JP6319839B2 - ボードの水平建込み装置及び水平建込み方法 - Google Patents

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本発明は、対象地盤として例えば作業し難い構造物直下の地盤を地盤注入ボードを用いて改良するのに好適なボードの水平建込み装置及び水平建込み方法に関する。
例えば、軟弱地盤の改良方法として、重機を用いて地表側よりマンドレルと共にドレーン材を地盤内に建込み、その後、マンドレルを引き抜くと共にドレーン材先端に設けたアンカーの抜け止め作用を得て、ドレーン材の上端側を地表側で切断して、その切り離されたドレーン材を地盤中に残置することにより、ドレーン材によって地盤内の水分を地表面に順次吸上げて地表側に排出するバーチカルドレーン工法がある。
このドレーン工法に用いられるドレーン材として、長手方向に多数の仕切を設けた可撓性のプラスチックボードがある。本出願人はこのボードに着目し、特許文献1や2などが有する問題を解消するため地盤注入ボードとそれを用いた地盤注入工法を開発(特願2014−7380号、以下、これに記載の発明を先願1という)した。このボードは、可撓性の板状からなり、長手方向に延びた複数の注入材移送用長孔を板厚内に形成していると共に、側面の複数箇所に設けられて長孔に通じて該長孔に沿って流れてくる注入材を外へ吐出させる注入口を有している。また、工法特徴は、前記ボードを打設管内に挿入して地中に打設した後、該ボードを地中に残置した状態で打設管を引き抜くと共に、一端側を地表側に露出させる工程と、ボードの一端側に注入材を長孔に導入するための注入材導入部を接続する工程と、注入材導入部を介して所定の注入材を複数の長孔のうち、1以上の長孔に圧送して側面の注入口より地盤の間隙に吐出する工程とを経る。以上の工法では、ボードの各仕切り毎に吐出口の高さを適宜設定することにより、地盤内の望ましい深さ位置に平均的に地盤改良材を注入できるため、地盤性状に応じてより経済的な地盤改良が可能となる。
特開2004−316394号公報 特開2007−16536号公報
ところで、例えば、コンクリート製の地下構造物が地盤内の所定深度まで埋設されている場所において、図11に示したごとくその地下構造物Aの支持地盤Eが軟弱であったり、構造物Aの近接箇所に空洞部分や弛みが生じていることが後に指摘されることもある。これに伴う沈下や地震発生時の変形や損傷を防止することを目的として、予め地盤改良を施す必要が生じた場合には、地下構造物の周囲地盤は公知の工法を適用して改良できるが、構造物直下の地盤までは改良困難となる。
すなわち、そのような場合は、同図に例示したごとく地下構造物Aの底版A1を貫通して注入孔a1及びエア抜き孔a2を削孔してパイプP1,P2を通じて下部地盤Eの空洞Bなどに薬液を注入しつつ、エア抜きを行うようにすれば、これら空洞Bや弛み箇所を補修できる。しかし、このような施工方法では、構造物自体に多数の孔a1,a2を明けるため孔部箇所の脆弱化や老巧化を招くことが懸念される。つまり、施工後は孔開けによる損傷箇所の修復や補強作業など後工事を必要とし、地下構造物Aの強度に悪影響を与えると共に、施工期間も長くなり経済的でない。
また、地下構造物の損傷や後工事を伴わない地盤改良方法として、地下構造物の近くに縦孔又は溝を掘削し、その縦孔又は溝における地下構造物底版の下部地盤に向けて略水平にボードを建込むことができればドレーン工法や薬液注入工法を適用可能であるが、建込むためには孔または溝幅をかなり広げる必要があり、大規模施工となるため同じく経済的でない。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものである。その目的は、比較的小さな縦孔からでも略水平方向にボードを建込み可能にすることにより、地下構造物の損傷を伴うことなく、その下部地盤を効果的に改良できるようにしたボードの水平建込み装置及び方法を提供するものである。他の目的は、短期で経済的な施工を可能とすることにある。更に、他の目的は以下の内容説明のなかで明らかにする。
上記目的を達成するため請求項1の本発明は、図1及び図2を参考にして特定すると、地盤内の流体(流体には液体、気体、粉体、流動物などを含む。以下、同じ)を地表へ排出可能又は/及び注入材を地盤内に吐出可能な可撓性ボード5を、地盤中の所定深度から略水平方向に設置する際に用いられるものであって、地表側から地盤内に向けて縦方向に貫入配置したり引き抜かれるガイド部材2と、前記ガイド部材に支持された状態に設けられて、前記ガイド部材の先端側周辺より地盤内の略水平方向に向けて伸縮部材を伸縮可能に駆動する繰出し手段3と、前記ガイド部材2に沿って地表側より引き込んだ前記ボードの先端側を前記伸縮部材の先端側に解除可能に連結する連結手段(アンカー7A及び結合体45)とを備え、前記ボード5が前記伸縮部材4の伸長時に該伸縮部材にて牽引されると共に、前記伸縮部材4の縮小時に地盤内に残置されることを特徴としている。
以上の本発明において、ボードは、公知のプラスチックドレーン材と比べ、可撓性の細長い板状からなり、板厚内に複数の長孔を形成している点で同じ。用途や目的によっては、先願1に記載の構成、つまりボードの両側面又は片側面に設けられて板厚内の長孔に通じる注入口を有していることが好適である。
