JPS644089B2 - - Google Patents
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- JPS644089B2 JPS644089B2 JP19260785A JP19260785A JPS644089B2 JP S644089 B2 JPS644089 B2 JP S644089B2 JP 19260785 A JP19260785 A JP 19260785A JP 19260785 A JP19260785 A JP 19260785A JP S644089 B2 JPS644089 B2 JP S644089B2
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Landscapes
- Pre-Mixing And Non-Premixing Gas Burner (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は、鋼材、連続焼鈍炉(CAL)、連続溶
融亜鉛メツキ設備(CGL)等の薄鋼板の連続加
熱炉(直火加熱方式)において用いられる直火還
元加熱バーナに関するものである。
融亜鉛メツキ設備(CGL)等の薄鋼板の連続加
熱炉(直火加熱方式)において用いられる直火還
元加熱バーナに関するものである。
[従来の技術]
鋼帯の連続焼鈍炉、連続溶融亜鉛メツキ設備等
における直火式酸化加熱の従来方法としては、一
般的な拡散バーナ或いは高速ジエツトバーナを使
用し、火炎を鋼帯へ衝突させ対流伝熱を主として
加熱する方法及びラジアントカツプバーナを使用
し、バーナタイル内面を高温化することにより、
この面からの放射伝熱を主体として加熱する方法
がある。
における直火式酸化加熱の従来方法としては、一
般的な拡散バーナ或いは高速ジエツトバーナを使
用し、火炎を鋼帯へ衝突させ対流伝熱を主として
加熱する方法及びラジアントカツプバーナを使用
し、バーナタイル内面を高温化することにより、
この面からの放射伝熱を主体として加熱する方法
がある。
高速ジエツトバーナは、第15図に示す如く、
燃焼室8で燃焼させ、絞られた吐出孔9から高温
のガスジエツトを噴出せしめて、対流伝熱を主と
して加熱するもので、被加熱温度が比較的低い範
囲で高熱流束が得られる特性を有している。一方
燃焼反応途中の火炎が鋼帯に直接衝突するので、
その中に存在するO2,O,OH等により、無酸化
と言えども微酸化は避けられない。
燃焼室8で燃焼させ、絞られた吐出孔9から高温
のガスジエツトを噴出せしめて、対流伝熱を主と
して加熱するもので、被加熱温度が比較的低い範
囲で高熱流束が得られる特性を有している。一方
燃焼反応途中の火炎が鋼帯に直接衝突するので、
その中に存在するO2,O,OH等により、無酸化
と言えども微酸化は避けられない。
一方ラジアントカツプバーナは、急速燃焼反応
を行なわせるため、空気と燃料ガスとを予め混合
した混合気体を、第16図に示す如く、バーナタ
イルの半球状凹部10で急速燃焼させ、バーナタ
イル内面を高温化して、放射伝熱を主として加熱
するもので、被加熱物温度が高温度の領域で高い
熱流束が得られる特性を有している。一方このバ
ーナで、空気比を1.0以下で燃焼させることによ
り、燃焼ガス中にCO,H2等の還元性の未燃成分
が含まれるので、この燃焼ガスが鋼帯に接して無
酸化加熱することができるのは勿論、鋼帯に生じ
た酸化膜を還元することができる。
を行なわせるため、空気と燃料ガスとを予め混合
した混合気体を、第16図に示す如く、バーナタ
イルの半球状凹部10で急速燃焼させ、バーナタ
イル内面を高温化して、放射伝熱を主として加熱
するもので、被加熱物温度が高温度の領域で高い
熱流束が得られる特性を有している。一方このバ
ーナで、空気比を1.0以下で燃焼させることによ
り、燃焼ガス中にCO,H2等の還元性の未燃成分
が含まれるので、この燃焼ガスが鋼帯に接して無
酸化加熱することができるのは勿論、鋼帯に生じ
た酸化膜を還元することができる。
このようにラジアントバーナは無酸化加熱に好
適なバーナであるが、このバーナは予混合方式で
あり、高温に予熱した空気を燃料ガスに予め混合
することは危険であるため燃焼用空気の予熱がで
きないという欠点がある。このため空気予熱によ
る排ガスの顕熱回収を行なうことができないの
で、省エネルギのための排ガス顕熱回収に別途の
手段を講じなければならない。また空気を予熱す
ることは火炎温度を高めるのに有効であり、一方
