JPS6410317B2 - - Google Patents

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JPS6410317B2
JPS6410317B2 JP11688081A JP11688081A JPS6410317B2 JP S6410317 B2 JPS6410317 B2 JP S6410317B2 JP 11688081 A JP11688081 A JP 11688081A JP 11688081 A JP11688081 A JP 11688081A JP S6410317 B2 JPS6410317 B2 JP S6410317B2
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baf
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JP11688081A
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JPS5816793A (ja
Inventor
Tadamichi Sakai
Kyoshi Asami
Hiroshi Saida
Yukinobu Matsushita
Osamu Tanaka
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Publication of JPS5816793A publication Critical patent/JPS5816793A/ja
Publication of JPS6410317B2 publication Critical patent/JPS6410317B2/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K35/00Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting
    • B23K35/22Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting characterised by the composition or nature of the material
    • B23K35/24Selection of soldering or welding materials proper
    • B23K35/30Selection of soldering or welding materials proper with the principal constituent melting at less than 1550 degrees C
    • B23K35/3053Fe as the principal constituent
    • B23K35/308Fe as the principal constituent with Cr as next major constituent
    • B23K35/3086Fe as the principal constituent with Cr as next major constituent containing Ni or Mn

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Arc Welding In General (AREA)
  • Nonmetallic Welding Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は低合金鋼の肉盛溶接方法に関し、殊に
高温高圧水素を取扱う溶器等の内面に形成される
ステンレス系肉盛溶接金属と母材低合金鋼との界
面に発生する割れ(以下剥離と称する)を防止す
る方法に関し、詳細には、母材の成分組成を規定
すると共に、第1層目の肉盛溶接金属の成分組成
を、フラツクス組成との関係を考慮しつつ適正に
調整することにより、使用中の水素侵入に起因す
る剥離を防止した肉盛溶接方法に関するものであ
る。 石油精製工業における脱硫や水添分解或いは石