繰出し手段は、ガイド部材に支持された状態でガイド部材の先端側周辺から伸縮部材をモータ等の回転駆動機構やピストン機構等により略水平方向に伸長したり縮小する。伸縮部材としては、図2や図3に挙げた特願2014−28169号に記載の噛合式構造(以下、これに記載の発明を先願2という)、図9に挙げた様な相似形の中空の円柱を大きさの順に内蔵させたテレスコ又はテレスコピック式構造、図10に挙げた様な単一のリンク連結体などである。勿論、それ以外でもよい。ボードの牽引は、ボードを単一の繰出し手段で牽引する図6の様な構成、ボードを複数の繰出し手段で牽引する図9の様な構成を含む。連結手段は、伸縮部材の伸長過程では係合維持し、縮小過程では係合解除する関係である。図4の例では、ボード先端側に取り付けられたアンカーを伸縮部材の前進時に係合した連結態様で牽引し、伸縮部材の縮小時にアンカー効果により係合解除してボードを残置可能にする非連結態様となる。図9の例では、ボード先端側に取り付けられたアンカー側面の凸部に伸縮部材の前進時に伸縮部材先端側に設けられた凹部を係合した連結態様で牽引し、伸縮部材の縮小時に凸部に対する凹部を係合解除してボードを残置可能にする非連結態様となる。
以上の本発明は、請求項2〜4のごとく具体化されることがより好ましい。すなわち、
(1)前記伸縮部材4の先端側に設けられた噴射ノズル8、及び前記ガイド部材2に沿って地表側より引き込まれると共に、先端を前記噴射ノズル8に接続した流体移送用供給管23を有している構成である(請求項2)。
(2)前記伸縮部材4は可撓性を有し、前記繰出し手段3の繰出し動作により一体に結合して繰出し方向に順次伸長しつつ剛体化すると共に、前記繰出し手段3の縮小動作により分割又は折畳み状態に収納空間に収まる一対のリンク連結体4A,4Bからなる構成である(請求項3)。
(3)更に、前記リンク連結体4A,4B同士の結合による伸縮部材4の形成時に、伸縮部材内側に前記ボード5等の長尺物を長手方向に挿通可能な中空部40を形成する構成である(請求項4)。
(4)前記伸縮部材は、図10に例示されるごとく、前記ボード等の長尺物を長手方向に挿通可能な中空部を有している単位リンク部材58を使用し、前記単位リング部材同士が対向端側をヒンジ59を介して相互に連結され、水平状態において直線態様を維持し、かつ、一方側を他方側に対し前記ヒンジ部59を介して上方向へのみ屈曲可能なリンク連結体(4D)からなる構成である(請求項5)。
(5)前記繰出し手段もしくは伸縮部材は、図9(a)に例示されるごとく、所定間隔で配置された一対からなり、前記各伸縮部材4C,4Cにより前記ボード5を共同して牽引する構成である(請求項6)。
請求項7から10は、ボードの水平建込み方法として特定したものである。すなわち、
(5)地盤内の流体を地表へ排出可能又は/及び注入材を地盤内に吐出可能な可撓性ボードを、地盤の所定深度から地盤内に略水平に設置するボードの水平建込み方法であって、地盤貫入用ガイド部材の先端周辺に設けた繰出し手段により伸縮部材を略水平方向に伸縮可能にしていると共に、前記伸縮部材の先端側に前記ボードの先端側を解除可能に連結する連結工程と、前記ガイド部材を地盤中の所定深度まで貫入配置するガイド部材位置決め工程と、前記繰出し手段により前記ボードを引連れて前記伸縮部材を所定長さまで伸長させ、次いで前記伸縮部材の縮小することによって前記連結を解除し前記ボードを地盤中に残置するボード残置工程と、前記ボードの地表側箇所をボード供給手段から縁切りする切断工程とを経る構成である(請求項7)。
(6)前記伸縮部材の伸長過程で、前記伸縮部材の先端側に設けられた噴射ノズルから掘削用流体を(例えば、水、又は、流動物や粒状物を高圧エアーに同伴させて)噴射する構成である(請求項8)。
(7)前記ガイド部材建込み工程において、前記ガイド部材を、予め掘削した縦孔内に挿入し位置決めする構成である(請求項9)。
(8)前記ガイド部材建込み工程において、掘削手段を回転手段により回転して地盤を掘削して縦孔を造成すると同時に、前記ガイド部材を前記縦孔内に位置決めする構成である(請求項10)。
請求項1の発明では、ガイド部材、繰出し手段、連結手段を備え、可撓性ボードを伸縮部材の伸長時にその伸縮部材で牽引し、伸縮部材の縮小時に連結手段の連結を解除して地盤中に残置可能にする。従って、本発明装置は、請求項6のごとく可撓性ボードをガイド部材に沿って地盤所定深さまで引き込んだ後、繰出し手段による伸縮部材の伸長に牽引されて地盤中の所定深度から略水平方向に設置できるため、例えば、構造物直下のような作業し難い箇所でも、構造物に損傷を与えることなく建込み作業を効率よく行える。その結果、本発明は、地盤内の流体を地表側へ排出して地盤改良するバーチカルドレーン工法又はそれに類似の工法、更に薬液等の注入材を地盤の間隙に注入する地盤注入工法又はそれに類似の工法の適用機会拡大に寄与できる。
請求項2の発明では、伸縮部材先端の噴射ノズルにより伸長過程で掘削用流体を噴射したり、伸縮部材の後退により生じる低密度部もしくは空洞部に埋戻し用流体を噴射可能となる。このため、この発明では、例えば、地盤性状が硬質でも改良用流体の高圧噴流により掘削しつつ地盤内に水平進入でき、これにより繰出し手段の伸縮用動作出力が小さくても伸縮部材を伸長できるようにする。
請求項3の発明は、伸縮部材の具体的構成例を特定したものである。これには、例えば、「ジップチェーンリフタ」(登録商標)として知られている構造、更に上記した先願2に記載の構造などが含まれる。
請求項4の発明では、例えば、伸縮部材の内側中空部に沿ってボード等の長尺物を挿通した状態で目的とする位置まで牽引できるため地盤性状に影響されることがなくボードを水平方向に建込むことができる。
