JPS643875Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ 本考案はコツクに関するものである。さらに詳
しくは、水道管、都市ガス管、薬液移送配管の途
中に設置するに当り、施工が容易で、水洩れやガ
ス洩れのない配管工事用資材として便利なソケツ
トに係わるものである。水道管や都市ガス管、工
事における薬液移送配管等には途中に中を流れる
水、ガス薬液等の流通、遮断を行うためのコツク
が用いられる。第１図はその一例を示すもので流
体の入口１、出口２を備え、両者を結ぶ連通孔３
を備えたコツクケーシング４と、該コツクケーシ
ング４の内部に挿入され円錐状のすり合わせ面を
有し、把手６を入口１と同一方向、あるいは直角
方向にひねることにより連通孔３を流れる流体の
流通、遮断をする導通孔５を備えたプラグ７から
なるものである。さらに、このような構造のコツ
クにおいては、配管内を通る水、ガス等の流体の
流体圧によるプラグ７のコツクケーシング４から
の抜け、あるいは、すり合わせ面からの流体の洩
れを防止するため、プラグ７の基部に例えばアス
ベストヤーンのようなシールパツキング材８を装
着し、プラグ７を通す挿入孔を備え、内壁にねじ
をきつた袋ナツト９を、コツクケーシング４のプ
ラグ７挿入口の外周に設けたねじと螺合させて締
めつけシールパツキング材８を押圧するようにし
てなる。しかし、シールパツキング材８の装着は
一見容易な操作のように思えるが、実際の施工で
は装着が偏つて袋ナツト９の螺合がうまくいかず
袋ナツト９による押圧が不均一になり、それが原
因で永年使用のうちにシールパツキング材８のす
り切れ、それに基く流体洩れを生ずることがしば
しばあり、このようなことのない上手な施工がで
きるようになるには永年の経験が必要とされてき
た。

また、分解の容易なコツクとして、実公昭33−
15574号公報に示されるコツクが提案されている。
しかし、上記公報に示されるコツクは第７図に示
す様な密閉構造を取り、分解は容易であるが組み
立てに当たつてはリングパツキング２０を栓筺主
体１４に設けた周溝１４ｕに予め嵌着しておかね
ばならず、栓筺主体１４内の狭い空間への取り付
け作業は面倒であつた。また、図示Ｂの部分にて
配管内の流体を密閉するため、流耐圧が図示矢印
方向から加わるので密閉を維持しにくいという問
題があり、特に、長年の使用によりリングパツキ
ング２０が摩耗した場合にはもはや密閉性を維持
できないという問題があつた。

［考案の構成］ 本考案は、コツク内のプラグとコツクケーシン
グとの各すり合わせ面に凹溝を設け、パツキング
を装着した構造とすることにより、前記のような
従来品にみられる欠点を一挙に解消した配管用資
材として活用性の高いコツクを提供するものであ
る。すなわち、本考案は、流体を通す配管途中に
設置される流体の流通と遮断とを行うためのコツ
クにおいて、コツクケーシングとプラグの各すり
合わせ面にリング状に凹溝を設け、該凹溝が形成
するリング状空孔内に弾性リングパツキングを介
在させてなるコツクを要旨とするものである。

以下、本考案を一例を示す図面に基いて説明す
る。

［実施例］ 第２図において、４はコツクケーシングで、流
体の入口１、出口２および両者を結ぶ連通孔３、
を備えている。また、９は後記プラグ７の挿入口
の外周に設けたねじ山と螺合するねじ山を内壁に
設けると共に、プラグ７を貫通させる貫通孔９ａ
を備え、過大な流体圧などによつてプラグ７がコ
ツクケーシング４から抜け出すのを抑止するため
の袋ナツトである。７は把手６を入口１と同一方
向、あるいは直角方向にひねることによつて、連
通孔３を流れる流体の流通、遮断をする導通孔５
を備えたプラグで、外周は円錐状のすり合わせ面
７ａを有し、コツクケーシング４の内部に回動自
在に挿入されており、その内壁すり合わせ面４ｂ
と僅かな間隙をおいて接触している。１０，１０
ａは両すり合わせ面７ａ，４ｂ間に介在させた弾
性リングパツキングで、例えば天然または合成ゴ
ム、あるいは軟質プラスチツクからなるものであ
りプラグ７の導通孔５をはさんで上下位置に介在
させる。また、該弾性リングパツキング１０，１
０ａはコツクケーシング４の内壁すり合わせ面４
ｂおよびプラグ７の外周のすり合わせ面７ａ、そ
れぞれ互いに位置を合致させて断面が半円型の凹
溝４ｕ，４ｄ，７ｕ，７ｄをリング状に設け、例
えば第３図に示すようにプラグ７のすり合わせ面
７ａに設けた上下凹溝７ｕ，７ｄにそれぞれ弾性
リングパツキング１０，１０ａを捲着させたもの
をコツクケーシング４内に挿入することにより該
凹溝７ｕ，７ｄとコツクケーシング４に設けた凹
溝４ｕ，４ｄにより形成されるリング状空孔１３
ｕ，１３ｄ内に弾性リングパツキング１０，１０
ａを介在させる。また、第４図に示すようにコツ
クケーシング４の内壁すり合わせ面４ｂに設けた
上下凹溝４ｕ，４ｄにそれぞれ弾性リングパツキ
ング１０，１０ａを装着させておき、これにすり
合わせ面７ａに上下凹溝７ｕ，７ｄを設けたプラ
グ７を挿入することによつてリング状空孔１３
ｕ，１３ｄ内に弾性リングパツキング１０，１０
ａを介在させるようにしても勿論よい。

