JPS638883Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は複数の光入力信号を複数の光伝送路へ
分配する光スターカプラの構成に関する。

光フアイバを伝送路とする光フアイバ通信方式
は、電磁誘導を受けず又高速信号伝送に適してい
るという特徴から、データ伝送分野で急速に実用
化されている。特に、ローカルエリアネツトワー
クの様な多数の端末機器から構成されるシステム
に於いては、スター状のネツトワークを光フアイ
バを用いて構成する場合も多い。この様なスター
状ネツトワークを構成するためには、ｎ個の光入
力をｍ個の光出力として分配するｎ：ｍスターカ
プラが必要となり、通常ｎ＝ｍ即ちｎ：ｎの光ス
ターカプラが使用される。

ｎ：ｎのスターカプラでは、入出力各々ｎ本の
光フアイバ間に、入力側ｎ本の光フアイバの内任
意の１本の光フアイバからの入力光信号をｎ本の
出力側光フアイバへ等配する事を目的として、ミ
キシングロツドを挿入したミキシングロツド形光
スターカプラ、あるいは、ｎ本の光フアイバの一
部を加熱融着し、細径化してミキシング領域を形
成したテーパ形光スターカプラなどが存するが、
これらのスターカプラでは光送信機から送信され
た光信号が光スターカプラを通つて自局の光受信
機に入力されてしまうコリシヨンの問題が生じ、
このコリジヨンを検出する為に光送受信機の回路
構成が複雑化して高価となる欠点があつた。

本考案は従来の上記事情に鑑みてなされたもの
であり、従つて本考案の目的は、ｎ：ｎのスター
カプラにおいて、入力側ｎ本の光フアイバの入力
信号をそれぞれｎ−１本の光フアイバへ出力させ
ることによつて、コリジヨンの問題を解決するこ
とができるｎ：ｎの新規な光スターカプラを提供
することにある。

上記目的を達成する為に、本考案に係る光スタ
ーカプラは、各ｎ本の入出力光フアイバと、光フ
アイバからの出射光を平行光に変換し平行ビーム
を光フアイバへ集光するそれぞれｎ個の集光レン
ズと、該集光レンズ間に配置されたｎ（ｎ−１）
個のミラーとを備えて構成され、前記ミラーが平
行ビームを空間的に１／（ｎ−１）に分割すると
共に、ｎ個の入力チヤンネルの内（ｎ−１）個の
チヤンネルを合成するために前記ミラーの反射部
分がそれぞれ異なつた空間に配置されている事を
特徴とする。

次に、本考案をその好ましい一実施例について
図面を参照しながら具体的に説明しよう。

第１図は光スターカプラを用いたスター型光伝
送方式の構成例であり、ｎ箇所に設置されたｎ個
の光送受信器１は１つのｎ対ｎ光スターカプラ２
と、2n本の光フアイバ３で接続されており、No.
１の光送受信器１からの光出力信号は、光スター
カプラ２によりｎ分割され他の光送受信器１へと
送られる。この時分割された光信号は、No.１の光
送受信器にも入力され、コリジヨンの問題が生じ
る。

第２図は従来のミキシングロツド形光スターカ
プラの構成例を示す図である。図における従来例
は、ｎ本の入力側光フアイバ３とミキシングロツ
ド４及びｎ本の出力側光フアイバ３′から構成さ
れており、入力側の任意の１本の光フアイバから
の入力光信号はミキシングロツド４によりビーム
径が拡大され、出力側光フアイバ３′により空間
的にｎ分割されて出力される。従つて、この形式
の光スターカプラでは自局の光出力信号が、自局
の光受信器へ入力される事は避けられない。

第３図は本考案による光スターカプラの一実施
例を示す構成図である。本実施例は４対４の場合
を例にしている。本光スターカプラの一実施例
は、入力側チヤンネルch１〜ch４の４本の光フ
アイバ３と、各光フアイバからの出射光を平行ビ
ームに変換するレンズ５と、マトリツクス状に入
力ch番号と出力ch番号が異なる位置に設置され
た12個のミラー６と、平行ビームを出力側チヤン
ネルch１′〜ch４′の光フアイバ３′へ集光するレ
ンズ５′とにより構成されている。

この光スターカプラの動作原理は、例えば、チ
ヤンネルch１からの出射光を考えればこの出射
光は、レンズ５により平行ビームに変換された後
に、出力側チヤンネルch１′，ch３′，ch４′に対
応した位置に置かれたミラー６により３分割され
る。ミラー６でビームを分割する方法には、振幅
分割と波面分割とが考えられるが、本考案では、
例えば出力側チヤンネルch２′を考えてみると、
チヤンネルch２′へは入力側チヤンネルch１，ch
３，ch４の信号光が出力される必要がある。チ
ヤンネルch１から分割された信号光はチヤンネ
ルch３，ch４の信号光を分割するミラーを通過
する必要があり、ミラーを波面分割式とすると、
チヤンネルch１，ch３，ch４の信号光レベルを
同等に出来る。

第４図は本考案による光スターカプラに使用さ
れる分割用ミラー６の配置の詳細を示す図であ
る。各ミラー６は入力チヤンネルch側から見た
場合に斜線で示す部分が反射膜（斜線部以外は約
100％透過）となつており、分割された信号光と
合成される異なつたチヤンネルchの信号光はそ
れぞれ異なつた空間を伝搬して合成出来る事がわ
かる。従つて出力側の各チヤンネルch′には、入
力側４チヤンネルchの内１つのチヤンネルchを
除く他のチヤンネルchの入力信号光が合成出力
される事になり、自局の出力信号光が自局の受信
器へ入力する事を防止出来る。

以上は４：４の光スターカプラの例であるが、
ｎ：ｎの場合にも同様にミラー６の反射膜をビー
ムを（ｎ−１）分割する様に構成すれば容易に実
現出来る事がわかる。

以上述べた如く、本考案による光スターカプラ
を用いる事によりｎ個の入力光信号をｎ個の出力
端子へ出力する際に各出力端子へ（ｎ−１）個の
光入力信号を取り出す事が可能となり、自局の光
送信出力が自局の光受信器に入力する事を防止出
来る事となる。従つて、本考案の光スターカプラ
を使用したスター形光伝送方式ではコリジヨンの
問題は本質的に発生せず、光送受信器構成も簡単
となり、廉価で小形に構成出来る効果が生ずる。

【図面の簡単な説明】

第１図はスター状光伝送システムの構成図、第
２図は従来の光スターカプラの構成図、第３図は
本考案による光スターカプラの一実施例を示す構
成図、第４図は本考案による光スターカプラのミ
ラー配置詳細図である。 １…光送受信器、２…光スターカプラ、３，
３′…光フアイバ、４…ミキシングロツド、５，
５′…集光レンズ、６…ミラー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 各ｎ本の入出力光フアイバと、光フアイバから
   の出射光を平行光に変換し平行ビームを光フアイ
   バへ集光するそれぞれｎ個の集光レンズと、該集
   光レンズ間に配置されたｎ（ｎ−１）個のミラー
   とを備えて構成される光スターカプラであつて、
   前記ミラーが平行ビームを空間的に１／（ｎ−
   １）に分割すると共に、ｎ個の入力チヤンネル内
   （ｎ−１）個のチヤンネルを合成するために前記
   ミラーの反射部分がそれぞれ異なつた空間に配置
   されている事を特徴としたｎ対ｎ光スターカプ
   ラ。