JPS6410355B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はたとえば銀行業務において、自動取
引機に差し込まれたカードのエンボス符号をレシ
ート用紙にインプリントするようなインプリント
装置に関している。

上述例のようにレシート用紙にカードのエンボ
ス符号をインプリントする場合は、カードをレシ
ート用紙の下面側位置に送り込んでインプリント
しなければならないが、この送り込み時にカード
の先端縁とレシート用紙の側縁とが接当すると、
レシート用紙を破損させることになる。

従来この種のインプリント装置は、レシート用
紙のインプリント位置の下面にカードを送り込む
カード載置台が設けられ、このカード載置台には
レシート用紙を破損させないガイド部が形成さ
れ、カードは上述のカード載置台に一旦乗せて、
このカード載置台を移動させて、カードをシート
用紙の下面に送り込んでいた。

しかしこのようにカード載置台を用いるとき
は、このカード載置台に対するカードの受渡し機
構およびカード載置台の移送機構などが複雑とな
る欠点を有していた。

またインプリント用紙にインプリントする際、
通常はインプリント装置の構成上インプリント用
紙にカードを直交させてインプリントしている
が、インプリント用紙の印字欄によつてはインプ
リント用紙の搬送方向と同方向にインプリントす
る必要がある。

この場合従来は、読み取りの終つたカードを回
転移動台上にのせ、それを移動台に押えつけた状
態で用紙の下面に送り込み、さらに回転させて所
定のインプリント位置に送る構成を有するもの、
または読み取りの終つたカードを斜めに取付けら
れた搬送ローラで徐々に搬送しながら回転させて
所定のインプルト位置にもつて行くものがある
が、これらはいずれも広いスペースを要し、また
構造が複雑となるものが多かつた。

そこでこの発明は上述のレシート用紙のような
インプリント用紙に対して、その下面にカードを
確実に送り込むことができると共に簡単な構成で
カードを用紙の送り方向と同方向に方向転換させ
ることができるインプリント装置の提供を目的と
する。

そしてこの発明によれば、カードがインプリン
ト用紙側に送り込まれると、カードガイド板のカ
ード接触部がカードと接して持上げられるため、
この持上げによつてカードガイド板の遊端がイン
プリント用紙を上方に持上げることになり、これ
によつてカードをインプリント用紙に接当させる
ことなくインプリント用紙の下面に確実に送り込
むことができる。

しかもカードガイド板によつてカードを案内す
ると同時に駆動ローラおよび対向ローラでカード
を駆動搬送してインプリント位置に送り込む構成
のため、カード載置台に要していたカードの受渡
し機構や移送機構が不要となり、構造が簡単化し
て装置全体が小型化できる。

さらに点接触と面接触との組合せによつてカー
ドを支持するところの球面ローラと一対の対向ロ
ーラに回転機構を設けるのみで、カードは両ロー
ラ間で上下に挾持されて回転機構の作動に基づき
カードは用紙の送り方向と同方向に直ちに方向転
換して所定のインプリント位置にセツトされる。
このようにカードと用紙との搬送方向が異方向で
あつても球面ローラと一対の対向ローラに回転機
構を設けるという簡単な構成で容易に対処でき
る。

このような特徴を有するこの発明の一実施例を
以下図面に基づいて詳述する。

図面は現金自動取引機に使用されるインプリン
ト装置を示し、第１図はレシート用紙１の搬送方
向に対し、カード２が直交してレシート用紙１の
下面に送り込まれる状態を示し、さらに詳しくは
第２図および第３図に示すごとく、インプリント
台３の上面にインプリントローラ４が対設され、
この間にレシート用紙１が通過するように設けら
れている。

そして、このカードを送り込む方向に平行して
カードガイド板９とカードを読み取る磁気ヘツド
１２とがインプリント位置前に並設されると共
に、球面ローラ８と一対の回転機構３１を備えた
対向ローラ１０とが対設されている。

上述のカードガイド板９は、カード送り込み側
のカード搬送方向に平行して立設した固定板５
に、カード長さより短い長尺板の前端部をこの固
定板５に突設したピン６で枢着し、さらに長尺板
の側面前後位置にカード２を搬送案内するための
カード接触部となる前ローラ７と用紙を持上げる
役目と後述する対向ローラとでカードを挾持する
役目をする球面ローラ８とが設けられている。

