JPS639168A - 電歪式変位素子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は電歪式変位素子の改良に関する。

〔従来の技術〕

電圧を印加した時に機械的歪を発生する電歪材料におい
て、電界に平行な方向の発生歪は縦効果と呼ばれ、電界
と垂直な方向の発生歪は横効果と呼ばれる。これら電歪
効果を利用する微小変位を発生する素子は、駆動電力が
少なく、電磁雑音を発生せず、また小型、軽量化が計れ
るなどの特長を持っている。特に縦効果を利用した電歪
式変位素子は積層型と呼ばれ、高速応答性に優れている
ことや１発生力が大きいことなどの特長を合せ持ってお
り、バルブ開閉器、精密位置決め機構、プリンタヘッド
などへの応用が試みられている。

一般に電歪材料から構成される電歪式変位素子において
は、印加される電界が大きくなる程、発生歪および発生
力共に大きくなり有利であるが、材料の絶縁耐圧の他、
内部電極と反対極性の外部電極間での絶縁不良が起こり
、高電界を印加することは困難である。従って、信頼性
および耐久性向上のためには安定して電界を印加できる
ことが望まれる。

第２図（Ａ）は例えば特開昭５８−１９６０６９号に示
された従来の積層型の電歪式変位素子を示す断面図、（
Ｂ）はその一部の分解斜視図である。図において。

電歪材料の磁器薄板（１）と内部電極（２）とが交互に
積層されている。そして内部電極（２）の一端は１層お
きに同一極性になるように、外部電極（３）に接続され
ている。外部電極（３）はリード線（４）を介して駆動
電源（５）に結線されている。

このような電歪式変位素子では電歪磁器の厚さは数十μ
ｍ〜数百μ■であるため、グリーンシート成形法を応用
した製造方法により製造される。第３図はグリーンシー
ト成形法を利用した積層型の電歪式変位素子の製造方法
の一例を示す系統図、第４図（Ａ）、　（Ｂ）はその一
部の工程を示す断面図である。

図において、仮焼された電歪磁器粉末（ＰＺＴ粉末）を
可塑剤、分散剤、有機結合剤および溶剤と混合して泥漿
を得る。この泥漿をドクターブレード法などによって、
フィルム上に引き延ばすシート成形により、磁器の生シ
ートであるグリーンシート（６）を得る。乾燥後第４図
（Ａ）に示すように、ｐｔ等の貴金属を内部電極（２）
として印刷により塗布する。内部電極（２）は電歪磁器
のグリーンシート（６）の表面の一部分すなわち電極欠
除部（７）を除いた全面に塗布される。

電極欠除部（７）は、内部電極（２）およびこれと反対
の極性を持つ外部電極（３）とを絶縁する目的を持つ。

内部電極（２）が印刷されたグリーンシート（６）は所
定の寸法に切断されて積層され、加熱圧着によって第４
図（Ｂ）のように一体化される。

１０００℃以上の温度で焼結され、磁器薄板（１）が形
成される。そして側面に外部電極（３）を形成して内部
電極（２）に接続し、リード！（４）を取付け、電歪式
変位索子を得る６ 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかるに上記のような従来の電歪式変位素子においては
、磁器薄板（１）の内部電極（２）が形成されていない
電極欠除部（７）に対応する部分は、内部電極（２）の
厚さに相当する分だけ薄くなっている。

このためグリーンシート（６）を加熱圧着する際に。

グリーンシート（６）同志が十分に圧着されず、空隙（
８）が残存する場合がある。また厚さの違いから圧着時
に圧力が不均一となり、圧着が不十分になる。これらは
焼結によっても空隙（８）や焼結が不十分な状眉が残こ
り、素子中の欠陥となる。

電歪式変位素子は電圧印加によって、大きな歪が発生す
るが、かかる空隙（８）や圧着不十分な部分が存在する
と、電歪式変位素子の機械的強度の低下をきたすととも
に、内部電極（２）およびその反対極の外部電極（３）
との絶縁不良を起こし、電歪式変位素子の寿命や信頼性
の低下につながるという問題点があった。

この発明はかかる問題点を解消するためになされたもの
で、電歪式変位素子の強度を高めるとともに、絶縁耐圧
を向上させ、高い電界まで安定して印加でき、これによ
り性能および信頼性に優れた電歪式変位素子を提供する
ことを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明の電歪式変位素子は、電歪磁器と内部電極とが
交互にｖＬ層された構造の電歪式変位素子において、上
記電歪磁器の表面の一部に形成された内部電極と、上記
電歪磁器上の表面の内部電極が形成されていない領域に
形成された電歪磁器からなる磁器充填部とを備えたもの
である。

〔作　用〕

この発明の電歪式変位素子においては、電歪磁器表面に
は全面にわたって内部電極および磁器充填部が形成され
ているため、積層される電歪磁器のグリーンシートを加
熱圧着する際に空隙は形成されないとともに、均一に圧
着される。このため一体焼結によって欠陥がなく１機械
的強度および絶縁耐圧の高い優れた電歪式変位素子が得
られる。

