JPS641896Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、サイドクラツチ機構を有するとと
もに機体の前後方向にハンドルターンを行なえる
移動農機のサイドクラツチ切換装置に関するもの
である。

従来の技術 従来、歩行型の移動農機においては、圃場の端
部における回行等をスムーズに行なうためにサイ
ドクラツチ機構が設けられていることが一般的で
ある。かかるサイドクラツチ機構は左右一対のサ
イドクラツチ及びハンドル杆に取付けられた左右
一対のサイドクラツチレバー等からなり、左側の
サイドクラツチレバーを握ると左側のサイドクラ
ツチが切れ、右側のサイドクラツチレバーを握る
と右側のサイドクラツチが切れるものである。

ここで、サイドクラツチ機構を有する移動農機
において、ハンドル杆を機体の前後方向にハンド
ルターンさせた場合、左側に位置するサイドクラ
ツチレバーを握ると右側のサイドクラツチが切
れ、右側に位置するサイドクラツチレバーを握る
と左側のサイドクラツチが切れる状態となる。こ
のため、作業者がサイドクラツチの誤操作を行な
い易く、事故の発生につながる場合がある。

そこで、ハンドルターンを行なつた場合におい
てもサイドクラツチレバーの誤操作を防止しうる
ようにしたものとして、まず、サイドクラツチレ
バーをハンドル杆に対して着脱自在とし、ハンド
ルターンを行なう都度サイドクラツチレバーの取
付位置を左右交換するものである。

また、他の従来例としては実願昭57−116131号
公報記載のものがある。すなわち、第４図及び第
５図に示すように二本のシヤフト１，２が近接し
て平行に配置され、一方のシヤフト１には左側の
サイドクラツチレバー（図示せず）にワイヤ３を
介して連結された回動体４と右側のサイドクラツ
チレバー（図示せず）にワイヤ５を介した連結さ
れた回動体６とがシヤフト１の軸心回りに回動自
在に嵌合されている。他方のシヤフト２にはシヤ
フト２にスプライン嵌合されてシヤフト２ととも
にシヤフト２の軸心回りに回動する左右一対の回
動体７，８と、回動体７，８の間に配置されてシ
ヤフト２の軸心回りに回動自在な回動体９とが嵌
合され、回動体７がワイヤ１０を介して右側のサ
イドクラツチ（図示せず）に連結されるとともに
回動体９がワイヤ１１を介して左側のサイドクラ
ツチ（図示せず）に連結されている。前記回動体
４，６にはピン１２，１３が固定され、前記回動
体７，８，９にはピン１２，１３が係合する長穴
１４，１５，１６が形成されている。そして、シ
ヤフト１は切換レバー１７を支軸１８の軸心回り
に回動させることによつて軸心方向にスライド自
在であり、ハンドルターンを行なつた場合には、
第４図に示す状態からシヤフト１を回動体４，６
と一体的に矢印ａ方向にスライドさせ、ピン１２
を長穴１４に係合させるとともにピン１３を長穴
１６に係合させる。このようにして回動体４，
６，７，８，９同志の連結状態を切換えることに
より、ハンドルターンを行なつた後においても左
側に位置するサイドクラツチレバーを握れば左側
にサイドクラツチが切れる状態となり、サイドク
ラツチレバーの誤動作が防止される。

考案が解決しようとする問題点 まず、サイドクラツチレバーの取付位置を左右
交換するものにあつては、非常に手間がかかり面
倒である。

つぎに、第４図及び第５図に示すものにあつて
は、第５図に示すようにサイドクラツチレバーを
握ると回動体４がシヤフト１の軸心回りに矢印ｂ
方向に回動し、ピン１２と長穴１４との係合によ
り連結された回動体７はシヤフト２の軸心回りに
矢印ｃ方向に回動する。そして、これらの回動に
より回動体４から回動体７への操作力の作用点が
シヤフト２側に近付き、それにつれてサイドクラ
ツチレバーの操作には大きな操作力が必要とな
り、作業者にとつて負担となつている。

この考案は、このような点に鑑みなされたもの
で、ハンドルターンを行なつた場合においても左
側に位置するサイドクラツチレバーを操作すれば
左側のサイドクラツチが切れるようにサイドクラ
ツチ機構の切換えを行ない、しかもその切換えを
簡単に行ないうる移動農機のサイドクラツチ切換
装置を得ることを目的とする。

