−Latex,Polysciences,Inc.)についても、同様の試験を実施した。本粒子の残存率は検体と同様、眼内から回収し、フルオレセインの蛍光強度を指標として算出した。
[結果]
実験の結果は図1に示すとおりであった。比重1.05のポリスチレン粒子は、速やかに眼内から排出されたが、比重を調整したエチルセルロース粒子は眼内滞留性が向上した。特に比重を2以上とした場合、現在眼内滞留性が優れているとされる眼軟膏剤よりも長時間眼内に滞留した。
試験例2
比重調整した薬物含有粒子の性能評価
[方法]
実施例1〜8で調整した薬物含有粒子(10〜20mg)をpH7.4等張リン酸緩衝液(40ml)に浸し、37℃、100rpmの試験条件下における粒子からの薬物の溶出量を、吸光光度計、又は液体クロマトグラフを用いて測定し、投与薬物量から各時間での溶出率を算出した。対照として、実施例の各粒子に含有させた薬物について、粉末状の原体そのものからの薬物の溶出率を、同様な方法にて算出した。尚、対照群においては、試験液が薬物の飽和溶解度以下となるように各薬物(粉末状原体)の添加量を調製して、試験を行った。
[結果]
図2A〜Hに示す結果が得られた。これにより、本発明の眼科用組成物における薬効成分の持続放出性が確認された。
試験例3
ノルフロキサシン含有エチルセルロース粒子投与後のウサギ前眼部におけるノルフロキサシン濃度の変化
[方法]
実施例1で調製した粒子をノルフロキサシン飽和水溶液(0.06%)に3%濃度[ノルフロキサシン濃度は0.15%相当]で懸濁し、全体でノルフロキサシンを0.21%相当含有する懸濁液を調製した。この懸濁液(50μl)を下結膜嚢内に投与し、一定時間ごとに前眼部のノルフロキサシン濃度を、液体クロマトグラフを用いて測定した。対照として0.3%ノルフロキサシン市販点眼液(ノフロ点眼液)を同様に投与した。
[結果]
実験の結果を図3に示す。眼感染症臨床分離株の一つであるStreptococus spに対するノルフロキサシンのMIC80値(12.5μg/ml)を、薬効濃度の指標とした。図3に示す結果から求めた薬効濃度維持時間を表2に示した。懸濁粒子投与の本発明製剤群におけるノルフロキサシン薬効濃度維持時間は、1.5倍量の薬物を含む市販点眼液投与対照群よりも9倍長かった。
試験例4
粒子投与の安全性評価
[方法]
エチルセルロース(30.4重量%)、酸化チタン(69.6重量%)から成る粒子径25μm,比重2.6となる粒子を調製し、等張リン酸緩衝液(pH7.4)に3.0%濃度で懸濁した。ウサギ下結膜嚢内に1日2回、28日間連続点眼投与し、投与期間中、投与終了後の刺激性、障害性について、生理食塩水を対照としてDraize法、フルオレセイン染色法により評価した。
[結果]
表3及び表4に示すように、担体粒子の点眼投与で刺激性、障害性は認められなかった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、試験例1において、眼軟膏剤の排出速度を指標として、比重調整を行った担体粒子の眼内滞留性を、粒子比重と眼軟膏との排出速度比の関係で示した図である。なお、グラフは、平均値を表示したものであり、検体1と検体4はn=8,検体2と検体3はn=6で実施された。
第2図は、試験例2において、実施例1〜8で得られた本発明の粒子状組成物からの溶出挙動の結果を示した図である。A〜Hは、それぞれ実施例1〜8に対応する。
第3図は、試験例3において、本発明の実施例1の粒子状組成物を懸濁点眼剤として使用した場合の、ウサギ前眼部のノルフロキサシン濃度経時変化を、対照となるノルフロキサシン水溶液と比較して示した図である。なお、グラフは、平均値と標準偏差で表示されている(n=4)。
第4図は、担体粒子を模式的に示したものである。図4Aには、担体成分2と、その担体成分2中に分散又は溶解された眼科用治療活性物質3とを含有する担体粒子1を示す。また、図4Bには、担体成分2と、眼料用治療活性物質3と、比重調整剤4とを含有する担体粒子1を示す。
