JPWO2002044708A1 - 核酸の分析方法 - Google Patents

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Abstract

多数の遺伝子の多型を高速に検出でき、処理能力が高い、マイクロキャピラリー電気泳動において、マイクロチップ上における電気泳動の際、非定常電場で行なう、核酸の分析方法を提供すること。本発明により、遺伝子疾患の検出、テーラーメイド医療への応用など疾患の診断及び治療に有用である。

Description

技術分野
本発明は、核酸の分析方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、多数の遺伝子の多型を高速に検出でき、処理能力が高い、電場反転などの非定常電場型マイクロチップ電気泳動による一本鎖および二本鎖核酸構造多型の分析方法に関する。
背景技術
従来、電気泳動を用いる分析技術として、ポリアクリルアミドゲル、アガロースゲルなどを分離用支持体として用いたスラブゲルによる分離を基礎とする分析法が行なわれている。かかるスラブゲルによる分離においては、電気泳動時における温度変化、pH変化などの原因により、その分解能に限界があり、また、微量サンプルの分析や装置の自動化に向いていないという欠点を有する。
かかる欠点を解決する方法としては、温度変化の発生を抑え、微量サンプルの自動計測が可能なキャピラリー電気泳動法が挙げられる。しかしながら、既存のキャピラリー電気泳動装置の有効長は、装置の構成により8cm程度が下限であり、装置の小型化に限界があるのが現状である。
一方、微細加工デバイス技術における近年の発展により、キャピラリー電気泳動装置をはじめ、種々のDNA解析デバイスが小型化されている[Becker,H.ら,Electrophoresis,2000,21,12−26;Ueda,M.ら,Anal.Scie.,2000,16,657−658;Simpson,P.C.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,1998.95,2256−2261;Backhouse.C.ら,Electrophoresis,2000,21,150−156;Kopp,M.U.ら,Science,1998,280,1046−104;Waters,L.C.ら,Anal.Chem.,1998,70,158−162;およびHan,J.ら,Science,2000,288,1026−1029]。具体的には、例えば、キャピラリーアレイ電気泳動デバイス[前記Simpsonら,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.;前記Backhouseら,Electrophoresis]、PCRチャンバーを集積化した電気泳動デバイス[前記Kopp,M.U.ら,Science;前記Waters,L.C.ら,Anal.Chem.]、およびエントロピック・トラップ・アレイ(ゲルフリー)電気泳動デバイス[前記Han,J.ら,Science]が、小型化技術により提供されている。
しかしながら、電気泳動チップにおける小型化技術においては、例えば、サンプル分離プロセスにおいて、定常電場下に良好な分離を行なうためには、より長い有効長が必要となることなど[前記Han,J.ら,Science]の欠点を有する。
一方、電場反転法等の非定常電場法は、アガロースゲルを用いた通常のパルスフィールド電気泳動において行なわれてきた手法であり、数10kbp以上の長鎖DNAの分離に用いられることが多いものである。
しかしながら、前記非定常電場法において、高電場を高速に反転するには、高価な電源が必要であるという点から、従来のキャピラリー電気泳動に適用することが困難であるという欠点を有する。
発明の開示
本発明は、電気泳動における有効長を短縮し、それにより、電気泳動用マイクロチップの高集積化および小型化が可能であり、かつDNA、特にDNAの構造多型の高速解析を可能にし、かつ微量サンプルを高感度に分析しうる、非定常電場型マイクロチップ電気泳動、より具体的には電場反転型マイクロチップ電気泳動による、高分子の分析方法、より具体的には、核酸の分析方法、さらに具体的には、一本鎖核酸構造多型の高次構造の違いに基づく分析方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕 マイクロキャピラリー電気泳動において、マイクロチップ上における電気泳動の際、非定常電場で電気泳動を行なうことを特徴とする、核酸の分析方法、
〔2〕 非定常電場が、電場反転である、前記〔1〕記載の核酸の分析方法。
〔3〕マイクロキャピラリー電気泳動において、
(a)マイクロチップ上における電気泳動の際、電場反転を行ない、それにより、異なる物理学的化学的性質を有する核酸を分離するステップ、および
(b)前記ステップ(a)により分離された核酸を検出するステップ
を含む、前記〔2〕記載の核酸の分析方法、
〔4〕 電場反転における、前方/後方の時間重みが、1/1〜10/1である、前記〔2〕または〔3〕記載の核酸の分析方法、