火炎温度を高めることは上述のCO,H2等による
還元作用に効果的である。従つて空気予熱ができ
ないことは無酸化加熱の観点からも好ましいもの
ではない。更に予備混合器、安全装置としての逆
火防止器等が不可欠となり、設備費が高くなる問
題がある。
適なバーナであるが、このバーナは予混合方式で
あり、高温に予熱した空気を燃料ガスに予め混合
することは危険であるため燃焼用空気の予熱がで
きないという欠点がある。このため空気予熱によ
る排ガスの顕熱回収を行なうことができないの
で、省エネルギのための排ガス顕熱回収に別途の
手段を講じなければならない。また空気を予熱す
ることは火炎温度を高めるのに有効であり、一方
火炎温度を高めることは上述のCO,H2等による
還元作用に効果的である。従つて空気予熱ができ
ないことは無酸化加熱の観点からも好ましいもの
ではない。更に予備混合器、安全装置としての逆
火防止器等が不可欠となり、設備費が高くなる問
題がある。
加えて、この種のバーナは燃焼用空気の予熱が
できないため無酸化加熱は750℃程度が限度であ
り、より高温域での加熱を必要とするような場合
には適用できない欠点もある。
できないため無酸化加熱は750℃程度が限度であ
り、より高温域での加熱を必要とするような場合
には適用できない欠点もある。
本発明はこのような従来の問題に鑑みなされた
もので、予熱空気を用いることができ、しかも鋼
材を無酸化・還元状態で加熱することができる直
火還元加熱バーナを提供せんとするものである。
もので、予熱空気を用いることができ、しかも鋼
材を無酸化・還元状態で加熱することができる直
火還元加熱バーナを提供せんとするものである。
[問題を解決するための手段]
このため本発明は、先端が開口した筒状バーナ
タイルの内壁周方向に間隔をおいて複数の燃焼用
空気吐出孔を設けるとともに、バーナタイル内方
中心部に燃料ガス吐出孔を設け、バーナタイルの
少なくとも燃焼用空気吐出孔形成部位より先端開
口側の内壁に、バーナ内口径が先端開口側に拡径
するような角を付し、且つ燃焼用空気吐出孔及び
燃焼用ガス吐出孔を以下のように構成したことを
その基本的特徴とする。
タイルの内壁周方向に間隔をおいて複数の燃焼用
空気吐出孔を設けるとともに、バーナタイル内方
中心部に燃料ガス吐出孔を設け、バーナタイルの
少なくとも燃焼用空気吐出孔形成部位より先端開
口側の内壁に、バーナ内口径が先端開口側に拡径
するような角を付し、且つ燃焼用空気吐出孔及び
燃焼用ガス吐出孔を以下のように構成したことを
その基本的特徴とする。
(a) 燃焼用空気吐出孔を、その空気噴射方向がバ
ーナタイル内周に関する接線に対し60゜以下の
角度を持つよう形成する。
ーナタイル内周に関する接線に対し60゜以下の
角度を持つよう形成する。
(b) 燃料ガス吐出孔と燃焼用空気吐出孔のバーナ
軸方向距離Nを、燃料ガス吐出孔が空気吐出孔
よりもバーナタイル開口側にある場合を(−)、
その逆を(+)とした場合、−0.1D〜+0.25
(D:バーナ内径)に設定する。
軸方向距離Nを、燃料ガス吐出孔が空気吐出孔
よりもバーナタイル開口側にある場合を(−)、
その逆を(+)とした場合、−0.1D〜+0.25
(D:バーナ内径)に設定する。
(c) 燃焼用空気吐出孔からバーナタイル開口まで
の距離Lを0.6D〜3D(D:バーナ内径)に設定
する。
の距離Lを0.6D〜3D(D:バーナ内径)に設定
する。
[作用]
このように構成された加熱バーナは、空気比
1.0以下で使用されることにより、火炎中に所定
の範囲で非平衡領域が形成される。すなわち、こ
のような加熱バーナでは、空気吐出孔からの燃焼
用空気の旋回流とバーナ中央から吐出される燃料
ガスとにより急速燃焼が実現され、バーナ開口外
方の所定の範囲に亘つて、燃焼中間生成物(中間
イオン、ラジカル等)を多量に含み且つ未反応の
遊離酸素を含まない領域、すなわち非平衡領域を
形成する。第6図は、このような加熱バーナによ
つて形成される火炎中非平衡領域のイオン検出プ
ローブによる一測定例を示すもので、プローブに
よる測定電流値が高いのはイオン強度が大きく、
したがつて燃焼中間生成物が多量に存在している
ことを意味している。これによれば、バーナ出口
外方の所定の範囲に亘つて非平衡領域が形成さ
れ、その外方はCO2,H2O,N2等を含む準平衡
領域となつている。
1.0以下で使用されることにより、火炎中に所定
の範囲で非平衡領域が形成される。すなわち、こ
のような加熱バーナでは、空気吐出孔からの燃焼
用空気の旋回流とバーナ中央から吐出される燃料