請求項5の発明では、例えば、請求項3や4の構造よりも簡易化でき、しかも各単位リンク部材の内側中空部に沿って図10の例のごとくボードや供給管等の長尺物を挿通した状態で目的とする位置まで牽引できるため地盤性状に影響されることがなくボードを水平方向に建込むことができる。
請求項6の発明では、目的の可撓性ボードを対の繰出し手段もしくは各伸縮部材により牽引可能となるため、大きな牽引力及び迅速・安定した作動を得ることができる。
請求項7の発明では、地盤内の所定深度までガイド部材を貫入配置した後、ボードの水平建込みと、地盤内残置と、ボードの縁切りとの操作により、ボードの水平建込みが完了するため、ボード一枚当りの施工サイクルが短く、経済的施工が可能となる。換言すると、本発明方法では、例えば、構造物直下のような作業し難い箇所でも迅速な建込み作業を実現し、それにより、地盤の流体を地表側へ排出して地盤改良するバーチカルドレーン工法又はそれに類似の工法、更に薬液等の注入材を地盤の間隙に注入する地盤注入工法又はそれに類似の工法の適用機会を拡大できる。
請求項8の発明では、請求項6のボードの水平建込み方法として、伸縮部材の伸長過程で伸縮部材に設けられた噴射ノズルから掘削用流体を噴射するため、繰出し手段による伸縮部材の伸長作動をより安定・迅速に行われるようにしたり、負荷を低減できる。要は短時間施工を実現する上で有利となる。
請求項9の発明では、請求項6や7において専用の掘削機で縦孔を掘削した後、ガイド部材を縦孔に挿入するため、使用装置の全体構成を簡易化できる。
請求項10の発明では、請求項6や7において、縦孔の掘削と同時にガイド部材の建込みが行えるため施工サイクルを短縮できる。
(a)は形態例の装置によりボードを地盤内で略水平方向に建込み終了後の施工待機状態で示す模式全体構成図、(b)は(a)のC−C線拡大断面図である。 上記装置の繰出し手段を説明するための図である。 (a)は図2の繰出し手段の伸縮部材を説明するための構成図、(b)は伸縮部材を構成しているリンク連結体の一例を示す構成図である。 (a)と(b)は上記伸縮部材、噴射ノズル、可撓性ボード、アンカーの関係を示す構成図である。 (a)は地盤に建込まれたボードを使用して注入する際の操作を説明するための模式図、(b)は注入状態を示す模式側面図である。 図1の装置でボードを水平に建込む際の手順例を示すフローチャートである。 (a)はガイド部材の位置決め工程を示す図、(b)は伸縮部材の伸長過程を示す図、(c)は伸縮部材の縮小過程を示す図である。 (a)は薬液等の注入材を地盤内にボード両面から注入している構成図、(b)はその変形例としてボードの片面から注入している構成図である。 上記装置の変形例1を示し、(a)は繰出し手段の伸縮部材を伸長している過程を示す模式図、(b)は伸縮部材を縮小している過程を示す模式図である。 上記装置の変形例2を示し、(a)は図9(a)に対応して示す模式図、(b)は図4(a)に対応して示す模式図である。 従来の地下構造物直下の地盤改良工事の一例を示す説明図である。
以下、本発明を適用した形態例及びその変形例を図面を参照して説明する。この説明では、図1〜図4に示した装置構造、及びそれを用いた図5〜図8に示したボードの水平建込み方法、図5及び図8に示したボードを使用した地盤改良例、図9に示した変形例1、図10に示した変形例2の順に詳述する。なお、図面は一部を省略したり模式化している。
(装置構造)ボードの水平建込み装置9は、図1〜図4に示されるごとく地盤改良装置のうち、特に、地盤内の流体(気体や液体)を地表へ排出可能又は/及び注入材を地盤内に吐出可能な可撓性ボード5を地盤中の所定深度から略水平方向に設置する場合に好適なものである。装置要部は、先端側にリーダー10を立設支持しているベースマシン1と、リーダー10に沿って昇降されて地表側から地盤内に向けて縦方向に貫入配置したり引き抜かれるガイド部材2と、ガイド部材2に支持されて該ガイド部材の先端側周辺より地盤内の略水平方向に向けて伸縮部材4を伸縮可能に駆動する繰出し手段3と、ガイド部材2に沿って地表側より引き込んだボード5の先端5bを伸縮部材4の先端側に解除可能に連結する連結手段(アンカー7A及び結合体45)とを備えている。そして、作動特徴は、ボード5が伸縮部材4の伸長時に該伸縮部材にて牽引されると共に、伸縮部材4の縮小時に地盤内に残置されるようにする。
ここで、図1や図9の例は、既設構造物として、地下構造物Aの直下に空洞Bや弛みが生じていることが分かっており、該空洞Bを埋め戻すと共に空洞Bを含む構造物直下を地中に建込まれるボード5を使用して地盤改良する設定である。ボード5は、上記した先願1に記載のものと同じであり、可撓性の細長い板状からなると共に板厚内に仕切り51で仕切られた複数の長孔50を形成している。また、ボード5は、図5や図7に示した如く両側面又は片側面に設けられて板厚内の長孔50に通じる複数の注入口53を有している。各注入口53は、ボート5の両側面又は片側面に長孔50に通じる窓52を設け、該窓52より長孔50内に配設された案内板(先願1のガイド部材)54を介して長孔50に沿って移送されてくる注入材を外へ吐出する。案内板54は、図5及び図7(a)のごとく両側面から吐出する構成だと、中間板部54a及び両側板部54bで区画された略コ形であり、同(b)のごとく片側面から吐出する構成だと矩形容器状でかつ対応側面を窓用に欠如した形状となる。図5の符号70は、必要に応じてボード先端に装着される孔閉用キャップである。細部は先願1を参照されたい。
