JPS641794Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はVHFチユーナーに於けるシヤフト
に関し、特に複数の接点板を機械的に回転してチ
ヤンネルを変える様にした機械式VHFチユーナ
ーに於けるシヤフト構造の改良に関するものであ
る。

先ず機械式VHFチユーナーの構造につき第１
図を参照して説明する。同図は機械式VHFチユ
ーナーの構造図である。

同図において、チユーナーシヤフト１は前方よ
り局発微調整板２、ストツパー板３、局発周波数
切換接点板４、高周波出力部切換接点板５、高周
波入力部切換接点板６をこの順に支持し、前方部
で前面板７に、後方部でシヤーシ８に、また前記
高周波出力部切換接点板５と高周波入力部切換接
点板６の間でシールド板９にそれぞれ回転自在に
支承されている。シヤフト１の先端部にはプラス
チツク成形品から成る絶縁キヤツプ１０が圧入
し、このキヤツプ１０にチヤンネルダイヤル（図
示せず）が係合する。前記ストツパー板３はシヤ
フト１の回転を規制するためのもので、シヤフト
回転によるチヤンネル位置選択の操作性を良くす
るための周知のストツパー機構を内蔵し、シヤフ
ト１の回転操作に対し適度な反トルクを与える機
能を有している。１１は微調機構、１２は局発コ
イルボビン、また１３はアンテナ入力端子であ
る。

ところで、TV受像機、特にチユーナーの設計
に於いて留意すべきことに、アンテナ入力端子へ
の局発漏れ電圧の安全規格適用問題がある。即
ち、安全規格によつてアンテナ入力端子への局発
漏れ電圧が一定値以下になる様、設計上の配慮が
要求される。明白な様に、こうした要求は局発回
路部と高周波入力回路部との間に高周波電流を誘
導する回路網が形成されない様に設計することで
満たされる。第１図に示すチユーナー構造に於い
て、高周波入力部切換接点板６と高周波出力部切
換接点板５の間にシールド板９を介在させたの
は、この様な高周波電流の誘導を阻止する理由か
らであつて、通常の機械式チユーナーには必要な
手段である。

しかしながら、従来のシヤフトは、シヤフト回
転時に生じるねじれモーメントによつて変形、折
損が生じない様、全体を金属で形成していたた
め、このシヤフトを介して誘導された局発回路の
高周波電流が高周波入力部、アンテナ入力端子へ
流れ込み、結局、前述の様なシールド板９だけで
は誘導路しや断のための充分な手段となり得ず、
アンテナ入力端子への漏れ電圧を充分に下げるこ
とが出来なかつた。また、局発周波数は数百メガ
ヘルツにおよぶため、シヤフト表面が合成樹脂等
で直流的に絶縁されていてもこの漏れを防ぐこと
ができず、シヤフト全体を合成樹脂のみで成形す
るとすればチヤンネル操作に伴うねじりモーメン
トに耐えることができない欠点があつた。

この考案の目的は、簡単な構造で上記欠点を解
消することにあり、構成を要約すると、高周波入
力部切換接点板がねじれモーメントの最も小さい
シヤフトの最後方に支持される点に着目し、少く
ともシールド板より後部のシヤフト部をプラスチ
ツク成形品のみで構成したことを特徴とするもの
である。

以下この考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

第２図イ，ロ，ハはこの考案の第１の実施例で
あるシヤフトの左側面図、正面図、右側面図を示
している。

同図に於いて、絶縁キヤツプ１０はシヤフト本
体１ａの先端部に圧入されるプラスチツク成形品
で、圧入後イの箇所でカシメられる。第一の凹部
１ｂは前面板７に係合する部分で、この後方部に
はローレツト加工面が形成され、更に続いて局発
周波数切換接点板４を係合支持する第二の凹部１
ｃが形成される。なお、前記ローレツト加工面は
ストツパー板３や局発微調整板２を支持する箇所
である。

シヤフト前半部を構成する以上の部分は金属シ
ヤフトから成り、ストツパー板３によつて生ずる
大きなねじりモーメントに耐え得る強度を保有さ
せている。

この金属シヤフトから成る前半部に対し、シヤ
フト後半部は成形されたプラスチツクシヤフト１
ｄで構成されている。従つて、高周波出力部切換
接点板５、および高周波入力部切換接点板６はこ
のプラスチツクシヤフト１ｄで支持され、両切換
接点板５，６の間に介在するシールド板９に於い
てはこのプラスチツクシヤフト１ｄが支承され
る。この様に、切換接点板５，６の支持部をプラ
スチツクシヤフトにすれば、シヤフト全体の長さ
が短くなるためシヤフトからの幅射が減少し、ま
た金属シヤフトが前半部だけとなるので高周波入
力回路部への誘導も減少して、局発回路部からア
ンテナ入力端子１３への漏れ電圧を減らすことが
出来る。この場合、プラスチツクシヤフト１ｄで
支持する部分は、反トルクの小さい高周波出力部
切換接点板５と高周波入力部切換接点板６だけで
あるので、金属シヤフトとプラスチツクシヤフト
１ｄの係合部１ｅ、およびプラスチツクシヤフト
１ｄの径を、強度上問題のない形状、大きさに容
易に設計することが可能である。

以上の様に、シヤフト後半部を電気的に絶縁体
であるプラスチツク成形品で構成すれば、シヤフ
トに要求される一定の強度と、高周波入力回路部
への影響の除去とをともに充足させることが出来
る。

第３図イ，ロはこの考案の第２の実施例である
シヤフトの後半部の平面図、右側面図を示してい
る。

構成に於いて第１実施例と相違する部分は、プ
ラスチツクシヤフト１ｄ内に、金属シヤフトとの
係合部１ｅからシールド板９に到る部分迄他の金
属シヤフト１ｆを埋入したことである。この様に
することで、シールド板９より前方に作用する大
きなねじりモーメントに更に充分な対応をするこ
とが可能になり、シヤフト全体の強度が向上され
る。そしてこの場合であつても、高周波入力部切
換接点板６は全体がプラスチツクであるシヤフト
で支持されるから、高周波入力回路部への誘導が
防止される。

この様に、この考案は強度の特に必要でないシ
ヤフト後半部をプラスチツク成形品で構成したた
め、シヤフトの強度的な問題を出さずに、その後
半部によつて支持される高周波入力部切換接点板
への誘導、即ちアンテナ入力端子での局発回路部
からの漏れ電圧の発生を防止することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の前提である機械式VHFチ
ユーナーの構造図である。また、第２図イ，ロ，
ハはこの考案の第１の実施例であるチユーナーシ
ヤフトの左側面図、平面図、右側面図を示し、第
３図イ，ロは第２の実施例であるチユーナーシヤ
フト後半部の平面図、右側面図を示している。 １ｄ……プラスチツクシヤフト、４……局発周
波数切換接点板、５……高周波出力部切換接点
板、６……高周波入力部切換接点板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 局発周波数切換接点板、高周波出力部切換接点
   板、シールド板、高周波入力部切換接点板を前方
   よりこの順に支持するチユーナーシヤフトにおい
   て、 少なくとも前記シールド板より後方のシヤフト
   部をプラスチツク成形品のみで構成したことを特
   徴とするチユーナーシヤフト。