JPWO2002021881A1 - 音声入出力機能を有する表示窓 - Google Patents
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Abstract
携帯電話機等の装置において、表示画面にマイクとスピーカとしての機能をもたせることによって、機器の前面を表示画面のために広く使用できるようにする。表示窓を構成する光透過性の振動板と、該振動板を支持する支持部材と、該振動板に固定された圧電素子と、該圧電素子への入出力を行うアンプとを具備し、振動板が受ける音圧による振動を圧電素子に伝達して、圧電素子に発生した起電力をアンプを介して電圧波形として取り出すと共に、アンプを介して電圧波形を圧電素子に入力して圧電素子を変形させ、当該変形を振動として前記振動板に伝達して、振動板から発音するように構成した音声入出力機能を有する表示窓。
Description
発明の分野
本発明は、音声入出力機器に関し、特に、液晶表示装置のような主として電子機器によって駆動される表示装置の表示窓を兼ねることができる音声入出力機器に関する。本発明の1つの側面に従えば、本発明は、窓面を押圧することでさらに情報の入力機器として作用することができる音声の入出力機器に関する。本発明はさらに、当該入出力機器を具備した電子機器に関するものである。
発明の背景
図1は、現在使用されている携帯電話機の代表的な例を示すものである。携帯電話機10は、プッシュボタン部11のほかに、液晶表示部12、音声入力用マイク13、音声出力用スピーカ14等を必須の構成要素として具備する。これらの機能は自明なので詳細な説明は省略するが、従来の携帯電話機の特徴の一つは、上記表示部12、マイク13、スピーカ14がそれぞれ独立に設けられていることである。
携帯電話機に代表される電子機器に対しては、マイクやスピーカ等の構成要素を可能な限り小型軽量化して機器全体の小型軽量化を図ることが要請されるが、マイクやスピーカは力学的なエネルギーと電気エネルギーとの間の変換素子であるために、一定程度以上に小さくすることができず、これが機器小型化の障害となっている。
一方、表示部に関しては、音声のみを送受信するための電話機から、メール、写真や動画を送受信することが益々頻繁に行われることを考慮すると、近い将来は、一層大型の表示装置が求められることが予想される。この要請にこたえるためには、携帯電話機の前面のほぼ全てを表示装置にすることが望まれる。
電気エネルギーと力学的エネルギーの間の変換素子として、圧電素子が知られており、図2に示すように、圧電素子を利用したマイク20やスピーカ25もまた既知である。マイク20は、圧電素子からなる薄膜21の周辺部をケーシング22で挟持し、外部からの音圧によって振動する薄膜の起電力を一組の端子23から取り出すものである。また、スピーカ25は、同様に圧電素子からなる薄膜の振動体26の周辺部を環状の枠27で固定して、一組の端子28から入力された電気信号によって薄膜振動体26を振動させて音波に変換するものである。
これらを携帯電話等において使用する場合、ボイスコイルあるいはコンデンサ型のマイクやスピーカと比較して厚さを若干削減できるものの、携帯電話機の前面をマイクとスピーカのために使用しなければならないという意味においては、ボイスコイル等を使用したマイクやスピーカと基本的に異なるところがない。
発明の概要
本発明は、従来の技術が有する上記のような課題を解決することを目的としたもので、具体的には、携帯電話機に代表される表示部を有する電子機器の前面を全て表示部のために使用可能にすることのできる音声入出力機器およびこれらを具備した電子機器を提供することを目的としたものである。
この課題を達成するために、本発明は、表示窓を構成する光透過性の振動板と、該振動板を支持する支持部材と、該振動板に固定された圧電素子と、該圧電素子への入出力を行うアンプとを具備し、振動板が受ける音圧による振動を圧電素子に伝達して、圧電素子に発生した電流をアンプを介して電圧波形として取り出すと共に、アンプを介して電圧波形を圧電素子に入力して圧電素子を変形させ、当該変形を振動として前記振動板に伝達して、振動板から発音するように構成した音声入出力機能を有する表示窓を提案する。当該表示窓によれば、表示窓を同時に音声の入出力装置として使用できるので、携帯電話のボタン部を除く全面を表示画面として使用することができる。
また圧電素子の一部を中間体を介して片持梁状に支持して圧電素子の両面にスペースを作ることにより前記圧電素子変形の振動が大きいと同時に効率が高く、振幅の大きい発音体または振動体を得る方法を提案する。また、例えば携帯電話の筐体にて少なくとも1つの薄肉部を形成し、当該薄肉部に圧電素子を設置して発音体または振動体とすると同時に、圧電素子の振動を筐体全体に伝わらないようにして筐体全体の共振を低減させて圧電素子から発する音質を高めることも可能である。
本発明の、他の側面によれば、前記表示窓はさらに、振動板に加えられた音圧による圧電素子の起電力と、機械的な押圧力による圧電素子の起電力を分離できるフィルタ手段を具備し、振動板に加えられた機械的な押圧力を認識することができるように構成した表示窓を提案する。当該表示画面によれば、表示画面を音声の入出力に使用しつつ、同時に、画面を指などて押圧することで音声とは別の情報を入力することができる。別な情報とは、例えば、音声出力を大きくする命令、あるいは、音声出力を小さくする命令等の情報である。このことによって、表示画面から、従来はボタン部を操作して行っていた機能の一部又は全部を行わせることができ、究極的にはボタン部を含めて前面をすべて表示部とすることが可能になる。
本発明のさらに別の側面によれば、電子機器の動作を表示するウインドウ状の表示面を外部に向けてその電子機器内に配置された板状の表示素子と、外部からその表示面が見えるようにこれを覆う透過性の保護板と、この保護板の端に貼付されてこれを振動させる板状の圧電振動素子とを具備する。
好ましい実施態様の詳細な説明
本発明の実施例について、添付の図面を参照して以下に詳細に説明することにする。
図3は、本発明に基づく音声入出力機能を有する表示窓を携帯電話機に適用した実施例を示す斜視図である。図3に示す携帯電話機30は、本体35上に設けた押しボタン式の入力部31と、表示窓32とを有し、一見、従来の携帯電話機と同じように見える。しかし、従来の携帯電話機ではその先端部時端部近傍に設けられているスピーカとマイクが無く、その分、表示窓32と押しボタン式の入力部31が電話機のほぼ全面を覆うように設けられている。この実施例の場合には、本発明に基づいて表示窓が音声入出力機能を有する。