〔5〕 電場反転が、少なくとも10Hzの周波数で電場を印加することにより行なわれる、前記〔2〕〜〔4〕いずれかに記載の核酸の分析方法、
〔6〕 電気泳動における有効長が、0.5〜70mmである、前記〔1〕〜〔5〕いずれかに記載の核酸の分析方法、
〔7〕 電場が|10|〜|100000|(絶対値)V/cmの強度である、前記〔1〕〜〔6〕いずれかに記載の核酸の分析方法、
〔8〕 マイクロチップが、サンプル注入部とサンプル分析用チャネルと電極用リザーバーとを含有してなるマイクロチップである、前記〔1〕〜〔7〕いずれかに記載の核酸の分析方法、
〔9〕 マイクロチップが、上部プレートと下部プレートとから構成され、かつ(A)下部プレート上に、幅1〜200μm、深さ0.5〜50μmの2つの直交するチャネルを有し、
(B)上部プレートに、直径および深さ0.5〜4mmの4つのリザーバーを有し、ならびに
(C)(A)のチャネルの各終端に対応する位置に、(B)のリザーバのいずれか1つが配置され、
ここで、リザーバーが、電場を印加することが可能なものである
を有するチップである、前記〔8〕記載の核酸の分析方法、
〔10〕 チャネルが、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース〔HPMC(hydroxypropyl methyl cellulose)〕、ヒロドキシエチルセルロース、〔HEC(hydroxyethyl cellulose)〕、ヒドロキシプロピルセルロース〔HPC(hydroxypropyl cellulose)〕、ポリエチレングリコール〔PEG(polyethylene glycol)〕、ポリエチレンオキシド〔PEO(polyethylene oxide)〕、ポリアクリルアミド〔PAA(polyacrylamide)〕、ポリビニルピロリドン〔PVP(polyvinyl pyrrolidone)〕、デキストラン(dextran)およびアガロース(Agarose)からなる群より選択された少なくとも1種を含有した分離媒体を保持するものである、前記〔9〕記載の核酸の分析方法、
〔11〕 分離媒体のpHが、1〜12である、前記〔10〕記載の核酸の分析方法、
〔12〕 分離媒体が、1重量%メチルセルロースを含有した緩衝液であって、かつ該緩衝液が、トリス−ホウ酸緩衝液、トリス−酢酸緩衝液、TAE(トリス−酢酸、EDTA)緩衝液、TBE(トリス−ホウ酸、EDTA)緩衝液、トリス−塩酸緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群より選ばれた1種である、前記〔10〕または〔11〕記載の核酸の分析方法、
〔13〕 物理学的化学的性質が、核酸構造多型、分子量、および高次構造からなる群より選ばれた少なくとも1種である、前記〔1〕〜〔12〕いずれかに記載の核酸の分析方法、ならびに
〔14〕 ステップ(b)において、核酸を検出する手段が、紫外・可視部吸収検出、蛍光検出、示差屈折率検出、熱光学的検出、円二色性検出、電気化学的検出および電気伝導度検出からなる群より選ばれた少なくとも1種である、前記〔1〕〜〔13〕いずれか記載の核酸の分析方法、
に関する。
発明を実施するための最良の形態
本発明は、マイクロチップにおいて非定常電場による電気泳動、特に電場反転型(FI)電気泳動を行なうことにより、通常の条件(例えば、定常電場など)では分離することが不可能であった短い有効長においても、DNA分離ができるという本発明者らの驚くべき知見に基づく。
かかる電場反転法によれば、ゲル中での長鎖DNA(50kbp以上)の電気泳動の際、あるいはポリマー溶液中長鎖DNAのキャピラリー電気泳動の際に、分解能を高めることは既に報告されている[アトー株式会社会社刊『電気泳動最前線・クロマトグラフィー最前線(THE FRONTIER ELECTROPHORESIS/THE FRONTIER CHROMATOGRAPHY)』、第15号、第1〜9頁、1994年4月2日発行;Y.Kim,M.D.Morris,Electrophoresis 17,152−160(1996)]。
しかしながら、電場反転により、100ヌクレオチド前後の短いDNAについてさえ、8cm以下の短い有効長であっても高い分解能を発揮しうるという本発明者らの知見は、予想外のことである。
電場反転型電気泳動法は、電場の方向を周期的に変える電場反転法を用いる電気泳動法である。具体的には、前方向の電場(ゲル上の泳動開始点から、対象となる分子を移動させるための電場)と後方向の電場(分子をゲル上の一点から泳動開始点方向に戻そうとする電場)の周期と、パルスの振幅の持続時間または印加する電圧の強さを設定することにより分離を行なう方法である。
本発明の核酸の分析方法は、マイクロキャピラリー電気泳動において、マイクロチップ上における電気泳動の際、非定常電場で電気泳動を行なう、より具体的には、電場反転を行なうことを1つの特徴とする。本発明の核酸の分析方法の態様としては、例えば、マイクロキャピラリー電気泳動において、
(a)マイクロチップ上における電気泳動の際、電場反転を行ない、それにより、核酸の物理学的化学的性質に依存して、該核酸を分離するステップ、および
