JPS645126B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は水平ドレーンによる圧密脱水工法及び
その装置に関するものである。

ポンプ船等を用いて埋立てた超軟弱地盤上に覆
土するために、従来は地盤表面にシートまたはネ
ツト等を布設し、その上に盛土することが多かつ
たが、この時、特に軟弱な表面付近の支持力は実
際上零に等しく、盛土に非常な困難をきたしてい
る。

一方、表面の乾燥部分をひび割れ等でクラスト
が形成されている場合は、かなり盛土施工が容易
となるが、しかしながら、クラスト形成には長い
期間を要し、急速な工事には向かないという問題
がある。

そこで本発明は、軟弱地盤上への盛土を容易に
するために、軟弱地盤の表層部分を効果的に脱水
する、施工の容易な工法と、その脱水装置を提供
することを目的としたものである。

即ち、本発明の水平ドレーンによる圧密脱水工
法は、台船の端部から、先端にアンカーを取付け
たドレーンを、台船の進向方向に向つて開かれた
形状のヘドロ寄せ集め板が左右両側に取付けられ
たマンドレルを介して、軟弱地盤中に打ち込み、
マンドレルを一定深さに保つたまま台船を移動し
てドレーンを軟弱地盤の表層下に水平に布設する
と共に、水平に布設したドレーンの一端を真空源
に連通することにより、軟弱地盤の表層部分を真
空圧密脱水する水平ドレーンによる圧密脱水工法
からなる。

以下図面を参照して本発明の一実施例を説明す
るが、第１図は本発明の圧密脱水工法に使用する
水平ドレーン打設状況を示す全体側面図、第２図
は第１図の要部拡大の側面図、第３図は第２図の
要部概略の平面図、第４図はバキユーム管装置の
全体側面図、第５図は第４図のバキユーム管の拡
大側断面図、第６図は第５図の正面図である。

まず、第１図に示すごとく、ポンプ船その他を
用いて埋立後の軟弱地盤１の表層面上に水Ｗを張
り、その水上を移動可能な台船２の上に、第２図
及び第３図に示すごとき水平ドレーン打設装置３
を設けている。

この水平ドレーン打設装置３は、矢印Ｆ方向に
移動可能な台船２の尾部にドレーンドラム５及び
マンドレル昇降装置６により上下に昇降可能なマ
ンドレル７、更にはそのマンドレル７の左右両側
に取付けられ、かつ進行方向に向つて開かれた状
態のヘドロ寄せ集め板８を有している。

そこで、このドレーンドラム５には、例えば幅
10cm、厚さ５mmの帯状の不織布などのボード系の
ドレーン９を巻いておき、そのドレーン９の先端
に鉄板またはプラスチツク製のアンカー１０を取
付けた上、このドレーン９を軟弱地盤１の表層下
の例えば0.5〜1.0ｍの位置に水平ドレーンとして
布設することになる。

そのドレーン９を布設する際は、マンドレル７
を軟弱地盤１の所定深さまで打ち込み、そのマン
ドレル７を通じてドレーン９をその深さに保ち、
台船２を移動することにより布設するが、アンカ
ー１０はそのドレーン９の一端を固定するために
用いられている。

所定の長さのドレーン９の布設が終ると、マン
ドレル７を上昇させて、地表面上に出して切断
し、後でこのドレーン９にバキユームをかけた時
に地表水や空気を吸うのを防止するために、その
表面上及び地表面下の一部、例えば0.5〜1.0ｍを
ビニール筒１１等の遮断材でカバーする。

そこで、ドレーン９の切断した端部を第４図、
第５図及び第６図に示すごときバキユーム管装置
４のバキユーム管１２に導き、パツキン１３を有
する締具１４で上記ビニール筒１１の遮断材と共
に固定してバキユーム管装置４によりバキユーム
をかけ、圧密脱水する。

この際、地表面付近の軟弱地盤１の層は遮断層
の役割をはたすため、従来のごとく地表面をビニ
ール等の遮断材で覆う必要はない。

なお、上記台船２は水Ｗ上を移動するが、水Ｗ
を張らない場合は、そり状の台船２を用いても良
く、台船２を移動させながら、ドレーン９を布設
する際はその台船２の移動を容易にするためジエ
ツト水等を利用しても良い。

本発明におけるヘドロ寄せ集め板８は、布設し
たドレーン９を軟弱地盤１内に完全に埋設するた
めに使用されるものであり、このヘドロ寄せ集め
板のこのような作用と、アンカー１０によるドレ
ーンの一端を固定して、ドレーンを一定深度に布
設すると云う前述の作用とや相俟つて、本発明に
よればドレーン９を所望深さに、完全に埋設する
ことができるものである。

また、このドレーン９は深度方向または水平方
向に多連たばねて一気に多数布設することもでき
る。

従つて、本発明の方法及び装置を採用すればポ
ンプ船などを用いて埋立てた軟弱地盤を覆土する
際に、その表層部を容易に、かつ効率良く真空圧
密して強化することができ、その後の盛土など覆
土がきわめて容易に行なわれるという効果があ
る。

また、実盛土等で圧密圧をかけないので、地盤
の破壊や護岸等の構造物の損傷がなくなるという
利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の圧密脱水工法に使用する水平
ドレーン打設状況を示す全体側面図、第２図は第
１図の要部拡大の側面図、第３図は第２図の要部
概略の平面図、第４図はバキユーム管装置の全体
側面図、第５図は第４図のバキユーム管の拡大側
断面図、第６図は第５図の正面図である。 １……軟弱地盤、２……台船、３……水平ドレ
ーン打設装置、４……バキユーム管装置、７……
マンドレル、８……ヘドロ寄せ集め板、９……ド
レーン、１０……アンカー、１２……バキユーム
管。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 台船の端部から、先端にアンカーを取付けた
   ドレーンを、台船の進向方向に向つて開かれた形
   状のヘドロ寄せ集め板が左右両側に取付けられた
   マンドレルを介して、軟弱地盤中に打ち込み、マ
   ンドレルを一定深さに保つたまま台船を移動して
   ドレーンを軟弱地盤の表層下に水平に布設すると
   共に、水平に布設したドレーンの一端を真空源に
   連通することにより、軟弱地盤の表層部分を真空
   圧密脱水する水平ドレーンによる圧密脱水工法。