問題点を解決するための手段 移動農機の機体２０に二本のシヤフト１，２を
平行な軸心をもつて近接して設け、左右一対のサ
イドクラツチレバー２３，２３′に連結された複
数個の回動体２４，２５を一方のシヤフト１の軸
心回りに回動自在に嵌合し、左右一対のサイドク
ラツチに連結された複数個の回動体２８，３０，
３１を他方のシヤフト２の軸心回りに回動自在に
嵌合し、回動体２４，２５，２８，３０，３１に
ギヤ部２６，３２を形成し、ギヤ部２６，３２同
志を噛み合わせてサイドクラツチレバー２３，２
３′とサイドクラツチとを連結し、いずれか一方
のシヤフト１を嵌合した回動体２４，２５ととも
に軸心方向スライド自在及び任意位置固定自在に
設ける。

作 用 シヤフト１を軸心方向にスライドさせ、回動体
２４，２５，２８，３０，３１同志の連結状態を
切換えることにより、機体２０の前後方向にハン
ドルターンを行なつた場合でも常に左側に位置す
るサイドクラツチレバー２３と左側のサイドクラ
ツチ、及び右側に位置するサイドクラツチレバー
２３′と右側のサイドクラツチを連結状態として
サイドクラツチの誤操作を防止し、サイドクラツ
チレバー２３，２３′とサイドクラツチとの連結
状態の切換えをシヤフト１を軸心方向にスライド
させることによつて簡単に行ない、回動体２４，
２５，２８，３０，３１同志の連結をギヤ部２
６，３２を噛み合わせて行なうことにより一定の
操作力でサイドクラツチレバー２３，２３′の操
作を行なう。

実施例 この考案の一実施例を第１図ないし第３図に基
づいて説明する。なお、第４図及び第５図におい
て説明した部分と同一部分は同一符号で示し説明
も省略する。移動農機のミツシヨンケース１９の
上部には機体２０の前後方向にハンドルターン自
在にハンドル杆２１が設けられている。機体２０
の一部であるハンドル杆２１のメインハンドル部
２２には二本のシヤフト１，２が近接して平行に
設けられている。シヤフト１にはワイヤ３を介し
て左側にサイドクラツチレバー２３に連結された
回動体２４と、ワイヤ５を介して右側のサイドク
ラツチレバー２３′に連結された回動体２５とが
シヤフト１の軸心回りに回動自在に嵌合されてい
る。そして、各回動体２４，２５にはそれぞれギ
ヤ部２６が形成されている。前記シヤフト２には
筒体２７が軸心回りに回動自在に嵌合され、筒体
２７にはワイヤ１０を介して右側のサイドクラツ
チ（図示せず）に連結される回動体２８が固定さ
れている。また、前記筒体２７にはキー２９を介
して回動体３０が回り止めしつつ嵌合され、さら
に、二つの回動体２８，３０の間に位置してワイ
ヤ１１を介して左側のサイドクラツチ（図示せ
ず）に連結される回動体３１が筒体７の外周に回
動自在に嵌合されている。そして、これらの回動
体２８，３０，３１にもギヤ部３２が形成され、
第３図に示すようにハンドル杆２１を後方向きに
ハンドルターンさせた通常の作業状態にあつて
は、回動体２４のギヤ部２６と回動体３１のギヤ
部３２及び回動体２５のギヤ部２６と回動体３０
のギヤ部３２とが噛み合つている。

つぎに、前記シヤフト１は軸心方向（矢印ａ方
向）にスライド自在に設けられ、ガイド３３にス
プリング３４に付勢されつつ保持されたボール３
５がシヤフト１のガイド溝３６，３７に係合して
シヤフト１の位置固定が行なわれている。シヤフ
ト１の一端にはシヤフト１をスライド操作するた
めの切換レバー１７が支軸１８を支点として回動
自在に連結されている。