ガスとにより急速燃焼が実現され、バーナ開口外
方の所定の範囲に亘つて、燃焼中間生成物(中間
イオン、ラジカル等)を多量に含み且つ未反応の
遊離酸素を含まない領域、すなわち非平衡領域を
形成する。第6図は、このような加熱バーナによ
つて形成される火炎中非平衡領域のイオン検出プ
ローブによる一測定例を示すもので、プローブに
よる測定電流値が高いのはイオン強度が大きく、
したがつて燃焼中間生成物が多量に存在している
ことを意味している。これによれば、バーナ出口
外方の所定の範囲に亘つて非平衡領域が形成さ
れ、その外方はCO2,H2O,N2等を含む準平衡
領域となつている。
第7図はこのような加熱バーナの還元加熱特
性、すなわち、無酸化で加熱し得る限界温度(普
通鋼の薄板に関する限界温度)を示すものであ
り、このように本発明の加熱バーナは空気比0.85
〜0.95の範囲において鋼帯を約900℃まで無酸化
加熱できるものである。
性、すなわち、無酸化で加熱し得る限界温度(普
通鋼の薄板に関する限界温度)を示すものであ
り、このように本発明の加熱バーナは空気比0.85
〜0.95の範囲において鋼帯を約900℃まで無酸化
加熱できるものである。
[実施例]
第1図及び第2図は本発明の一実施例を示すも
のである。
のである。
図において1はバーナ本体たる筒状(円筒状)
のバーナタイルであり、該バーナタイル内壁6の
周方向には間隔をおいて複数の燃焼用空気吐出孔
2が設けられるとともに、バーナタイル内方中心
部には燃料ガス吐出孔3が設けられている。本実
施例ではバーナタイル内端壁に燃料ガスノズル7
が突設され、この燃料ガスノズル7の周方向に間
隔をおいて、噴射方向がバーナタイル径方向であ
る複数の燃料ガス吐出孔3が形成されている。
のバーナタイルであり、該バーナタイル内壁6の
周方向には間隔をおいて複数の燃焼用空気吐出孔
2が設けられるとともに、バーナタイル内方中心
部には燃料ガス吐出孔3が設けられている。本実
施例ではバーナタイル内端壁に燃料ガスノズル7
が突設され、この燃料ガスノズル7の周方向に間
隔をおいて、噴射方向がバーナタイル径方向であ
る複数の燃料ガス吐出孔3が形成されている。
バーナタイル内壁6には先端開口側に拡径する
ような広がり角αが付され、これによりテーパ状
内壁となつている。この広がり角αが付される内
壁部は少なくとも燃焼用空気吐出孔形成部位より
も先端開口側に形成される。このように広がり角
αを付することにより、バーナ開口からの火炎が
広がりを持ち、鋼板等に対する加熱面積を広くと
ることができる。
ような広がり角αが付され、これによりテーパ状
内壁となつている。この広がり角αが付される内
壁部は少なくとも燃焼用空気吐出孔形成部位より
も先端開口側に形成される。このように広がり角
αを付することにより、バーナ開口からの火炎が
広がりを持ち、鋼板等に対する加熱面積を広くと
ることができる。
本発明の加熱バーナは後述するようにバーナタ
イル内側で燃焼用空気の旋回流を生じさせ、この
旋回流により空気と燃料ガスとの循環領域を形成
させ、この循環領域によつて急速燃焼を行わしめ
るものである。ここで上記内壁6の広がり角α
は、これを大きくしていくと、第8図に示すよう
な循環領域(負圧域)がバーナの外方に形成され
るようになり、安定した急速燃焼を行い得なくな
る。すなわち、この循環領域が急速燃焼を支配し
ており、この循環領域を極力バーナタイル内側に
形成させることが、還元加熱のための非平衡領域
をバーナ出口に安定して形成させることにつなが
る。
イル内側で燃焼用空気の旋回流を生じさせ、この
旋回流により空気と燃料ガスとの循環領域を形成
させ、この循環領域によつて急速燃焼を行わしめ
るものである。ここで上記内壁6の広がり角α
は、これを大きくしていくと、第8図に示すよう
な循環領域(負圧域)がバーナの外方に形成され
るようになり、安定した急速燃焼を行い得なくな
る。すなわち、この循環領域が急速燃焼を支配し
ており、この循環領域を極力バーナタイル内側に
形成させることが、還元加熱のための非平衡領域
をバーナ出口に安定して形成させることにつなが
る。
第9図はこの広がり角αと循環領域先端位置P
(第6図参照)との関係を示すもので、X/L=
1が、循環領域先端位置Pとバーナ開口5とが一
致することを意味している。これによれば、広が
り角αが25゜前後で循環領域先端がバーナ開口付
近に位置することが示されており、したがつて、
広がり角αは25゜以下の範囲で形成させることが
好ましい。
(第6図参照)との関係を示すもので、X/L=