炭液化反応等には高温高圧の水素が使用される
が、これらの反応装置としては耐熱性及び耐水素
侵食性等の観点からCr―Mo系等の低合金鋼が使
用され、且つ内面には腐食防止の為にステンレス
鋼等の肉盛溶接層を形成するのが通例である。こ
の種の母材低合金鋼と肉盛ステンレス鋼の境界に
は約20〜100μmに亘つて遷移領域が存在し、この
部分では成分組成が母材組成から肉盛金属組成に
かけて連続的に変化している。但し炭素は炭化物
となつてこの領域に析出し、該遷移領域内に濃度
のピークを有している。 ところでこの容器に高温高圧の水素を収容して
運転を行なうと水素が容器素材中へ拡散侵入し、
この水素は運転停止後も容器素材中に残つて鋼材
を脆化させ、特に上記遷移領域での割れを発生さ
せることがある。この割れ(即ち剥離)を起こす
要因としては、主に遷移領域における成分組成
が水素脆化感受性の高いものであること、オー
ステナイトとフエライトの熱膨張係数の差異に起
因する内部応力や歪の発生、の2点が考えられる
が、いずれにしても水素が存在しない限り剥離は
起こらない。 本発明者等は上記の様な事情に着目し、低合金
鋼母材と肉盛金属の剥離をなくすべく、その発生
原因を明確にすると共にその防止手段を確立すべ
く研究を進めてきた。その結果、剥離は前記遷移
領域内に存在する結晶粒界に沿つて発生する粒界
破壊であること、そしてこの粒界にP及びSが偏
析して粒界脆化を促進し、Siもこの脆化を促進し
ていることを知つた。また剥離感受性は遷移領域
内の結晶粒径によつても影響され、結晶粒径が大
きい場合は粒界面積が減少する為に脆化促進元素
であるP,S,Siの粒界への偏析が増大し、剥離
感受性が高まる。そこで遷移領域内の結晶粒径を
支配する因子について研究を進めたところ、肉盛
溶接時に使用するフラツクス組成が大きな影響を
及ぼしていることをつきとめた。即ちCaO,
BaO,MgO等の塩基性成分やCaF2,BaF2
MgF2等のふつ化物を多量含有するフラツクスを
使用すると、アーク温度が高くなつたり、或いは
スラグの導電性が良好となり抵抗発熱量が増大し
て溶融池の温度が上昇し、溶接金属の冷却速度が
低下して結晶粒径が大きくなる。また塩基性フラ
ツクスでは、溶融金属の清浄度が高まり凝固時点
の結晶核生成量が少なくなる為、結晶粒径は大き
くなる。 本発明者等は上記の様な知見を基に、肉盛溶接
金属の剥離を防止すべく、母材の成分組成、肉盛
溶接用フラツクスの成分組成及び遷移領域の成分
組成等に影響を与える第1層目の肉盛溶接金属組
成を主体として総合的な研究を進めてきた。本発
明はかかる研究の結果完成されたものであつて、
その構成は、低合金鋼に対してステンレス鋼の肉
盛溶接を行うに当り、C:0.2%以下、Si:1.0%
以下、Mn:1.0%以下、Ni:1.0%以下、Cr:3.5
%以下、Mo:2.0%以下、Al:0.1%以下を含有
し、残部がFe及び不可避不純物よりなる低合金
鋼の表面にSiO2:2〜34%、Al2O3:11〜50%、
CaO:2〜34%、CaF2:3〜60%を必須成分と
して含有する他に選択成分としてBaO,MgO,
BaF2,MgF2及びTiO2を含有することのできる
フラツクスを散布して、C≦0.004%Si≦0.6%、
Mo≦3%、Mn≦6.3%、Ni:9〜23%、Cr:19
〜26%を含有するオーステナイト系ステンレス鋼
製フープを用いてサブマージアーク溶接又はエレ
クトロスラグ溶接によつて肉盛溶接を行い、1層
目の溶接金属が、C:0.1%以下、Si:1.0%以下、
Mn:7.0%以下、Ni:7〜30%、Cr:16〜30%、
Mo:3.0%以下を含有し、或いはこれらと共に
Nb:Cの8倍以上1.0%以下を含有し、残部がFe
不可避不純物からなり、且つSi,P,S及びO
が、下記(),()式を満足する様に調整する
ところに要旨が存在する。 〔Si+50P+25S〕≦≦〔2.4×SiO2Al2O3+0.7×TiO2/C
aO+BaO+MgO+0.4(CaF2+BaF2+MgF2)〕…() 0.5≦〔Si+〔O〕+SiO2+Al2O3+0.7×TiO2/CaO+
BaO+MgO+0.4(CaF2+BaF2+MgF2)〕≦3.5…() 〔但しSi,P,S及びOは第1層目の溶接金属