本発明は、眼科用組成物に関する。詳しくは、本発明品は、眼に適用したときに、結膜または角膜などに刺激または障害を与えることなく、眼科用治療活性物質を含有する担体粒子を長時間眼内に滞留させ、該眼科用治療活性物質を徐々に放出し、その薬効を長時間持続させることのできる眼科用組成物に関するものである。
背景技術
眼科領域において、薬物を投与する場合には、点眼剤の使用、眼軟膏剤の塗布、注射剤の使用等が行われるが、最も簡便で患者にとって苦痛を与えない投与方法は、液剤の点眼によるものである。しかし、従来の点眼液は、眼内からの排出が速く、生物学的利用率が著しく悪い。このため、頻回投与を必要とするものが多い。これは患者のコンプライアンスの低下を招くと共に、不必要な薬物投与により副作用を生じる問題が発生する(高杉益充,医薬ジャーナル,35(9),65,1999)。
この問題点に対し、眼軟膏剤、ゲル化点眼剤、挿入剤等の剤形が検討されている。これらの製剤は、薬効持続という点で点眼液より勝っているが、眼への異物感、べたつき感などの問題がいまだ解決されていない。特に、眼軟膏剤では、投与の困難性と投与後の眼内での違和感(本瀬賢治,点眼剤,.南山堂,p145〜,1986、井口定男,新総合薬剤学<II>.医歯薬出版,p146〜,1981)が、更に、近年開発されているゲル化点眼剤においても、霧視や違和感が指摘されている。
一方、点眼可能な溶媒中に薬剤等を懸濁させた懸濁点眼剤についても種々の検討がなされており、J.W Siegらにより、懸濁粒子(ポリスチレンラテックス)の大きさを25μmとした場合に、前眼部によく保持されたとの報告(J.W.Sieg,J.Pharm.Sci.,69,863,1980)がされている。しかし、これは投与後10分までの報告であり、自社試験では長時間の滞留は認められず、ポリスチレン微粒子による滞留制御は困難であった。
このように、現状使用されている点眼剤においては、懸濁点眼剤も含む液剤では薬効の持続性や生物学的利用率の問題が、眼軟膏剤等では投与の簡便性や使用感の問題が、未だ解決されずに残っている。そこで、本発明においては、点眼液のように投与が容易且つ使用感が良好で患者に苦痛を与えず、眼軟膏剤のように眼内に残存し薬物の持続放出が可能な点眼剤を提供することを課題として、鋭意研究を続けた。
発明の開示
その結果、本発明者らは、懸濁点眼剤において、比重が1.05のポリスチレン粒子単独では長時間の滞留が不可能であったが、担体粒子の比重を調整することにより、眼内からの排出遅延効果を得ることができるという新知見を得て、それに基づいて本発明品を完成させた。即ち、本発明品は、担体成分と、この担体成分中に分散又は溶解された1種もしくは2種以上の眼科用治療活性物質(本明細書中において、「薬物」を同じ意味で用いることがある。)とを含む担体粒子からなり、この担体粒子の比重が調整されていることを特徴とする眼科用組成物であるとともに、その主な使用形態は、前記眼科用組成物が分散媒に懸濁されていることを特徴とする点眼液である。ここで、薬物含有担体粒子の比重は、好ましくは1.2以上に調整することにより、違和感や苦痛等を伴わずに、該薬物含有担体微粒子の眼内からの排出を遅延させ、長時間眼内の薬物有効濃度を維持することに成功した。
本発明の眼科用組成物は、担体粒子の比重を制御することにより、製剤本体、即ち、粒子状担体の眼内滞留性を向上さること、更に粒子状担体からの薬効成分の持続放出により薬効の持続化が可能となる。これにより、点眼回数の削減による患者のQOLの改善、薬物投与量の減少による全身性副作用の回避を実現することができるので、眼科領域における製剤としては極めて有効である。
発明を実施するための最良の形態