1が、循環領域先端位置Pとバーナ開口5とが一
致することを意味している。これによれば、広が
り角αが25゜前後で循環領域先端がバーナ開口付
近に位置することが示されており、したがつて、
広がり角αは25゜以下の範囲で形成させることが
好ましい。
本発明ではさらに、燃焼用空気吐出孔2と燃料
ガス吐出孔3が以下のような条件で構成される。
ガス吐出孔3が以下のような条件で構成される。
(a) 燃焼用空気吐出孔2を、その空気噴射方向が
バーナタイル内周に関する接線に対し60゜以下
の角度を持つよう形成する。
バーナタイル内周に関する接線に対し60゜以下
の角度を持つよう形成する。
(b) 燃料ガス吐出孔と燃焼用空気吐出孔2のバー
ナ軸方向距離Nを燃料ガス吐出孔3が空気吐出
孔2よりもバーナタイル開口側にある場合を
(−)、その逆を(+)とした場合、−0.1D〜+
0.25D(D:バーナ内径)に設定する。
ナ軸方向距離Nを燃料ガス吐出孔3が空気吐出
孔2よりもバーナタイル開口側にある場合を
(−)、その逆を(+)とした場合、−0.1D〜+
0.25D(D:バーナ内径)に設定する。
(c) 燃焼用空気吐出孔2からバーナタイル開口ま
での距離Lを0.6D〜3D(D:バーナ内径)に設
定する。
での距離Lを0.6D〜3D(D:バーナ内径)に設
定する。
以上、上記(a)〜(c)の内容について詳細に説明す
る。
る。
前記空気吐出孔2の空気噴射方向に、バーナタ
イル内周に関する接線に対し角度θを持たせるの
は、バーナタイル内で燃焼用空気に旋回流を生じ
させるためで、この旋回流によりバーナ内側に負
圧領域が形成され、この負圧によつてガスが再循
環することにより燃焼が促進され、もつて適切な
非平衡領域を形成せしめることができる。この空
気噴射角θ1は最大60゜、好ましくは20〜40゜とする
ことにより空気流の旋回性が安定して得られる。
イル内周に関する接線に対し角度θを持たせるの
は、バーナタイル内で燃焼用空気に旋回流を生じ
させるためで、この旋回流によりバーナ内側に負
圧領域が形成され、この負圧によつてガスが再循
環することにより燃焼が促進され、もつて適切な
非平衡領域を形成せしめることができる。この空
気噴射角θ1は最大60゜、好ましくは20〜40゜とする
ことにより空気流の旋回性が安定して得られる。
燃料ガス吐出孔3と空気吐出孔2のバーナ軸方
向距離Nは、これが(−)側にある場合、ガス温
度が高く、しかも燃焼中間生成物も広範囲に高い
分布状態にあるが、反面遊離O2(未反応O2)が軸
方向に長く分布する傾向にある。本発明が目的と
する非平衡領域を適切に形成せしめるには、この
遊離O2のバーナ軸方向残存距離を最小にする必
要があり、その限界を求めると−0.1Dとなる。
向距離Nは、これが(−)側にある場合、ガス温
度が高く、しかも燃焼中間生成物も広範囲に高い
分布状態にあるが、反面遊離O2(未反応O2)が軸
方向に長く分布する傾向にある。本発明が目的と
する非平衡領域を適切に形成せしめるには、この
遊離O2のバーナ軸方向残存距離を最小にする必
要があり、その限界を求めると−0.1Dとなる。
Nが(+)側にあれば適正な非平衡領域が形成
されるが、余り大きくなるとバーナタイル内端壁
が1400℃以上に加熱されるため好ましくなく、バ
ーナタイル内端壁のSiCの保護上+0.25Dが限界
となる。第10図は、燃料ガス吐出孔3と空気吐
出孔2のバーナ軸方向距離Nを−0.25Dとした場
合の、バーナ開口からのバーナ軸方向距離とバー
ナタイル内のガス温度、O2濃度及びイオン強度
との各関係を調べたものであり、これによれば、
Nがこのような(−)側にある場合、遊離O2の
軸方向における残存距離L0が大きく存在するこ
とが示されている。
されるが、余り大きくなるとバーナタイル内端壁
が1400℃以上に加熱されるため好ましくなく、バ
ーナタイル内端壁のSiCの保護上+0.25Dが限界
となる。第10図は、燃料ガス吐出孔3と空気吐
出孔2のバーナ軸方向距離Nを−0.25Dとした場
合の、バーナ開口からのバーナ軸方向距離とバー
ナタイル内のガス温度、O2濃度及びイオン強度
との各関係を調べたものであり、これによれば、
Nがこのような(−)側にある場合、遊離O2の
軸方向における残存距離L0が大きく存在するこ
とが示されている。
第11図は燃焼ガス孔と空気吐出孔のバーナ軸
方向距離Nと、遊離O2の軸方向残存距離L0との
関係を示すもので、これによればNが−0.1Dよ
りも(−)側に大きくなると、L0が急激に大き
くなつており、このため(−)側では−0.1Dが