装置の細部は以下の通りである。図1において、ベースマシン1は、リーダー10を起立状態に支持したり、ボード5を巻き取っているボードリール6を搭載している。リーダー10には、可動支持体12がラック・ピニオン等の昇降機構13によりリーダーの上下方向に移動可能に配設されている。可動支持体12は、昇降機構13を構成してリーダー10側の固定側機構部と噛み合っている不図示の可動側機構部と、上記ガイド部材2(後述する外筒21)の上側を支持する不図示のホルダー機構と、ガイド部材2(後述する内筒20)を回転する回転機構14とを保持している。
また、リーダー13には、上側に付設されて管路18の上側を支えるガイド具16、及び不図示の油圧装置側に接続されている作動油用管路(導入路及び排出路)19の上側を支えるガイド具17と、下側に付設されてガイド部材2の振れを規制する振止具29とを有している。管路18の上端は、スイベル15等を介し供給管22の上端に接続されている。管路19の上端は、図示を省略しているが、スイベル15等を介してガイド部材2(の内筒20と外筒21との間の隙間)に配管されている油圧ホース24に接続されている。油圧ホース24は、繰出し手段3を構成して伸縮部材4を伸長したり縮小する油圧モータ等の回転駆動手段(図示を省略)に接続されている。
更に、リーダー13の頂部にはガイドシーブ11が設けられている。そして、ボード供給手段であるボードリール6から送り出されたボード5の引出し端5bは、ガイドシーブ11を迂回してガイド部材2に沿って上から下向きに移動されて、後述する筐体37内に導かれると共に、筐体37内に設けられたローラー39に案内されつつ伸縮部材4の内部から後述する結合体45の内部を通って外へ挿通されてアンカー7Aにより抜け止めされる。
ガイド部材2は、図1(b)に示されるごとく内筒20及び外筒21からなる。内筒20は、下側に連結された掘削手段25と、筒内に沿って配管されて掘削や埋戻し用流体を移送する供給管22とを有している。また、掘削手段25は、下端の掘削刃26、その上の供回り防止板27、その上の攪拌翼28を組として構成されると共に、掘削刃26の近くに設けられて供給管22に接続された不図示の噴射ノズルを有している。そして、掘削や埋戻し用流体は、内筒20の上部に設けられたスイベル15を介して供給管22から前記噴射ノズルに送られて噴射される。外筒21は、内筒20との間に所定の隙間を保つよう設けられている。そして、この例では、図4のごとくその隙間を利用して伸縮部材4の先端側に設けられる噴射ノズル8に掘削や埋戻し用流体を移送する供給管23と、上記した油圧ホース24とを配管している。なお、供給管23や油圧ホース24の配管は、この例以外でも、例えば外筒21の外周面に沿って配管してもよい。
繰出し手段3は、上記した先願2に記載の伸縮装置と基本的に同じくし、筐体37に収納されて、ガイド部材2の外筒21にその筐体37を固定支持した状態で、ガイド部材の先端側周辺つまり筐体37に設けられた不図示の出入口より伸縮部材4を略水平方向に伸長したり縮小する。伸縮部材4は、可撓性を有し、繰出し手段3の繰出し動作により一体に結合して繰出し方向に順次伸長しつつ剛体化すると共に、繰出し手段3の縮小動作により分割又は折畳み状態に収納空間に収まる一対のリンク連結体(先願2の単位リンク部材連結体と同じ)4A,4Bからなる。また、伸縮部材4は、リンク連結体4A,4B同士の結合による伸縮部材の形成時に、内側にボード5を長手方向に配置可能な中空部40を形成する構成である。
詳述する。図2〜図4において、符号37は繰出し手段3を収納している筐体である。筐体37内には一対の支持基台35が対向配置されている。両支持基台35には、繰出し手段3として、第1及び第2リンク連結体4A,4Bをそれぞれ巻き上げ又は送り出すための第1及び第2回転体30,30と、各回転体30から送り出された第1及び第2リンク連結体4A,4Bを上下から押圧する圧着手段である一対のローラー38とが支持されている。
すなわち、繰出し手段3は、伸縮部材4を構成している単位リンク部材41の複数個を、ヒンジ42を用いて回転可能に順次連結して形成された第1及び第2リンク連結体4A,4Bと、両リンク連結体4A,4Bをそれぞれ巻き上げ又は送り出す上下一対の第1及び第2回転体30,30と、各回転体30の回転体駆動軸33と、一方の回転駆動軸33に作動連結されて油圧モーター等で回転駆動する不図示の回転駆動手段とを備えている。符号36は筐体37内にあって、回転体駆動手段の概略的な配置箇所を示している。
また、リンク連結体4A,4Bは、先端が結合体45により連結されると共に、ヒンジ42で連結される連結面41aと、連結面41aの反対側である非連結面(凹部43や凸部44を形成している面)をそれぞれ有し、回転体30から送り出されたリンク連結体4A,4Bの前記した非連結面を互いに凹部43及び凸部44の係合を介して当接する構成である。更に、連結面41aには、回転体30の外周に設けられた凸部32と係合する凹部46が設けられている。
更に、以上のリンク連結体4A,4Bは、図3(b)に模式的に示したが、第1及び第2回転体30,30に螺旋状に巻き取られるようにして必要な長さに形成可能である。この場合、第1及び第2回転体30,30は、螺旋巻きが行える奥行き幅を有すると共に、回転体30外周にあって凸部32が螺旋状に対応する箇所に形成される。また、単位リンク部材41は、リンク連結体4A,4Bが螺旋巻きされるよう、連結する2つの単位リンク部材41同士がそれぞれ傾斜角度αで結合されている。この細部は先願2の関連箇所の記載を参照されたい。