本発明は、担体成分と、この担体成分中に分散又は溶解された1種もしくは2種以上の眼科用治療活性物質とを含む担体粒子からなり、この担体粒子の比重が調整されていることを特徴とする眼科用組成物である。当該眼科用組成物は、通常、多数の微粒子(担体粒子)の集合体であり、担体粒子以外の成分等を含むこともできる。薬物含有担体粒子の比重調整は、比重調整剤の添加により行うか、又は、適当な比重の担体成分を選択することで、比重調整剤の添加なしで行うこともできる。通常担体粒子の比重は1以上に調整されるが、担体粒子の滞留性の観点から、当該比重は好ましくは1.2以上に調整され、更に好ましくは1.7以上、殊に好ましくは2.0以上に調整される。尚、比重値とは、担体成分と薬物と必要に応じて添加される比重調整剤等の全てを含有した担体粒子の比重を意味している。
本発明に使用し得る眼科用治療活性物質としては、例えば、化学療法剤、抗生物質、抗アレルギー剤、抗炎症剤、縮瞳剤、ビタミン剤、血管収縮剤、抗ヒスタミン剤、散瞳剤、緑内障治療剤、白内障治療剤、局所麻酔剤、眼科用診断剤、免疫抑制剤、代謝拮抗剤、充血除去剤、自律神経剤、糖尿病性網膜治療剤、アミノ酸類等が挙げられる。勿論、これらの2種以上を混合して使用することもできる。
本発明において、前記眼科用治療活性物質を含有させ、その放出を制御する担体成分は、粒子状に成形するのに適した性状を有し、生理学的に許容し得る性質のものであれば、いかなる成分も使用できる。このような性質の担体成分としては、例えば、高分子成分、油脂性成分等が考えられるが、望ましいものを以下に列挙する。
担体成分のうち、非水溶性高分子としては、エチルセルロース、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリメチルメタアクリレート、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル・コポリマー、メタクリル酸メチル・メタアクリル酸ブチル・メタアクリル酸ジメチルアミノエチル・コポリマーなどを挙げることができる。生体内分解性高分子としては、例えばポリ乳酸、ポリ乳酸・グルコール酸共重合体、ポリシアノアクリレート、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリ−ε−カプロラクトンなどを挙げることができる。水溶性高分子としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体、アルギン酸カルシウム、キトサン、アルブミン、ゼラチン、メタアクリル酸・メタアクリル酸メチル・コポリマーなどが挙げられる。油脂性成分としては、トリパルミチン、セチルアルコール、コレステロール、各種リン脂質類、パルミチン酸セチル、パルミチン酸コレステロールなどを挙げることができる。
これらの担体成分は、通常、眼科用治療活性物質を含む薬効成分の徐放機能を有している。しかしながら、本発明で使用される担体成分には、このような徐放機能を有するものに限定されるものではない。即ち、徐放機能を有しない担体成分からなる本発明の担体粒子においても、長時間眼内に滞留させることが可能で、その間担体粒子に分散又は溶解させた薬物を、その薬物の溶解速度に応じて眼内に供給することができる。
また、比重調整剤を添加しなくても使用可能な比重の高い担体成分としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート200731(比重1.65)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート220824(比重1.82)、カルボキシメチルエチルセルロース(比重1.59)等が挙げられる。しかしながら、これらの担体成分を用いる場合であっても、更に比重調整剤を添加して、比重値をより高くするのが好ましい。
