JPS642675Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （発明の目的） （産業上の利用分野） 本考案は電気掃除機の吸込み口体に関する。

（従来の技術） 従来のこの種の電気掃除機の吸込み管の先端に
取付けられる吸込み口体は、第１図に示すよう
に、床面に接触して摺動するブラシ３を植設した
枠状の摺動体４を下側の吸込み口の周囲に固定し
た構造が採られていた。この従来の構造の吸込み
口体では、使用中吸込み管１を押し、あるいは引
いて吸込み口体２を床面に沿つて前後に摺動させ
る際、吸込み管１を持つ手の高さが変化するに従
い、吸込み口体２および摺動体４と床面とのなす
角度が変化し、摺動体４の前端あるいは後端が浮
き上がり、床面に沿つて密着されず、吸引力が減
少する問題がある。また吸込み管１を押した時、
摺動体４の前端が浮き上がると、摺動体の後端の
み床面に接地し、床面との摩擦が急激になくな
り、滑り易くなり、安定した走行が得られず、掃
除がしにくくなる問題があつた。

また、例えば、実公昭50−15423号公報に記載
されているように、吸込み口体にブラシを植設し
た摺動体を軸にて回動自在に取付け、吸込み口体
を前後方向に床面に沿つて摺動させる際、摺動体
のブラシの前端または後端が床面から浮き上がる
ことを防止した構造が知られている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記従来の実公昭50−15423号公報に記載の吸
込み口体では、壁面、天井面などの掃除機を行な
う場合に吸込み口体を持ち上げると、摺動体が自
重で回動され易く、壁面、天井面などからブラシ
が離れ、掃除が困難になり、さらに家具の上面な
どを掃除する際、吸込み口体を左右方向に摺動さ
せる必要があり、この場合、摺動体が前後方向に
のみ回動自在の構造では、左右の端部が床面から
浮き上がり易い問題が有つた。

本考案は上記問題点に鑑みなされたもので、床
面に前後方向または左右方向に吸込み口体を移動
させて掃除する場合、または壁面または天井面な
どを掃除する場合、摺動体を本体ケースに対して
向きを変えて回動自在に取付けることにより、ブ
ラシなどの床面接触体が確実に掃除面に密着して
摺動し、安定した走行が得られ、汎用性を高めた
掃除機の吸込み口体を提供するものである。

（考案の構成） （問題点を解決するための手段） 本考案の電気掃除機の吸込み口体は、下側に吸
込み口とこの吸込み口を囲む周壁とを有する本体
ケースと、この本体ケースの下側に取付けられ上
記周壁の外周を囲む枠状に形成されるとともに下
側に床面接触体を設けた摺動体とを備えたものに
おいて、上記本体ケースの吸込み口を囲む周壁は
円形に形成するとともにこの周壁の互いに直交す
る位置にそれぞれ対をなす軸孔を穿設し、上記摺
動体は、前記ケース本体の周壁に沿つて回動可能
な形状に形成するとともに前記本体ケースのそれ
ぞれ対をなす直交位置の軸孔に選択的にそれぞれ
回動自在に係合する一対の軸を内側に互いに対向
して突設し、上記本体ケースの吸込口を囲む周壁
の直交する位置にそれぞれ形成された対をなす軸
孔に選択的に上記一対の軸を回動自在に嵌合した
ことを特徴とするものである。

（作用） 本考案の電気掃除機の吸込み口体は、床面など
吸込み口体を前後方向に移動させて掃除する場合
には、本体ケースの周壁の左右両側の軸孔に摺動
体の軸を回動自在に取付け、この状態で、吸込み
口体を前後に摺動させると、この吸込み口体に接
続した吸込み管を持つ高さ位置が上下に変化して
も、摺動体は左右の軸を中心として回動し、床面
に密着して摺動する。

また床面、または壁面、天井面、さらには家具
の上面などを左右方向に掃除する場合には、本体
ケースの周壁の前後側の軸孔に摺動体の軸を回動
自在に取付け、この状態で、吸込み口体を左右に
摺動させると、この吸込み口体に接続した吸込み
管を持つ角度位置が変化しても、摺動体は前後の
軸を中心として回動され、床面に密着して摺動す
る。

（実施例） 本考案の一実施例の構成を第２図から第４図に
ついて説明する。

１１は吸込み口体で、この吸込み口体１１は吸
込み管１２の先端に着脱自在に取付けられる本体
ケース１６を備え、この本体ケース１６の下面円
形板部３１に吸込み口１３が形成され、この吸込
み口１３を囲む周壁１９は円形筒状に突出形成さ
れている。この周壁１９には対をなす軸孔２０が
前後両側および左右両側位置の互いに直交する位
置にそれぞれ形成されている。またこの本体ケー
ス１６の前側にはバンパ１８が設けられている。

また１７は摺動体で、可撓性材料にて成型さ
れ、上記本体ケース１６の周壁１９に沿つて回動
可能な楕円形状の枠状に形成され、この摺動体１
７の内径の短径部分が前記本体ケース１６の周壁
１９の外径と略同一で長径部分が周壁１９の外径
より大きく形成されている。そしてこの摺動体１
７の内周の短径部分には前記左右両側または前後
両側の対をなす軸孔２０に選択的に回動自在に取
付けられる一対の軸２１が相対して突設され、こ
の軸２１は第３図に示すように取付け方向となる
角端部に面取りが施されている。またこの摺動体
１７の下側には床面接触体として例えば、ブラシ
２２が植設されている。

