JPS6378062A - バイオセンサ用固定化酵素膜 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明はバイオセンサ用固定化酵素膜に関し、さらに
詳細にいえば、酵素反応により生成され、或は消失され
た物質を電気化学的に検知することにより被測定物質の
測定を行なうバイオセンサに使用される固定化酵素膜に
関する。

〈従来の技術〉 従来から、臨床分析化学、食品製造、酵素工業等の分野
において、体液組織、食品等に含有されるグルコース、
尿素、尿酸、トリグリセライド、コレステロール、リン
脂質、クレアチン、Ｌ−アミノ酸、乳酸、キサンチン、
コンドロイチン、トランスアミナーゼ等の微量成分を選
択性良く定ユする方法として酵素を用いる分析法が普及
している。

ところで、酵素を用いる分析法においては、■　特異性
が高く、 ■　温和な条件で測定することができ、■　特殊な試薬
を必要とせず、安全性が高く、■　感度が高い 等の特徴を自゛シている反面、 ■　使い捨てのため、高価な分析法であり、■　酵素を
含む試薬が不安定であり、 ■　分析操作が複雑である 等の欠点を存している。

このような酵素分析法の長所を生かし、短所を改善した
分析法として近年急速に研究が進んだものとして、固定
化酵素膜を用いて電気化学的に分析を行なう酵素電極法
がある。

酵素電極法においては、酵素電極と試料溶液とを接触さ
せることにより、固定化酵素膜の酵素と試料溶液中の基
質との反応によって生成、または消失される電気化学的
に検知可能な物質、例ええば、酸素、過酸化水素、アン
モニア、炭酸ガス、水素イオン、ＮＡＤＨ，ＮＡＤＰＨ
等を電極によりアンペロメトリック、またはポテンシオ
メトリックに検知し、試料溶液中に含まれる物質の未知
量を測定することができる。即ち、これらの電極に生じ
る電流、または起電力は試料中の測定物質の量に比例す
るため、予め作成した検量線から試料中の測定物質の定
量が可能となる。

上記酵素電極用固定化膜は、電極に装着した状態でその
使用に十分に耐えるだけの機械的強度を有している必要
があるとともに、酵素がその触媒作用を十分に発現する
ことができるように固定されていなければならない。つ
まり、活性中心のアミノ酸残基や、基質と特異的に結合
するアミノ酸残基が、物理的、または化学的に構造変化
することなく、これらのアミノ酸残基が、高次構造を保
持して十分にその触媒作用を発揮することができるよう
に効率よく膜面に結合されている必要がある。さらに、
固定化酵素膜の長時間の保存安定性が保証されなければ
ならない。

また、固定化酵素膜の膜機能としては、酵素反応で生成
され、または消費される電気化学的に検知可能な物質を
速かに透過させ、同時に血液等の試料中に含まれる、電
極反応に活発な干渉物質を透過゛させないことが、測定
精度を高めるために必要である。例えば、 ■　過酸化水素電極を用いる場合には、検知物質の過酸
化水素が酸化されるような電位で酸化電流を生じるアス
コルビン酸、尿酸、グルタチオン、ケトグルタル酸、メ
ルカプト酢酸、 ■　酸素電極を用いる場合には、酸素が還元される電位
で還元されるＦｅ３＋等の金属イオン、■　アンモニア
電極を用いる場合には、ｐｌ＋を変化させて起電力を変
化させるＫ　　、Ｈ。

ｃｏ３−１ｃ１−１ｃＮ−等のイオン は干渉物質であり、酵素電極法によるＡｌ１定の妨害と
なる。

上記各種の要求を満足させるべく、特公昭８１−８９４
２号公報に示すように、厚さ０．１〜３μｍの緻密層と
、厚さ２〜１０μｍの多孔質とからなる非対称膜構造の
一体的な膜を形成することにより、大きな機械的強度、
および大きな選択透過速度ををする選択透過性高分子膜
を製造し、その後、キトサンを０．１〜５．０重量％含
む水溶液に酵素を溶解させて得られる酵素溶液を、上記
選択透過性高分子膜の多孔質層面にナイフコータ等を用
いて均一に流延塗布し、水分率１５％以下になるよう乾
燥した後、キトサンを凝固させることにより、固定化酵
素膜を得る方法が提案されている。