〔実施例〕

この発明の一実施例を図について説明する。第１図（Ａ
）〜（Ｃ）はこの発明の一実施例における製造工程の一
部を示す断面図であり、第２図ないし第４図と同一符号
は同一または相当部分を示す。第１図（Ｃ）は製造され
た電歪式変位素子の一部を示しており、（９）は電極欠
除部（７）に形成された磁器充填部である。

上記のように構成された電歪式変位素子は従来のものと
ほぼ同様に製造され、第１図（Ａ）に示すように、電歪
磁器のグリーンシート（６）上に内部電極（２）を形成
するとともに、（８）に示すように、電極欠除部（７）
に電歪磁器と同一組成の磁器からなる磁器充填部（９）
を形成し、従来と同様にして（Ｃ）に示すような構造の
積層型の電歪式変位素子を得る。

こうして製造された電歪式変位素子は（Ｃ）に示すよう
に、電歪磁器の表面の全域にわたって内部電極（２）お
よび磁器充填部（９）が形成されているため、加熱圧着
によっても空隙（８）は生じない。従って焼結後に欠陥
は発生せず１機械的強度や絶縁耐圧の高い優れた電歪式
変位素子が得られる。

また磁器充填部（９）が電歪磁器と同一組成のものであ
れば、全体が均一な一体成形品となり、機械的強度およ
び絶縁耐圧はさらに高くなる。

以下、この発明の製造例について述べる。

全磁器を仮焼した後に粉砕し、結合剤（ＰＶＢ）　、分
散剤、可塑剤および溶剤からなる有機溶媒中に混合させ
、泥漿を得た。そしてドクターブレード法により、厚さ
２００μｍのグリーンシート（６）を得た。

乾燥後所定の寸法に切断し、内部電極（２）としてＰＬ
ペーストをスクリーン印刷によって塗布した。

前述の電歪磁器を含む泥漿を電極欠除部（７）に同様に
スクリーン印刷によって塗布し、磁器充填部（９）を形
成した。グリーンシート１００枚を順次積層し、熱間プ
レスによって一体化させ、１２００℃Ｘ３Ｈで焼結した
。焼成後の内部電極（２）間距離は１３０μｌであった
。外部電極（３）を導電性樹脂で形成し。

リード線（４）を取付けて電歪式変位素子（本発明品）
を得た。比較のために、磁器充填部（９）が形成されて
いない従来型の電歪式変位素子（従来品）も作製した。

そしてそれぞれ５個ずつの電歪式変位素子を大気中で１
ｒｌｉ、流電圧を印加して、その絶縁耐圧を求めた。結
果を第１表に示す。

第　　１　　表 以上の結果より１本発明品の電歪式変位素子は絶縁耐圧
が高く、安定して高い電圧まで印加でき、信頼性も高い
ことがわかる。

次に、最大印加電圧２６０Ｖ、　５００Ｈｚ三角波を印
加して、無負荷状態で耐久試験を行った。本発明品の電
歪式変位素子と従来品の電歪式変位素子とでは、その発
生変位はそれぞれ１８μｍであり１両者に差はなかった
。従来品は約５Ｘ１０’回で破壊が起こった。破壊の多
くは電極欠除部での放電や機械的破壊であった。これに
対して本発明品の電歪式変位素子は１０″回以上でも破
壊に至らなかった。

〔発明の効果〕

以上述べてきたように、この発明は電歪式変位素子にお
いて、電極欠除部に電歪磁器からなる磁器充填部を設け
ることによって、変位素子内部の欠陥の生成を防ぎ、機
械的強度および絶縁耐圧を向上させ、信頼性の高い電歪
式変位素子を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図（Ａ）〜（Ｃ）はこの発明の一実施例におげろ電
歪式変位素子の製造工程の一部を示す断面図、第２図（
Ａ）は従来の電歪式変位素子を示す断面図、（Ｂ）はそ
の一部の分解斜視図、第３図は従来の製造方法を示す系
統図、第４図（Ａ）　、　（Ｂ）はその製造工程の一部
を示す断面図である。 各図中、同一符号は同一または相当部分を示し。 （１）は磁器薄板、（２）は内部電極、（３）は外部電
極、（６）はグリーンシート、（７）は電極欠除部、（
９）は磁器充填部である。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）電歪磁器と内部電極とが交互に積層された構造の
   電歪式変位素子において、上記電歪磁器の表面の一部に
   形成された内部電極と、上記電歪磁器上の表面の内部電
   極が形成されていない領域に形成された電歪磁器からな
   る磁器充填部とを備えたことを特徴とする電歪式変位素
   子。
2. （２）磁器充填部が支持面となる電歪磁器と同一組成の
   電歪磁器からなることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項記載の電歪式変位素子。