本発明において、担体粒子の比重調整に使用される比重調整剤としては、例えば、酸化チタン(比重4.17)のような不溶性成分、リン酸三カルシウム(比重3.14)、無水リン酸水素カルシウム(比重2.89)、リン酸水素カルシウム・二水和物(比重2.30)のような難溶性成分、塩化ナトリウム(比重2.17)、塩化カリウム(比重1.98)、塩化カルシウム(比重2.0)、塩化マグネシウム(比重2.41)、炭酸ナトリウム(比重2.53)、リン酸二水素ナトリウム(比重1.95)、リン酸一水素ナトリウム(比重1.7)、リン酸二水素カリウム(比重2.34)のような水溶性成分等が挙げられるが、本発明において使用される比重調整剤は、これらに限定されるものではない。これらの比重調整剤は、前記担体粒子中に含有させて使用する。これらの比重調整剤は、その溶解性、比重がそれぞれ異なるため、これらを単独で、または2種以上を適宜の割合で配合して使用することにより比重を変化させ、製剤の眼内滞留時間を調整することができる。得られる担体粒子の比重は、使用する担体成分の種類、比重調整剤の種類、眼科用治療活性物質の種類、配合割合などに応じて決まる。
比重調整剤の具体的な使用法については、まず、本発明の眼科用組成物を懸濁点眼剤として使用する場合の分散媒(後述)に、溶解しない又は溶解しにくい比重調整剤を選択する。例えば、担体粒子を懸濁するのに水系分散媒を使用する場合は、酸化チタンのような不溶性成分か、前述の難溶性成分を用いるのが好ましい。また、比重調整剤としては、担体粒子が目的とする比重値よりも、かなり高い比重を有するものを選択するのが好ましい。比重の低い比重調整剤を使用すると、担体粒子の目的とする比重値を実現させるために、担体粒子中に占める比重調整剤の割合が増え、その結果、担体成分の添加割合が減少するため、担体成分としての機能、例えば、徐放機能を期待する場合にはその徐放機能が充分発揮され難くなるからである。
尚、そのような観点から見ると、酸化チタンは、各種分散媒に不溶である上、比重も4.17と高いため、比重2.0以上の眼科用組成物を調製するのに好適である。また、できあがった眼科用組成物の比重値は、日本薬局方比重測定法第1法比重瓶による測定方法等で測定することができる。
本発明の眼科用組成物の平均粒子径、即ち担体粒子の平均粒子径は、眼内における違和感を軽減するという観点から、通常75μm以下が好ましく、更に好ましくは40μm以下に調整する(日本薬局方の点眼剤の項には、懸濁粒子の場合の粒子径は75μm以下と定められている。)。本担体粒子の粒子径は、沈降法にて測定することができる。
尚、数μm以下、一般には1μm以下の粒子はコロイド領域に入り、比重の影響が少なくなるため、充分な眼内滞留性が得られない可能性もある。そのため、本発明の眼科用組成物中において、このような1μm以下の微粒子の含有比率を高くすることは、好ましくない。しかし一方では、前記のような1μm以下の微粒子が適量混合されている場合は、これらの微粒子からの薬物の速放効果を期待することができるので、粒子径の大きい部分からの徐放効果と合わせた製剤とすることもできる。
本発明の眼科用組成物は、懸濁点眼剤として眼内に投与するのが好ましい。懸濁点眼剤として投与する場合、粒子状の本発明の眼科用組成物を分散媒に用時懸濁させ、通常の点眼液剤と同様な手技にて眼内に点眼する。勿論、あらかじめ、懸濁点眼液として調製しておくこともできる。
本発明の眼科用組成物を懸濁点眼剤として使用する場合は、眼科用治療活性物質、及び担体成分の溶解性を考慮した水系又は非水系の分散媒を使用することができる。即ち、水系分散媒の場合に、例えば、担体成分としてアルギン酸カルシウムを使用する時は、担体粒子が溶解しないような塩化カルシウム水溶液を分散媒として使用するとか、担体粒子内の薬物が流出しないような薬物飽和水溶液を分散媒として使用する等である。また、非水系分散媒の場合に、水溶性担体成分を使用する時は、その水溶性担体成分及び眼科用治療活性物質が溶解しないような分散媒、例えば、オリブ油、ゴマ油、ダイズ油、ツバキ油、ナタネ油、トウモロコシ油、ラッカセイ油、メンジツ油のような植物油、または、流動パラフィン、プロピレングリコール、グリセリン、β−オクチルドデカノールなどを使用することが例示できる。懸濁点眼剤には、通常眼科用剤の製造に使用される賦形剤、懸濁剤、pH調整剤、緩衝剤、等張化剤、保存剤、粘稠化剤等の付加剤を適宜に添加してもよい。尚、これらの付加剤は、あらかじめ、本発明の眼科用組成物に含有させておくこともできる。