結合体45は、内部空洞で前後に貫通した扁平な矩形状となっており、先端側がボード5を挿通する矩形状の出入口として開口45aされ、後端側が両リンク連結体4A,4Bのうち、凹部43及び凸部44の係合を介して一体化している、つまり伸縮部材4となった先端に接合されている。結合体45の両側部には、噴射ノズル8がその噴出口を前方に向くよう配置されると共に、ブラケット47を介して固定されている。各噴射ノズル8の後端には、接合具8aを介して上記した供給管23の先端が連結されている。そして、この構造では、地表側に設けられた掘削用流体製造プラントから高圧流体が管路18、スイベル15、供給管23を通して噴射ノズル8より高圧噴射され地盤を掘削したり、埋戻し用流体製造プラントから埋戻し材や改良材が管路18、スイベル15、供給管23を通して噴射ノズル8より噴射される。
また、上記したボード5の引出し端5bは、図4に示されるごとく筐体37内のローラー39に案内されつつ伸縮部材4の内部から結合体45内を通って開口45aより外へ挿通されてアンカー7Aにより抜け止めされる。アンカー7Aは、開口45aより一回り大きな板状で、上下2段に設けられたボード挿通用のスリット7a,7bを有している。そして、引出し端5bは、図4(b)のごとく一方のスリット7aに通された後、折り返して他方のスリット7bに通すことによりアンカー7Aに取り付けられ、そのアンカー7Aを介し結合体45ないしは伸縮部材4の先端側と解除可能に係合される。
以上のような構造では、アンカー7A及び結合体45がガイド部材2に沿って地表側より引き込んだボードの引出し端5bを伸縮部材4の先端側に解除可能に連結する連結手段となる。そして、伸縮部材4の伸長時に該連結手段の連結状態を維持して引出し端5bを該伸縮部材で牽引し、かつ、伸縮部材4の縮小時に該連結手段の連結解除状態及びアンカー7Aの係止効果によりボード5を地盤内に残置つまりボード5の水平方向への建込みを可能にしている。
(水平建込み方法)次に、以上の水平建込み装置9を用いてボード5を建込むときの一連の工程を図1、図6、図7を参照しながら説明する。なお、伸縮部材4の先端側にボード5の先端側を解除可能に連結する連結工程は、図1(a)の様にガイド部材2を上昇した施工待機期間の間に行われ、ボードの引出し端5bをアンカー7Aを介して伸縮部材4の先端つまり結合体45に連結することになる。
次に、図7(a)に示したごとくガイド部材2を地盤中の所定深度まで貫入配置するガイド部材位置決め工程となる。この工程では、図1(a)の施工待機状態から、回転機構14の掘削用モータを駆動させると共に、昇降機構13の昇降用モータを駆動させて可動支持体12を介してガイド部材2を下降し掘削刃26により地盤を掘削する。その際は、掘削用流体が管路18、スイベル15を介して供給管22から掘削刃26の近辺に設けられた噴射ノズルに送られて噴射される。但し、この噴射は省略可能である。そして、この工程では、同図のごとく掘削刃26が地下構造物Aの近くで、底版A1よりも下方の所定深度に到達したらガイド部材2を静止状態となるよう支持し、その後、上記した掘削用流体の供給を停止し、又、上記した回転機構の掘削用モータ及び昇降機構の昇降用モータを停止する(図6中、ST1〜ST6)。
次に、図1(a)に示したごとくボード5を地盤の所定深度から略水平方向に建込むボード残置工程となる。この工程では、図7(b)のごとく繰出し手段3の上記した回転駆動手段の油圧モータ等を正転させ、ボード5を引連れて伸縮部材4を所定長さまで伸長させると共に、それに同期して掘削用流体を噴射ノズル8から噴射し掘削を助ける。続いて、伸縮部材4が目的の距離だけ伸長したら、同(c)に示したごとく油圧モータ等を逆転させて伸縮部材4を縮小すると共に、噴射ノズル8への掘削用流体の供給を停止し、今度は埋戻し用流体を噴射ノズル8から噴射する。この構造では、以上のごとく伸縮部材4が縮小して筐体37にほぼ収まった収納位置になったら、繰出し用油圧モータ等が自動的に停止し、ボード5が地盤中に残置し建込まれる。それに同期して、上記埋戻し用流体の供給が停止される(図6中、ST7〜ST14)。なお、掘削される地盤が軟弱であったり、掘削用流体の高圧噴射により土中が攪乱されてアンカー7Aの係止効果が効き難い場合には、伸縮部材4ないしはリンク連結体4A,4Bの巻き取り動作を緩慢に行うか、及び/又はタイマー処理により、所定時間経過してから巻き取り動作を行うようプログラム設定を行えばよい。
次に、ガイド部材2は、昇降機構13の昇降用モータを逆駆動させて可動支持体12を介して上昇されて図1(a)のごとく地表側の上昇位置に移動される。その際は、埋戻し用流体が管路18、スイベル15を介して供給管22から掘削刃26の近辺に設けられた噴射ノズルに送られて噴射される。この噴射は、ガイド部材2が上昇位置に達すると自動的に供給停止される。同時に、昇降用モータも停止される(図6中、ST17〜ST19)。
次に、図1(a)のごとく地表側において、ボード供給手段であるボードリール6から引出されているボード側と縁切りする切断工程となる。この工程では、ボード5のうち、結合体45の開口45aから引出されている箇所をカッター等の切断手段より切断し、ボードリール6から引出されているボード側と縁切りする(図6中、ST20)。なお、引き続き次のボート5を建込む場合は、伸縮部材4の先端結合体45にボード5の先端側をアンカー7Aを介して解除可能に連結する連結工程を行うことになる。