そしてこのカードガイド板９の前ローラ７下方
に相対向して接当する駆動ローラ１３を固定板５
に軸支して設けると共に、球面ローラ８下方に相
対向して接当する対向ローラ１０を回転機構３１
を介して固定基板３２に支持して設ける。そし
て、上述のカードガイド板９の前端位置とその直
上位置の固定板５間をバネ１１で連結してピン６
を支点にこのカードガイド板９を下方に付勢して
設ける。

また上述のカードガイド板９の取付け位置は、
後端位置の球面ローラ８がレシート用紙１の下面
側に若干量差し込まれる位置に設定してピン６で
枢着する。これはカードガイド板９の球面ローラ
８がカードの介入によつて持上げられると同時に
レシート用紙１も上方に押し上げる役目をするた
めである。

またカードガイド板９をカード長さより短かく
設けるのは、カードガイド板９間でカード２が通
過中にカードガイド板９の持上りが中断されない
ようにするためであり、これにより紙詰り等の心
配がなく、カード２の先端縁を確実にレシート用
紙１の下面に差し込むことができる。

上述の磁気ヘツド１２は、後端にこの磁気ヘツ
ド１２を有するヘツドホルダ１４の先端部を固定
板５に突設した支点ピン１５で枢着して設け、こ
の磁気ヘツド１２は上述の駆動ローラ１３と対向
させ、ヘツドホルダ１４の前端位置とその直上位
置の固定板５間をバネ１１で連結して支点ピン１
５を支点にこのヘツドホルダ１４を下方に付勢し
ている。

さらにこの磁気ヘツド１２はカード２の読み取
り完了直後にカード２がインプリント位置にセツ
トされるように磁気ヘツド１２はインプリント位
置直前に設置すると共にカード２の搬送工程短縮
化に基づく装置の小型化のためにカードガイド板
９と並設している。

上述の対向ローラ１０は、球面ローラ８と対向
位置にあり、回転機構３１によつて支持されてい
る。すなわち、この回転機構３１は固定基板３２
に立設した基軸３３の上部小径軸に、内孔をもつ
回動軸３４が嵌められ、この回動軸３４に支持杆
３５を介してベルト駆動モータ３６が支持される
と共に、上述の対向ローラ１０を軸支するローラ
ホルダ３７が支持され、この対向ローラ１０とベ
ルト駆動モータ３６に直結された駆動プーリ３８
間にベルト３９がかけ渡されて対向ローラ１０を
回転駆動するように設けている。

そして、対向ローラ１０をある設定角度間往復
回動するようにする。すなわちカードと用紙の異
なつた送り方向角度間往復回動するための正逆転
モータ４０を固定基板３２に設置し、この正逆転
モータ４０に接続した駆動ギヤー４１と回動軸３
４に軸着した扇形ギヤー４２とを噛合させ、この
正逆転モータ４０の起動に基づいて回動軸３４を
上述の設定角度に回動するように設けている。

これにより回動軸３４の回動に伴い対向ローラ
１０も一体に同角度回動し、この対向ローラ１０
と球面ローラ８間に送られてきたカード２はこの
両ローラ間で挾持されて対向ローラ１０の回動す
る方向に方向転換される。

なお、４３，４４はカードの回動角度を設定す
るためのマイクロスイツチで、第４図に示すよう
に、扇形ギヤー４２の回動に連動してON，OFF
操作するものを示した。また２０はカードの読み
取り終了検知センサーで、磁気ヘツドでの読み取
り終了を検知して球面ローラ８と対向ローラ１０
部での最適なカード挾持位置を決める役目をす
る。

１６はカード返却系の振分けレバーでカードの
受入れ時はレバーは水平状態を保ち、インプリン
ト後のカード逆送時はレバーは起立してカード２
を下方のカード回収ボツクス１７に導びくように
している。１８はカードに形成されたエンボス符
号、１９はインプリント台３の端部に設けられた
カードのストツパ、２１はヘツドホルダのストツ
パ、２２はカードの挿入口、２３，２３は搬送ロ
ーラ、２４は案内板、２５はレシート用紙控え用
の巻取りローラ、２６はガイドローラ、２７，２
７は顧客側に放出される放出搬送系のレシート用
紙のガイドローラ、２８はそのレシート用紙のカ
ツタである。