そして、酵素を含むキトサン層の厚みとしては、酵素の
流出、活性の低下を防止するとともに、基質透過性の低
下、電極検知物質の選択透過性の低下を防止するために
、０．１〜３μｍ程度に設定されている。

〈発明が解決しようとする問題点〉 上記の構成のバイオセンサ用固定化酵素膜は、大きな選
択透過速度の確保、基質透過性の低下防止、電極検知物
質の選択透過性の低下防止等を考慮する必要がある関係
上、厚みを非常に薄くせざるを得ず、取扱いが困難であ
るとともに、膜全体としての強度も十分ではないという
問題がある。

また、一般的に、上記酵素を含むキトサン層の上に装着
される、セルロースナイトレート膜等からなる拡散制限
膜を定期的に交換する必要があるので、交換作業を行な
う毎にキトサン層中の酵素量が減少し、経時的に測定感
度が低下するという問題があるとともに、キトサン層の
厚みの制御、ひいてはキトサン層中における酵素量の制
御が困難であり、酵素量がばらつくことにより、酵素電
極からの出力がばらつき、センサ毎の特性補正作業が不
可欠になってしまうという問題がある。

〈発明の目的〉 この発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、
特性を安定化することができるとともに、取扱いを簡単
化することができるバイオセンサ用固定化酵素膜を提供
することを目的としている。

く問題点を解決するための手段〉 上記の目的を達成するための、この発明のバイオセンサ
用固定化酵素膜は、電極に対向する膜面が、酵素反応に
おいて生成され、或は消失される電気化学的に検知可能
な物質を選択的に透過させる高分子物質からなる膜面で
あり、被７１１１定物質に接する膜層が、支持体中に形
成された、酵素を含む親水性高分子の膜層である。

但し、上記親水性高分子としては、キトサンであっても
よい。

また、上記支持体としては、織布、または不織布であっ
てもよい。

く作用〉 以上の構成のバイオセンサ用固定化酵素膜であれば、電
極に対向する膜面が、酵素反応において生成され、或は
消失される電気化学的に検知可能な物質を選択的に透過
させる高分子物質からなる膜面であるとともに、被測定
物質に接する膜層が、支持体中に形成された、酵素を含
む親水性高分子の膜層であるから、被測定物質が支持体
中に侵入した状態において酵素を含む親水性高分子の膜
層に接することにより、酵素反応が行なわれ、電気化学
的に検知可能な物質が生成され、或は消失される。そし
て、酵素反応により生成され、或は消失された電気化学
的に検知可能な物質が高分子物質からなる膜面を通って
電極に到達し、電極において、被測定物質の量に対応す
る電気的信号を生成することができる。また、支持体中
に酵素を含む親水性高分子の膜層を形成するために必要
な親水性高分子の塗布量が支持体により規制されるので
、酵素を含む親水性高分子の膜層の厚みを自動的に設定
することができる。

また、上記親水性高分子が、キトサンである場合にも、
或は、上記支持体が、織布、または不織布である場合に
も、同様の作用を行なわせることができる。

〈実施例〉 以下、実施例を示す添付図面によって詳細に説明する。

第２図は固定化酵素膜を製造する途中工程を示す概略図
であり、アセチルセルロース等からなる過酸化水素選択
透過膜［１］の上にナイロンネット（２）を載置し、ナ
イロンネット（２）の網目空間に、キトサンを１．０重
量％含む水溶液に酵素を溶解させることにより得られた
酵素溶液（３）を侵入させている。

そして、ナイロンネット（ａの網目空間に侵入させられ
た酵素溶液（３］を乾燥させることにより、キトサンを
凝固させれば、ナイロンネット［ａの厚みよりも著しく
小さい厚みの、酵素を固定化したキトサン膜（４）を得
ることができる（第１図参照）。

そして、この場合において、上記ナイロンネット（２）
は、乾燥し、かつ凝固したキトサン膜（４）により過酸
化水素選択透過膜（１）に対する接着機能ををしており
、固定化酵素膜の一体化を確保している。

第３図は上記の構成の固定化酵素膜を使用してグルコー
ス濃度を測定する状態を示す概略図であり、過酸化水素
選択透過膜（１）が電極（５）に接するように固定化酵
素膜を取付け、さらに、ナイロンネット（２）に接する
ように、セルロースナイトレートなどからなる拡散制限
膜（６）を取付け、拡散制限膜（６）を試料溶液（７）
に接触させている。

