JPS644702Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はしようゆ、食用油、石油或いはその他
の液体の缶を好ましくはダンボールよりなるクツ
シヨン性のシートで包装した包装缶に関する。

〔従来の技術〕

工業製品の容器としては種々のものが用いられ
る。たとえば、いわゆる石油缶として広く用いら
れる金属缶や、それと同様の形態の種々の容量の
金属性その他の材質の缶がある。それらの缶は内
容物の充填、輸送、保管等のあいだの接着等によ
る損傷を防止し、また、外観を美麗にするために
ダンボール等でできた外装箱に収められているこ
とが多い。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしこれらの外装箱は相当量のダンボールを
必要とし、製造コストの上昇、資源の無駄使い、
使用後の廃外装箱の処分等、多くの欠点を有して
いる。それにもかかわらず外装箱が今なお広く用
いられているのは内容物の入つた容器は石油缶
で、通常10Kg以上多くは20Kg前後という非常に重
いものであるから多量の容器を輸送、保管する場
合に、クツシヨンとしての外装箱は欠くことがで
きないものであるためである。外装箱の必要性を
認めたうえでの改良品としては容器の上下端部分
のみを覆う形式のもの（第１，２図に示す）があ
る。

これは六面体の缶１の上下面に、浅い皿状のダ
ンボール２，２を被せただけのもので、上下のダ
ンボール２，２は十字状に掛渡したヒモ体３によ
り缶１から脱落しないようになつている（第１
図，第３図）。しかしこの形式の包装缶も、比較
的多量のダンボールを要すこと、ヒモ体３の結束
に手間がかかること、特に缶の上面に運搬用の手
環４が付けてなる場合はヒモ体３は手環の中を通
す必要があり、非常な作業が繁雑である等の欠点
がある。これを防ぐために第２図，第４図のよう
に缶１の上下のダンボール２を固定するのにヒモ
体３は手環４を避けて平行に結束することも行わ
れているが、これでも基本的には第１図，第３図
と同じ欠点を有している。更に食品用の液体を収
容する缶では通常上面の角に注ぎ出し口を有する
ので缶の上面は、できるだけ広く覆つておくこと
が注ぎ出し口付近を清潔に保ち、かつクツシヨン
性を保たせるために必要である。しかしながら使
用時に缶１の上面を開放するために缶１の上下の
ダンボール２，２を除去するためには、ヒモ体
３，３を除去したのち上面のダンボール２を除去
することとなるため、非常に繁雑でかつ多量のゴ
ミを生ずることとなり、実用的でなかつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案はこれらの欠点を除去するもので、缶の
外装を少量の資材で保護すると共に容易に缶の注
ぎ出し口を露出できる包装缶を提供するものであ
る。

即ち、本考案は充分なクツシヨン性のあるダン
ボール材料からなるシート１０は缶１の上面を覆
う部分７と缶１の相対する垂直面に固着する二つ
のフラツプ８とよりなり、シート１０の上面を覆
う部分７には手環を露出させるための孔１０ｂを
設け、また注ぎ出し口９に対応する隅角部分６に
はこの孔１０ｂに連なる切れ目１０ａを入れ、こ
れらのフラツプ８はコ字状に折り曲げて缶の垂直
面に接着剤１２で接着すると共にこのシート１０
の缶１の上面の注ぎ出し口９に対応する隅角部分
を分離除去部分６としたことを特徴とする包装缶
である。

〔作用〕

缶の上面を覆うシート１０をのせて、フラツプ
部分８，８をコ字状に折り曲げて、缶の垂直面に
適宜の接着剤１２で接着する。

使用時には切れ目１０ａを切つて分離除去部分
６を分離除去し缶１の注ぎ出し口９を露出させて
それから内容物を注ぎ出すことができる。

〔実施例〕

以下第５〜８図につき本考案の実施例を詳細に
説明する。

本考案は第５図，第６図に展開図で示すように
シート１０は六面体の缶１の上面を覆う部分７と
缶の相対する二つの垂直面の上部に固着するフラ
ツプ８，８とよりなり、シート１０の缶１の上面
隅角部の注ぎ出し口９に当たる隅角部分を容易に
分離除去できるように切れ目１０ａを設ける。缶
１としては金属、プラスチツクその他の材質のも
のが用いられ、シート１０としてはダンボールよ
りなるクツシヨン性に富む材質のものを用いる。
このシート１０のフラツプ８は第６図示のように
上面を覆う部分７と折曲線７ａ，７ａを介して一
体に構成されている。上面を覆う部分７には適宜
手環４を露出させるよう孔１０ｂを設ける。

上面を覆う部分７に設けられた、注ぎ出し口９
用の分離除去部分６はあらかじめ上記孔１０ｂに
連なるミシン目等の切れ目１０ａを入れておき、
使用時に手で容易に分離除去できるようにしてあ
るものである。

本考案はかかる構成よりなるものであるから缶
に内容物を充填したのち、缶の上面を覆うシート
１０をのせて、フラツプ部分８，８をコ字状に折
り曲げて、缶の垂直面に適宜の接着剤１２で接着
（第５図）する。これにより、容器の輸送、保管、
使用時のクツシヨンとして十分有効なものとな
る。使用時には切れ目１０ａを切つて分離除去部
分６を分離除去し缶１の注ぎ出し口９を露出させ
てそれから内容物を注ぎ出すことができる。この
際、分離除去部分６は缶１と接着（第５図）によ
り一体化されているが、接着部分が小さいことに
より容易に分離除去することができる。

〔考案の効果〕

以上のように本考案によれば、シートは缶の上
面を覆う部分と缶の相対する垂直面に固着する２
つのフラツプとよりなるので、従来法と同質の材
質でできた少量の資材で、必要にして十分、かつ
安価なクツシヨン作用を有する包装缶を提供する
ことができ、また、使用時に分離除去部分を分離
すれば注ぎ出し口９を迅速に露出させることがで
きると共に上記シートの缶上面を覆う部分の分離
除去部分以外の部分は注ぎ出し後も缶上面のその
他の大部分の保護作用を保持できる。

したがつてゴミとなる資材が非常に少量です
み、またヒモ体を用いないので包装時の接着作業
が容易で自動化でき、使用時の注ぎ出し口の露出
の作業が非常に容易であるなどの効果を有するも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１，２図は従来の包装缶を夫々示す斜視図、
第３，４図はその平面図、第５図は本考案による
包装缶の一実施例を示す斜視図、第６図はそのシ
ートの展開図、第７図はその要部の斜視図であ
る。 １０……シート、１０ａ……切れ目、１０ｂ…
…孔、４……手環、７……上面を覆う部分、８…
…フラツプ、６……分離除去部分、９……注ぎ出
し口、１２……接着剤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 充分なクツシヨン性のあるダンボール材料から
   なるシートは缶の上面を覆う部分と缶の相対する
   垂直面に固着する二つのフラツプとよりなり、シ
   ートの上面を覆う部分には手環を露出させるため
   の孔を設け、また注ぎ出し口に対応する隅角部分
   にはこの孔に連なる切れ目を入れ、これらのフラ
   ツプはコ字状に折り曲げて缶の垂直面に接着剤で
   接着すると共にこのシートの缶の上面の注ぎ出し
   口に対応する隅角部分を分離除去部分としたこと
   を特徴とする包装缶。