JPS64338Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車等の車輌のシートサスペンシヨ
ンに使用して好適な体重調整装置に関する。

自動車等の座席特に運転席に使用する座席とし
ては、運転者の体格により、そのシートを前後に
位置調整することは勿論であるが、シートの高さ
の調整も必要であり、従来より、この為の装置も
提案されている。

第１図はその一例を略線的に示すものであつ
て、これについて簡単に説明すると、１はアツパ
フレーム、２はロアフレームであつて、ロアフレ
ーム２は上方から見て方形状にやゝ横長に形成さ
れており、その角辺は断面がほゞコ字状に折曲げ
られた金属等の枠体より形成され、コ字状の開口
部は夫々内側に向いているものとする。尚このロ
アフレーム２は、これ自体独立して形成すること
もできるが、シートの前後のスライドレール上に
載置して、前後動できるように構成することもで
きる。

アツパフレーム１は、ロアフレーム２の方形状
にほゞ見合う形状の金属等よりなる平板部を主要
部とし、その左右両端又はその他の端部の必要部
分が下方に折曲されている。そしてこのアツパフ
レーム１として、いわゆるクツシヨンパンを使用
し、図示しないが主たるシート体が取付けられ
る。

更にＸ形状をなした左右一対のリンク３を有す
る。このＸ形リンク３は周知のように、２本のリ
ンク体４及び５が、そのほゞ中央において軸６に
より回動自在に枢支されたもので、これらのＸ形
リンク３の夫々の後方側（又は前方側でもよい）
の上端５ａがアツパフレーム１に対して軸７によ
り回動自在に取付けられ、下端４ｂがロアフレー
ム２に対して軸８により回動自在に取付けられ、
かかるＸ形リンク３の夫々の前方側（又は後方側
でもよい）の下端５ｂが、ロアフレーム２に対し
てコロ９等により前後動可能なように摺動自在に
取付けられている。又Ｘ形リンク３の前方側の上
端４ａ同志は、互いに差し渡たされたフレーム１
０により互いに連結され、これにより、アツパフ
レーム１の前方部分を下方より支持するようにし
ている。

又Ｘ形リンク３の後方側の上端５ａ同志もフレ
ーム１１により連結され、これに夫々一対のスプ
リング１２の夫々の一端が係止されている。

第２図をも参照して説明すると、適当な固定部
（例えばアツパフレーム１の下面に枢軸１３を介
してベルクランク１４が回動自在に取付けられて
おり、その一端は、横方向に延長された調整軸１
５に係合し、他端は、引張りフレーム１６の一端
に、軸１７により回動自在に連結されている。又
この引張りフレーム１６は、イコライザフレーム
１８に対して軸１９を中心として回動できるよう
に連結されており、上述した一対のスプリング１
２の他端は夫々このイコライザフレーム１８の両
端に係止されている。

尚調整軸１５は、この例では回動軸として構成
され、これには、その一部にねじ溝２０が形成さ
れており、これにナツト２１が噛合されており、
上述したベルクランク１４の一端がこのナツト２
１に係合されている。

又、このような装置のほゞ中央には、シヨツク
アブソーバ２２が配置され、その一端がロアフレ
ーム２の後方側の辺に回動自在に取付けられ、他
端が、フレーム１０に回動自在に取付けられてい
る。

このような構成によれば、一対の引張りスプリ
ング１２間を大きく採れない丈けでなく、その調
整時に、50Kg乃至100Kgまでの間の調整に、回動
調整軸１５を約16回も回動（手動による）させな
ければならず、操作性が極めて悪い欠点を有す
る。又このときの操作力も100Kgに向つて調整す
る程重くなり、実際上、自動車のドアを閉めた状
態では、その調整操作が不能である欠点を有す
る。

本考案は、このような欠点を回避し、自動車で
使用されているハンドブレーキの操作レバーの如
き操作レバーを設けて、これにより容易に、調整
を行い得るようにしたものである。