限界となる。一方、第12図はNを+0.1Dとし
た場合の、バーナ開口からのバーナ軸方向距離と
O2濃度、イオン強度及びガス温度との各関係を
調べたものである。
方向距離Nと、遊離O2の軸方向残存距離L0との
関係を示すもので、これによればNが−0.1Dよ
りも(−)側に大きくなると、L0が急激に大き
くなつており、このため(−)側では−0.1Dが
限界となる。一方、第12図はNを+0.1Dとし
た場合の、バーナ開口からのバーナ軸方向距離と
O2濃度、イオン強度及びガス温度との各関係を
調べたものである。
この第11図及び第12図によれば、Nが
(+)側であれば、O2濃度にも問題がなく、バー
ナ出口からの距離が0.5D以上のところに適正な
非平衡領域が形成されている。
(+)側であれば、O2濃度にも問題がなく、バー
ナ出口からの距離が0.5D以上のところに適正な
非平衡領域が形成されている。
然しながらNを(+)側に大きくすると、バー
ナタイル内端壁4が加熱されるために、第13図
の距離Nとバーナタイル内端壁4の温度Tbとの
関係グラフに示されるように、+0.25DでTbが
1400℃以上となり、このため内端壁の材質がSiC
であることを考慮し、+0.25D以下とするのが耐
熱限界上好ましい。以上のことから燃焼ガス吐出
孔と空気吐出孔のバーナ中心軸距離Nに関して
は、−0.1D〜0.25Dの範囲とすることが好ましい。
ナタイル内端壁4が加熱されるために、第13図
の距離Nとバーナタイル内端壁4の温度Tbとの
関係グラフに示されるように、+0.25DでTbが
1400℃以上となり、このため内端壁の材質がSiC
であることを考慮し、+0.25D以下とするのが耐
熱限界上好ましい。以上のことから燃焼ガス吐出
孔と空気吐出孔のバーナ中心軸距離Nに関して
は、−0.1D〜0.25Dの範囲とすることが好ましい。
空気吐出孔2からバーナタイル開口5までの距
離Lは非平衡領域の形成範囲と密接な関係を有し
ている。すなわちLが3Dを超えると非平衡領域
がバーナタイル開口直後の部分にしか形成されず
好しくない。一方、Lが0.6D未満の場合は火炎
がバーナタイル開口直後で花びら状の火炎となり
バーナ中心軸上に適正な非平衡領域が安定して得
られない。従つて0.6D〜3.0Dの範囲にLを定め
ることが好ましい。
離Lは非平衡領域の形成範囲と密接な関係を有し
ている。すなわちLが3Dを超えると非平衡領域
がバーナタイル開口直後の部分にしか形成されず
好しくない。一方、Lが0.6D未満の場合は火炎
がバーナタイル開口直後で花びら状の火炎となり
バーナ中心軸上に適正な非平衡領域が安定して得
られない。従つて0.6D〜3.0Dの範囲にLを定め
ることが好ましい。
薄鋼板を連続加熱する場合、バーナタイル開口
5と鋼板との距離を一定以上(通常、100mm程度
以上)とらないと、通板中に、鋼板がバーナに接
触する恐れがある。したがつて、火炎中の非平衡
領域は、バーナ開口側から所定の距離に位置する
鋼帯通板位置を含むなるべく広い範囲に形成させ
ることが好しいことになる。第14図は距離Lと
バーナ開口から非平衡領域の末端(反バーナ側の
末端、例えば第12図中のA点)までの距離LR
との関係について調べたものである。これによれ
ば、Lが3Dを越えると非平衡領域の形成はバー
ナタイル開口直後のみとなり、それよりも前方側
にはほとんど形成されない。Lが小さくなるにし
たがい非平衡領域の形成範囲は拡大するが、Lが
0.6D未満の領域(×)では、火炎はバーナタイ
ル開口直後で、花びら状の放射状の火炎となり、
バーナ軸心上に適正な非平衡領域が安定して形成
されない。以上のことから、空気吐出孔2からバ
ーナタイル開口5までの距離Lは06D〜3.0Dの範
囲とすることが望ましい。
5と鋼板との距離を一定以上(通常、100mm程度
以上)とらないと、通板中に、鋼板がバーナに接
触する恐れがある。したがつて、火炎中の非平衡
領域は、バーナ開口側から所定の距離に位置する
鋼帯通板位置を含むなるべく広い範囲に形成させ
ることが好しいことになる。第14図は距離Lと
バーナ開口から非平衡領域の末端(反バーナ側の
末端、例えば第12図中のA点)までの距離LR
との関係について調べたものである。これによれ
ば、Lが3Dを越えると非平衡領域の形成はバー
ナタイル開口直後のみとなり、それよりも前方側
にはほとんど形成されない。Lが小さくなるにし
たがい非平衡領域の形成範囲は拡大するが、Lが
0.6D未満の領域(×)では、火炎はバーナタイ
ル開口直後で、花びら状の放射状の火炎となり、