本発明組成物はいかなる方法によって調製してもよい。その調製方法を以下にいくつか例示する。
1.担体成分を適当な溶媒に溶解し、これに眼科用治療活性物質を溶解又は分散させ、次いで比重調整剤を分散させた後、キャスティング法にてフィルム状固形物となし、これを粉砕して担体粒子とする。
2.担体成分を適当な溶媒に溶解し、これに眼科用治療活性物質を溶解又は分散させ、分散液を噴霧乾燥法(Spray drying)にて担体粒子とする。
3.担体成分を溶媒に溶解し、これに眼科用治療活性物質(薬物)または比重調整剤を溶解又は分散させ、ワースターコーティング法(Wuster coating)により核粒子(比重調整剤又は薬物のうち、先に溶媒に溶解又は分散させていない方が核となる。)の表面にコーティングして担体粒子とする。
4.担体成分を溶媒に溶解し、これに眼科用治療活性物質と比重調整剤を少量の担体成分で造粒した核粒子を分散させ、非溶媒を添加し核表面に担体成分膜を形成させるコアセルベーション法にて担体粒子とする。
5.担体成分を溶媒に溶解し、更に眼科用治療活性物質を溶解させる。これに比重調整剤を核粒子として分散させ、非溶媒を添加し、核粒子の表面に担体成分膜を形成させるコアセルベーション法にて担体粒子とする。
尚、所望の粒子径を備えた担体粒子は、得られた担体粒子を篩過することにより、容易に得ることができる。また、遠心沈降式粒度分布測定装置等で測定し、担体粒子径を確認することもできる。
実施例
実施例1(ノルフロキサシン含有エチルセルロース粒子)
エチルセルロース(633mg)をエタノール−ジクロロメタン混液(1:1)(10ml)に溶かし、これにノルフロキサシン(150mg)を加えて溶解させ、更に酸化チタン(2.22g)を分散させた。これをキャスティング法にてシート状に調製した。これを更に粉砕、篩過(20〜32μm)し、比重2.42の担体粒子を得た。
実施例2(ノルフロキサシン含有ポリシアノアクリレート粒子)
ポリシアノアクリレート(570mg)をジクロロメタン(10ml)に溶かし、これにノルフロキサシン(154mg)を加えて溶解させ、更に酸化チタン(2.28g)を分散させた。これをキャスティング法にてシート状に調製した。これを更に粉砕、篩過(20〜32μm)し、比重2.40の担体粒子を得た。
実施例3(ノルフロキサシン含有パルミチン酸セチル粒子)
パルミチン酸セチル(570mg)をジクロロメタン(10ml)に溶かし、これにノルフロキサシン(154mg)を加えて溶解させ、更に酸化チタン(2.28g)を分散させた。これをキャスティング法にてシート状に調製した。これを更に粉砕、篩過(20〜32μm)し、比重2.46の担体粒子を得た。
実施例4(プラノプロフェン含有エチルセルロース粒子)
エチルセルロース(633mg)をエタノール(10ml)に溶かし、これにプラノプロフェン(150mg)を加えて溶解させ、更に酸化チタン(2.22g)を分散させた。これをキャスティング法にてシート状に調製した。これを更に粉砕し、20μm〜32μmの径を持つ担体粒子を得るために篩過し、比重2.41の担体粒子を得た。
実施例5(トラニラスト含有パルミチン酸セチル粒子)
パルミチン酸セチル(570mg)をジクロロメタン(10ml)に溶かし、これにトラニラスト(154mg)を加えて溶解させ、更に酸化チタン(2.28g)を分散させた。これをキャスティング法にてシート状に調製した。これを更に粉砕し、20μm〜32μmの径を持つ担体粒子を得るために篩過し、比重2.14の担体粒子を得た。
実施例6(フルオロメトロン含有エチルセルロース粒子)
エチルセルロース(633mg)をエタノール(10ml)に溶かし、これにフルオロメトロン(150mg)を加えて溶解させ、更に酸化チタン(2.22g)を分散させた。これをキャスティング法にてシート状に調製した。これを更に粉砕し、20μm〜32μmの径を持つ担体粒子を得るために篩過し、比重2.46の担体粒子を得た。
