JPS64552Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、アスフアルト舗装廃材（アスフアル
ト混合物）を乾燥加熱して再生合材とするリサイ
クルプラントにおける乾燥加熱装置に関する。

一般にリサイクルプラントにあつては、回転ド
ラムにバーナが付設されて成る乾燥加熱装置が用
いられている。そして、機械的にもしくはスチー
ム等により加熱して解砕したアスフアルト舗装廃
材を回転ドラム内に投入してその内部を移動さ
せ、バーナからの熱風によりこれを乾燥加熱して
再生合材とするようになつている。

ところで、アスフアルト舗装廃材の乾燥加熱に
当つては、その中のアスフアルト分の劣化や高熱
によるアスフアルト分の燃焼を防止することが、
再生合材の品質維持及び公害防止等の面から重要
である。このため、従来は、回転ドラムの入口に
おける熱風の温度を例えば約500℃と低くしたり、
あるいは、熱風の温度は約800℃とし、投入され
る解砕材に水を散布したりしていた。ところが、
前者の方法では、燃焼２次空気の量が多くなつて
排気量が増し、不経済となるという不具合があ
り、また後者の場合は、熱効率が低くなる上、材
料の水分が一定しないことから上記目的を必ずし
も達成できず、ブルースモークが発生しやすいと
いう欠点があつた。

本考案は、上記事情に鑑みてなされたもので、
アスフアルト舗装廃材の中のアスフアルト分の劣
化及び燃焼を確実に防止することができ、しか
も、効率的で運転費も低く抑えることができるア
スフアルト混合物の乾燥加熱装置を提供すること
を目的とする。

上記目的を達成するために、本考案は、バーナ
の近傍に水噴霧装置を、その噴霧口をバーナから
の熱風の吹出し部に向けて配設したもので、水の
気化熱で熱風の温度を下げると共に、アスフアル
ト舗装廃材の表面に凝縮した水分によりアスフア
ルト分を熱風から保護するようにしたものであ
る。

以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明
する。

図中１は円筒状の回転ドラムで、傾斜した架台
２に設けられた支持ローラ３の上に、一端１ａを
他端１ｂよりも高めた状態で支持され、駆動モー
タ４によつて周方向に回転させられるようになつ
ている。この回転ドラム１の一端１ａには、アス
フアルト舗装廃材の解砕材を投入する投入コンベ
ヤ５が配設され、また、他端１ｂには、該他端１
ｂを回転可能に収容すると共に、上部に排気口６
を有し、下部に抜出し口７を有する排出マニホー
ルド８が設けられている。

さらに、回転ドラム１の一端１ａには、一端側
に円錐部９ａが形成された円筒状の燃焼室９が、
その円錐部９ａの先端側を回転ドラム１の一端１
ａ内に収容された状態で配設され、この燃焼室９
の他端には、送風機１０と図示しない燃料ポンプ
が接続されたバーナ１１が取付けられている。

一方、上記燃焼室９の円錐部９ａの内周壁に
は、内周側に複数のノズル孔が穿設された互いに
連通する２本の円環状のノズルパイプ１２が、該
内周壁の周方向に亘つて設けられ、このノズルパ
イプ１２は、所定位置に圧力計１３が取付けられ
たパイプ１４によつて水送給ポンプ１５の吐出口
に連絡されている。そして、このノズルパイプ１
２、水送給ポンプ１５等が水噴霧装置１６を構成
している。さらに、上記燃焼室９の円錐部９ａに
は、バーナ１１の燃焼によつて発生された熱風の
温度を検出するための温度センサ１７が設けら
れ、この温度センサ１７の出力端はコントローラ
１８に接続されている。また、このコントローラ
１８には上記圧力計１３が連絡されると共に、そ
の出力端は上記水送給ポンプ１５の可変速モータ
１９に連絡されている。そして、温度センサ１７
によつて検出された熱風の温度に基づいてコント
ローラ１８によつて可変速モータ１９の回転速度
が変えられ、ノズルパイプ１２からの水噴霧量が
最適に制御されるように構成されている。