バーナ軸心上に適正な非平衡領域が安定して形成
されない。以上のことから、空気吐出孔2からバ
ーナタイル開口5までの距離Lは06D〜3.0Dの範
囲とすることが望ましい。
第3図は本発明の他の実施例を示すもので、第
1図及び第2図に示すバーナでは燃料ガス吐出孔
3をバーナタイル内端壁に突設された燃料ガスノ
ズルの周方向に間隔的に設け、燃料ガスをバーナ
タイル内径方向に沿つて噴射させるようにしたも
のであるのに対し、本実施例では燃料ガスをバー
ナ軸方向(バーナ出口方向)に沿つて噴射し得る
ようバーナタイルの内方位置に形成したものであ
る。
1図及び第2図に示すバーナでは燃料ガス吐出孔
3をバーナタイル内端壁に突設された燃料ガスノ
ズルの周方向に間隔的に設け、燃料ガスをバーナ
タイル内径方向に沿つて噴射させるようにしたも
のであるのに対し、本実施例では燃料ガスをバー
ナ軸方向(バーナ出口方向)に沿つて噴射し得る
ようバーナタイルの内方位置に形成したものであ
る。
このように燃料ガスを軸方向に沿つて噴射する
ことにより、空気の旋回流が適度に緩和されて火
炎の径方向温度分布が平坦化(均一化)され、も
つて非平衡領域を比較的広範囲且つ安定的に形成
させることができる。
ことにより、空気の旋回流が適度に緩和されて火
炎の径方向温度分布が平坦化(均一化)され、も
つて非平衡領域を比較的広範囲且つ安定的に形成
させることができる。
なお、場合によつては、第4図及び第5図に示
すように燃料ガス吐出孔3を、ガスが斜め方向に
吐出されるようにして設けることも可能である。
また燃料ガス吐出孔3は第1図、第3図、第4図
に各示すものを適当に組み合せた形で形成し得る
ものであることは言うまでもなく、例えば燃料ガ
スノズルの周方向に複数、ノズル前面に1または
複数吐出孔を設けたような構造とすることもでき
る。
すように燃料ガス吐出孔3を、ガスが斜め方向に
吐出されるようにして設けることも可能である。
また燃料ガス吐出孔3は第1図、第3図、第4図
に各示すものを適当に組み合せた形で形成し得る
ものであることは言うまでもなく、例えば燃料ガ
スノズルの周方向に複数、ノズル前面に1または
複数吐出孔を設けたような構造とすることもでき
る。
[発明の効果]
以上述べた本発明の加熱バーナによれば、火炎
中に強力な還元力を有する領域を安定して形成さ
せ、鋼材を無酸化・還元状態で適切に加熱するこ
とができる。そして、このような加熱において、
テーパ状の内壁によつて広がつた火炎により、広
い加熱面積が確保でき、このため加熱炉等におい
て少ないバーナ数により効率的な加熱ができる。
また燃焼用空気と燃料ガスの予混合を必要としな
いため、燃焼用空気として予熱空気を使用でき、
排ガスの顕熱を有効に利用して経済的な加熱炉操
業を可能ならしめる。さらに、予熱空気を利用で
きることから、従来のラジアントバーナの無酸化
加熱限界が750℃程度であるのに対し、900℃程度
まで無酸化加熱が可能であり、高温焼鈍が必要な
鋼材の加熱にも好適な形で利用することができ
る。また予熱空気を利用することにより火炎温度
が高められるため、従来のラジアントバーナに較
べ中間反応生成物による還元作用そのものも効果
的に向上させることができる。
中に強力な還元力を有する領域を安定して形成さ
せ、鋼材を無酸化・還元状態で適切に加熱するこ
とができる。そして、このような加熱において、
テーパ状の内壁によつて広がつた火炎により、広
い加熱面積が確保でき、このため加熱炉等におい
て少ないバーナ数により効率的な加熱ができる。
また燃焼用空気と燃料ガスの予混合を必要としな
いため、燃焼用空気として予熱空気を使用でき、
排ガスの顕熱を有効に利用して経済的な加熱炉操
業を可能ならしめる。さらに、予熱空気を利用で
きることから、従来のラジアントバーナの無酸化
加熱限界が750℃程度であるのに対し、900℃程度
まで無酸化加熱が可能であり、高温焼鈍が必要な
鋼材の加熱にも好適な形で利用することができ
る。また予熱空気を利用することにより火炎温度
が高められるため、従来のラジアントバーナに較
べ中間反応生成物による還元作用そのものも効果
的に向上させることができる。
第1図及び第2図は本発明加熱バーナの一実施
例を示すもので、第1図は縦断面図、第2図は第
1図中−線に沿う断面図である。第3図は本
発明加熱バーナの他の実施例を示す縦断面図であ
る。第4図及び第5図は本発明加熱バーナの燃料
ガスノズルの他の実施例を示すもので、第4図は
縦断面図、第5図は正面図である。第6図は本発
明加熱バーナにおける非平衡領域形成範囲の一測