このような構成において、まず、第１図及び第
２図に示す状態から左側のサイドクラツチレバー
２３を握ると回動体２４がシヤフト１の軸心回り
に矢印ｄ方向に回動し、ギヤ部２６，３２の噛み
合いにより回動体３１がシヤフト２の軸心回りに
矢印ｅ方向に回動し、ワイヤ１１が引つ張られて
左側のサイドクラツチが切れる。同様に、右側の
サイドクラツチレバー２３′を握ると、回動体２
５のギヤ部２６と回動体３０のギヤ部３２との噛
み合いによつて回動体３０がシヤフト１の軸心回
りに矢印ｅ方向に回動し、回動体３１が回動体３
０と一体的に矢印ｅ方向に回動してワイヤ１０を
引つ張り、右側のサイドクラツチが切れる。ここ
で、回動体２４から回動体３１への操作力の伝達
はギヤ部２６，３２の噛み合いにより行なわれ、
したがつて、回動体２４，３１が回動した場合で
も操作力の作用点は一定であり、常に小さな操作
力でサイドクラツチレバー２３の操作を行なえ
る。サイドクラツチレバー２３′の操作について
も同様である。

つぎに、ハンドル杆２１を機体２０前方にハン
ドルターンさせた場合について説明する。切換レ
バー１７を回動操作してシヤフト１を軸心方向に
スライドさせ、ボール３５をガイド溝３７に係合
させる。このとき回動体２４，２５はシヤフト１
と一体的にスライドし、回動体２４のギヤ部２６
と回動体２８のギヤ部３２、回動体２５のギヤ部
２６と回動体３１のギヤ部３２とが噛み合う。こ
れによりサイドクラツチレバー２３，２３′とサ
イドクラツチとの連結状態が切れ換わり、左側の
サイドクラツチレバー２３を握るとワイヤ１０に
連結されたサイドクラツチが切れる。ワイヤ１０
に連結されたこのサイドクラツチは、機体２０前
方へのハンドルターンを行なつた後は作業者に対
して左側に位置するものとなつており、したがつ
て左側のサイドクラツチレバー２３を握ると左側
のサイドクラツチが切れることとなり、サイドク
ラツチの誤操作が防止される。そして、サイドク
ラツチレバー２３，２３′とサイドクラツチとの
連結状態の切換操作を切換レバー１７の回動操作
によつてきわめて簡単に行なえる。

考案の効果 この考案は、上述のように回動体が取付けられ
たシヤフトを軸心方向にスライドさせるという簡
単な操作によつてサイドクラツチレバーとサイド
クラツチとの連結状態の切換えを容易に行なうこ
とができ、したがつて、ハンドルターンを行なつ
た場合におけるサイドクラツチの誤操作を確実に
防止することができ、また、サイドクラツチレバ
ーからサイドクラツチへの操作力の伝達を回動体
のギヤ部同志を噛み合わせて行なつたことによ
り、回動体の回動に伴なう操作力の変動をなくす
ことができ、サイドクラツチレバーの操作を楽に
行なうことができる等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す水平断面
図、第２図はその縦断側面図、第３図は全体の側
面図、第４図は従来例を示す水平断面図、第５図
はその縦断側面図である。 １，２……シヤフト、２０……機体、２３，２
３′……サイドクラツチレバー、２４，２５……
回動体、２６……ギヤ部、２８，３０，３１……
回動体、３２……ギヤ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右一対のサイドクラツチと左右一対のサイド
   クラツチレバーとを有するとともに機体の前後方
   向にハンドルターンを行なえる移動農機におい
   て、前記機体に二本のシヤフトを近接して平行に
   設け、一方の前記サイドクラツチレバーに連結さ
   れた回動体と他方の前記サイドクラツチレバーに
   連結された回動体とを一方の前記シヤフトの軸心
   回りに回動自在に嵌合し、一方の前記サイドクラ
   ツチに連結された回動体と他方の前記サイドクラ
   ツチに連結された回動体とを他方の前記シヤフト
   の軸心回りに回動自在に嵌合し、これらの回動体
   にギヤ部を形成するとともにこれらのギヤ部同志
   を噛合わせて前記サイドクラツチレバーに連結さ
   れた前記回動体と前記サイドクラツチに連結され
   た前記回動体とを連結し、いずれか一方の前記シ
   ヤフトを軸心方向スライド自在及び任意位置固定
   自在に設け、前記回動体同志の連結状態を切換自
   在に設けたことを特徴とする移動農機のサイドク
   ラツチ切換装置。