(b)前記ステップ(a)により分離された核酸を検出するステップ
を含む、核酸の分析方法が挙げられる。
本発明の核酸の分析方法によれば、マイクロチップにおける電気泳動法と非定常電場、具体的には、電場反転法との組み合わせにより、核酸、例えば、DNAの分離に必要な有効長を短くすることができるため、マイクロチップの更なるダウンサイジングと高集積化とが可能であり、核酸、特にDNAの構造多型〔具体的には、SSCP(一本鎖構造多型)〕の高速解析を可能にし、かつ微量サンプルを高感度に分析しうるという優れた効果を発揮する。
また、本発明の核酸の分析方法においては、核酸の分離の際、前記電場反転法とともに、マイクロキャピラリー電気泳動を適用しているため、より短いキャピラリー長での分析が可能であり、かつマイクロキャピラリー両端にかかる電圧(最大10kV程度、通常は数kV程度までを使用)が、既存のキャピラリー電気泳動装置に比べて低く(具体的には、最大30kV程度)抑えることができるため、電場反転に対して、高速に追従する電源として市販のものが使用可能であるという優れた効果を発揮する。
非定常電場とは、時間的に変化する電場を総称して呼ぶ。具体的には、第10図に示すように、矩形波や三角波、正弦波などの周期的に変化する電場、および周波数自身が変化する電場、非周期の電場等を指す。これらの電場は、全て、本発明において、マイクロチップ上の電気泳動に用いることができる。
電場反転法において、反転電場は、一般的には第11図に示すようなパラメータによって規定される。すなわち、反転の繰り返し単位である周期T、前方と後方への電場印加時間T1及びT2、前方と後方への印加電場(電圧)V1及びV2である。なお、本明細書における実施例においては、最も簡単な場合であるV2=−V1の場合について説明するが、前記パラメータは、分析目的と条件に応じて適宜決定されるうる。
以下では、反転の繰り返し程度を周期の逆数である周波数によって、反転の程度をパルス係数すなわち前方/後方の時間重みT1/T2によって表現する。
すなわち、電場反転における、パルスの振幅の持続時間(前方/後方の時間重み)は、適切な分離能を得、かつ核酸を最終的な移動形態に到達させる観点から、1/1〜定常電場であることが好ましく、1/1〜10/1であることがより好ましく、1/1〜5/1であることがさらに好ましい。ここで、「核酸の最終的な移動形態」とは、核酸の分離に際して、各核酸のバンド間を良好に判別しうる状態を意味する。
本発明の核酸の分析方法においては、電場反転における周波数は、例えば、核酸、例えば、DNA断片を泳動し、移動時間tにおける、該DNA断片に由来する相対強度のピークのバンドの幅Δとピークの高さhを求め、相対バンド幅r=Δ/htの値を極小値にする周波数を調べることにより決定することができる。また、核酸、例えば、DNAの分離に対する周波数の最適化においては、周波数に対して、ゲル中やポリマー溶液中のDNAの運動が、その長さに応じて異なる応答をするため、分析対象の核酸、例えば、DNAのサイズは、重要なパラメータの1つとなりうる。
具体的には、周波数は、ダミーピークの検出を低減する観点から、少なくとも10Hzであることが好ましい。具体的には、20マー程度の短鎖DNAの場合、周波数は、10〜30Hzであり、好ましくは10〜20Hzであることが望ましい。
かかる周波数は、例えば、慣用の周波発生器を用いることにより、発生させることができる。具体例として、第1図においては、周波発生器(FG)と高電圧パワーサプライ(HV4)とを用いて、リザーバー(R3)における電位をR4(GND)に対して制御することにより発生させることができる。
電気泳動における有効長は、適用目的、前記周波数、分離媒体、パルス係数、電圧等に応じて、適宜変更することができる。本発明の核酸の分析方法によれば、従来のキャピラリー電気泳動システムの有効長(最短有効長:約75mm程度)よりも、より短くすることが可能である。かかる有効長は、具体的には、マイクロチップの小型化の観点から、70mm以下であり、高速分離を十分に行なう観点から、35mm以下であることが望ましく、流路クロス部からのサンプルの漏れや、インジェクションされたサンプルのクロス部への逆流を防ぐ観点から、0.5mm以上であることが望ましく、実用上は1mm以上であることがより望ましい。
印加する電場は、分析対象の核酸、流路の形状、サイズ、有効長、分離媒体の条件に応じて、適宜設定することができる。前記電場は、サンプルの安定な泳動の観点から、絶対値として、|10|V/cm以上、好ましくは、|50|V/cm以上であることが望ましく、チップの耐久性、ジュール熱の発生の観点から、|100000|V/cm以下、好ましくは、|10000|V/cm以下であることが望ましい。
かかる電場は、例えば、慣用のパワーサプライおよびリレーシステムにより発生させることができる。
かかるマイクロチップとしては、特に限定されないが、具体的には、例えば、後述の実施例などに記載のように、上部プレートと下部プレートとから構成され、かつ(A)下部プレート上に、幅1〜200μm、深さ0.5〜100μmの2つの直交するチャネルを有し、
