JPS646311Y2

JPS646311Y2 -

Info

Publication number: JPS646311Y2
Application number: JP1984046909U
Authority: JP
Priority date: 1984-03-31
Filing date: 1984-03-31
Publication date: 1989-02-17
Also published as: JPS60159668U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は通帳、伝票類、証書類等の捺印欄又は
筆記欄等を有する印刷物に関するものである。従
来、通帳、伝票類、証書類等の使用に際して行な
われる本人確認は、捺印欄に押印されている印影
と人物の所有する印鑑の印影による印鑑照合にて
行なわれてきた。

しかし、この方式では第三者が上記捺印欄に印
影が既に設けられている印刷物を入手した場合、
これを悪用する為、印影を改ざんする事は容易に
行ないうる。又最近、特に金融機関通帳に用いら
れている押捺後、捺印欄にマスクラベルを貼付す
る方法についてもこのラベルを剥し押捺された印
影を改ざんする事は比較的容易に行ない得る。

本考案は、上記欠点を補い既に印影が押捺され
た捺印欄又は記入欄を改ざんした場合明らかに改
ざん行為の有無が容易に識別出来る事を目的とし
た印刷物である。

以下に図に従つて本考案の構成を説明する。

第１図は捺印欄又は筆記欄等の記入欄を有した
印刷物の平面図であり、第２図は第１図のＡ−
A′線に沿つた断面図である。

用紙等の基材１上の捺印欄、筆記欄等の記入欄
２の上に、該記入欄２の一部又は全体を覆う様に
剥離層３を設ける。剥離層３は表面平滑性の優れ
た無色透明あるいは着色透明な物質を用いる。例
えば、剥離層を印刷手法にて形成する場合インキ
体として紫外線硬化型シルクスクリーンインキ、
一般シルクスクリーンインキ、ワツクスタイプと
してホツトメルト系ビヒクルを主体とするインキ
が考えられ、又他の手法として透明箔による箔押
し、接着剤付フイルムによるラミネートといつた
手法が考えられる。

形成された剥離層３の上に、適当な絵柄による
印刷層４を形成する。これは剥離層２の一部ある
いは全体を覆う様、適宜大きさは決めて良い。

印刷手法としては、スクリーン印刷、活版印
刷、オフセツト印刷等の適宜の方法を選べるが、
剥離層３との密着性が弱く且つ造膜性が弱い方が
望ましい。

印刷層４の上に、剥離層３又は印刷層４のどち
らか大きい方の全体を覆う様に吸収層５を設け
る。尚、図中、印刷層４を構成する絵柄は、吸収
層５で隠蔽されるが、模式的に図中に絵柄を図示
する。吸収層５は、その上から印影を押捺又は署
名等を筆記する為、これらインキ、インク等に対
し吸収性が良く、且つ隠蔽性の高い物質を用い
る。例えば、吸収層５を印刷手法にて形成する場
合、インキ用ビヒクルにインキ体として顔料、吸
収剤、添加剤を主成分としたシルクスクリーン印
刷インキが考えられる。吸収剤として例えば、シ
リカ、炭酸カルシウム、亜鉛華といつた無機充填
剤が使用出来る。又、インキ体に限らず、インキ
用ビヒクル、顔料、吸収剤、添加剤から成る箔に
よる箔押しにても吸収層５を形成する事が出来
る。

次に上記構成に基づく印刷物の使用例を述べ
る。

第３図、第４図の如く用紙等の基材上の記入欄
上に剥離層、印刷層、吸収層を設けた印刷物の該
吸収層上に印影６を押捺し、さらにその上を第５
図の如く延伸ポリプロピレンフイルム７等の裏面
に粘着加工層８を施した無色透明カバーフイルム
又は着色透明カバーフイルムにて覆う。

この状態で捺印後、印刷物として発行するがこ
れを第三者が入手し、印影６を改ざんしようとカ
バーフイルムを剥した場合、剥離層３と吸収層５
間の密着及び印刷層４と吸収層５間の密着が弱い
為、第５図の如く印影６、吸収層５、印刷層４は
カバーフイルム側へ接着したまま剥れてしまう。

吸収層５が記入欄へ残つている場合、隠蔽効果
がある為印刷層４の印刷絵柄は目視で見にくいが
絵柄の存在識別は容易に行ない得る。これに対し
第５図の如くカバーフイルムを剥した場合印刷層
４も剥れてしまい容易に絵柄の存在識別が出来
る。

又、改ざんを目的として吸収層を剥離した後、
新たに印刷層、吸収層を形成しようと企てても、
同等の白色隠蔽性を持ち、且つ吸収性を保持する
吸収層材質の選定、同等の目視濃度を持つ印刷
層、絵柄印刷を構成する材質の選定、及び剥離が
印刷層４の一部のみであつた場合の新たな印刷層
形成時の位置合わせ等に関しかなりの知識、設備
を有する必要がある為改ざんは困難である。

本考案の印刷物は、例えば、有価証券、投票
券、金券、その他のものの偽造防止に有効なもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図と第２図とは、本考案の印刷物の構成の
一例を示す図面であり、第１図は平面図であり、
第２図は、第１図のＡ−A′線による断面図であ
る。次に第３図と第４図と第５図とは、本考案の
印刷物の使用例の一例を示す図面であり、第３図
は平面図、第４図は第３図Ａ−A′線による断面
図、第５図は断面図である。１……基材、２……記入欄、３……剥離層、４
……印刷層、５……吸収層、６……印影、７……
フイルム、８……粘着加工層。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

基材上の捺印欄又は筆記欄等の記入欄上に、第
一層目として表面平滑性の優れた物質による剥離
層を設け、該第一層目上に第二層目として絵柄に
よる印刷層を施し、該第二層目上に白色度が高く
隠蔽性があり且つインキ・インク等の吸収性の良
い物質による吸収層を第三層目として設けた事を
特長とする偽造防止用印刷物。