実施例7(ノルフロキサシン含有パルミチン酸セチル粒子)
パルミチン酸セチル(851mg)をジクロロメタン(10ml)に溶かし、これにノルフロキサシン(242mg)を加えて溶解させ、更に酸化チタン(1.91g)を分散させた。これをキャスティング法にてシート状に調製した。これを更に粉砕し、20μm〜32μmの径を持つ担体粒子を得るために篩過し、比重1.76の担体粒子を得た。
実施例8(ノルフロキサシン含有パルミチン酸セチル粒子)
パルミチン酸セチル(1.55g)をジクロロメタン(10ml)に溶かし、これにノルフロキサシン(290mg)を加えて溶解させ、更に酸化チタン(1.17g)を分散させた。これをキャスティング法にてシート状に調製した。これを更に粉砕し、20μm〜32μmの径を持つ担体粒子を得るために篩過し、比重1.20の担体粒子を得た。
試験例
本明細書で、濃度(%)に関する記載は、とくに断り書きがない場合は、重量/体積(%)である。尚、断り書きの重量%とは、重量/全重量(%)である。
試験例1
エチルセルロース粒子のウサギ眼内滞留性評価
[方法]
エチルセルロース(260mg)をクロロホルム(6ml)に溶解させた。この溶液中に酸化チタン(1.904g)、食用黄色4号アルミニウムレーキ(835mg)を加え、攪拌した。超音波にて、酸化チタンなどの凝集物を粉砕し、極力分散させるようにした。この混合懸濁液をテフロンシャーレにキャスティングし、自然乾燥させた。得られたフィルムを粉砕、篩過(20〜32μm)し、目的とする粒子(表1,検体1)を得た。各成分の組成比を変え、同様な方法で各比重の担体粒子を調製した(表1,検体2,3,4)。尚、担体粒子径は、確認のため、遠心沈降式粒度分布測定装置にて測定した。表1には、メジアン径を示した。
調製した担体粒子を等張リン酸緩衝液(pH7.4)に2.6%濃度で懸濁し、ウサギ下結膜嚢内に点眼投与し、一定時間経過後に眼内の粒子を回収し、粒子の残存率を色素を指標として算出した。対照としてプラスチベース(7.40g)に食用黄色4号アルミニウムレーキ(19.8mg)を含有させた眼軟膏剤を調製し、ウサギ下結膜嚢内に塗布し、一定時間経過後に眼内の眼軟膏剤を回収し、眼軟膏剤の残存率を色素を指標として算出した。眼軟膏剤の排出速度を1とした場合における比重の異なる担体粒子の排出速度比較を実施した。また参照として、現状技術を確認する目的で、ポリスチレン粒子(FluoresbriteTM Plain Microspheres使用;2.61%Solid−Latex,Polysciences,Inc.)についても、同様の試験を実施した。本粒子の残存率は検体と同様、眼内から回収し、フルオレセインの蛍光強度を指標として算出した。
[結果]
実験の結果は図1に示すとおりであった。比重1.05のポリスチレン粒子は、速やかに眼内から排出されたが、比重を調整したエチルセルロース粒子は眼内滞留性が向上した。特に比重を2以上とした場合、現在眼内滞留性が優れているとされる眼軟膏剤よりも長時間眼内に滞留した。
試験例2
比重調整した薬物含有粒子の性能評価
[方法]
実施例1〜8で調整した薬物含有粒子(10〜20mg)をpH7.4等張リン酸緩衝液(40ml)に浸し、37℃、100rpmの試験条件下における粒子からの薬物の溶出量を、吸光光度計、又は液体クロマトグラフを用いて測定し、投与薬物量から各時間での溶出率を算出した。対照として、実施例の各粒子に含有させた薬物について、粉末状の原体そのものからの薬物の溶出率を、同様な方法にて算出した。尚、対照群においては、試験液が薬物の飽和溶解度以下となるように各薬物(粉末状原体)の添加量を調製して、試験を行った。
[結果]
図2A〜Hに示す結果が得られた。これにより、本発明の眼科用組成物における薬効成分の持続放出性が確認された。
試験例3