(B)上部プレートに、直径および深さ0.5〜4mmの4つのリザーバーを有し、
(C)(A)のチャネルの各終端に対応する位置に、(B)のリザーバのいずれか1つが配置され、
ここで、該リザーバーが、電場を印加することが可能なものであるチップが挙げられる。
本発明の核酸の分析方法においては、例えば、サンプル注入部とサンプル分析用チャネルと電極用リザーバーとを含有してなるマイクロチップを用いることができる。
マイクロチップ電気泳動装置のサンプル注入部の形状としては、第11図に記載のようにクロス、ダブルクロス、T字、ダブルT字、分析用チャネル直結型などが挙げられる。
前記(A)におけるチャネルは、核酸を分離するために使用されるマイクロチャネルである。前記チャネルの幅は、マイクロチップの大きさ、使用目的などにより適宜設定されうる。具体的には、前記チャネルの幅は、サンプルの分析感度を十分に得る観点から、1μm以上、好ましくは10μm以上であり、マイクロ流体力学の観点から、200μm以下、好ましくは150μm以下であることが望ましい。また、前記チャネルの深さは、マイクロチップの大きさ、使用目的などにより適宜設定されうるが、サンプルの分析感度の観点から、0.5μm以上、好ましくは5μm以上であり、マイクロ加工技術の観点から、100μm以下、好ましくは50μm以下であることが望ましい。さらに、前記サンプル分離用チャネルの長さは、マイクロチップの大きさ、分離対象の核酸などに応じて適宜設定することができるが、有効長より長くすることが望ましい。有効長は、チャネルクロス部からサンプル検出点までの距離であり、サンプルの安定な泳動の観点から、0.5mm以上、好ましくは1mm以上であり、既存キャピラリーシステムに対する優位性の観点から、70mm以下、好ましくは35mm以下であることが望ましい。
また、前記(B)におけるリザーバーの大きさは、印加電圧と印加時間に応じて適宜設定することができる。具体的には、リザーバーの大きさは、緩衝能維持の観点から、0.5mm以上、好ましくは1mm以上であり、チップの高度集積化の観点から、4mm以下、好ましくは3mm以下であることが望ましい。
電気泳動の際、分離媒体としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース〔HPMC(hydroxypropyl methyl cellulose)〕、ヒロドキシエチルセルロース、〔HEC(hydroxyethyl cellulose)〕、ヒドロキシプロピルセルロース〔HPC(hydroxypropyl cellulose)〕、ポリエチレングリコール〔PEG(polyethylene glycol)〕、ポリエチレンオキシド〔PEO(polyethylene oxide)〕、ポリアクリルアミド〔PAA(polyacrylamide)〕、ポリビニルピロリドン〔PVP(polyvinyl pyrrolidone)〕、デキストラン(dextran)、アガロース(Agarose)などが挙げられる。前記分離媒体は、単独でまたは混合して用いられうる。低い重なり濃度の観点から、メチルセルロースが望ましい。かかる物質は、マイクロチップの繰り返し利用という観点から、架橋点を持たないポリマー溶液であることが望ましい。
一般に核酸、例えば、DNAのような高分子化合物を分離するには、ゲルやポリマーのような分離媒体を必要とするが、分離媒体を用いないfree solutionでの分離も報告されている。本発明においても分離媒体を用いないfree solutionでの分離であってもよい。
例えば、後述の実施例などに記載のマイクロチップを用いて電気泳動を行なう場合、該マイクロチップのチャネルが、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース〔HPMC(hydroxypropyl methyl cellulose)〕、ヒロドキシエチルセルロース、〔HEC(hydroxyethyl cellulose)〕、ヒドロキシプロピルセルロース〔HPC(hydroxypropyl cellulose)〕、ポリエチレングリコール〔PEG(polyethylene glycol)〕、ポリエチレンオキシド〔PEO(polyethylene oxide)〕、ポリアクリルアミド〔PAA(polyacrylamide)〕、ポリビニルピロリドン〔PVP(polyvinyl pyrrolidone)〕、デキストラン(dextran)およびアガロース(Agarose)からなる群より選ばれた少なくとも1種を保持するものであることが望ましい。
前記分離媒体のpHは、核酸の安定保持、チップの耐久性の観点から、1〜12であることが望ましい。
前記分離媒体の具体例としては、1重量%メチルセルロースを含有した緩衝液であって、かつ該緩衝液が、トリス−ホウ酸緩衝液(pH8.2)、トリス−酢酸緩衝液、TAE(トリス−酢酸、EDTA)緩衝液、TBE(トリス−ホウ酸、EDTA)緩衝液、トリス−塩酸緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群より選ばれた1種である分離媒体などが挙げられる。