次に、図4に基づいて、音声入出力機能を有する表示窓の構造と作用について詳細に説明する。図4は、例えば、アクリル成型品である表示窓カバー40の部分のみを取り出して示した斜視図である。表示窓カバー40は、前面部41と2つの側面部42とから構成され、概略C型の断面を有している。全面部41の4隅の近傍には、弾性体からなる支持部材43が設けられており、これらが携帯電話機本体35の窓に相当する開口の縁の部分の接着されることで、表示窓カバー40は、本体35に対して固定される。表示窓カバー40の側面部42は、本体35の中に収容されるので、表示窓カバー40を本体35に取り付けて携帯電話機30が組み立てられた状態では側面部42は外からは見ることができない。表示窓カバー40の側面部42には、圧電素子45が貼付され、当該圧電素子45は必要な導電線44を通じて、入出力回路(図示しない)に接続されている。
通話者が表示窓カバー40の近傍で会話をすると、通話者の音声による音圧で表示窓カバーが振動(変形)し、この変形が前面部41から側面部42に伝えられる。側面部42の変形は、これに貼付されている圧電素子45の変形となって、起電力を生じる。当該起電力は前記の導電線44を介して必要な電気回路に伝えられる。このような構成によって、音圧を電気信号として取り出すことができるので、表示窓カバー40をあたかも集音マイクのように利用することができる。
ここで、表示窓カバー40に対する圧電素子45を貼付する位置は、特に不透明なセラミック形の圧電素子を使用する場合は、圧電素子によって表示窓の前面をふさぐことの無いように、側面部に貼付することが望ましい。特に、表示窓カバーを携帯電話機本体35に取り付ける支持部材43の位置と材質を適宜選択することによって、音圧による振動を有効に圧電素子に伝達することができる。この観点から、弾性体からなる支持部材43を前面部の4隅近傍に配した上記の構造は1つの好ましい構造である。
ただし、圧電素子の貼付位置は、この例に限定されるものではなく、前面部41の上辺近傍や下辺近傍であっても良い。本体に対する表示窓カバー支持方法は、4隅を小さな弾性体で支持する方法以外にも、周縁部を液密に前面接着する方法、周縁部に弾性体からなるパッキングを設けて本体と接着する方法等が考えられる。指示部材は必ずしも弾性体である必要は無く、本体に剛に接着又は嵌合させても良い。音圧による表示窓カバーの振動を有効に圧電素子に伝達する観点からは、圧電素子は剛に固定された点からは離れていることが望ましい。
また、表示窓カバー40は、図4に示したように必ずしもC型断面を有する必要は無く、多くの形状が考えられる。図5は、携帯電話機に使用することができる表示窓カバーのバリエーションを示したものである。50は概略平板状の表示窓カバーであって、下辺部近傍に圧電素子51を有する。携帯電話機に組み込んだ状態では、表示窓カバーの下辺部近傍は本体に隠れて見えなくなるので、圧電素子が表示を邪魔することは無い。表示窓カバーの支持方法が種々考えられる点や、音圧を電圧変化として圧電素子から取り出すメカニズムは図4に関連して既に述べたものと基本的に同じである。表示窓カバーの形状はさらに多くの変形例が考えられ、その一例は、表示窓が携帯電話機本体と完全に一体化したものである。
上述の振動素子および表示窓カバー等からなる発音体、すなわち、表示窓カバー40と圧電素子45の組み合わせは、必要な電子回路と共に発音体つまりスピーカとしても使用することができる。この場合、図示しない駆動回路から導電線44を介して圧電素子45に印加された電圧波形にしたがって、圧電素子が変形し、この変形が表示窓カバー40全体を振動させて発音が行われる。この場合も、図4に例示した好ましい実施例に示した表示窓カバー40と圧電素子45の組み合わせは、電気エネルギーから機械エネルギーへの変換素子として極めて効率が高い。これはつまり、支持部材43から張り出した片持ち梁状の位置に圧電素子を設けて加振するためである。
つまり、表示窓カバー40をマイクとして使用すると同時にスピーカとして使用することが可能である。なお、スピーカとして発振しているときにユーザが音声を入力したような場合は、入力回路に入力された圧電素子の起電力、つまり、表示窓カバーの変形を表す情報から、圧電素子駆動回路から圧電素子に入力された駆動電流を引き算することで、入力波と出力波を分離することができる。マイクとして音圧を電流に変換するための圧電素子と、スピーカとして電流から機械振動への変換を行う堪えの圧電素子は別体であっても良い。この場合には、それぞれが必要な電気回路に接続されることはいうまでも無い。
図6において圧電振動子67は長方形状の圧電板69の両主面に長方形の薄い電極62と63を形成するとともに、圧電板69より多少大型にして相似形の導電性振動板65に片方の電極62を貼り付けて形成された構成を有し、ここでは好適な圧電素子の別の設置例として示す。図4に示した実施例との相違点は、圧電素子振動部68はその一部のみにおいて接着部材66を介して表示窓カバー40に貼付されており、圧電素子振動部68の大部分は片持梁状に中空に支持されている点である。圧電素子振動部68の中空支持された部分と表示窓カバー40との間には、接着部材66の厚さに相当する空隙が設けられていることになる。圧電素子振動部68は単独で接着部材に取り付けることもできるし、さらに変形能力の比較的大きな金属薄等の振動板に貼付することによって機械的な強度を補強することもできる。
上記のような構成によって、電圧が加わった際の圧電素子69の変形範囲を大きくすることができ、音圧から電圧への変換効率を向上させることができる。同時に大振幅の発音又はバイブレータとして使用したときは振動発生が可能になる。
図7aは別の実施例を示すものである。図7aに示した実施例においては、筐体の、例えば表示部70の裏側に当たる位置に、2つの平行な溝あるいは薄肉部が形成されており、当該溝によって周囲と少なくとも部分的に区画された範囲内に圧電素子が設置されている。前記溝の存在によって、圧電素子の変形によって当該区画された範囲が振動しやすくなると共に、区画された範囲が振動する際に筐体全体に振動伝わる振動を低減することにより、高音質かつ大音量の発音を得ることができる。