１１はプラグ７の下方先端に形成された突出軸
で、ねじ山が切つてありコツクケーシング４の底
面４ａに設けられる貫通孔を貫通し、小ナツト１
２と螺合する。しかして、小ナツト１２をかるく
しめつけるだけで、プラグ７は下方に引つ張られ
るので、弾性リングパツキング１０，１０ａがプ
ラグ７に設けた凹溝７ｕ，７ｄを介して下方に引
つ張られるとともにコツクケーシング４に設けた
凹溝４ｕ，４ｄに衝止されて変形してプラグ７の
外周すり合わせ面７ａと、コツクケーシング４の
内壁すり合わせ面４ｂとは密にシールされて、流
体が洩れることがなくしかも、プラグ７の回動は
自在であるから、入口１から出口２間の流体の流
通遮断は支障なく行なわれる。また、配管内の流
体の圧力により弾性リングパツキング１０は上方
に押圧され第５図Ａ−A′部分にてリング状空孔
１３ｕの上部を密閉するとともに弾性リングパツ
キング１０ａも同様にリング状空孔１３ｄの下部
を密閉する作用がある。このため、長期間の使用
により弾性リングパツキング１０，１０ａが摩耗
した場合にもプラグ７とコツクケーシング４との
すり合わせ面７ａ，４ｂの密閉性は損なわれな
い。尚、小ナツト１２をさらにしめつけることに
より、第６図に示す様に摩耗した弾性リングパツ
キング１０，１０ａをプラグ７に設けた凹溝７ｕ
の上縁Ａとコツクケーシング４に設けた凹溝４ｕ
の下縁Ｃとにより挟みつけて密閉性を維持するこ
ともできる。

［考案の効果］ 本考案のコツは以上のべたように、コツクケー
シングとプラグの各すり合わせ面にリング状凹溝
を設け、該凹溝が協同して形成するリング状空孔
内に弾性リングパツキングを介在させた構成とし
てなるので、従来品のように、アスベストヤーン
のようなシール材を用いることによるシール洩
れ、施工の際の手間の繁雑さ、熟練度を必要とし
ないので水道管、都市ガス管、薬液移送管の配管
工事用の資材として極めて重宝なものである。ま
た、本考案のコツク組立に際してはプラグに予め
弾性リングパツキングを捲着させておくことがで
き、作業性が向上した。さらに、弾性リングパツ
キングが摩耗しても密閉性を維持できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のコツクの一部を断面で表わした
正面図、第２図は本考案の一例の一部を断面で表
わした正面図、第３図及び第４図はそれぞれ本考
案のコツクにおける弾性リングパツキングの装着
法を示すプラグの正面図および一部を断面で表わ
したコツクケーシングの正面図、第５図及び第６
図は実施例の密閉状態の説明図、第７図は従来例
の密閉状態の説明図である。 １……入口、２……出口、３……連通孔、４…
…コツクケーシング、４ｂ……すり合せ面、４
ｕ，４ｄ……凹溝、５……導通孔、６……把手、
７……プラグ、７ａ……すり合わせ面、７ｕ，７
ｄ……凹溝、８……シールパツキング材、９……
袋ナツト、１０，１０ａ……弾性リングパツキン
グ、１１……突軸、１２……小ナツト、１３ｕ，
１３ｄ……空孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 流体を通す配管途中に設置される流体の流通
   と遮断とを行なうためのコツクにおいて、コツ
   クケーシングとプラグの各すり合わせ面にリン
   グ状に凹溝を設け、該凹溝が形成するリング状
   空孔内に弾性リングパツキングを介在させてな
   ることを特徴とするコツク。 ２ 弾性リングパツキングをコツクケーシングと
   プラグとのすり合わせ面の上下に介在させてな
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載のコツ
   ク。