本発明の核酸の分析方法は、石英ガラス、パイレックスガラス、PMMA等の樹脂、シリコン、その他のいかなる材質のマイクロチップ電気泳動装置に対しても適用することができ、マイクロスケールナノスケールの流路を利用して電気泳動を行う方法、全てに適用することができる。
前記ステップ(a)においては、チップ表面への結露防止、リザーバーからの溶液の蒸発の抑制、分解能への影響の観点から、全操作を0〜80℃、好ましくは10〜35℃、より好ましくは15〜35℃で行なうことが望ましい。
本発明の核酸の分析方法におけるステップ(a)の手順は、より具体的には、大きくa)サンプルのローディング、b)サンプルのインジェクトおよびc)サンプルの分離の3ステップにわけられる。以下、第1図に示される系を例に挙げ、各ステップを説明する。
a)サンプルローディングステップ:
各チャネルを1重量%メチルセルロースを含む50mMトリス−ホウ酸緩衝液(pH8.2)で満たす。0.8μlのDNAサンプル溶液をリザーバーR1に導入し、トリス−ホウ酸緩衝液(pH8.2)1μlでR2、R3およびR4リザーバーを満たす。各リザーバーにおいて、20秒間で下記の電位:R1:−0.40kV、R2:GND、R3:−0.55kV、R4:−0.95kVを維持しながら、チャネルの交差部にDNAサンプルを供する。
b)サンプルインジェクトステップ:
電位を、1秒間、R1:−0.40kV、R2:−0.4kV、R3:−0.66kV、R4:GNDに変え、それにより、サンプルプラグを分離チャネルにインジェクトする。
c)サンプル分離ステップ:
パルス係数2のパルス電場(前方時間:後方時間=2:1)を電極R3(前方:−0.66kV、後方:0.66kV)とR4(GND)との間に印加する。R1およびR2を、GND電位に開く。このとき、例えば、10Hzの周波数のパルスを印加した場合、DNAバンドは、インジェクションプロセスの定常電場(−0.66kV)における約1/3のスピードで直線的に移動する。
前記ステップ(b)において、核酸を検出する手段としては、レーザー誘起蛍光検出器、紫外・可視部吸収検出、蛍光検出、示差屈折率検出、熱光学的検出、円二色性検出、電気化学的検出、電気伝導度検出などが挙げられる。
本発明の核酸の分析方法によれば、電気泳動における有効長の長さを短くできるため、電気泳動の時間を短縮することができ、分子量、核酸構造多型(特に、一本鎖核酸構造多型)、高次構造などの物理学的化学的性質を有する核酸の高速解析に好適である。また、塩基等の修飾によってDNAの高次構造が変化する場合にも、本発明の核酸の分析方法を、かかる修飾塩基の検出に適用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例1
p53腫瘍抑制遺伝子のエキソン7の配列の一部である下記配列:
Figure 2002044708
を有する3種のFITC(フルオレセインイソチオシナネート)標識合成一本鎖DNA断片〔PAGE(ポリアクリルアミドゲル電気泳動)−精製グレード〕をクラボウから購入した。これらのDNA断片を、TB緩衝液〔50mM Tris−ホウ酸(pH8.2)〕に溶解した。得られたDNA含有溶液を、使用時まで、4℃で保存した。1重量%メチルセルロース〔4000cP、2重量%溶液、シグマ社製〕を分離媒体として用いた。
マイクロキャピラリー電気泳動(μ−CE)システムの概略図を第1図に示す。マイクロチップとして、島津製作所社製のマイクロチップを用いた。前記マイクロチップは、2つのプレートから構成され、下部プレートに2つの直交したマイクロチャネル(幅50μm、深さ20μm)を有し、上部プレートにリザーバー(R1〜R4)として4穴(直径および深さ1mm)を有する。前記チャネルを、1重量%メチルセルロースを含むTB緩衝液で満たした。リザーバーR1、R2、R3、R4のそれぞれからチャネルの交差部までのチャネル長は、それぞれ7mm、7mm、7mmおよび32.5mmである。プラチナ(Pt)ワイヤーをリザーバーに挿入した。リザーバー間の電位は、パワーサプライ(HV1−5)およびリレーシステムを用いてLabview(ナショナルインストゥルメント社製)によって制御された。パルス電場は、高電圧パワーサプライ(HV4)と波形発生器(FG)とを用いたR3の電位をR4(GND)に対して制御することにより生じさせた。
流路のクロス部からR4までの分離用流路内の任意の点を測定点とし、クロス部から測定点までの距離を有効長とする。測定点は、40倍の長焦点レンズを通してアルゴン−イオンレーザーで照射され、この点を通過するFITC染色したサンプルの蛍光が二色性ミラーを通してPMTにて検出される。PMTの信号は、解析装置へ入力され電気泳動図が取得される。
これらの操作に先立って、流路のサイズ・形状、分離媒体の条件に応じたリザーバー間の電位関係を得るために、上記装置の照明・信号検出の部分を変更して、水銀ランプにて流路を4倍のレンズで照明し、クロス部から分離用チャネルへインジェクションされるサンプルの画像をSITカメラから取得した。例えば、[Ueda,M.ら,Bioimages 1999,7(4),157−161;Ueda,M.ら,Electrophoresis 2000,21,176−180]を参照のこと。
実施例2 電場反転型マクロチップ電気泳動(μ−CE)の条件検討
1)手順
電場反転型マイクロチップ電気泳動(μ−CE)によるサンプル分析手順は、下記a)サンプルローディング、b)サンプルインジェクション、c)サンプルの分離、の3つのステップに大きく分けられる。これらの各ステップでのリザーバー間の適切な電位関係と電場反転過程での適切な周波数領域を得るために、流路内を泳動するサンプルを直接観察し、動画像解析を行なった。これらのデータをもとに、第1図構成の装置を用いて、動画像解析から求めた周波数領域にて、適切なフェログラムが得られることを確認した。この条件のもとに、サンプルの分離実験を行なって、電場反転によって良好な分離が達成されることを見出した。以下、μ−CEにおける実験は、全て25℃で行なった。
2)直接観察法による電場条件の検討
a)サンプルローディング:
0.8μlのDNAサンプル溶液をリザーバーR1に供し、R2、R3およびR4リザーバーを1μlのTB緩衝液で満たした。各リザーバーにおいて、下記の電位、R1:−0.4kV、R2:GND、R3:−0.55kV、R4:−0.95kVを20秒間維持することにより、DNAサンプルを流路クロス部にロードした。第2図には、SITカメラによってイメージングしたサンプルのロードステップと、負電荷を有するイオンの流路内での移動方向を矢印で示した。第2図より、クロス部ではサンプルの濃縮が起こり、R3およびR4へのサンプルの流出が起こらない電位関係が保たれていることがわかる。
b)サンプルインジェクション:
サンプルプラグを分離用チャネルにインジェクションするために、各リザーバーの電位を下記の電位、R1:−0.40kV、R2:−0.4kV、R3:−0.66kV、R4:GNDに切り替え、1秒間保持した。第3図には、サンプルインジェクションプロセスの蛍光イメージと負電荷イオンの動きを模式的に示す。第3図より、この電場において、サンプルプラグは分離用チャネルにインジェクションされ、R1およびR2からのサンプル流入も起こっていないことがわかる。
c)サンプル分離(非定常電場プロセス):
R1およびR2の電位をR4(GND)に対して開いた。パルス係数2(時間重み:前方/後方=2/1)の矩形波電場(前方:−0.66kV、後方:0.66kV)をR3とR4(GND)の間に供給した。この条件で、電場の周波数を0.1Hzから50Hzの範囲で変えて、サンプルプラグの泳動挙動を画像解析から求めた。第4図には、電場反転プロセス(パルス係数:2、周波数:1Hz)において移動するサンプルDNA(20マー)の蛍光イメージを示す。第4図中P1−P8は、第5図に示した反転電場の模式図中のP1−P8に対応している。第6図には、このようにして得られたサンプルプラグ重心位置の時間発展を、0.3Hz、1Hz、10Hzについて示している。この結果から、10Hzでは、電場反転による後方への泳動は、非常に小さく、サンプルプラグ全体としては、インジェクションプロセスでの定常電場(−0.66kV)の約1/3の強さの定常電場によって泳動していると見なせる。
3)フェログラムによる反転電場の周波数の検討
前記2)において検討した電場の周波数を、第1図に示す構成の装置からフェログラムを得ることによって検討した。
前記20マーのssDNAを用い、0.3Hz、1Hzおよび10Hzの周波数条件下において、前記2)に従い、電場反転型マイクロチップ電気泳動を行なった。その結果を、それぞれ第7図のパネルa)、b)およびc)に示す。
第7図のパネルa)に示されるように、周波数0.3Hzにおいて、矢印で示された3つのピークを生じることがわかる。本実施例に用いたμ−CEシステムでは、レーザースポットの大きさが約10μmである。一方、第6図に示すように、後方への電気泳動距離は、約500μmである。そのため、DNAのバンドは、何回もレーザースポットを横切って、ダミーピークが生じると考えられる。
1Hzの場合、第7図のパネルb)に示されるように、ピークの発生は、さらに複雑になることがわかる。
しかしながら、10Hzにおいて、後方への電気泳動距離はより小さくなり、DNAバンドは、第6図に示すように定常的に移動した。単調な移動の結果より、第7図のパネルc)に示す単一のピークを得られることがわかる。
ついで、20マーのssDNAの場合に関して、外部周波数を至適化するために、0.1Hz以上の外部周波数におけるピーク幅を調べた。移動時間tにおける、該DNA断片に由来する相対強度のピークのバンドの幅Δとピークの高さhを求め、相対バンド幅Γ=Δ/htを算出し、ピーク高さhと移動時間tとで幅Δの半数値を標準化した。その結果を、相対バンド幅Γと外部周波数との間のグラフとして第8図に示す。第8図における点線は、定常電場における相対バンド幅を示す。
第8図に示されるように、10Hzより下の領域において、ダミーのピークが見かけのバンドの広がりを引き起こすことがわかる。
また、本実験のように、20マー程度のssDNAの場合においては、相対バンド幅は、10Hz〜20Hzの領域で極小値を有することが示され、極小値のバンド幅は、定常電場よりも1.4倍大きいことが示される。本実験条件においては、40kbp程度の長鎖DNAに対する電場反転により誘起されたバンド狭小化は、観察されなかった。これらの傾向は分析するDNAの長さ等に依存していると考えられる。
このように、10Hz以上の周波数において、DNA断片の分離に有効であることが示唆される。
第9図のaおよびbは、定常電場(167V/cm)および10Hzのパルス電場(±167V/cm、パルス係数2)のそれぞれにおけるssDNA断片(20マー、40マーおよび60マー)の電気泳動図を示す。有効長は、両方のケースにおいて6mmである。電場反転型マイクロチップ電気泳動において、分離は、定常電場での泳動に対してより長い分離時間を要しているが、6mmの有効長において分離は達成された。通常、長鎖DNAの電場反転型電気泳動における分離機構が、レプテーションモデルにより論議される[Kim,Y.ら,Electrophoresis 1996,17,152−160;Heller,C.ら,Electrophoresis 1995,16,1423−1428;Viovy,J.L.,Phys.Rev.Lett.,1988,60,855−858]。しかしながら、本実施例においては、オーグストン領域[Rodbard,D.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.1970,65,970−977]において実験を行なった。オーグストン領域での反転電場は、慣用のキャピラリー電気泳動においては、なんら有用な効果をもたない[Kim,Y.ら,Electrophoresis 1997,18,2901−2908]が、本発明の電場反転型マイクロチップ電気泳動においては、オーグストン領域でさえも分離のための有効長を減少させるのに有効であることを示す。
本明細書で記載したオーグストン領域における電場反転型マイクロチップ電気泳動が、100ヌクレオチド前後の比較的短鎖の一本鎖DNAを、より短い有効長で離することに有効である点で、SSCP(一本鎖構造多型)の検出における応用に大きな可能性を有することが示唆される。
配列表フリーテキスト
配列番号:1は、p53腫瘍抑制遺伝子のエキソン7の配列の一部である合成オリゴヌクレオチド(20マー)の塩基配列を示す。
配列番号:2は、p53腫瘍抑制遺伝子のエキソン7の配列の一部である合成オリゴヌクレオチド(40マー)の塩基配列を示す。
配列番号:3は、p53腫瘍抑制遺伝子のエキソン7の配列の一部である合成オリゴヌクレオチド(60マー)の塩基配列を示す。
産業上の利用可能性
本発明の核酸の分析方法によれば、より簡便に、短時間で核酸、特に、一本鎖構造多型を分析することができる。したがって、本発明の核酸の分析方法は、遺伝子疾患の検出、テーラーメイド医療への応用など疾患の診断及び治療に有用である。
【配列表】
Figure 2002044708
Figure 2002044708

【図面の簡単な説明】
第1図は、レーザー誘起蛍光検出器を有するマイクロキャピラリー電気泳動装置(以下、μ−CEともいう)の概念図である。図中、FGは、任意波形発生装置;HV1〜HV5は、高圧電源;PMTは、光電子倍増管;R1〜R4は、リザーバーを示す。制御装置は、機器制御用ソフト(Labviewなど)をインストールした汎用コンピュータ等でもよい。解析用装置は、信号解析用ソフト(CLASS−VP等)をインストールした汎用コンピュータ等でもよい。マイクロチップは、サンプルロード用流路(R1−R2)とサンプル分析用流路(R3−R4)を持ち、各リザーバーの電位は、高圧電源HV1−HV5とリレーシステムを用いて制御される。サンプルのインジェクションには、電場の高速切り替えが必要であるため、5種類の電源に、あらかじめ所定の電圧を出力させておき、それをリレーシステムによって切り替えることで、サンプルのインジェクションを実現している。
第2図は、電場反転型マイクロチップ電気泳動のサンプルローディングステップにおけるDNAサンプルの動きを示す模式図である。各リザーバーにおける電位は、R1:−0.40kV、R2:GND、R3:−0.55kV、R4:−0.95kVである。
第3図は、電場反転型マイクロチップ電気泳動におけるサンプルインジェクションステップにおけるDNAサンプルの動きを示す模式図である。各リザーバーにおける電位は、R1:−0.40kV、R2:−0.4kV、R3:−0.66kV、R4:GNDである。
第4図は、電場反転型マイクロチップ電気泳動におけるサンプル分離ステップの際のDNAサンプルの動きを示す模式図である。パルス電場(パルス係数2、1Hz)を、R3(±0.66kV)とR4(GND)との間に適用する。R1およびR2をGNDに対して開く。0.2秒間隔の各イメージをP1〜P8に示す。
第5図は、サンプルインジェクションステップ(定常電場)とサンプル分離ステップ(電場反転)のR3の電位を示す概略図である。図中、P1〜P8は、第4図に対応する。
第6図は、定常電場における1秒間のインジェクションステップ後のサンプルプラグの時間発展を示す図である。点線、細線および太線は、それぞれ、0.3Hz、1Hzおよび10Hzでのパルス電場におけるサンプルプラグの時間発展を示す。
第7図は、各周波数によるDNA断片(20マー)の電気泳動図を示す。パネルa)は、0.3Hz、パネルb)は、1Hz、パネルc)は、10Hzを示す。
第8図は、周波数による相対バンド幅の概略図を示す。点線は、定常電場における値である。実線は、20%平滑線を示す。
第9図は、定常電場およびパルス電場における電気泳動図を示す。サンプルは、20マー、40マーおよび60マーの各ssDNAである。有効長は、流路のクロス部からサンプル検出点までの距離であり、6mmである。パネルa)は、定常電場(167V/cm)における電気泳動図、パネルb)は、パルス電場(10Hz、パルス係数2、±167V/cm)における電気泳動図である。
第10図は、非定常電場の概略図を示す。
第11図は、反転電場のパラメータの概略図である。
第12図は、マイクロチップ電気泳動デバイスのサンプル注入部の概略図を示す。

Claims (14)

  1. マイクロキャピラリー電気泳動において、マイクロチップ上における電気泳動の際、非定常電場で電気泳動を行なうことを特徴とする、核酸の分析方法。
  2. 非定常電場が、電場反転である、請求項1記載の核酸の分析方法。
  3. マイクロキャピラリー電気泳動において、
    (a)マイクロチップ上における電気泳動の際、電場反転を行ない、それにより、異なる物理学的化学的性質を有する核酸を分離するステップ、および
    (b)前記ステップ(a)により分離された核酸を検出するステップ
    を含む、請求項2記載の核酸の分析方法。
  4. 電場反転における、前方/後方の時間重みが、1/1〜10/1である、請求項2または3記載の核酸の分析方法。
  5. 電場反転が、少なくとも10Hzの周波数で電場を印加することにより行なわれる、請求項2〜4いずれかに記載の核酸の分析方法。
  6. 電気泳動における有効長が、0.5〜70mmである、請求項1〜5いずれかに記載の核酸の分析方法。
  7. 電場が|10|〜|100000|(絶対値)V/cmの強度である、請求項1〜6いずれかに記載の核酸の分析方法。
  8. マイクロチップが、サンプル注入部とサンプル分析用チャネルと電極用リザーバーとを含有してなるマイクロチップである、請求項1〜7いずれかに記載の核酸の分析方法。
  9. マイクロチップが、上部プレートと下部プレートとから構成され、かつ
    (A)下部プレート上に、幅1〜200μm、深さ0.5〜50μmの2つの直交するチャネルを有し、
    (B)上部プレートに、直径および深さ0.5〜4mmの4つのリザーバーを有し、ならびに
    (C)(A)のチャネルの各終端に対応する位置に、(B)のリザーバのいずれか1つが配置され、
    ここで、リザーバーが、電場を印加することが可能なものである
    を有するチップである、請求項8記載の核酸の分析方法。
  10. チャネルが、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース〔HPMC(hydroxypropyl methyl cellulose)〕、ヒロドキシエチルセルロース、〔HEC(hydroxyethyl cellulose)〕、ヒドロキシプロピルセルロース〔HPC(hydroxypropyl cellulose)〕、ポリエチレングリコール〔PEG(polyethylene glycol)〕、ポリエチレンオキシド〔PEO(polyethylene oxide)〕、ポリアクリルアミド〔PAA(polyacrylamide)〕、ポリビニルピロリドン〔PVP(polyvinyl pyrrolidone)〕、デキストラン(dextran)およびアガロース(Agarose)からなる群より選択された少なくとも1種を含有した分離媒体を保持するものである、請求項9記載の核酸の分析方法。
  11. 分離媒体のpHが、1〜12である、請求項10記載の核酸の分析方法。
  12. 分離媒体が、1重量%メチルセルロースを含有したであって、かつ該緩衝液が、トリス−ホウ酸緩衝液、トリス−酢酸緩衝液、TAE(トリス−酢酸、EDTA)緩衝液、TBE(トリス−ホウ酸、EDTA)緩衝液、トリス−塩酸緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群より選ばれた1種である、請求項10または11記載の核酸の分析方法。
  13. 物理学的化学的性質が、核酸構造多型、分子量、および高次構造からなる群より選ばれた少なくとも1種である、請求項1〜12いずれかに記載の核酸の分析方法。
  14. ステップ(b)において、核酸を検出する手段が、紫外・可視部吸収検出、蛍光検出、示差屈折率検出、熱光学的検出、円二色性検出、電気化学的検出および電気伝導度検出からなる群より選ばれた少なくとも1種である、請求項1〜13いずれか記載の核酸の分析方法。
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