このように構成されたインプリント装置は、通
常カードガイド板９およびヘツドホルダ１４の付
勢により、駆動ローラ１３上には前ローラ７と磁
気ヘツド１２が対向し、対向ローラ１０上には球
面ローラ８が対向して密接した状態にあり、この
インプリント部の前段にカード２が送られてカー
ドガイド板９の前ローラ７および磁気ヘツド１２
と駆動ローラ１３間にこのカード２の先端縁が差
し込まれると同時にカードガイド板９はピン６を
支点に上方へ押し上げられる。このとき前ローラ
７と駆動ローラ１３間はカード厚さのみ持上げら
れるが、球面ローラ８と対向ローラ１０間はピン
部を支点として持上げられるため、想像線で示す
ように球面ローラ８部はピン６を支点とするテコ
の原理によりカードガイド板９の長さだけ前ロー
ラ７部よりも大きく持上げられる。このため球面
ローラ８の持上り分だけレシート用紙１の側縁は
上方に持上げられる。

またこのときカードガイド板９でカード２が案
内搬送されると同時に磁気ヘツド１２によりカー
ドの読み取りが行なわれ、カードの読み取りが完
了し、カード２が前ローラ７および磁気ヘツド１
２と駆動ローラ１３間を通過すると同時に球面ロ
ーラ８が降下して対向ローラ１０間とで直ちにカ
ード２を挾持する。そしてこのカードの挾持状態
では既にカードは用紙の下面に十分送り込まれて
おり、カード２は読み取り終了検知センサ２０の
検知信号に基づいてベルト駆動モータ３６の回転
が停止し、これに伴い対向ローラ１０の回転も止
まり、カード２は球面ローラ８と対向ローラ１０
とで挾持された状態で停止する。ついで正逆転モ
ータ４０が起動して対向ローラ１０をカードの送
り方向から用紙の送り方向に90゜回動させる。こ
の対向ローラ１０の回動と同時に両ローラ８，１
０で上下に挾持されたカード２も同様に用紙の送
り方向に90゜回動し、このカードが回動した回動
停止位置がインプリントすべき用紙と同方向の所
定のインプリント位置となる。

またこのカードを回動させる際、カードは上面
が球面ローラ８で支持されているため、カード２
と球面ローラ８間は摩擦抵抗がきわめて少ない点
接触状態にある。したがつてカードの下面と密着
状態にある対向ローラ１０の回動によりカード２
は対向ローラ１０と一体に回動する。

そしてカード２はレシート用紙１の下面に位置
してインプリントローラ４により押圧されてレシ
ート用紙１にカード２のエンボス符号が印字され
る。

ついでインプリント完了後は正逆転モータ４０
の逆転駆動に基づいて対向ローラ１０は元のカー
ド搬送方向の位置に戻り、同様にカード２もカー
ド搬送方向に回動し、ベルト駆動モータ３６の逆
転駆動によりカード２は再びカードガイド板９お
よびヘツドホルダ１４と対向ローラ１０および駆
動ローラ１３間に案内されて逆送され、カード反
却系に振分けレバー１６、カード回収ボツクス１
７を経て放出位置へと移送される。これと同時に
印字された２枚重ねのレシート用紙は、一方は巻
取りローラ２５により巻取られ、他方は放出搬送
系によりカツタ２８で切断されて、印字されたレ
シート片が上述の反却系のカードと共に本体の放
出位置へと移送される。またインプリント位置に
供給される２枚重ねのレシート用紙１もレシート
搬送手段により一定長さ搬送され、次回のインプ
リントに備えられる。

なお、参考までに従来のカード載置台の移送機
構２９とその移送機構の駆動装置３０を想像線で
示した。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の一実施例を示し、第１図はイ
ンプリント装置の平面図、第２図はインプリント
装置の側面図、第３図はインプリント装置の正面
図、第４図は第３図のＡ―Ａ線上を断面して示す
平面図である。 １……レシート用紙、２……カード、６……ピ
ン、８……球面ローラ、９……カードガイド板、
１０……対向ローラ、１２……磁気ヘツド、１３
……駆動ローラ、１８……エンボス符号。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ インプリント用紙の下面にエンボス符号を備
   えたカードを送り込んでインプリントを行なうイ
   ンプリント装置であつて、 前記用紙のカード送り込み側にカード長さより
   短いカードガイド板を位置させて、このカードガ
   イド板の用紙側の端部を用紙の下面側に若干量差
   し込む状態で他端側をピンで枢着し、 このカードガイド板の前記ピンと用紙との間位
   置に、用紙下面に送り込まれるカードによつて持
   上げられるカード接触部を形成し、この接触部に
   対向させてカードを送るための駆動ローラを設
   け、前記カードガイド板の用紙側の端部に球面ロ
   ーラを付設し、用紙の送り方向とこれに送り込ま
   れるカードの送り方向との角度間を回転させる回
   転機構を備えた対向ローラを前記球面ローラに対
   設したことを特徴とするインプリント装置。