JPS643748Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコンバイン等におけるクローラ用転輪
の支持構造に関する。

すなわち、転輪のボスにベアリングやオイルシ
ールを介して支軸を嵌合するとともに、前記ボス
の外端面は蓋部により閉塞して構成するクローラ
用転輪において、該転輪の軸支部をグリスアツプ
することができて耐久性を向上させることができ
るように構成し、グリスアツプ時に、ボス内がグ
リスで充満することを容易に確認することができ
るとともに、グリスアツプの圧力でオイルシール
が移動しないように良好に保持しておくことがで
きて、グリスアツプを確実良好に行なうことがで
き、簡単な構造にして好適に実施できるよう提供
するものである。

次に、図面に示す実施例について説明する。

第１図はコンバインの側面図を示し、機体の下
部両側においては下方側の４個の転輪１および前
後のスプロケツト１０とアイドラー１１にクロー
ラ１２をそれぞれ掛装し、両クローラ１２により
支持する機体上に搭載した脱穀部Ａの前方側に刈
取部Ｂを装設し、機体の右側前部で刈取部Ｂの右
側方上部に架設したステツプ１３の前端右側部に
は支持コラム１４を立設し、ステツプ１３の左側
方に立設したサイドコラム１５の前端部と前記支
持コラム１４の上部との間には両サイドクラツチ
レバー１６ａ，１６ｂを架設し、ステツプ１３の
後部上方にはシート１７を装設するとともに、シ
ート１７の下部側にはエンジン部１８を装設し、
該エンジン部１８の後方に装設した籾受台１９の
上方には籾タンク２０を架設して従来形構造同様
に構成する。

前記転輪１は２つの椀形輪体１ａ，１ａよりな
り、両輪体１ａ，１ｂを円筒形ボス２の両端側に
嵌合固着して形成し、トラツクフレーム２１から
横外側方に延出する支持パイプ２２内より延設し
た支軸５の先端側を前記ボス２内に嵌入し、ボス
２内の中央部に嵌装したベアリング３ａカラー２
３、ベアリング３ｂに支軸５を嵌挿し、支軸５の
先端面およびベアリング３ｂの外側面一部に当接
する支持板２４をボルト２５挿着により固定し、
ベアリング３ｂの外側からボス２の外端面にかけ
てのボス２内にはカラー２６、蓋部６、スナツプ
リング２７を順次嵌装して蓋部６を固定し、蓋部
６の中央に形成したねじ孔２８には外方からグリ
スニツプル７を挿着して構成する。

また、ボス２の内端側寄りとなる内方の支軸５
の部分には前記支持パイプ２２の端面に衝合する
とともに外周面とボス２の内周面との間に隙間Ｃ
ができるようにしたシールワツシヤ８を嵌合し、
前記ベアリング３ａの外側面にはスナツプリング
２９が係合するように嵌着し、シールワツシヤ８
とスナツプリング２９の間に嵌入するオイルシー
ル４のシールカラー４ａをシールワツシヤ８とベ
アリング３ａの間の支軸５部分に嵌合し、一側方
に向け突出する爪部９ａを一定間隔おきに多数形
成した薄肉の樹脂製環状ストツパー９を、爪部９
ａがオイルシール４側に接触するようにしてシー
ルワツシヤ８とオイルシール４の間に嵌装して構
成する。

３０は透明または半透明のフロントカバーで、
該フロントカバー３０の下端よりゴム垂れ式のエ
プロン３０ａを垂設し、屈折したフロントカバー
３０の一側上部および他側上部には上下方向に間
隔をおいた複数の小孔３１，３２をそれぞれ穿設
し、また、前記支持コラム１４の上部外側面およ
びサイドコラム１５の前端面上部には前記小孔３
１，３２にそれぞれ挿通するノブ付ねじ３３，３
４を螺挿できるねじ孔３５，３６をそれぞれ形成
して構成する。

したがつて、支軸５に対してボス２が良好に回
転できるようボス２内にグリスを注入する場合
は、外方からグリスポンプでグリスニツプル７を
通し注入するが、ボス２内にグリスが充満する
と、内方側のシールワツシヤ８の外周側隙間Ｃよ
りグリスが流出する状態となり、その状態でグリ
スが充満したことを知ることができることにな
る。

また、その状態で、オイルシール４はシールワ
ツシヤ８側にグリス圧によつて押圧されるが、環
状ストツパー９の支持により移動しない状態とな
り、その環状ストツパー９はその形状によりオイ
ルシール４を良好に支持でき、ストツパー９は錆
付きもなく焼付きもなく支持できることになる。

前記シート１７に座つて運転するオペレーター
の前方には、第１図、第６図および第７図に示す
ようにフロントカバー３０が被着されることにな
つて塵埃等がかかるのを防止できることになる
が、フロントカバー３０を上方に上げてノブ付ね
じ３３，３４を小孔３１，３２に挿通するととも
にねじ孔３５，３６にそれぞれ螺挿すると、第９
図に示すようにフロントカバー３０を上方に取付
けることができることになる。

このように本考案は、転輪１のボス２にベアリ
ング３ａ，３ｂやオイルシール４を介して支軸５
を嵌合するとともに、前記ボス２の外端面は蓋部
６により閉塞して構成するクローラ用転輪におい
て、前記蓋部６にはグリスニツプル７を装着し、
前記ボス２の内端側内方には前記オイルシール４
に対応するシールワツシヤ８を軸心方向に移動し
ないように前記支軸５に嵌装するとともに、前記
オイルシール４とシールワツシヤ８との間にはオ
イルシール４側に接触する爪部９ａを多数有した
環状ストツパー９を介装して構成したから、グリ
スニツプル７よりボス２内にグリスを注入して転
輪１の軸支部をグリスアツプすることができて耐
久性、信頼性および整備性を向上させることがで
き、グリスアツプ時にはオイルシール４側のボス
２の内端側よりグリスが流出できるようにしてそ
れを見ながらグリスが充満したことを容易に確認
できることになり、また、グリスアツプの圧力で
オイルシール４が移動しないよう環状ストツパー
９により良好に支持することができてグリスアツ
プを確実良好に行なうことができることになり、
簡単な構造にして好適に実施できる特長を有す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はコンバ
インの側面図、第２図は転輪の断面図、第３図は
第２図の一部の分解図、第４図は環状ストツパー
の正面図、第５図はその一部の斜視図、第６図は
第１図の一部を示し、第７図はその斜視図、第８
図は第７図の一部の分解図、第９図は第６図の作
動説明図を示す。 １……転輪、２……ボス、３ａ，３ｂ……ベア
リング、４……オイルシール、５……支軸、６…
…蓋部、７……グリスニツプル、８……シールワ
ツシヤ、９ａ……爪部、９……環状ストツパー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 転輪１のボス２にベアリング３ａ，３ｂやオイ
   ルシール４を介して支軸５を嵌合するとともに、
   前記ボス２の外端面は蓋部６により閉塞して構成
   するクローラ用転輪において、前記蓋部６にはグ
   リスニツプル７を装着し、前記ボス２の内端側内
   方には前記オイルシール４に対応するシールワツ
   シヤ８を軸心方向に移動しないように前記支軸５
   に嵌装するとともに、前記オイルシール４とシー
   ルワツシヤ８との間にはオイルシール４側に接触
   する爪部９ａを多数有した環状ストツパー９を介
   装して構成したことを特徴とする支持構造。