以上のような水平建込み方法では、地盤内の所定深度までガイド部材2がボード5を引き連れて貫入配置された後、ボード5の水平建込み操作、地盤内残置操作、ボード5の切離し操作により、ボード5の水平建込みを完了する。このため、この方法では、例えば、構造物直下のような作業し難い箇所でも迅速な建込みが可能となり、それにより、地盤の流体を地表側へ排出して地盤改良するバーチカルドレーン工法又はそれに類似の工法、更に次に述べる様な薬液等の注入材を地盤の間隙に注入する地盤注入工法又はそれに類似の工法の適用機会を拡大できる。勿論、この水平建込み方法では、噴射ノズル8から掘削用流体を噴射することにより、繰出し手段3による伸縮部材4の伸長作動をより安定・迅速に行われるようにしたり、負荷を低減できる。また、この水平建込み方法では、ガイド部材2が掘削手段25による縦孔の掘削と同時にボード5の建込みを行えるため施工サイクルを大幅に短縮できる。
(地盤改良例)次に、地中に残置されたボード5を使用して地盤改良する場合の一例を図5及び図8を参照して説明する。この例では、図5に示したごとくボード5の地表側突出端5aに分配ヘッド55を嵌合装着する。ヘッド55には、ボード5に形成されている複数の長孔50に下部56aを挿入する多数のホース56を有している。このため、この例では、ヘッド55をボード上端5aに装着した状態で、各ホース56を不図示の薬液注入プラントの供給側に接続して薬液又はそれに類似の液を圧送すれば、図5(b)及び図8(a)のごとくボード5の表裏面又は両側面に設けられた注入口53より薬液等がその周囲地盤の間隙に吐出されて浸透し、空洞B内及びボード5の周囲地盤を用いた液の固化或いは改良作用により地盤改良できる。図8(b)は、前記注入口がボート2の表裏面の一方又は片側面にだけ設けられている例である。この場合は、注入口が少なくなる分だけ薬液又はそれに類似の液を遠くまで吐出し易くなる。図8(c)は、地盤改良として液状化対策の一例であり、ボード5の表裏面に設けられた多数の注入口53より液状化対策用流体を注入の圧力や時間などを調整することにより、構造物A直下を連続的に改良する構成である。
勿論、以上の地中に残置されたボード5は、図5及び図8の使用例以外にも、例えば、地盤の流体(水分や廃液等)をボード5の長孔50を通じて地表側へ自然排出、又は吸引して強制排出することで地盤改良するバーチカルドレーン工法、それに類似の工法の適用を可能にする。更に、使い方としては、例えば、地中に残置されたボード5をドレーン材として地中の水分を地表側に排水した後、薬液を同じボード5を通じて地盤中に注入する作業を交互に行うことである。
(変形例1)図9は上記水平建込み装置の変更例1を示し、同(a)と(b)は図7(b)と(c)に対応した態様で示している。この説明では、上記形態と同じか類似の部材や箇所に同一符号を付して重複記載を省き、変更した点に絞って詳述する。
変更点1は、ガイド部材2が上記した掘削手段25を有していないことである。すなわち、この水平建込装置9では、上記したガイド部材建込み工程において、地盤に縦孔を予め掘削した後、その縦孔にガイド部材2を挿入して縦孔内に静止状態に支持することになる。そのため、ガイド部材2は、簡易な掘削刃26Aが下端に設けられ、該掘削刃26Aにより縦孔の底面側に不用意に動かないよう位置決め可能となっている。この利点は、ガイド部材2を縦孔に挿入配置するために用いられる吊り装置として、図1のような複雑高価な装置を使用しなくてもよく全体構成を簡易化できる。
変更点2は、上記した繰出し手段3に代えて、図9(a)に示されるごとく相似形の中空の筒体を大きさの順に内蔵させたテレスコ又はテレスコピック式構造を採用していることである。この例では、伸縮部材4Cとして、ベースマスト50にセカンドマスト51を、セカンドマスト51にサードマスト52を、サードマスト52にトップマスト53をそれぞれ伸縮可能に配置している。ベースマスト50は、筐体37内に設けられている支持基台35に固定されている。トップマスト53の先端には上記結合体45に対応する結合体45Aが装着されている。上記繰出し手段3に対応する構成として、例えば、複数の油圧シリンダ或いは油圧シリンダと連繋して各マスト51〜53に引張り方向の力を付与するシーブとワイヤの組合わせからなる。但し、テレスコピック式構造であればこれ以外の構造でも差し支えない。その例としては、複数の筒部材を入れ子式に配置し、各筒部材を筒内に組み込まれた「ジップチェーンリフタ」(登録商標)又はそれに類似の構造により伸長したり縮小する構造である。
変更点3は、繰出し手段もしくは伸縮部材4Cが可撓性ボード5の幅に対応した間隔で配置された一対からなり、各伸縮部材4Cによりボード5を牽引する構成である。この構造においては、図9(a)のY方向から見た模式図に示されるごとく、一対の筐体37がガイド部材2の先端筒部に対し紙面の前後に並設されている点、各筐体37に内蔵された伸縮部材4Cが地表側からの制御信号により各マスト51〜53を連動して伸長したり縮小可能となっている点、ボード5の先端5bがガイド部材2に沿って下向きに引き出された後、各筐体37同士の間に設けられたガイドローラ37aを介して略90度方向を変更されていると共にアンカー7Bを装着している点、アンカー7Bがボード先端5bに取り付けられた状態で両側面に係合軸部7cを有している点、両側の係合軸部7cが両側に配置された伸縮部材4C(マスト53)の先端に装着された結合体45Aに設けられた不図示の凹状受部に解除可能に係合する点で変更されている。
ここで、係合軸部7c及び前記凹状受部は、本発明の連結手段を構成しており、図9(a)のごとく各伸縮部材4C(マスト53)の前進時に係合した連結態様でボード5を両側で牽引し、各伸縮部材4C(マスト53)の縮小時にアンカー効果により係合解除してボード5を残置可能にする非連結態様となる。以上の変形例1では、目的のボード5を対の繰出し手段3もしくは各伸縮部材4Cにより牽引可能となることから、牽引力を強大にして迅速・安定した作動を得ることができる。