中の重量%、 またSiO2,Al2O3,TiO2,CaO,BaO,MgO,
CaF2,BaF2及びMgF2はフラツクス中の酸化物
及びふつ化物全量に対するモル%、〕 前述の如く肉盛溶接金属の剥離に及ぼす因子と
しては、母材と肉盛溶接金属の前記遷移領域にお
ける粒界上のP,S及びSiの偏析、及び該領域の
結晶粒径等が挙げられる。そこでこれらに影響す
ると考えられる因子のうち、母材低合金鋼の成分
組成、散布フラツクスの成分組成及び第1層目の
溶接金属組成について総合的な研究を行なつた。
そして後記実験例にその一例を示す如く多数の実
験を行ないそのデータを整理したところ、肉盛金
属の剥離を防止する為には、第1層目の肉盛金属
中に含まれるSi,P,Sの量と使用するフラツク
ス組成(殊に酸化物とふつ化物)との相互関係を
適正に調整する必要があり、両者の関係が前記
()式を満足する様なものに調整すべきことが
分かつた。 但し仮に肉盛金属中のP,Si,Sの含有率を低
下させても、例えば母材Cr―Mo系低合金鋼のP
含有率が高いと、母材から遷移領域への固体拡散
によつて割れ感受性が高まる為、両金属中のP,
Si,Sの含有率の高い方の値が割れ発生の有無を
決定する。従つて母材の選定にも十分な考慮を払
う必要がある。一方肉盛金属中のSi含有率は、溶
接作業性を考慮すると必ずしも低く抑えることは
好ましくないが、実験の結果、肉盛溶接金属中の
酸素量とフラツクス組成との関係でSi含有率の下
限値を設定すれば、割れ感受性と溶接作業性の両
者を満足し得ることが明らかになつた。即ち塩基
性成分及びふつ化物を多量含有するフラツクスを
使用し、且つ溶接金属中のSi及びO量が少ない場
合には、溶接ビードのなじみが悪く融合不良等の
欠陥が多発し、この融合不良は肉盛溶接金属の剥
離を助長する。そこで割れ感受性と溶接作業性の
両者を満足すべく、溶接金属中のSi及びO含有率
並びにフラツクス組成について詳細に研究を行な
つたところ、前記()式の条件を満足する様に
各成分の含有率を規定することによつて上記の目
的を達成し得るという結論に達した。尚()式
において上限値を3.5に設定した理由は次の通り
である。即ちSiは前述の如く粒界脆化元素である
ので極力少なく抑える必要があり、またO含有率
が高すぎ、或いは酸性成分量の多いフラツクスを
使用すると、良好なビードが形成され難くなると
共に、溶接金属中の非金属介在物が多くなつて機
械的性質や耐食性が乏しくなるからである。 この様に、()式及び()式を同時に満足
する様に溶接金属中のSi,P,S,O量及びフラ
ツクス組成を特定することによつて、剥離を生じ
ることのない建全な肉盛金属を得ることができ
る。尚これら(),()式の要件を定めた理由
は、後記実験例で更に明確にされる通りである。 本発明では上記の要件に加えて母材低合金鋼及
び溶接金属の成分組成を厳密に規定しているが、
その理由は次の通りである。 まず第1層目の溶接金属について説明する。 Cは、ステンレス系溶接金属の耐食性を高める
うえで少ない方が好ましく、肉盛溶接時における
母材からの溶込み量を考慮して0.1%を上限とし
た。Si及びMnは溶接材料の脱酸剤として利用さ
れるが、多すぎると機械的性質及び耐食性が低下
すると共に溶接性も低下する傾向があるので、Si
は1.0%、Mnは7.0%を夫々上限に定めた。 Ni及びCrは溶接金属の耐食性を高める為の基
本成分であり、オーステナイト鋼では通常Niが
約7%以上、Crが約16%以上夫々含まれている
が、多すぎると溶接時の高温割れや熱処理に伴う
脆化等の問題が生じるので、適正範囲としてNi
は7〜30%、Crは16〜30%を夫々定めた。 Moは高温強度を高める作用があるが、多すぎ
るとシグマ相が析出し耐食性及び耐衝撃性を阻害
するので、3%以下に抑えなければならない。 NbはC量が少ないものでは必須とされないが、
C量が比較的多い場合は強力は炭化物生成元素と
して重要な機能を発揮し、溶接金属中のCを固定
して粒界腐食を防止する。Cを完全に固定する為
にはC量の8倍以上を含有させなければならない
が、多すぎるとシグマ相が析出し耐食性及び耐衝
撃性が低下するので1.0%以下に止めねばならな