この状態においては、拡散制限膜（６）を透過した物質
が、ナイロンネット（２）の網目空間に形成されたキト
サン膜（４）に接する。そして、キトサン膜（４）に含
まれる酵素の作用により、被測定物質の量に比例する過
酸化水素を発生させるので、発生した過酸化水素が過酸
化水素選択透過膜（１）を通して電極（Ｓの表面に接触
させられ、過酸化水素発生量に対応する電気信号が生成
させられる。

したがって、上記電極（５）から取出される電気信号に
基いて被測定物質の量を測定することができる。

以上の説明から明らかなように、ナイロンネット（２）
の網目空間の高さは一定であるから、この空間に充填さ
れた酵素溶液（３）を乾燥させ、キトサンを凝固させる
ことにより得られるキトサン膜（４）の厚み、即ち酵素
量を一定に保持することができ、製品のばらつきを防止
することができる。

また、ナイロンネット（２）により、拡散制限膜（６）
とキトサン膜（４）との間にも実質的に拡散層が形成さ
れるので、実際にキトサン膜（４）に到達するグルコー
ス濃度を減少させることができ、ダイナミックレンジを
拡大する（測定可能なグルコース濃度を増加させる）こ
とができる。

さらに、上記拡散ＩＩＩ限膜（６）には、試料溶液（７
）に含まれる巨大分子が付着することになるので、定期
的に交換する必要があるが、キトサン膜（４）がナイロ
ンネット（Ｊの厚みよりも非常に薄いのであるから、拡
散制限膜（６）を交換する場合にキトサン膜（４）に影
響を及ぼすことは全くなく、酵素口を当初の量に保持し
続けることができ、長期間にわたって安定な動作を行な
わせることができる。

尚、上記過酸化水素選択透過膜（１）の構成としては、
例えば、小さい厚みの緻密層と、大きい厚みの多孔質と
からなる非対称膜構造の一体的な膜とすることにより、
大きな機械的強度、および大きな選択透過速度を持たせ
たものを使用することが好ましく、この場合には、過酸
化水素選択透過膜（１）自体の強度と、ナイロンネット
（２）の強度との相乗効果により、固定化酵素膜全体と
しての機械的強度を著しく向上させることができる。

また、上記キトサンに代えて水溶性ポリビニルアルコー
ル等、親水性高分子を使用することが可能である。

さらに、上記ナイロンネット（２）に代えて、他の繊維
から構成される織布、或は不織布を支持体として使用す
ることが可能であり、この場合において、乾燥状態にお
いて上記親水性高分子が隙間等に入り込んだ状態となり
、支持体を強固に保持できるようにしであることが好ま
しい。

さらには、上記選択透過膜、酵素等についても、被測定
物質に対応させて適宜選択することが可能である。

〈発明の効果〉 以上のようにこの発明は、電極に対向する膜面が、酵素
反応において生成され、或は消失される電気化学的に検
知可能な物質を選択的に透過させる高分子物質からなる
膜面で構成されているとともに、被測定物質に接する膜
層が、支持体中に形成された、酵素を含む親水性高分子
の膜層で構成されているのであるから、固定化酵素膜全
体としての強度を著しく向上させ、取扱いを簡単化する
ことができるとともに、酵素を含む親水性高分子の膜層
の厚みの制御を簡単化して、特性のばらつきを防止する
ことができ、しかも、親水性高分子の膜層に含まれる酵
素の量を安定に保持することにより、経時的な特性の安
定化を達成することができるという特有の効果を奏する
。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の固定化酵素膜の一実施例を示す概略
図、 第２図は製造途中の状態を示す概略図、第３図は被測定
物質の測定動作状態を示す概略図。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、電極に対向する膜面が、酵素反応にお いて生成され、或は消失される電気化学 的に検知可能な物質を選択的に透過させ る高分子物質からなる膜面であり、被測 定物質に接する膜層が、支持体中に形成 された、酵素を含む親水性高分子の膜層 であることを特徴とするバイオセンサ用 固定化酵素膜。 ２、親水性高分子がキトサンである上記特 許請求の範囲第１項記載のバイオセンサ 用固定化酵素膜。 ３、支持体が織布、または不織布である上 記特許請求の範囲第１項記載のバイオセ ンサ用固定化酵素膜。