さらに図7bの別の実施例においては、電子機器の筐体の一部に薄肉部が設けられており、当該薄肉部に圧電素子が設けられている。この構成の場合も、上述の溝を設けた構造と同様に、圧電素子が振動しやすくなると同時に、当該振動の筐体全体への伝達が抑制されるために高音質かつ大音量の発音が可能になる。
表示窓カバー40はさらに、音声以外の情報を入力するための手段としても使用することができる。すなわち、表示窓カバーを指等で押圧すると、表示窓カバーが変形するが、この変形を圧電素子を介して電圧として取り出すことができる。表示窓を指等で直接押圧した際の変形は、一般に、音波によるものよりも振幅がはるかに大きく、また、周波数特性が異なる。したがって、適当な周波数選択性のフィルタを組み合わせることによって、音圧による起電力と押圧による起電力とを分離することが可能になる。この方法をさらに発展させれば、1度だけゆっくり押圧することで電源をONにし、すばやく2回押圧することで電源をOFFにするよう設定することも可能である。また、表示窓カバーを小刻みに何度も軽くたたくことで音量を上げる当の操作も設定することが可能である。さらに、圧電素子で表示窓カバーを低周波で振動させて、バイブレータとして使用することも可能である。
表示窓カバーの材質は、ボリカーボネート、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ガラス等から適宜選択することができる。
また、前記圧電素子は、ADP、LiNbO3、LiTaO3、Ba2NaNb3O15、ZnO、CdS、Bi12GeO20のいずれかである単結晶圧電素子、BaTiO3系、PZG−5、PZG−Pb(Mg1/3Nb2/3)O3、PZG−In(Li3/5W2/5)O3、PZG−Pb(Sn1/2Sb1/2)O3、(Pb,Nd)(Ti,Mn,Tn)O3、PVF2、PbTiO3系のいずれかであるセラミックス圧電素子、PVF2またはゴム/PZTである高分子圧電素子、および、Zn/O、AlN/Al2O3薄膜から選択されたもの、および、以下の化学式によって表される組成物である圧電素子。
(Bi2O2)2+(Mex−1RxO3x+1)2−
ここで、Meは1、2または3価のイオンまたはこれらの混合物であり、
RはTi4+,Nb5+,Ta5+、
xは2以上の整数である。
さらに、PbBi2Nb2O9、PbBi2Ta2O9、BaBi8Ti2NbO12、PbBi3Ti2NbO12、BaBi4Ti4O15、PbBi4Ti4O15、SrBi2Nb2O9、SrBi2Ta2O9、SrBi4Ti4O15、Na5Bi45Ti4O15、K1/2Bi45Ti4O15、Pb2Bi4Ti5O18、Sr2Bi4Ti5O18、KNbO3、NaNbO3、NaTaO3、BaFeO3、BaTiO3、PbSnO3、PbZrO3、SrTiO3、BiC2O3、BiFeO3、CeAlO3、LaAlO3、LaCoO3、LaC2O3、LaFeO3、LaInO3、Sr(Fe2/3W1/3)O3、La(Co2/3Nb1/3)O3、La(Co2/3Sb1/3)O3、Ba(Zn1/3Nb2/3)O3、Pb(Co1/3Nb1/3)O3、La(Co2/3Nb1/3)O3、La(Co2/3Sb1/3)O3、Ba(Zn1/3Nb2/3)O3、Pb(Co1/3Nb2/3)O3、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3、Pb(Mn1/3Nb2/3)O3、Pb(Ni1/3Nb2/3)O3、Pb(Zn1/3Nb2/3)O3、Sr(Cu1/3Sb2/3)O3、Sr(Fe1/3Nb2/3)O3、Sr(Mg1/2Nb2/3)O3、Pb(Fe1/2Nb1/2)O3から選択することができる。
図7は、本発明の別の実施例に基づく圧電素子を設けた表示装置を具備する携帯電話機を示す斜視図である。図7において、金属薄板や合成樹脂板を成形加工して製作した筐体100は、概略直方体状の形状を有し、表面側には長方形の表示窓129が形成されて内部を見通すことができるようになっており、表面側の表示窓以外の部分に、数字、文字や特定の機能を表示した複数のボタンがマトリックス状に配列されている。
筐体100の長手方向の上方先端側にはアンテナ111が突出しており、下端部近傍には送話器109が設けられている。筐体100の側面には外部電源との接続に使用するコネクタ113が設けられている。
筐体100の内部には、図8に示すように、筐体に設けられた開口とほぼ同じ形状で僅かに大きな光透過性の振動板135が筐体100の外表面と表面が一致するように設けられており、その内部には液晶表示素子103が設けられている。この液晶表示素子103は、TFT型またはDTN型などのカラー又はモノクロ表示機能を有し、複数の文字列や画像を表示させるものであり、ケース内に設けられた回路基板131上に固定されると共に、これに電気的に接続されて駆動される。
液晶表示素子103の表面側において、その端部に搭載された薄いスペーサ133を介して光透過性のたとえば、ポリカーボネート樹脂板やアクリル樹脂板からなり、たとえば、縦が60mm、横40mm程度の長方形の振動板135が重ねられており、この振動板135の周縁部は開口129の縁から僅かに外方向に突出して開口を塞いでいる。したがって、振動板は、筐体の開口を塞ぐと同時に筐体の内部に収容された液晶表示素子を目視できる構造である。
振動板135の裏面のアンテナ111側には、図10に示すように、たとえば、縦10mm、横40mm、厚さ1mm程度の長方形の圧電素子137が貼付され、図示しないリード線が上述した回路基板131に接続されている。なお、図10は、図8に比較して表裏を逆に表示した図面である。
圧電素子137は、図10および11に示すように、長方形の圧電素子の両側に長方形の薄い電極版141,143を貼付すると共に、圧電素子より若干おおきな導電性振動板145に片方の電極141を貼り付けて形成された構造を有しており、導電性振動板145の圧電素子に貼付しない面が振動板に貼付されている。
圧電素子137の良好な振動を確保するために、圧電素子137と液晶表示素子3の表示面との間には、数ミクロンメートル程度の僅かな間隔が設けられており、振動板135と筐体100との間もスペーサを設けるなどして僅かな間隔を確保することが望ましい。少なくとも振動板を完全に接着しないのが望ましい。
圧電素子137は、導電性振動板145に貼付する構成以外にも、図12に示すように、電極板141,143を圧電素子に貼付して導電性振動板145を省略し、振動板135に直接貼り付ける構造も可能である。