い。 次に母材について説明する。 Cは焼入性と強度を確保するのに不可欠の成分
であるが、多すぎると靭性及び溶接性が劣化し、
更には耐水素侵食性が乏しくなるので0.2%以下
にする必要がある。Siは引張強さを高めるが、多
すぎると靭性及び耐水素侵食性が低下するので
1.0%を上限とした。 Mnは強度を高める作用があるが、多すぎると
焼戻し脆化を促進させるので上限を1.0%とした。
Niは焼入性を高めるが、多すぎると溶接性が悪
化するので1.0%以下に抑えるべきである。Cr及
びMoは耐水素侵食性や耐酸化性及び高温強度を
高める作用があるが、多すぎると溶接性が悪化す
るので上限を夫々3.5%及び2%と定めた。Alは
脱酸剤として利用されるが、多すぎると靭性を劣
化させるので0.1%以下とする。 尚本発明において使用されるフラツクスは、ス
ラグ生成剤或はアーク安定剤としての常用成分た
るSiO2,Al2O3,CO及びCaF2を必須成分として
含有する他に、やはり汎用成分として使用されて
いるBaO,MgO,BaF2及びTiO2を選択成分と
して含有することのできるものを使用する。但し
これらの選択成分は全く含有されないものであつ
てもよい。 上記必須成分の含有量は次の通りである。 SiO2:2〜34% 34%を超える含有量ではスラグの塩基度が下が
り溶接金属の酸素量が上昇する。2%未満の含有
量では、スラグの粘性が低下しビード形状が乱れ
る。 Al2O3:11〜50% 50%を超える含量では、スラグの粘性が大とな
りすぎてスラグの巻き込みを生じ易い。11%未満
の含有量ではスラグの粘性が低下してビード形状
が乱れる。 CaO:2〜34%,CaF2:3〜60% 上記範囲を超える含有量では、いずれもアーク
が不安定となる。上記範囲未満の含有量ではいず
れも溶接金属の酸素量が増大する。また範囲の含
有量であれば溶接金属の結晶粒径を過度に増大さ
せることががない。 次に溶接金属の合金成分はフープ及びフラツク
スのいずれからでも添加可能である。しかしなが
らフラツクスから添加する場合は偏析が生じ易
い。この為本発明では専らフープから添加するこ
ととしたものであつて、母材の合金成分含有量や
酸化ロス等を勘案した結果、所望の組成の溶接金
属を得る為には、後述の実施例で明らかにする様
にフープ中の含有量を C≦0.004%、Si≦0.6%、 Mo≦3%、Mn≦6.3%、 Ni:9〜23%、Cr:19〜26% とすることが必要であり、又Nbを添加する場合
はNb≦1.2%であればよいとの結論に達した。 また溶接方法は公知のサブマージアーク溶接又
はエレクトロスラグ溶接を用いることができる。
尚上記した成分の限定理由を一層明確にする為、
実験例を挙げて詳細に説明する。 厚さ50mmのCr―Mo系低合金鋼よりなる母材上
に、オーステナイト系ステンレス鋼製フープ(厚
さ0.4mm、幅75mm)を用いて肉盛溶接を行なう。
尚使用したフラツクスの組成(モル分率)は第1
表に、母材の化学成分は第2表に夫々示す。また
使用したフープ及び得られた溶接金属の化学成分
を第3表(a)〜(e)に示す。 得られた各肉盛溶接鋼について、実機を模擬し
た条件で水素による剥離抵抗性を求める為、計算
及び実験により本出願人自身が開発した下記の方
法で水素剥離試験を行なつた。即ち第1図はこの
試験法を略示する一部破断見取り図で、立方体の
鋼塊1,1に2つのねじ孔2を直交方向に穿設す
る。一方上記で得た各肉盛溶接鋼を第2図に示す
如く円柱状に打抜き、上部外周に雄ねじ3を形成
して供試片4とする(図中Aは母材、Bは肉盛溶
接金属を示す)。得られた各供試片4を、第1図
に示す如く肉盛溶接金属が対向する様に前記ねじ
孔2に螺合すると共に、図示した様に被試験体2
組を管5で接続し、且つ該管5を分岐させて水素
ボンベ(図示せず)を接続する。被試験体の中央
部の空間6に水素ガスを圧入した後、これを炉内
に装入して加熱し、温度450℃、水素圧150気圧に
維持した状態で約50時間保持する。この苛酷条件
での実験により水素が肉盛溶接金属中に侵入し、
実機の定常運転時における水素の侵入状況及び分
布状況をほぼ正確に模擬することができる。次に
試験体を炉から取り出し、約1時間で室温まで冷
却する。尚冷却速度は、十分量の水素が肉盛溶接
金属中に残される様、計算及び分析実験によつて
定めた。この様にして室温まで冷却し放置する
と、耐剥離性の悪い肉盛溶接金属の場合は十〜数
十時間の潜伏期間の後剥離が発生する。従つて耐
剥離性の検出は、冷却後48時間放置した後超音波
探傷試験によつて行なつた。 結果を第3表(a)〜(e)に示す。
【表】
【表】
【表】 ○〓剥離発生なし、×〓剥離あり
【表】
【表】
【表】
【表】 上記の実験で得た結果を、各フラツクス組成毎
にSiと(P+1/2S)の関係として整理すると第 3〜6図の関係が得られる。これらの図から明ら
かな様に、(Si+50P+25S)が各フラツクスの組
成によつて決定されるある一定の値を越えると剥
離が発生し、それ以下では発生せず、これらの傾
向は極めて明確である。また第7図は、(Si+
50P+25S)とフラツクス組成の関係として整理
したグラフであるが、(Si+50P+25S)の値が、
フラツクス組成(特に酸化物及びふつ化物の含有
率:モル%)の関数として定まる値: 2.4×SiO2+Al2O3+0.7×TiO2/CaO+BaO+MgO+
0.4(CaF2+BaF2+MgF2) を越えると剥離が発生しており、この条件が剥離
の有無を決定する重要な要素となつていることが
明白である。即ち第8表における実施例1〜22は
上記の要件を満足する例であり、溶接性はもとよ
り耐剥離性もすべて良好であるが、上記の要件か
ら外れる比較例23〜48の場合は、何れも耐剥離性
が乏しく本発明の目的を達成できない。また比較
例49〜53は前記()式の要件から外れた場合、
即ち Si(%)+5×O(%)+SiO2+Al2O3+0.7×Ti
O2/CaO+BaO+MgO+0.4(CaF2+BaF2+MgF2) の値が0.5〜3.5の範囲を外れる比較例であり、こ
の場合は溶接作業性が悪く、良好なビード形状が
得られなかつたり融合不良が多発する為に健全な
肉盛溶接部を得ることができず、耐剥離性以前の
問題である。 これらの結果からも明らかな様に、健全な肉盛
溶接部を確保すると共に肉盛金属の剥離を防止す
る為には、前記()式及び()式の要件を同
時に満足させることが不可欠である。 本発明は概略以上の様に構成されており、肉盛
溶接金属の耐剥離性を阻害するSi,P及びSの許
容限界を、使用するフラツクス組成との関連で適
正に規定することによつて、耐剥離性の優れた健
全な肉盛溶接部が得られることになつた。前述の
如く肉盛溶接金属中のSi,P及びS量を極低レベ
ルに抑えることによつて耐剥離性を改善すること
は、実験室規模であれば十分可能である。しかし
その為には母材及び溶接材料を原料段階で厳選し
且つ溶製法を工夫しなければならず、製造コスト
が激増する為に工業規模での実現性は極めて少な
い。これに対し本発明では、前述の如く耐剥離性
阻害元素の許容限界をフラツクス組成との関連で
規定する方法であり、工業的規模での実用性は極
めて大きい。その結果、この技術を高温高圧水素
を取り扱う圧力容器等に適用することにより、肉
盛溶接金属層の剥離に起因する事故を未然に防止
し得ることになつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実験で使用した耐剥離性試験装置を
示す一部切除概略見取り図、第2図は供試片を示
す見取り図、第3〜6図は溶接金属中のSi及び
(P+1/2S)と耐割れ性の関係をフラツクス組成 毎に示したグラフ、第7図は、耐割れ性に及ぼす
溶接金属中の{Si+50P+25S)とフラツクス組
成の関数との関係を示すグラフである。 1…鋼塊、2…ねじ孔、3…雄ねじ、4…供試
片、A…母材、B…肉盛溶接金属。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 低合金鋼に対してステンレス鋼の肉盛溶接を
    行うに当り、C:0.2%(重量%:以下同じ)以
    下、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、Ni:1.0%
    以下、Cr:3.5%以下、Mo:2.0%以下、Al:0.1
    %以下を含有し、残部がFe及び不可避不純物よ