(変形例2)図10は上記水平建込み装置の変更例2を示し、同(a)と(b)は図9(a)と図4(a)に対応した態様で示している。この説明でも、上記形態と同じか類似の部材や箇所に同一符号を付して重複記載を省き、変更した点を明らかにする。
変更点4は、繰出し手段3の伸縮部材4Dとして、上記伸縮部材4の考え方を採用しつつ簡易化した一例である。すなわち、この繰出し手段3では、伸縮部材4Dとして、概略箱形の単位リンク部材58の複数個をヒンジ59を用いて互いに回転可能に順次連結された単一のリンク連結体からなる。また、該リンク連結体つまり伸縮部材4Dは、単位リンク部材58に設けられたラック58aとピニオン132とによる昇降駆動手段により昇降されると共に、その昇降過程でガイド部材2の先端側に支持されている方向変換手段134により方向が略90度変更されるようになっている。
まず、単位リンク部材58は、図10(b)に示されるごとく、ボード5や供給管23、それらに類似の長尺物を長手方向に挿通可能な中空部を有している。そして、多数の単位リング部材58は、隣接する単位リンク部材同士が対向端側をヒンジ59を介して相互に連結され、水平状態において直線態様を維持し、かつ、一方側を他方側に対しヒンジ59を介して下方向へ屈曲不能で、上方向へのみ屈曲可能なリンク連結体つまり伸縮部材4Dを構成している。
換言すると、単位リンク部材58は、前後端のうち、一方端面の連結側縁部に設けられた一方枢支部59aと、他方端面の連結側縁部に設けられた他方枢支部59bと、下面にあって中間部前後方向に設けられたラック58aとを一体に有している。単位リンク部材58は、上記ボード5及び供給管23を余裕を持って挿通可能な大きさとなっている。また、一方枢支部59a及び他方枢支部59bは、シャフト59cと共にヒンジ59を構成しており、ほぼ同径の連結孔を貫通形成している。
そして、以上の単位リンク部材58同士は、互いに直線上に配置される一方枢支部59aと他方枢支部59bとにピンないしはシャフト59cを各連結孔に挿通した状態で回転可能に連結されている。このため、この構造において、各単位リンク部材58は、端面同士が面接している直線態様と、非連結側つまりヒンジ59で連結されていない側がヒンジ59を支点として互いに離れる方向へ回転する屈曲態様とに切換可能となっており、図10(b)のごとくヒンジ59が上側に配置された略水平状態では自重により直線態様を維持して一体の剛体化状態となる。
昇降駆動手段134は、伸縮部材4Dをラック・ピニオン機構によりガイド部材2に沿って昇降するが、このラック・ピニオン機構に代えて油圧テレスコ式やワイヤーリング式などで昇降するようにしてもよい。この例では、ピニオン132が図1のリーダー10に対してブラケット135等を介して保持されることにより、その駆動軸133用の回動駆動部を比較的簡易に配置可能にしている。但し、ピニオン132及び回転駆動部は、例えば、方向変換手段134の筐体137内に設けるようにしてもよい。
方向変換手段134は、伸縮部材4Dの昇降過程でガイド部材2の先端側において、対応する各単位リンク部材58を縦方向から略水平方向、水平方向から縦方向へ変更するするもので、ガイド部材2の先端側周囲に支持された筐体134内に設けられている。また、筐体137は、筐体上壁に設けられて伸縮部材4Dを筐体137内に導く開口137aと、筐体一方側壁に設けられて開口137aから導かれてきた伸縮部材4Dの先端側を外へ導く開口137bとを有している。そして、筐体137内には、開口137aと開口137bとの間に設けられて伸縮部材4Dの先端側を縦方向から水平方向へ導く案内溝部136が設けられている。案内溝部136は、第1屈曲壁138と第2屈曲壁139との間に設けられて所定の曲率に屈曲形成されている。但し、この案内構造としては、案内溝部136に代えて、例えば、ガイドローラーと挟持用ローラで構成し、伸縮部材4Dをそのガイドローラーの曲面に沿って繰出すことで方向を変換することも可能である。
結合体45Bは、内部空洞で前後に貫通した扁平な矩形状となっており、先端側がボード5を挿通する矩形状の出入口として開口45aされ、後端側がリンク連結体つまり伸縮部材4Dの先端を構成している単位リンク部材58に連結されている。また、結合体45Bは、下面が平面に形成され、かつ、上面が先端に向けて次第に下面側に傾斜した傾斜面に形成されている。これは、例えば、伸縮部材4Dが地盤中の所定深度から略水平方向に配置される過程において、前記傾斜面の存在により下向き荷重(F)を受けることにより水平態様を確実に維持して不用意に屈曲しないようにする。
結合体45Bの両側部には、噴射ノズル8がその噴出口を前方に向くよう配置されると共に、ブラケット47を介して固定されている。各噴射ノズル8の後端は結合体45Bの内部に挿入されている。そして、各噴射ノズル8の後端には、伸縮部材4D内に沿って配管された上記した供給管23の先端が二股タイプのジョイントを介して連結されている。但し、この構造では、ボード5及び供給管23を伸縮部材4D内に沿って配置したが、例えば、ボード5を伸縮み部材4Dの外面、特に伸縮み部材4Dの水平状態で下面に沿って配置することも可能である。
なお、以上の形態及び変形例は本発明を何ら制約するものではない。本発明は、請求項で特定される技術要素を備えておればよく、細部は必要に応じて種々変更可能なものである。その一例として、結合体や単位リンク部材の形状を以上の構成例を参照にし更に変形したり、単位リンク部材同士のヒンジとして特許第4136905号公報に開示の構成又はそれに類似の構成を採用する様にしてもよい。