上述した回路基板131には、液晶表示素子103の他に、キー105,アンテナ111およびコネクタ113等が設けられ、それらを駆動する駆動回路などの電子回路が搭載されている。回路基板131に形成した駆動回路から圧電振動素子137に駆動電流が流れると、圧電素子137が屈曲して振動板135を振動させ、振動板135から発音する。
この様に構成された装置の表示装置は、表示部129を設けた携帯電話機の筐体100の内部に、開口部と重なるように液晶表示素子103を設け、その表示面側に間隔を置いて光透過性の振動板135を設け、この振動板135の端部近傍に圧電素子137を取り付け、筐体の一部によって圧電素子を覆う構造としたから、全体として電子機器を大型化することなく大型の発音源を設けることができ、つまり他の構成要素を圧迫せずに大きな振動板面積を確保できるので、300Hzから3500Hzにわたって、低音域の音圧レベルを確保することができると同時に、高音域についても特に強調されない自然な周波数特性が得られる。
また、表示窓を構成する振動板全体が振動するので、従来使用されていた直径1cm程度の発音体に比較して耳に当てやすく、聞き取りが容易になる。さらに、振動板によって高い音圧レベルを確保することができるので、着信音を発音させるための発音素子を別途設ける必要は無くなり、部品点数の削減および一層の省スペースを行うことができる。
さらに、上記の構造であれば、単に圧電素子を表示窓を構成する振動板に貼り付けることで製造可能なので、組み立てが簡単で製造工程の簡素化と信頼性の向上に貢献することができる。
上述の実施例では、圧電素子を筐体で覆い隠す構成としたが、必ずしもこの構成に限定されるわけではなく、圧電素子が透明な振動板を通して黙視できる構造であっても特に支障はない。また、圧電素子と電極板に光透過性の材料を使用すれば、支障なく液晶表示装置を目視することができる。
上述の実施例では、振動板135のアンテナ側に圧電素子137を貼付したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、図13に示すように、圧電素子を入力キーの側に設けても良い。あるいは、その他の位置にも貼付することができることはすでに述べたとおりである。
表示窓を構成する振動板の周囲には僅かに空隙が設けられていることが振動を抑制しないために有効であるが、そのためには振動板を4カ所程度の数点で支持することが好ましく、さらに、全周に渡って支持する場合にも、弾性変形可能な部材によって支持すれば良好な発音を行うことができる。
産業上の利用可能性
以上は、携帯電話を例に、本発明に基づく音声入出力機能を有する表示窓の構成と機能について説明したが、本発明の適用範囲は携帯電話機に限定されるものではなく、ゲーム機、ATM等の表示パネル、コンピュータ、カーナビ装置等の各種表示装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、従来の携帯電話装置を例示するものである。
図2は、従来の、圧電素子を利用したマイクとスピーカを示す図である。
図3は、本発明の音声入出力機能を有する表示窓を携帯電話に適用した1実施形態を示す。
図4は、表示窓カバーを取り出して示した斜視図である。
図5は、表示窓カバーの他の実施例を示した斜視図である。
図6は、好適な振動板の設置例を示す。
図7は、図7aおよび図7bともに別の好適な振動板の設置例を示す。
図8は、本発明の他の実施例に基づく圧電素子を具備する電子機器を示す斜視図である。
図9は、図8に示した実施例の圧電素子近傍を示す断面図である。
図10は、表示窓および表示窓に取り付けた圧電素子を示す断面図である。
図11は、両面に電極板を貼付した圧電素子を表示窓に取り付けた状態を示す断面図である。
図12は、圧電素子の両面に電極板を貼付した状態を示す断面図である。
図13は、携帯電話機を例に表示窓および圧電素子の近傍を示した拡大図である。
本発明は、音声入出力機器に関し、特に、液晶表示装置のような主として電子機器によって駆動される表示装置の表示窓を兼ねることができる音声入出力機器に関する。本発明の1つの側面に従えば、本発明は、窓面を押圧することでさらに情報の入力機器として作用することができる音声の入出力機器に関する。本発明はさらに、当該入出力機器を具備した電子機器に関するものである。
発明の背景
図1は、現在使用されている携帯電話機の代表的な例を示すものである。携帯電話機10は、プッシュボタン部11のほかに、液晶表示部12、音声入力用マイク13、音声出力用スピーカ14等を必須の構成要素として具備する。これらの機能は自明なので詳細な説明は省略するが、従来の携帯電話機の特徴の一つは、上記表示部12、マイク13、スピーカ14がそれぞれ独立に設けられていることである。
携帯電話機に代表される電子機器に対しては、マイクやスピーカ等の構成要素を可能な限り小型軽量化して機器全体の小型軽量化を図ることが要請されるが、マイクやスピーカは力学的なエネルギーと電気エネルギーとの間の変換素子であるために、一定程度以上に小さくすることができず、これが機器小型化の障害となっている。
一方、表示部に関しては、音声のみを送受信するための電話機から、メール、写真や動画を送受信することが益々頻繁に行われることを考慮すると、近い将来は、一層大型の表示装置が求められることが予想される。この要請にこたえるためには、携帯電話機の前面のほぼ全てを表示装置にすることが望まれる。
電気エネルギーと力学的エネルギーの間の変換素子として、圧電素子が知られており、図2に示すように、圧電素子を利用したマイク20やスピーカ25もまた既知である。マイク20は、圧電素子からなる薄膜21の周辺部をケーシング22で挟持し、外部からの音圧によって振動する薄膜の起電力を一組の端子23から取り出すものである。また、スピーカ25は、同様に圧電素子からなる薄膜の振動体26の周辺部を環状の枠27で固定して、一組の端子28から入力された電気信号によって薄膜振動体26を振動させて音波に変換するものである。
これらを携帯電話等において使用する場合、ボイスコイルあるいはコンデンサ型のマイクやスピーカと比較して厚さを若干削減できるものの、携帯電話機の前面をマイクとスピーカのために使用しなければならないという意味においては、ボイスコイル等を使用したマイクやスピーカと基本的に異なるところがない。