以下本考案による装置を、第３図以下について
説明するに、第１図及び第２図との対応部分に
は、同一符号を附してその説明を省略する。

本考案においては、シートサスペンシヨン本体
の横方向に延長し、且つこの延長方向にほゞ沿つ
て移動できるコネクテイングロツド２５と、一対
のベルクランク２６とを設けて、このベルクラン
ク２６を固定部例えばアツパフレーム１の下面に
対して軸２７により回動自在に取付け、かかるベ
ルクランク２６の夫々の一端を、コネクテイング
ロツド２５に対して所定の巾をもつて軸２８を介
して回動自在に連結し、他端に、夫々引張りスプ
リング１２の端部を係止したものである。尚、一
対のベルクランク２６は、コネクテイングロツド
２５の移動に際して互いに同期して同一状態に回
動するようになすこと勿論である。

一方、コネクテイングロツド２５にほゞ並行し
て回動軸２９を設け、これにほゞ直交する方向に
操作レバー３０を連結し、この両者２９及び３０
の連結部においてロツク手段３１を形成する。一
方回動軸２９の先端には、カム３３を一体に取付
け、その端面をカム面３４に形成する。

更に、一方のベルクランク２６の一部を突出さ
せ、この突出部にピン（又はコロ）３５を植立さ
せて置き、上記したカム３３のカム面３４をこの
ピン３５に対接させる。

尚ロツク手段３１は、例えばレバー３２を操作
レバー３０側に引く（これは操作レバー３０を操
作する手にて同時に握ることにより行い得る）こ
とにより、ロツク解除されて、操作レバー３０に
より回動軸２９を任意に回動できるようになし、
レバー３０より手を離すことにより、ロツクされ
て回動軸２９の回動が阻止されるようになされた
ものであつて、かかる構成は周知であるから、そ
の構成の詳細な説明を省略する。

このような構成によれば、今、レバー３２によ
りロツク手段を解除して操作レバー３０を起伏さ
せることにより、回動軸２９、即ちカム３３が回
動し、そのカム面３４により、第４図に示すよう
に、ピン３５の１を規制するので、これにより第
３図において右側に示されるベルクランク２６が
軸２７を中心として回動し、これに伴つてコネク
テイングロツド２５を介して図において左側のベ
ルクランク２６も回動し、即ち一対のベルクラン
ク２６が同期して回動し、これにより一対のスプ
リング１２の張力を変化させることができ、即ち
使用者に対する体重に調整することができる。

この場合、本考案によれば、単に操作レバー３
０を起伏させるのみで、上述した調整が可能であ
り、使用中においても操作が可能であると共に、
ドアを閉じたまゝでも行い得る特徴がある。尚、
第３図におけるカム３３の直交を40mmとし、第４
図に示す角θを14゜とし、操作レバー３０の操作
角を180゜程度にすると、実際上の乗用車で使用す
る場合、その最大操作力は11Kg程度である。

又、一対のスプリング１２間を従来のそれより
広くすることが可能となるので、シートサスペン
シヨン本体の中央部に空間ができ、クツシヨンパ
ツドを下げることができるので薄型化が可能とな
る特徴を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のシートサスペンシヨンを示す斜
視図、第２図はその一部の平面図、第３図は本考
案にる装置の第２図と同様の平面図、第４図はそ
の一部分の拡大側面図である。 ２６はベルクランク、１２はスプリング、２５
はコネクテイングロツド、３０は操作レバー、３
１はロツク手段、３３はカム、３４はカム面、３
５はピンである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートサスペンシヨン本体の横方向に延長して
   該延長方向にほゞ沿つて移動できるようになされ
   たコネクテイングロツドと、一対のベルクランク
   とを有し、該一対のベルクランクを固定部に対し
   て回動自在に取付けると共に、それらの一端を
   夫々上記コネクテイングロツドに対して所定の間
   隔を保持して回動自在に連結し、上記シートサス
   ペンシヨン本体を構成するＸ形リンク又は並行リ
   ンクに夫々の一端を取付けてなる一対の引張りス
   プリングの他端を上記ベルクランクの夫々の他端
   に連結し、一方上記コネクテイングロツドとほゞ
   平行する方向に回動軸を設けて、これにほゞ直交
   する方向に操作レバーを連結させ、該操作レバー
   と上記回動軸との間には上記回動軸のロツク手段
   を設け、上記回動軸にはカムを取付け、該カムの
   カム面を上記いずれか一方のベルクランク又はコ
   ネクテイングロツドに植立させたピンに対接させ
   てなることを特徴とするシートサスペンシヨンの
   体重調整装置。