次にこの実施例の作用について説明する。

吸込み口体１１を前後方向に移動させて掃除す
る場合には、本体ケース１６の周壁１９の左右両
側に形成した軸孔２０に摺動体１７に突設した軸
２１を嵌合することにより、この摺動体１７は常
態において左右方向の軸２１を中心として回動可
能となる。この状態で、吸込み口体１１に取付け
た吸込み管１２を押しまたは引いて掃除面に摺動
体１７を摺動しながら掃除をするとき、摺動体１
７は左右両側に位置する軸２１を中心として回動
されるため、吸込み管１２を持つ手の位置が第５
図または第６図に示すように上下方向に変化して
も、摺動体は床面に密着して摺動され、摺動体１
７の前端側または後端側が浮き上がることがな
い。このようにして床面、壁面、天井面など吸込
み口体１１を前後方向に移動させて掃除ができ
る。

また吸込み口体１１を左右方向に移動させて掃
除する場合には、摺動体１７の長径部分を挟持し
て両側から押圧すると、摺動体１７は第４図に示
すように、弾性変形して軸２１が本体ケース１６
の周壁１９の左右両側の軸孔２０から抜け外れ、
この摺動体１７を本体ケース１６の周壁１９に沿
つて90゜回動させ、軸２１を周壁１９の前後位置
の軸孔２０に係合させ、常態において前後に位置
する軸を中心として摺動体１７を回動可能に取付
ける。この状態で、吸込み口体１１に取付けた吸
込み管１２を左右に移動させて掃除面に摺動体１
７を摺動しながら掃除をするとき、摺動体１７は
前後両側に位置する軸２１を中心として回動され
るため、吸込み管１２を持つ手の角度が変化して
も、摺動体は床面に密着して摺動され、摺動体１
７の前端側または後端側が浮き上がることがな
い。このようにして床面、壁面、天井面、階段あ
るいは家具の上面など吸込み口体１１を左右方向
に移動させて掃除ができる。

なお、前記実施例では摺動体１７に設けた床面
接触体としてブラシ２２を設けた構造について説
明したが、ブラシに限られるものではなく、被掃
除機面に応じて、ローラ、ゴム板などを用いるこ
ともできる。

（考案の効果） 本考案によれば、本体ケースの吸込み口を囲む
周壁は円形に形成するとともにこの周壁の互いに
直交する位置にそれぞれ対をなす軸孔を穿設し、
摺動体は、前記ケース本体の周壁に沿つて回動可
能な形状に形成するとともに前記本体ケースのそ
れぞれ対をなす直交位置の軸孔に選択的にそれぞ
れ回動自在に係合する一対の軸を内側に互いに対
向して突設したので、上記本体ケースの吸込口を
囲む周壁の直交する位置にそれぞれ形成された対
をなす軸孔に選択的に上記一対の軸を回動自在に
嵌合することにより、摺動体は吸込み口体を前後
方向に移動させて掃除する場合ばかりでなく、左
右方向に移動して掃除する場合も被掃除面から浮
き上がることなく、吸込み力が減少することな
く、効率よく掃除機ができ、床面、壁面、天井
面、階段、家具の上面などの掃除が容易となり、
さらに吸込み口体を前後、左右に移動して掃除す
る場合、いずれも摺動体は被掃除面に密着して摺
動するため、被掃除面との摩擦が一定に保持さ
れ、安定した走行ができ、掃除機が容易となるも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電気掃除機の吸込み口体の斜視
図、第２図は本考案の一実施例を示す電気掃除機
の吸込み口体の分解斜視図、第３図は同上摺動体
の軸部の縦断面図、第４図は同上吸込み口体の底
面図、第５図および第６図は同上使用状態を示す
説明図である。 １１……吸込み口体、１３……吸込み口、１６
……本体ケース、１７……摺動体、１９……周
壁、２０……軸孔、２１……軸孔、２２……床面
接触体としてのブラシ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 下側に吸込み口とこの吸込み口を囲む周壁とを
   有する本体ケースと、この本体ケースの下側に取
   付けられ上記周壁の外周を囲む枠状に形成される
   とともに下側に床面接触体を設けた摺動体とを備
   えたものにおいて、 上記本体ケースの吸込み口を囲む周壁は円形に
   形成するとともにこの周壁の互いに直交する位置
   にそれぞれ対をなす軸孔を穿設し、 上記摺動体は、前記ケース本体の周壁に沿つて
   回動可能な形状に形成するとともに前記本体ケー
   スのそれぞれ対をなす直交位置の軸孔に選択的に
   それぞれ回動自在に係合する一対の軸を内側に互
   いに対向して突設し、 上記本体ケースの吸込み口を囲む周壁の直交す
   る位置にそれぞれ形成された対をなす軸孔に選択
   的に上記一対の軸を回動自在に嵌合したことを特
   徴とする電気掃除機の吸込み口体。