発明の概要
本発明は、従来の技術が有する上記のような課題を解決することを目的としたもので、具体的には、携帯電話機に代表される表示部を有する電子機器の前面を全て表示部のために使用可能にすることのできる音声入出力機器およびこれらを具備した電子機器を提供することを目的としたものである。
この課題を達成するために、本発明は、表示窓を構成する光透過性の振動板と、該振動板を支持する支持部材と、該振動板に固定された圧電素子と、該圧電素子への入出力を行うアンプとを具備し、振動板が受ける音圧による振動を圧電素子に伝達して、圧電素子に発生した電流をアンプを介して電圧波形として取り出すと共に、アンプを介して電圧波形を圧電素子に入力して圧電素子を変形させ、当該変形を振動として前記振動板に伝達して、振動板から発音するように構成した音声入出力機能を有する表示窓を提案する。当該表示窓によれば、表示窓を同時に音声の入出力装置として使用できるので、携帯電話のボタン部を除く全面を表示画面として使用することができる。
また圧電素子の一部を中間体を介して片持梁状に支持して圧電素子の両面にスペースを作ることにより前記圧電素子変形の振動が大きいと同時に効率が高く、振幅の大きい発音体または振動体を得る方法を提案する。また、例えば携帯電話の筐体にて少なくとも1つの薄肉部を形成し、当該薄肉部に圧電素子を設置して発音体または振動体とすると同時に、圧電素子の振動を筐体全体に伝わらないようにして筐体全体の共振を低減させて圧電素子から発する音質を高めることも可能である。
本発明の、他の側面によれば、前記表示窓はさらに、振動板に加えられた音圧による圧電素子の起電力と、機械的な押圧力による圧電素子の起電力を分離できるフィルタ手段を具備し、振動板に加えられた機械的な押圧力を認識することができるように構成した表示窓を提案する。当該表示画面によれば、表示画面を音声の入出力に使用しつつ、同時に、画面を指などて押圧することで音声とは別の情報を入力することができる。別な情報とは、例えば、音声出力を大きくする命令、あるいは、音声出力を小さくする命令等の情報である。このことによって、表示画面から、従来はボタン部を操作して行っていた機能の一部又は全部を行わせることができ、究極的にはボタン部を含めて前面をすべて表示部とすることが可能になる。
本発明のさらに別の側面によれば、電子機器の動作を表示するウインドウ状の表示面を外部に向けてその電子機器内に配置された板状の表示素子と、外部からその表示面が見えるようにこれを覆う透過性の保護板と、この保護板の端に貼付されてこれを振動させる板状の圧電振動素子とを具備する。
好ましい実施態様の詳細な説明
本発明の実施例について、添付の図面を参照して以下に詳細に説明することにする。
図3は、本発明に基づく音声入出力機能を有する表示窓を携帯電話機に適用した実施例を示す斜視図である。図3に示す携帯電話機30は、本体35上に設けた押しボタン式の入力部31と、表示窓32とを有し、一見、従来の携帯電話機と同じように見える。しかし、従来の携帯電話機ではその先端部時端部近傍に設けられているスピーカとマイクが無く、その分、表示窓32と押しボタン式の入力部31が電話機のほぼ全面を覆うように設けられている。この実施例の場合には、本発明に基づいて表示窓が音声入出力機能を有する。
次に、図4に基づいて、音声入出力機能を有する表示窓の構造と作用について詳細に説明する。図4は、例えば、アクリル成型品である表示窓カバー40の部分のみを取り出して示した斜視図である。表示窓カバー40は、前面部41と2つの側面部42とから構成され、概略C型の断面を有している。全面部41の4隅の近傍には、弾性体からなる支持部材43が設けられており、これらが携帯電話機本体35の窓に相当する開口の縁の部分の接着されることで、表示窓カバー40は、本体35に対して固定される。表示窓カバー40の側面部42は、本体35の中に収容されるので、表示窓カバー40を本体35に取り付けて携帯電話機30が組み立てられた状態では側面部42は外からは見ることができない。表示窓カバー40の側面部42には、圧電素子45が貼付され、当該圧電素子45は必要な導電線44を通じて、入出力回路(図示しない)に接続されている。
通話者が表示窓カバー40の近傍で会話をすると、通話者の音声による音圧で表示窓カバーが振動(変形)し、この変形が前面部41から側面部42に伝えられる。側面部42の変形は、これに貼付されている圧電素子45の変形となって、起電力を生じる。当該起電力は前記の導電線44を介して必要な電気回路に伝えられる。このような構成によって、音圧を電気信号として取り出すことができるので、表示窓カバー40をあたかも集音マイクのように利用することができる。
ここで、表示窓カバー40に対する圧電素子45を貼付する位置は、特に不透明なセラミック形の圧電素子を使用する場合は、圧電素子によって表示窓の前面をふさぐことの無いように、側面部に貼付することが望ましい。特に、表示窓カバーを携帯電話機本体35に取り付ける支持部材43の位置と材質を適宜選択することによって、音圧による振動を有効に圧電素子に伝達することができる。この観点から、弾性体からなる支持部材43を前面部の4隅近傍に配した上記の構造は1つの好ましい構造である。
ただし、圧電素子の貼付位置は、この例に限定されるものではなく、前面部41の上辺近傍や下辺近傍であっても良い。本体に対する表示窓カバー支持方法は、4隅を小さな弾性体で支持する方法以外にも、周縁部を液密に前面接着する方法、周縁部に弾性体からなるパッキングを設けて本体と接着する方法等が考えられる。指示部材は必ずしも弾性体である必要は無く、本体に剛に接着又は嵌合させても良い。音圧による表示窓カバーの振動を有効に圧電素子に伝達する観点からは、圧電素子は剛に固定された点からは離れていることが望ましい。
また、表示窓カバー40は、図4に示したように必ずしもC型断面を有する必要は無く、多くの形状が考えられる。図5は、携帯電話機に使用することができる表示窓カバーのバリエーションを示したものである。50は概略平板状の表示窓カバーであって、下辺部近傍に圧電素子51を有する。携帯電話機に組み込んだ状態では、表示窓カバーの下辺部近傍は本体に隠れて見えなくなるので、圧電素子が表示を邪魔することは無い。表示窓カバーの支持方法が種々考えられる点や、音圧を電圧変化として圧電素子から取り出すメカニズムは図4に関連して既に述べたものと基本的に同じである。表示窓カバーの形状はさらに多くの変形例が考えられ、その一例は、表示窓が携帯電話機本体と完全に一体化したものである。