ノルフロキサシン含有エチルセルロース粒子投与後のウサギ前眼部におけるノルフロキサシン濃度の変化
[方法]
実施例1で調製した粒子をノルフロキサシン飽和水溶液(0.06%)に3%濃度[ノルフロキサシン濃度は0.15%相当]で懸濁し、全体でノルフロキサシンを0.21%相当含有する懸濁液を調製した。この懸濁液(50μl)を下結膜嚢内に投与し、一定時間ごとに前眼部のノルフロキサシン濃度を、液体クロマトグラフを用いて測定した。対照として0.3%ノルフロキサシン市販点眼液(ノフロ点眼液)を同様に投与した。
[結果]
実験の結果を図3に示す。眼感染症臨床分離株の一つであるStreptococus spに対するノルフロキサシンのMIC80値(12.5μg/ml)を、薬効濃度の指標とした。図3に示す結果から求めた薬効濃度維持時間を表2に示した。懸濁粒子投与の本発明製剤群におけるノルフロキサシン薬効濃度維持時間は、1.5倍量の薬物を含む市販点眼液投与対照群よりも9倍長かった。
試験例4
粒子投与の安全性評価
[方法]
エチルセルロース(30.4重量%)、酸化チタン(69.6重量%)から成る粒子径25μm,比重2.6となる粒子を調製し、等張リン酸緩衝液(pH7.4)に3.0%濃度で懸濁した。ウサギ下結膜嚢内に1日2回、28日間連続点眼投与し、投与期間中、投与終了後の刺激性、障害性について、生理食塩水を対照としてDraize法、フルオレセイン染色法により評価した。
[結果]
表3及び表4に示すように、担体粒子の点眼投与で刺激性、障害性は認められなかった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、試験例1において、眼軟膏剤の排出速度を指標として、比重調整を行った担体粒子の眼内滞留性を、粒子比重と眼軟膏との排出速度比の関係で示した図である。なお、グラフは、平均値を表示したものであり、検体1と検体4はn=8,検体2と検体3はn=6で実施された。
第2図は、試験例2において、実施例1〜8で得られた本発明の粒子状組成物からの溶出挙動の結果を示した図である。A〜Hは、それぞれ実施例1〜8に対応する。
第3図は、試験例3において、本発明の実施例1の粒子状組成物を懸濁点眼剤として使用した場合の、ウサギ前眼部のノルフロキサシン濃度経時変化を、対照となるノルフロキサシン水溶液と比較して示した図である。なお、グラフは、平均値と標準偏差で表示されている(n=4)。
第4図は、担体粒子を模式的に示したものである。図4Aには、担体成分2と、その担体成分2中に分散又は溶解された眼科用治療活性物質3とを含有する担体粒子1を示す。また、図4Bには、担体成分2と、眼料用治療活性物質3と、比重調整剤4とを含有する担体粒子1を示す。
Claims (6)
- 担体成分と、この担体成分中に分散又は溶解された1種もしくは2種以上の眼科用治療活性物質とを含む担体粒子からなり、この担体粒子の比重が1.2以上に調整されていることを特徴とする眼科用組成物。
- 比重調整剤により前記担体粒子の比重が調整されていることを特徴とする、請求項1に記載の眼科用組成物。
- 前記担体成分が、高分子担体であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の眼科用組成物。
- 前記担体成分が、油脂性担体であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の眼科用組成物。
- 前記担体粒子の粒子径が、75μm以下であることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の眼科用組成物。
- 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の眼科用組成物が、分散媒に懸濁されていることを特徴とする点眼液。
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