なお、図中２０はアスフアルト合材を上方に持
ち上げた後落下させるためのかき上げフライトで
ある。

しかして、上記構成の乾燥加熱装置にあつて
は、先ず、駆動モータ４によつて回転ドラム１を
周方向に回転させ、バーナ１１に点火すると同時
に送風機１０を始動し、かつ、図示しない排気装
置を作動して排気口６からの吸気を行い、上記バ
ーナ１１によつて発生した高温の熱風を回転ドラ
ム１の一端１ａから他端１ｂへ通過させる。ま
た、水噴霧装置１６の水送給ポンプ１５を作動さ
せてノズルパイプ１２のノズル孔から水を噴霧
し、その水の気化熱で上記熱風の温度を例えば
600℃まで下げる。次いで、回転ドラム１内に、
解砕したアスフアルト舗装廃材を投入コンベヤ５
によつて投入する。すると、このアスフアルト舗
装廃材はかき上げフライト２０によつてかき上げ
られ混合されながら回転ドラム１の一端１ａから
他端に向つて移送されるが、その間に上記熱風に
より乾燥加熱されて再生合材となつて抜出し口７
から抜出される。

ここで、上記運転では、水噴霧装置１６により
熱風の温度を下げるので、アスフアルト舗装廃材
を加熱し過ぎて、その中のアスフアルト分を劣化
させたり高熱により燃焼させたりするおそれがな
く、再生合材の品質を高く維持することができる
と共に、プルースモーク等も完全に防止できる。
さらに、熱風により気化した水蒸気がアスフアル
ト舗装廃材の表面に凝縮して水の膜を形成し、こ
の水の膜がアスフアルト分を保護するので、上述
の効果は一層高まる。

また、上記装置では、コントローラ１８等によ
り水噴霧装置１６による水噴霧量が制御されて熱
風の温度が常に最適値に保たれる。すなわち、熱
風の温度は温度センサ１７によつて検出されてコ
ントローラ１８に入力される。そして、コントロ
ーラ１８においてこの熱風温度が設定温度（例え
ば600℃）より高いか低いか判定され、高い時に
は水送給ポンプ１５の可変速モータ１９の回転数
が高められてノズルパイプ１２からの水の噴霧量
が増大させられる一方、低い時は逆に可変速モー
タ１９の回転数が低下させられて水の噴霧量が減
少させられ、これにより熱風の温度が最適に維持
される。したがつて、アスフアルト分の劣化及び
燃焼は常に確実に防止される。

さらに、上記装置では、材料に水を直接散布す
る従来の装置に比し、水の供給を定量的に行うこ
とができるという利点があり、また、燃焼２次空
気により熱風温度を下げるようにした従来の装置
に比し、水の気化熱で熱風温度を下げるため回転
ドラム１内の容量を小さくでき、装置を小型化で
きる。

ところで、上記ノズルパイプ１２は燃焼室９の
円錐部９ａの内壁面に設けたが、バーナ１１から
の熱風が吹出す部分に水が噴霧される位置ならば
他の位置に設けてもよい。

以上説明したように、本考案の乾燥加熱装置
は、バーナからの熱風に水を噴霧してその温度を
下げることにより、アスフアルト舗装廃材中のア
スフアルト分を保護するようにしたものであるか
ら、アスフアルト分の保護が確実にでき、しかも
効率的で装置を小型化できると共に、運転費も低
く抑えることができる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示す断面図である。 １……回転ドラム、１１……バーナ、１６……
水噴霧装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アスフアルト混合物を混合しながら移送する回
   転ドラムに、該回転ドラム内に熱風を送り込んで
   上記アスフアルト混合物を乾燥加熱するバーナが
   付設されたアスフアルト混合物の乾燥加熱装置に
   おいて、上記バーナの近傍には水噴霧装置が、そ
   の噴霧口をバーナからの熱風の吹出し部に向けて
   配設されて成ることを特徴とするアスフアルト混
   合物の乾燥加熱装置。