JPS639424Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、木材を鉋により切削する場合に、
木材が動かないよう保持しておく木材支持用具に
関するものである。

建築現場や木材加工所等で木材を鉋により切削
する場合に、従来は角材等の上に釘を打つたり、
或いは小さな木片を打ち付け、これに木材を当
て、上記角材上で同木材が動かないよう保持して
いた。ところが、こうした支持手段の場合は、切
削中に木材が動きやすく、作業性が極めて悪い、
殊に比較的薄い木材の側面を切削する場合は、木
材が極めて不安定で、切削作業が困難である。

この考案は、従来の木材支持手段におけるこの
ような問題点を解消すべくなされたものであつ
て、どのような木材であつても、簡単にしかも確
実に保持できるようにし、もつて鉋による切削作
業の作業性の向上を図つたものである。以下、こ
の考案の構成を図示の一実施例に基づき、詳細に
説明する。

この考案による支持用具は、角材１に締め付け
て固定できるようにした四角形の一対のクランパ
２，３が用いられる。このクランパ２，３は、２
つのＬ字形の金具４と５をヒンジ６において互い
に枢着すると共に、一方の金具４の先端に設けた
ヒンジ７において、外側（上方）へ湾曲した連結
片８の一端を枢着している。さらに、この連結片
８の他端をジヨイント９によつて他方の金具の先
端に着脱自在に連結することにより、第１図の連
結状態においてほぼ四角形を呈するよう連結され
る。

ジヨイント９は、支軸１１によつて一方の金具
５に取り付けられたスナツプリンク１０と、これ
に取り付けられた環状の連結リンク１２とからな
るトグルジヨイントで、角材１にこのクランパ
２，３を嵌め込んだ状態で、連結片８の先端から
突設した突起１３に連結リンク１２を掛け、スナ
ツプリンク１０を第４図において下方へ押し下げ
ることによつて連結片８の先端がヒンジ６を支点
として強く押し下げられる。また逆に、上記スナ
ツプリンク１０を押し上げ、連結リンク１２を突
起１３から外すことによつて、連結片８と金具５
を第４図において二点鎖線で示すように展開し、
クラツパ２，３を角材１から外すことができる。

連結片８には、クランパ２と３において互いに
対向するよう突起１４，１４，１５，１５が突設
されていると共に、同片８からクランパ２，３の
内側（下方）へ向けて突起１６，１６，１７，１
７が突設されている。そして互いに対向した上記
突起１４，１４，１５，１５の内、少なくとも一
方の突起１４，１４は、ばね１８の弾力によつて
連結片８から突没自在なるよう取り付けられてい
る。

この点の構成を図示の実施例によりさらに具体
的に説明すると、一方のクランパ２側の連結片８
では、２個所においてその両側から下方へ突起１
６，１６が突設され、これら突起１６，１６間に
先端が突起１４となつた尖鋭な棒１９が摺動自在
に支持されている。そして第３図に示す通り、こ
の棒１９と、その基端側（第３図に置いて左側）
を支持する突起１４との間には、圧縮ばね１８が
係装されており、従つて棒１９は同ばね１８の弾
力に抗して押し込められ、この力を開放すること
によつて復帰するようになつている。他方、クラ
ンパ３側の突起１５，１５は、連結片８の２個所
から突設された三角形のもので、図示の場合は、
連結片８の両側からそれぞれ反対側へ突設されて
いる。

一方、金具４側には万力２０が設けられてい
る。この万力２０は、金具４に熔接等の手段で固
定されたコの字形のブロツク２１の一端側に、ね
じ対偶をなすようスクリユーシヤフト２２をねじ
込み、同シヤフト２２の一端に回転腕２４を設
け、他端側に円形の押え金具２３を回転自在に取
り付けたせのである。従つて上記スクリユーシヤ
フト２２の回転によつて、ブロツク２１と押え金
具２３との間に木材ｂを挟んで固定することがで
きる。

この考案による支持用具を用いて木材を保持す
るには、先ず図示のように角材１に適当な距離を
置いて一対のクランパ２，３を固定する。即ち、
角材１にクランパ２，３を嵌め込んだ後、連結リ
ンク１２を突起１３に掛け、この状態でスナツプ
リンク１０を押しさげる。そうすると、クランパ
２，３によつて角材１が強く締め付けられると同
時に、突起１６，１６，１７，１７が角材１に突
き刺さる。また、この場合、連結片８が外側に湾
曲しているため、その弾力がクランパ２，３の締
め付け力を弾性的に吸収するよう作用する。この
ため、同クランパ２，３が角材１に完全に固定さ
れる。

クランパ２，３を固定する間隔は、保持する木
材ａの長さに合わせて設定する。この場合、一方
のクランパ２を適当な位置に固定した後、他方の
クランパ３を木材ａの長さに合わせて、角材１に
沿つて移動させながら位置を調整した後、固定す
ることにより、木材ａの長さに合わせて容易にそ
の位置を設定することができる。こうしてクラン
パ２，３を固定した後、これらの突起１４，１４
と１５，１５との間に木材ａを挟んで固定する。
この場合、先ず木材ａの一端側に突起１４，１４
を当て、これをばね１８の弾力に抗して押し込ま
せた後、同木材ａの他端を他方の突起に当てて、
上記ばね１８を押す力を開放することによつて、
木材ａを簡単に突起１４，１４と１５，１５の間
に挟むことができる。突起１４，１４と１５，１
５の間に挟まれた木材は、動かないように固定さ
れることから、角材１の上に完全に固定され、鉋
によつて安定して切削することができるようにな
る。

また、図示の実施態様では、金具４に万力２０
が設けられていることから、これによつて木材ｂ
を固定することもできる。特にこの万力２０の場
合は、比較的薄い木材ｂの側面等を切削するのに
好適である。

以上説明した通り、この考案によれば、簡単な
操作によつて木材を安定して保持することができ
るので、鉋による木材切削に際して、その作業性
の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例を示す斜視図、
第２図は、同使用状態の平面図、第３図は、同縦
断側面図、第４図は、同正面図である。 １……角材、２，３……クランパ、４，５……
金具、８……連結片、９……ジヨイント、１４，
１５……突起、１８……ばね、２０……万力、
ａ，ｂ……木材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ Ｌ字形の金具を互いに枢着し、一方の金具の
   先端に外側へ湾曲した連結片の一端を枢着する
   と共に、連結片の他端をジヨイントを介して他
   方の金具の先端に着脱自在に連結することによ
   り、四角形のクランパを構成し、角材を締め付
   けにようにして同角材に固定できるようにした
   一対のクランパにおいて、上記連結片の一辺か
   ら互いに対向させて突起を突設し、これら突起
   の少なくとも一方をばねの弾力によつて突没自
   在なるよう取り付け、これら突起の間に木材を
   挟んで固定するようにしたことを鉋作業用木材
   支持用具。 ２ 一方の金具に万力を取り付けた実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の鉋作業用木材支持用
   具。