定例を示すものである。第7図は同じく加熱バー
ナの還元加熱特性を示すものである。第8図は加
熱バーナに形成される循環領域を示す説明図であ
る。第9図ないし第14図は加熱バーナの特性を
示すもので、第9図はテーパ角αと第8図中X/
L(循環領域先端位置P)との関係、第10図は
燃料ガス吐出孔と空気吐出孔とのバーナ軸方向に
おける距離Nを+0.25Dとした場合のバーナ出口
からの距離とガス温度、O2濃度、イオン強度と
の関係、第11図は燃料ガス吐出孔と空気吐出孔
のバーナ軸方向における距離Nと遊離O2のバー
ナ軸方向残存距離L0との関係、第12図は距離
Nを+0.1Dとした場合のバーナ出口からの距離
Lとガス温度、O2濃度、イオン強度との関係、
第13図は燃料ガス吐出孔と空気吐出孔の距離N
とバーナタイル後壁温度Tbとの関係、第14図
は空気吐出孔からバーナ出口までの距離Lと非平
衡領域の末端までの距離LRとの関係を各示すも
のである。第15図は従来の高速ジエツトバーナ
を示す断面図、第16図は従来のラジアントバー
ナを示す断面図である。 図において、1はバーナタイル、2は燃焼用空
気吐出孔、3は燃料ガス吐出孔、5はバーナタイ
ル開口、6はバーナタイル内壁を各示す。
例を示すもので、第1図は縦断面図、第2図は第
1図中−線に沿う断面図である。第3図は本
発明加熱バーナの他の実施例を示す縦断面図であ
る。第4図及び第5図は本発明加熱バーナの燃料
ガスノズルの他の実施例を示すもので、第4図は
縦断面図、第5図は正面図である。第6図は本発
明加熱バーナにおける非平衡領域形成範囲の一測
定例を示すものである。第7図は同じく加熱バー
ナの還元加熱特性を示すものである。第8図は加
熱バーナに形成される循環領域を示す説明図であ
る。第9図ないし第14図は加熱バーナの特性を
示すもので、第9図はテーパ角αと第8図中X/
L(循環領域先端位置P)との関係、第10図は
燃料ガス吐出孔と空気吐出孔とのバーナ軸方向に
おける距離Nを+0.25Dとした場合のバーナ出口
からの距離とガス温度、O2濃度、イオン強度と
の関係、第11図は燃料ガス吐出孔と空気吐出孔
のバーナ軸方向における距離Nと遊離O2のバー
ナ軸方向残存距離L0との関係、第12図は距離
Nを+0.1Dとした場合のバーナ出口からの距離
Lとガス温度、O2濃度、イオン強度との関係、
第13図は燃料ガス吐出孔と空気吐出孔の距離N
とバーナタイル後壁温度Tbとの関係、第14図
は空気吐出孔からバーナ出口までの距離Lと非平
衡領域の末端までの距離LRとの関係を各示すも
のである。第15図は従来の高速ジエツトバーナ
を示す断面図、第16図は従来のラジアントバー
ナを示す断面図である。 図において、1はバーナタイル、2は燃焼用空
気吐出孔、3は燃料ガス吐出孔、5はバーナタイ
ル開口、6はバーナタイル内壁を各示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 先端が開口した筒状バーナタイルの内壁周方
向に間隔をおいて複数の燃焼用空気吐出孔を設け
るとともに、バーナタイル内方中心部に燃料ガス
吐出孔を設け、バーナタイルの少なくとも燃焼用
空気吐出孔形成部位より先端開口側の内壁に、バ
ーナ内口径が先端開口側に拡径するような広がり
角を付し、且つ燃焼用空気吐出孔及び燃焼ガス吐
出孔を以下のように構成してなる直火還元加熱バ
ーナ。 (a) 燃焼用空気吐出孔を、その空気噴射方向がバ
ーナタイル内周に関する接線に対し60゜以下の
角度を持つよう形成する。 (b) 燃料ガス吐出孔と燃焼用空気吐出孔のバーナ
軸方向距離Nを燃料ガス吐出孔が燃焼用空気吐
出孔よりもバーナタイル開口側にある場合を
(−)、その逆を(+)とした場合、−0.1D〜+
0.25D(D:バーナ内径)に設定する。 (c) 燃焼用空気吐出孔からバーナタイル開口まで
の距離Lを0.6D〜3D(D:バーナ内径)に設定
する。 2 燃料ガス吐出孔が、燃料ガスをバーナタイル
径方向に向つて噴射し得るよう、バーナタイル内
端壁に突設された燃料ガスノズルの周方向に間隔
をおいて形成されたことを特徴とする特許請求の
範囲1記載の直火還元加熱バーナ。 3 燃料ガス吐出孔が、燃料ガスをバーナ軸方向
に沿つて噴射し得るよう、バーナタイル内方位置
に形成されたことを特徴とする特許請求の範囲1
記載の直火還元加熱バーナ。
Priority Applications (16)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19260785A JPS6252311A (ja) | 1985-08-31 | 1985-08-31 | 直火還元加熱バ−ナ |