また、本発明において、例えば「略縦方向」の構成は厳格なものではなく多少の勾配を持っている態様も含まれること、「略水平」の構成も多少の傾きを持っている態様なども含まれる。
1・・・・ベースマシン(10はリーダー、11はガイドシーブ)
2・・・・ガイド部材(20は内筒、21は外筒)
3・・・・繰出し手段(35は支持基台、37は筐体)
4・・・・伸縮部材(リンク連結体)
4C・・・伸縮部材(50〜53はマスト)
4A・・・第1リンク連結体
4B・・・第2リンク連結体
4D・・・伸縮部材(リンク連結体)
5・・・・可撓性ボード
6・・・・ボードリール
7A・・・アンカー(連結手段を構成、7a,7bは取付孔)
7B・・・アンカー(連結手段を構成、7cは係合軸部)
8・・・・噴射ノズル
9・・・・ボードの水平建込み装置
13・・・昇降機構
14・・・回転機構
15・・・スイベル
16・・・ガイド具
17・・・ガイド具
18・・・掘削又は埋戻し用流体を移送する管路
19・・・作動油用管路(導入路及び排出路)
22・・・供給管
23・・・供給管
24・・・ホース
25・・・掘削手段(26は掘削刃、27は供回り防止板、28は攪拌翼)
30・・・回転体
41・・・単位リンク部材(42はヒンジ、43は係合凹部)
58・・・単位リンク部材(59はヒンジ)

Claims (10)

  1. 地盤内の流体を地表へ排出可能又は/及び注入材を地盤内に吐出可能な可撓性ボードを、地盤中の所定深度から略水平方向に設置する際に用いられるものであって、
    地表側から地盤内に向けて縦方向に貫入配置したり引き抜かれるガイド部材と、
    前記ガイド部材に支持された状態に設けられて、前記ガイド部材の先端側周辺より地盤内の略水平方向に向けて伸縮部材を伸縮可能に駆動する繰出し手段と、
    前記ガイド部材に沿って地表側より引き込んだ前記ボードの先端側を前記伸縮部材の先端側に解除可能に連結する連結手段とを備え、
    前記ボードが前記伸縮部材の伸長時に該伸縮部材にて牽引されると共に、前記伸縮部材の縮小時に地盤内に残置されることを特徴とするボードの水平建込み装置。
  2. 前記伸縮部材の先端側に設けられた噴射ノズル、及び前記ガイド部材に沿って地表側より引き込まれると共に、先端を前記噴射ノズルに接続した流体移送用供給管を有していることを特徴とする請求項1に記載のボードの水平建込み装置。
  3. 前記伸縮部材は可撓性を有し、前記繰出し手段の繰出し動作により一体に結合して繰出し方向に順次伸長しつつ剛体化すると共に、前記繰出し手段の縮小動作により分割又は折畳み状態に収納空間に収まる一対のリンク連結体からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のボードの水平建込み装置。
  4. 前記リンク連結体同士の結合による伸縮部材の形成時に、伸縮部材内側に前記ボード等の長尺物を長手方向に挿通可能な中空部を形成することを特徴とする請求項3に記載のボードの水平建込み装置。
  5. 前記伸縮部材は、前記ボード等の長尺物を長手方向に挿通可能な中空部を有している単位リンク部材を使用し、前記単位リング部材同士が対向端側をヒンジを介して相互に連結され、水平状態において直線態様を維持し、かつ、一方側を他方側に対し前記ヒンジ部を介して上方向へのみ屈曲可能なリンク連結体からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のボードの水平建込み装置。
  6. 前記繰出し手段もしくは前記伸縮部材は、所定間隔で配置された一対からなり、前記各伸縮部材により前記ボードを共同して牽引することを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のボードの水平建込み装置。
  7. 地盤内の流体を地表へ排出可能又は/及び注入材を地盤内に吐出可能な可撓性ボードを、地盤の所定深度から地盤内に略水平に設置する水平建込み方法であって、
    地盤貫入用ガイド部材の先端周辺に設けた繰出し手段により伸縮部材を略水平方向に伸縮可能にしていると共に、前記伸縮部材の先端側に前記ボードの建込み先端部を解除可能に連結する連結工程と、
    前記ガイド部材を地盤中の所定深度まで貫入配置するガイド部材位置決め工程と、
    前記繰出し手段により前記ボードを引連れて前記伸縮部材を所定長さまで伸長させ、次いで前記伸縮部材の縮小することによって前記連結を解除し前記ボードを地盤中に残置するボード残置工程と、
    前記ボードの地表側突出端をボード供給手段から縁切りする切断工程と
    を経ることを特徴とするボードの水平建込み方法。
  8. 前記伸縮部材の伸長過程で、前記伸縮部材の先端側に設けた噴射ノズルから掘削用流体を噴射することを特徴とする請求項7に記載のボードの水平建込み方法。
  9. 前記ガイド部材位置決め工程において、前記ガイド部材を、予め掘削した縦孔内に挿入し位置決めすることを特徴とする請求項7又は8に記載のボードの水平建込み方法。
  10. 前記ガイド部材位置決め工程において、掘削手段を回転手段により回転して地盤を掘削して縦孔を造成すると同時に、前記ガイド部材を前記縦孔内に位置決めすることを特徴とする請求項7又は8に記載のボードの水平建込み方法。
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