JPS645487Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、オートクレーブ処理された気泡コ
ンクリートを素材として形成される植木鉢に関す
るものである。

周知のように、植木鉢は、大別して素焼鉢と、
釉薬をかけたものとがあり、通気のよいことを好
む草花類や育苗用には前者が、一定の湿気を保ち
外観体裁をよくする目的で後者が使用される。こ
のように植木鉢は、機能的にみれば、その植物の
生育に関連して、通気性ないしは吸水湿性に優れ
た構造のものが好まれ、装飾的にみれば、生育す
る植物に関連して、所望の形状処理ならびに所望
の外装処理が容易であること、すなわち加工性に
優れたものが好まれる。

この考案は、上述する点に関連して、当該植木
鉢を、加工性に優れ、吸水吸湿性を有するオート
クレーブ処理された気泡コンクリート素材によつ
て形成するものである。

以下、この考案にかかる植木鉢について、図面
に示す具体的な実施例にもとづいて詳細に説明す
る。

図において、植木鉢１は、上部に開口２を有
し、側壁部３および底壁部４がオークレーブ処理
された気泡コンクリート材によつて形成されてい
るものである。ここに、オートクレーブ処理によ
り形成される気泡コンクリートは、硅酸質原料
（SiO₂）および石灰質原料（CaO）を主原料と
し、これに発泡剤（アルミ粉末、その他の金属粉
末）、水および気泡安定剤等を加えて混合し、発
泡凝固し、これをオートクレーブ釜（高温高圧蒸
気養生釜）内において養生し、硬化反応させ成形
するものである。このオートクレーブ処理された
気泡コンクリートは、二次加工が容易であり、か
つ水に関する性質、たとえば吸水性、透水性、吸
湿性、および透湿性等の性質を有し、条件によつ
ては、ある程度の水分を長期的に吸水して含水す
る性能がみられる。

前記植木鉢１は、オートクレーブ気泡コンクリ
ート塊をくりぬくか、あるいは複数のオートクレ
ーブ気泡コンクリートの板状体を組み合せて接合
して形成される。この植木鉢１の外周壁面５に
は、所望に応じて凹凸模様が形成される。また、
この植木鉢の底壁４に、孔を設けたものであつて
もよい。さらに、当該植木鉢は、必要に応じて防
水処理、あるいは彩色処理がなされる。

以上の構成になるオートクレーブ処理された気
泡コンクリート製植木鉢は、その気泡コンクリー
トの特性から、まず第１に軽量であり、かつ物理
的耐久性に富むもので、従来の植木鉢に比べてそ
の取扱い性に優れている。第２に、加工が容易で
あつて、多量生産に適用する経済性を有し、かつ
外周壁の加工により需要者の要望に十分応え得る
ものである。さらに第３に、オートクレーブ処理
された気泡コンクリートにみられる吸水、透水、
吸湿、透湿特性により、植木鉢をあらかじめ適当
な条件の場所に設置しておけば、植木鉢自体が常
に水分を含水する傾向にあるため植木鉢としてき
わめて効果的であり、条件によつては、当該植木
鉢の壁面に苔類を生育させ得るもので、その点に
おいてもきわめて興趣に富むものといえる。

【図面の簡単な説明】

図面は、この考案にかかる植木鉢の具体的実施
例を示すものであり、第１図は、素材塊をくりぬ
いて形成した植木鉢の斜視図、第２図は、複数の
素材片を組み合せ接合して成る植木鉢の斜視図、
第３図は、従来の植木鉢の形態に形成して成る植
木鉢の斜視図である。 １……植木鉢、２……開口、３……側壁部、４
……底壁部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 石灰質原料および硅酸質原料を粉末状態とし
   て混合し、適量の発泡剤、水および気泡安定剤
   等を加えて多孔質化し、これをオートクレーブ
   処理により養生硬化して成るオートクレーブ気
   泡コンクリートによつて側壁部および底壁部を
   形成して成ることを特徴とする植木鉢。 (2) 前記オートクレーブ気泡コンクリートから成
   る塊体をくりぬいて、側壁部および底壁部を形
   成して成る実用新案登録請求の範囲第(1)項に記
   載の植木鉢。 (3) 前記オートクレーブ気泡コンクリートから成
   る複数枚の板状体を組み合わせ接合して側壁部
   および底壁部を形成して成る実用新案登録請求
   の範囲第(1)項に記載の植木鉢。