上述の振動素子および表示窓カバー等からなる発音体、すなわち、表示窓カバー40と圧電素子45の組み合わせは、必要な電子回路と共に発音体つまりスピーカとしても使用することができる。この場合、図示しない駆動回路から導電線44を介して圧電素子45に印加された電圧波形にしたがって、圧電素子が変形し、この変形が表示窓カバー40全体を振動させて発音が行われる。この場合も、図4に例示した好ましい実施例に示した表示窓カバー40と圧電素子45の組み合わせは、電気エネルギーから機械エネルギーへの変換素子として極めて効率が高い。これはつまり、支持部材43から張り出した片持ち梁状の位置に圧電素子を設けて加振するためである。
つまり、表示窓カバー40をマイクとして使用すると同時にスピーカとして使用することが可能である。なお、スピーカとして発振しているときにユーザが音声を入力したような場合は、入力回路に入力された圧電素子の起電力、つまり、表示窓カバーの変形を表す情報から、圧電素子駆動回路から圧電素子に入力された駆動電流を引き算することで、入力波と出力波を分離することができる。マイクとして音圧を電流に変換するための圧電素子と、スピーカとして電流から機械振動への変換を行う堪えの圧電素子は別体であっても良い。この場合には、それぞれが必要な電気回路に接続されることはいうまでも無い。
図6において圧電振動子67は長方形状の圧電板69の両主面に長方形の薄い電極62と63を形成するとともに、圧電板69より多少大型にして相似形の導電性振動板65に片方の電極62を貼り付けて形成された構成を有し、ここでは好適な圧電素子の別の設置例として示す。図4に示した実施例との相違点は、圧電素子振動部68はその一部のみにおいて接着部材66を介して表示窓カバー40に貼付されており、圧電素子振動部68の大部分は片持梁状に中空に支持されている点である。圧電素子振動部68の中空支持された部分と表示窓カバー40との間には、接着部材66の厚さに相当する空隙が設けられていることになる。圧電素子振動部68は単独で接着部材に取り付けることもできるし、さらに変形能力の比較的大きな金属薄等の振動板に貼付することによって機械的な強度を補強することもできる。
上記のような構成によって、電圧が加わった際の圧電素子69の変形範囲を大きくすることができ、音圧から電圧への変換効率を向上させることができる。同時に大振幅の発音又はバイブレータとして使用したときは振動発生が可能になる。
図7aは別の実施例を示すものである。図7aに示した実施例においては、筐体の、例えば表示部70の裏側に当たる位置に、2つの平行な溝あるいは薄肉部が形成されており、当該溝によって周囲と少なくとも部分的に区画された範囲内に圧電素子が設置されている。前記溝の存在によって、圧電素子の変形によって当該区画された範囲が振動しやすくなると共に、区画された範囲が振動する際に筐体全体に振動伝わる振動を低減することにより、高音質かつ大音量の発音を得ることができる。
さらに図7bの別の実施例においては、電子機器の筐体の一部に薄肉部が設けられており、当該薄肉部に圧電素子が設けられている。この構成の場合も、上述の溝を設けた構造と同様に、圧電素子が振動しやすくなると同時に、当該振動の筐体全体への伝達が抑制されるために高音質かつ大音量の発音が可能になる。
表示窓カバー40はさらに、音声以外の情報を入力するための手段としても使用することができる。すなわち、表示窓カバーを指等で押圧すると、表示窓カバーが変形するが、この変形を圧電素子を介して電圧として取り出すことができる。表示窓を指等で直接押圧した際の変形は、一般に、音波によるものよりも振幅がはるかに大きく、また、周波数特性が異なる。したがって、適当な周波数選択性のフィルタを組み合わせることによって、音圧による起電力と押圧による起電力とを分離することが可能になる。この方法をさらに発展させれば、1度だけゆっくり押圧することで電源をONにし、すばやく2回押圧することで電源をOFFにするよう設定することも可能である。また、表示窓カバーを小刻みに何度も軽くたたくことで音量を上げる当の操作も設定することが可能である。さらに、圧電素子で表示窓カバーを低周波で振動させて、バイブレータとして使用することも可能である。
表示窓カバーの材質は、ボリカーボネート、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ガラス等から適宜選択することができる。
また、前記圧電素子は、ADP、LiNbO3、LiTaO3、Ba2NaNb3O15、ZnO、CdS、Bi12GeO20のいずれかである単結晶圧電素子、BaTiO3系、PZG−5、PZG−Pb(Mg1/3Nb2/3)O3、PZG−In(Li3/5W2/5)O3、PZG−Pb(Sn1/2Sb1/2)O3、(Pb,Nd)(Ti,Mn,Tn)O3、PVF2、PbTiO3系のいずれかであるセラミックス圧電素子、PVF2またはゴム/PZTである高分子圧電素子、および、Zn/O、AlN/Al2O3薄膜から選択されたもの、および、以下の化学式によって表される組成物である圧電素子。
(Bi2O2)2+(Mex−1RxO3x+1)2−
ここで、Meは1、2または3価のイオンまたはこれらの混合物であり、
RはTi4+,Nb5+,Ta5+、
xは2以上の整数である。
さらに、PbBi2Nb2O9、PbBi2Ta2O9、BaBi8Ti2NbO12、PbBi3Ti2NbO12、BaBi4Ti4O15、PbBi4Ti4O15、SrBi2Nb2O9、SrBi2Ta2O9、SrBi4Ti4O15、Na5Bi45Ti4O15、K1/2Bi45Ti4O15、Pb2Bi4Ti5O18、Sr2Bi4Ti5O18、KNbO3、NaNbO3、NaTaO3、BaFeO3、BaTiO3、PbSnO3、PbZrO3、SrTiO3、BiC2O3、BiFeO3、CeAlO3、LaAlO3、LaCoO3、LaC2O3、LaFeO3、LaInO3、Sr(Fe2/3W1/3)O3、La(Co2/3Nb1/3)O3、La(Co2/3Sb1/3)O3、Ba(Zn1/3Nb2/3)O3、Pb(Co1/3Nb1/3)O3、La(Co2/3Nb1/3)O3、La(Co2/3Sb1/3)O3、Ba(Zn1/3Nb2/3)O3、Pb(Co1/3Nb2/3)O3、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3、Pb(Mn1/3Nb2/3)O3、Pb(Ni1/3Nb2/3)O3、Pb(Zn1/3Nb2/3)O3、Sr(Cu1/3Sb2/3)O3、Sr(Fe1/3Nb2/3)O3、Sr(Mg1/2Nb2/3)O3、Pb(Fe1/2Nb1/2)O3から選択することができる。