GB8609874A GB2175684B (en) | 1985-04-26 | 1986-04-23 | Burner |
AU56577/86A AU597883B2 (en) | 1985-04-26 | 1986-04-24 | Burner |
FR8606086A FR2581163B1 (fr) | 1985-04-26 | 1986-04-25 | Bruleur pour flamber des materiaux en acier |
CN86102828.7A CN1009948B (zh) | 1985-04-26 | 1986-04-25 | 直接焰式还原加热燃烧器 |
CA000507654A CA1295229C (en) | 1985-04-26 | 1986-04-25 | Burner |
DE19863614100 DE3614100A1 (de) | 1985-04-26 | 1986-04-25 | Brenner |
AT0113886A AT400261B (de) | 1985-04-26 | 1986-04-28 | Brenner zum direkten abflammen |
BR8601899A BR8601899A (pt) | 1985-04-26 | 1986-04-28 | Queimador de aquecimento direto para reducao |
IT48018/86A IT1191273B (it) | 1985-08-29 | 1986-05-14 | Perfezionamento nei bruciatori per le zone di riscaldamento di forni di ricottura in continuo |
US07/316,349 US4971552A (en) | 1985-04-26 | 1989-02-27 | Burner |
US07/316,352 US4993939A (en) | 1985-04-26 | 1989-02-27 | Burner with a cylindrical body |
US07/316,351 US4971553A (en) | 1985-04-26 | 1989-02-27 | Burner with a cylindrical body |
US07/317,303 US4971551A (en) | 1985-04-26 | 1989-02-27 | Burner with a cylindrical body |
US07/315,991 US5000679A (en) | 1985-04-26 | 1989-02-27 | Burner with a cylindrical body |
US07/315,670 US4969815A (en) | 1985-04-26 | 1989-02-27 | Burner |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19260785A JPS6252311A (ja) | 1985-08-31 | 1985-08-31 | 直火還元加熱バ−ナ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6252311A JPS6252311A (ja) | 1987-03-07 |
JPS644089B2 true JPS644089B2 (ja) | 1989-01-24 |
Family
ID=16294072
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19260785A Granted JPS6252311A (ja) | 1985-04-26 | 1985-08-31 | 直火還元加熱バ−ナ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6252311A (ja) |
-
1985
- 1985-08-31 JP JP19260785A patent/JPS6252311A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6252311A (ja) | 1987-03-07 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |