JPS63960Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は門扉に関し、特に自立安定性を高めた
自立安定伸縮門扉に関する。

（背景技術） 従来、上下２段にＸ字状リンクを開閉方向に多
数連結連続させて、これに縦桟を配した伸縮門扉
は実開昭51−99946号公報により知られている。
その構造は、前後桟部を有する縦桟と単一桟部よ
りなる補助縦桟とを交互に配設し、縦桟にはＸ字
状リンク端を、補助縦桟にはＸ字状リンクの交点
を夫々枢着し、且つ、これを上下２段に設けてな
るものであつた。しかし、この構造によるとき
は、上下２段ともＸ字状リンクの交点が補助縦桟
に位置し、且つこの補助縦桟は単一桟であるた
め、特に、この部分において捩れ易く、自立安定
性が得られない欠点があり、このため円滑な伸縮
が行われず、開閉が容易でない欠点を避け得なか
つた。

（考案の目的） 本考案は、従来のこの種伸縮門扉の欠点に鑑み
てなされたもので、その自立安定性を飛躍的に高
めるとともに、開閉を容易にした伸縮門扉を提供
することを目的とする。

（考案の構成） 本考案は、かかる目的に則して鋭意研究をした
結果なされたもので、特に、全ての縦桟を夫々前
後桟部を備え且つ上端を連結した倒コ字状の縦長
枠状に形成したこと及び上下２段のＸ字状リンク
の位相を1/2幅づつ変えたことを含むものであつ
て、即ち本考案は、リンク交点を第１固定枢軸に
より固定し、リンク端を第２固定枢軸及び可動枢
軸により連結して上下２段のＸ字状リンクを開閉
方向に多数連結連続せしめ、これら各リンク交点
及び各リンク端に各縦桟を配設してなる伸縮門扉
において、これら全ての縦桟を夫々前後の桟部を
備え、且つ上端を連結した倒コ字状の縦長枠状に
形成し、上記連続リンクを全縦桟の倒コ字状枠内
に連通状に設置せしめ、各縦桟の上下において、
夫々Ｘ字状連続リンクの第１及び第２固定枢軸を
枢着固定し、可動枢軸を上下動自在に枢着せしめ
るとともにこれら第１固定枢軸と、可動枢軸及び
第２固定枢軸とが任意の縦桟とその隣接縦桟間で
交互に上下に位置するように上下２段のＸ字状連
続リンクの位相を夫々1/2幅変換せしめ、且つ伸
縮方向端部に位置する縦桟の一方を固定縦桟、他
方を戸当り縦桟としてなることを特徴とする自立
安定伸縮門扉を要旨とするものである。

以下図面に従つて、実施例を説明すれば、１は
本考案に係る伸縮門扉で、この伸縮門扉１は多数
の縦桟２…と開閉方向に多数連結連続したＸ字状
連続リンク３とにより構成されてなる。

各縦桟２は、夫々前後の桟部４，４を備え、且
つ、その上端を連結部５により連結した倒コ字状
の縦長枠状に、本例においては、アルミニウム合
金により構成されている。即ち、前後の各桟部４
は夫々内側中央に開口溝６を設けた略Ｃ字状の形
状としたものが用いられ、これらを上端で連結し
てなる。

一方、Ｘ字状連続リンク３は、夫々デザインを
良好とするために波形の形状を呈するようにした
同じくアルミニウム合金製の前後の斜桟７，７を
長手方向中央部におけるリンク交点で第１固定枢
軸８により枢着し、一方リンク端においては、隣
接リンク端とともに第２固定枢軸９、可動枢軸１
０とで枢着して上下２段において夫々開閉方向に
多数連結連続してなる。

そして、上記上下の連続リンク３は全ての縦桟
２の倒コ字状枠内に連通状に設置せしめ、各縦桟
２…において、夫々連続リンク３のステンレス製
の第１固定枢軸８、第２固定枢軸９を枢着固定
し、且つ同じくステンレス製の可動枢軸１０を上
下動自在に枢着せしめている。即ち、各縦桟２の
倒コ字状枠内に連続リンク３は納められ、全縦桟
２を横断するように、即ち連通状に配置されてい
る。そして、このとき、連続リンク３の枢軸は、
第１固定枢軸８においては縦桟２の前後の桟部
４，４の貫通孔１１に架設状にナツト１２固定さ
れ、また、第２固定枢軸９も同様に枢着固定され
てなる。なお、これら固定枢軸８，９は縦桟２の
開口溝６部分では合成樹脂製の間隔規制部材１３
…を介してこれに嵌合し、桟部４，４の貫通孔１
１に至つている。