図7は、本発明の別の実施例に基づく圧電素子を設けた表示装置を具備する携帯電話機を示す斜視図である。図7において、金属薄板や合成樹脂板を成形加工して製作した筐体100は、概略直方体状の形状を有し、表面側には長方形の表示窓129が形成されて内部を見通すことができるようになっており、表面側の表示窓以外の部分に、数字、文字や特定の機能を表示した複数のボタンがマトリックス状に配列されている。
筐体100の長手方向の上方先端側にはアンテナ111が突出しており、下端部近傍には送話器109が設けられている。筐体100の側面には外部電源との接続に使用するコネクタ113が設けられている。
筐体100の内部には、図8に示すように、筐体に設けられた開口とほぼ同じ形状で僅かに大きな光透過性の振動板135が筐体100の外表面と表面が一致するように設けられており、その内部には液晶表示素子103が設けられている。この液晶表示素子103は、TFT型またはDTN型などのカラー又はモノクロ表示機能を有し、複数の文字列や画像を表示させるものであり、ケース内に設けられた回路基板131上に固定されると共に、これに電気的に接続されて駆動される。
液晶表示素子103の表面側において、その端部に搭載された薄いスペーサ133を介して光透過性のたとえば、ポリカーボネート樹脂板やアクリル樹脂板からなり、たとえば、縦が60mm、横40mm程度の長方形の振動板135が重ねられており、この振動板135の周縁部は開口129の縁から僅かに外方向に突出して開口を塞いでいる。したがって、振動板は、筐体の開口を塞ぐと同時に筐体の内部に収容された液晶表示素子を目視できる構造である。
振動板135の裏面のアンテナ111側には、図10に示すように、たとえば、縦10mm、横40mm、厚さ1mm程度の長方形の圧電素子137が貼付され、図示しないリード線が上述した回路基板131に接続されている。なお、図10は、図8に比較して表裏を逆に表示した図面である。
圧電素子137は、図10および11に示すように、長方形の圧電素子の両側に長方形の薄い電極版141,143を貼付すると共に、圧電素子より若干おおきな導電性振動板145に片方の電極141を貼り付けて形成された構造を有しており、導電性振動板145の圧電素子に貼付しない面が振動板に貼付されている。
圧電素子137の良好な振動を確保するために、圧電素子137と液晶表示素子3の表示面との間には、数ミクロンメートル程度の僅かな間隔が設けられており、振動板135と筐体100との間もスペーサを設けるなどして僅かな間隔を確保することが望ましい。少なくとも振動板を完全に接着しないのが望ましい。
圧電素子137は、導電性振動板145に貼付する構成以外にも、図12に示すように、電極板141,143を圧電素子に貼付して導電性振動板145を省略し、振動板135に直接貼り付ける構造も可能である。
上述した回路基板131には、液晶表示素子103の他に、キー105,アンテナ111およびコネクタ113等が設けられ、それらを駆動する駆動回路などの電子回路が搭載されている。回路基板131に形成した駆動回路から圧電振動素子137に駆動電流が流れると、圧電素子137が屈曲して振動板135を振動させ、振動板135から発音する。
この様に構成された装置の表示装置は、表示部129を設けた携帯電話機の筐体100の内部に、開口部と重なるように液晶表示素子103を設け、その表示面側に間隔を置いて光透過性の振動板135を設け、この振動板135の端部近傍に圧電素子137を取り付け、筐体の一部によって圧電素子を覆う構造としたから、全体として電子機器を大型化することなく大型の発音源を設けることができ、つまり他の構成要素を圧迫せずに大きな振動板面積を確保できるので、300Hzから3500Hzにわたって、低音域の音圧レベルを確保することができると同時に、高音域についても特に強調されない自然な周波数特性が得られる。
また、表示窓を構成する振動板全体が振動するので、従来使用されていた直径1cm程度の発音体に比較して耳に当てやすく、聞き取りが容易になる。さらに、振動板によって高い音圧レベルを確保することができるので、着信音を発音させるための発音素子を別途設ける必要は無くなり、部品点数の削減および一層の省スペースを行うことができる。
さらに、上記の構造であれば、単に圧電素子を表示窓を構成する振動板に貼り付けることで製造可能なので、組み立てが簡単で製造工程の簡素化と信頼性の向上に貢献することができる。
上述の実施例では、圧電素子を筐体で覆い隠す構成としたが、必ずしもこの構成に限定されるわけではなく、圧電素子が透明な振動板を通して黙視できる構造であっても特に支障はない。また、圧電素子と電極板に光透過性の材料を使用すれば、支障なく液晶表示装置を目視することができる。
上述の実施例では、振動板135のアンテナ側に圧電素子137を貼付したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、図13に示すように、圧電素子を入力キーの側に設けても良い。あるいは、その他の位置にも貼付することができることはすでに述べたとおりである。
表示窓を構成する振動板の周囲には僅かに空隙が設けられていることが振動を抑制しないために有効であるが、そのためには振動板を4カ所程度の数点で支持することが好ましく、さらに、全周に渡って支持する場合にも、弾性変形可能な部材によって支持すれば良好な発音を行うことができる。
産業上の利用可能性
以上は、携帯電話を例に、本発明に基づく音声入出力機能を有する表示窓の構成と機能について説明したが、本発明の適用範囲は携帯電話機に限定されるものではなく、ゲーム機、ATM等の表示パネル、コンピュータ、カーナビ装置等の各種表示装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、従来の携帯電話装置を例示するものである。
図2は、従来の、圧電素子を利用したマイクとスピーカを示す図である。
図3は、本発明の音声入出力機能を有する表示窓を携帯電話に適用した1実施形態を示す。
図4は、表示窓カバーを取り出して示した斜視図である。