    りなる低合金鋼の表面にSiO2:2〜34%、
    Al2O3:11〜50%、CaO:2〜34%、CaF2:3〜
    60%を必須成分として含有する他に選択成分とし
    てBaO,MgO,BaF2,MgF2及びTiO2を含有す
    ることのできるフラツクスを散布して、C≦0.%
    004%、Si≦0.6%、Mo≦3%、Mn≦6.3%、
    Ni:9〜23%、Cr:19〜26%を含有するオース
    テナイト系ステンレス鋼製フープを用いて、サブ
    マージアーク溶接又はエレクトロスラグ溶接によ
    つて肉盛溶接を行ない、1層目の溶接金属が、
    C:0.1%以下、Si:1.0%以下、Mn:7.0%以下、
    Ni:7〜30%、Cr:16〜30%、Mo:3.0%以下
    を含有し、残部Fe及び不可避不純物からなり、
    且つSi,P,S,及びOが下記式を満足する様に
    調整することを特徴とする低合金鋼の肉盛溶接方
    法。 [Si+50P+25S]≦[2.4×SiO2+Al2O3+0.7×TiO2
    /CaO+BaO+MgO+0.4(CaF2+BaF2+MgF2)] 0.5≦[Si+5[0]+SiO2+Al2O3+0.7×TiO2/CaO
    +BaO+MgO+0.4(CaF2+BaF2+MgF2)]≦3.5 〔但しSi,P,S及びOは第1層目の溶接金属
    中の重量% またSiO2,Al2O3,TiO2,CaO,BaO,MgO,
    CaF2,BaF2及びMgF2はフラツクス中の酸化物
    及びふつ化物全量に対するモル%〕 2 低合金鋼に対してステンレス鋼の肉盛溶接を
    行うに当り、C:0.2%以下、Si:1.0%以下、
    Mn:1.0%以下、Ni:1.0%以下、Cr:3.5%以
    下、Mo:2.0%以下、及びAl:0.1%以下を含有
    し、残部がFe及び不可避不純物よりなる低合金
    鋼の表面に、SiO2:2〜34%、Al2O3:11〜50
    %、CaO:2〜34%、CaF2:3〜60%を必須成
    分として含有する他に選択成分としてBaO,
    MgO,BaF2,MgF2及びTiO2を含有することの
    できるフラツクスを散布して、C≦0.004%、Si
    ≦0.6%、Mo≦3%、Mn≦6.3%、Ni:9〜23
    %、Cr:19〜26%、Nb≦1.2%を含有するオース
    テナイト系ステンレス鋼製フープを用いて、サブ
    マージアーク溶接又はエレクトロスラグ溶接によ
    つて肉盛溶接を行ない、1層目の溶接金属が、
    C:01%以下、Si:1.0%以下、Mn:7.0%以下、
    Ni:7〜30%、Cr:16〜30%、Mo:3.0%以下、
    Nb:Cの8倍以上1.0%以下を含有し、残部Fe及
    び不可避不純物からなり、且つSi,P,S及びO
    が下記式を満足する様に調整することを特徴とす
    る低合金鋼の肉盛溶接方法。 [Si+50P+25S]≦[2.4×SiO2+Al2O3+0.7×TiO2
    /CaO+BaO+MgO+0.4(CaF2+BaF2+MgF2〕 0.5≦[Si+5[0]+SiO2+Al2O3+0.7×TiO2/CaO
    +BaO+MgO+0.4(CaF2+BaF2+MgF2)]≦3.5 〔但しSi,P,S及びOは第1層目の溶接金属
    中の重量% またSiO2,Al2O3,TiO2,CaO,BaO,MgO,
    CaF2,BaF2及びMgF2はフラツクス中の酸化物
    及びふつ化物全量に対するモル%〕
JP11688081A 1981-07-24 1981-07-24 低合金鋼の肉盛溶接方法 Granted JPS5816793A (ja)

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JP11688081A JPS5816793A (ja) 1981-07-24 1981-07-24 低合金鋼の肉盛溶接方法

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