一方、可動枢軸１０は、同じく合成樹脂製間隔
規制部材１３…を介して、上記開口溝６内を上下
動自在に嵌合せしめて枢着されてなる。

このように各縦桟２…には、第１、第２固定枢
軸８，９及び可動枢軸１０が枢着固定又は上下動
自在に枢着されるが、この際、上下２段の連続リ
ンク３，３はその枢軸８，９，１０が任意の縦桟
２とその隣接縦桟２間で交互に上下に位置するよ
うにその位相を夫々1/2幅変換してある。即ち、
リンク交点の第１固定枢軸８が任意の縦桟２にお
いて上位に、リンク端の第２固定枢軸９と可動枢
軸１０とが下位にあつた場合、左右の隣接縦桟２
においては、これを逆に、下位と上位に夫々位置
せしめてなる。この位相の上下変更により、いず
れの縦桟２においても、リンク交点又はリンク端
が同一縦桟２の上下に一致して配置されることは
ない。

そして、この状態の縦桟２…のうち、伸縮方向
端部に位置する一方の縦桟は固定縦桟１４とさ
れ、他方の縦桟は戸当り縦桟１５とされ、且つ、
中間の縦桟は中間縦桟１６とされ、後２者の縦桟
１５，１６には必要に応じて車輪１７が固定さ
れ、これにより、突出レール１８上を走行可能と
されてなる。

本実施例は以上の如くに構成したが、本考案
は、その要旨に反しない限り各具体的構成、材
質、形状を任意に変更することができ、もとより
上記実施例に限られるものではない。

（考案の効果） 本考案は以上のように、固定縦桟、戸当り縦桟
を含めた全ての縦桟を夫々前後の桟部を備え且つ
上端を連結した倒コ字状の縦長枠状に形成し、単
一桟を一切用いることがないので、全ての縦桟が
それ自体剛性を保有する上、全縦桟の倒コ字状の
枠内に上下の連続リンクを連通状に設置して、各
縦桟において夫々第１、第２固定枢軸を枢着固定
し、可動枢軸を上下動自在に枢着したので、結局
各縦桟はその上下において夫々固定枢軸で固定さ
れ、その剛性が更に高まる。そして、第１固定枢
軸と、可動枢軸及び第２固定枢軸とが任意の縦桟
とその隣接縦桟間で交互に上下に位置するように
上下２段のＸ字状連続リンクの位相を夫々1/2幅
変換せしめたので、任意の縦桟において、リンク
交点又はリンク端が集中することはあり得ず、枠
状の縦桟と相俟つて、その伸縮門扉としての自立
安定性は格段に高まり、従つて、開閉時にいずれ
かの縦桟に開閉力が集中したりすることなく、そ
の開閉は極めて円滑化される。

本考案はこのようにその実用的効果の大きい考
案である。

【図面の簡単な説明】

図面は実施例を示すもので、第１図は本考案に
係る伸縮門扉の正面図、第２図は第１図−線
における側面図、第３図、第４図は同じく−
線、−線の断面図。 １……伸縮門扉、２……縦桟、３……Ｘ字状連
続リンク、４……桟部、５……連結部、８……第
１固定枢軸、９……第２固定枢軸、１０……可動
枢軸、１４……固定縦桟、１５……戸当り縦桟。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リンク交点を第１固定枢軸により固定し、リン
   ク端を第２固定枢軸及び可動枢軸により連結して
   上下２段のＸ字状リンクを開閉方向に多数連結連
   続せしめ、これら各リンク交点及び各リンク端に
   各縦桟を配設してなる伸縮門扉において、これら
   全ての縦桟を夫々前後に桟部を備え且つ上端を連
   結した倒コ字状の縦長枠状に形成し、上記連続リ
   ンクを全縦桟の倒コ字状枠内に連通状に設置せし
   め、各縦桟において、夫々Ｘ字状連続リンクの第
   １及び第２固定枢軸を枢着固定し、可動枢軸を上
   下動自在に枢着せしめるとともにこれら第１固定
   枢軸と、可動枢軸及び第２固定枢軸とが任意の縦
   桟とその隣接縦桟間で交互に上下に位置するよう
   に上下２段のＸ字状連続リンクの位相を夫々1/2
   幅変換せしめ且つ、伸縮方向端部に位置する縦桟
   の一方を固定縦桟、他方を戸当り縦桟としてなる
   ことを特徴とする自立安定伸縮門扉。