図5は、表示窓カバーの他の実施例を示した斜視図である。
図6は、好適な振動板の設置例を示す。
図7は、図7aおよび図7bともに別の好適な振動板の設置例を示す。
図8は、本発明の他の実施例に基づく圧電素子を具備する電子機器を示す斜視図である。
図9は、図8に示した実施例の圧電素子近傍を示す断面図である。
図10は、表示窓および表示窓に取り付けた圧電素子を示す断面図である。
図11は、両面に電極板を貼付した圧電素子を表示窓に取り付けた状態を示す断面図である。
図12は、圧電素子の両面に電極板を貼付した状態を示す断面図である。
図13は、携帯電話機を例に表示窓および圧電素子の近傍を示した拡大図である。
Claims (16)
- 表示窓を構成する光透過性の振動板と、該振動板を支持する支持部材と、該振動板に固定された圧電素子と、該圧電素子への入出力を行うアンプとを具備し、
振動板が受ける音圧による振動を圧電素子に伝達して、圧電素子に発生した電流をアンプを介して電圧波形として取り出すととも共に、
アンプを介して電圧波形を圧電素子に入力して圧電素子を変形させ、当該変形を振動として前記振動板に伝達して、振動板から発音するように構成した音声入出力機能を有する表示窓。 - さらに、振動板に加えられた音圧による圧電素子の起電力と、機械的な押圧力による圧電素子の起電力を分離できるフィルタ手段を具備し、振動板に加えられた機械的な押圧力を認識することができる請求項1に記載の表示窓。
- 前記振動板は、ボリカーボネート、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ガラスから選択された材料からなることを特徴とする前記請求項1又は2のいずれかに記載の表示窓。
- 前記振動板を支持する支持部材は、弾性部材であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の表示窓。
- 圧電素子は、ADP、LiNbO3、LiTaO3、Ba2NaNb3O15、ZnO、CdS、Bi12GeO20のいずれかである単結晶圧電素子、BaTiO3系、PZG−5、PZG−Pb(Mg1/3Nb2/3)O3、PZG−In(Li3/5W2/5)O3、PZG−Pb(Sn1/2Sb1/2)O3、(Pb,Nd)(Ti,Mn,Tn)O3、PVF2、PbTiO3系のいずれかであるセラミックス圧電素子、PVF2またはゴム/PZTである高分子圧電素子、および、Zn/O、AlN/Al2O3薄膜から選択されたものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の表示窓。
- 圧電素子は、以下の化学式によって表される組成物であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の表示窓。
(Bi2O2)2+(Mex−1RxO3x+1)2−
ここで、Meは1、2または3価のイオンまたはこれらの混合物であり、
RはTi4+,Nb5+,Ta5+、
xは2以上の整数である。 - 圧電素子は、PbBi2Nb2O9、PbBi2Ta2O9、BaBi8Ti2NbO12、PbBi3Ti2NbO12、BaBi4Ti4O15、PbBi4Ti4O15、SrBi2Nb2O9、SrBi2Ta2O9、SrBi4Ti4O15、Na5Bi45Ti4O15、K1/2Bi45Ti4O15、Pb2Bi4Ti5O18、Sr2Bi4Ti5O18KNbO3、NaNbO3、NaTaO3、BaFeO3、BaTiO3、PbSnO3、PbZrO3、SrTiO3、BiC2O3、BiFeO3、CeAlO3、LaAlO3、LaCoO3、LaC2O3、LaFeO3、LaInO3、Sr(Fe2/3W1/3)O3、La(Co2/3Nb1/3)O3、La(Co2/3Sb1/3)O3、Ba(Zn1/3Nb2/3)O3、Pb(Co1/3Nb1/3)O3、La(Co2/3Nb1/3)O3、La(Co2/3Sb1/3)O3、Ba(Zn1/3Nb2/3)O3、Pb(Co1/3Nb2/3)O3、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3、Pb(Mn1/3Nb2/3)O3、Pb(Ni1/3Nb2/3)O3、Pb(Zn1/3Nb2/3)O3、Sr(Cu1/3Sb2/3)O3、Sr(Fe1/3Nb2/3)O3、Sr(Mg1/2Nb2/3)O3、Pb(Fe1/2Nb1/2)O3から選択されたものであることを特徴とする請求項6に記載の表示窓。
- 振動板は表示部から非表示部にまで延長されており、前記圧電素子は当該非表示部に接着されている請求項1ないし7のいずれかに記載の表示窓。
- 前記圧電素子は、中間体を介して当該非表示部に接着されており、中間体は、圧電素子の一部を固定して片持梁状に支持することを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の表示窓。
- 前記フィルタ手段は、起電力の周波数成分に基づいて表示窓に加えられた音圧と機械的な押圧力を分離することを特徴とする請求項2に記載の表示窓。
- 前記フィルタ手段は、起電力の絶対値に基づいて表示窓に加えられた音圧と機械的な押圧力を分離することを特徴とする請求項2に記載の表示窓。
- 表示窓を押圧することによって、情報の入力が可能な請求項10または11に記載の表示窓。
- さらに、いわゆるバイブレータとして振動することができる表示窓。
- 上記請求項1ないし13のいずれかに記載の表示窓を有する電子機器。
- 少なくとも1つの溝が形成された筐体を具備し、当該溝によって周囲と少なくとも部分的に区画された範囲内に圧電素子が設置されており、圧電素子の変形によって当該区画された範囲が振動する際に筐体全体の振動が低減されていることを特徴とする電子機器。
- 少なくとも1つの薄肉部が形成された筐体を具備し、当該薄肉部に圧電素子が設置されており、圧電素子の変形によって当該薄肉部が振動する際に筐体全体の振動が低減されいることを特徴とする電子機器。
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- 2001-09-04 JP JP2002526155A patent/JPWO2002021881A1/ja active Pending
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