JPS6373B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、例えば全体が金属で一体に形成され
ているような鋏でなく、刃体と鋏本体が別体のも
のである鋏であり、刃体が鋏身の刃体装着部にお
いてその刃体の両面からはさまれて固定されてい
る鋏、すなわち刃体の片面が全面的に露出しない
鋏に関する。

次に本発明の構成を実施例として示す図面に従
つて説明する。

実施例は替刃式の鋏に関するものであり、切れ
味の落ちた替刃の代わりに新しい替刃を装着でき
る構造となつている。符号１は刃体であつて長手
方向に屈曲部２を設けることにより上縁３を含む
刃体面に対し刃縁４が偏倚している。断面が円弧
状のリブ５は、鋏の挟着板６，７間に刃体を挿入
する際にそれを円滑に行うためのものである。

外側の挟着板７，７は鋏本体と一体に形成され
ており、内側の挟着板６，６は別体に形成された
板状のものである。両挟着板６，７はそれぞれの
側部にある接着面８，９で接着されている。両挟
着板６，７の間にはスライダー１０が摺動可能に
嵌挿されており、その指当て部１１は両挟着板の
結合部分に設けられているスリツトから外部に突
き出している。スライダー１０は挟着されている
刃体を少し前方に押出し、そのあとで挟着板の前
方に突きでた刃体を引き抜くときに用いられる。
スライダー１０の摺動は、挟着板内面に設けられ
た突条１２とスライダーの凹部１３との遊嵌状態
によつてその移動距離が規制される。断面が円弧
状の条溝１４は前述したごとく刃体のリブ５の案
内溝としての作用を成す。

両挟着板６，７の位置関係は、内側の挟着板６
の長手方向の側縁１５が外側の挟着板７の長手方
向の側縁１６よりも、両挟着板の結合部分方向に
後退している。

本発明は以上の如き構成を有し、刃体装着部の
一側から露出した刃先はその刃体面に対して他方
の鋏身寄りに、少なくとも刃体装着部のうち内面
がわの部分の厚み分だけは偏倚して他方の刃体の
刃先と接触するので、刃体装着部の内面同士だけ
が接触して切断作用ができなくなるというような
ことがない。また、刃体をその両面から挟着する
構造であるから刃体が補強され、したがつて安全
剃刀のような薄い刃体を用いることもできるの
で、切れ味の鋭い鋏を提供することができる。

また、鋏で物が切れるためには、双方の刃部が
互いに他方の刃部を圧接していることが必要であ
つて（このような圧接力を側圧という。）、側圧が
ないかあるいは少ない場合は、物を切つたときに
刃がこじれて刃同士が離れてしまい切断不可能と
なるのである。本発明においては、替刃に側圧が
かかつても、外側の挟着板７の側縁は偏倚した刃
先の一側面に当てがわれて刃体は確実に支持され
るから、側圧により刃体が反つて側圧が弱まるお
それがないという優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すものであつて第１
図は鋏の斜視図、第２図は刃体の斜視図、第３図
は挟着板を分解した状態を示す斜視図、第４図は
刃体装着部の縦断面図、第５図ないし第６図は刃
体装着部の横断面図である。 １……刃体、３……上縁、４……刃縁、６，７
……挟着板、１５，１６……側縁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 薄い板状の替刃を着脱自在に装着できる替刃
   式鋏であつて、２個の鋏身が一点を中心に揺動可
   能であり、その中心点よりも前方において両鋏身
   の刃体装着部に刃体が装着可能で、鋏身を揺動さ
   せることにより両刃体を交差させて切断作用を成
   し、刃体は刃体装着部によりその両側からはさま
   れて固定されるものであり、刃体が刃体装着部で
   ある２つの挟着板の間にその前方から挿入しうる
   ように、両挟着板の間に形成されている刃体挟着
   用の溝は挟着板の前方で開放口になつており、刃
   体装着部の一側から露出した刃先はその刃体面に
   対して他方の鋏身寄りに、少なくとも前記刃体装
   着部のうち内面がわの部分の厚み分だけは偏倚し
   て他方の刃体の刃先と接触し、且つ内側の挟着板
   の長手方向の側縁は外側の挟着板の長手方向の側
   縁よりも両挟着板の結合部分方向に後退して、外
   側の挟着板の側縁は前記偏倚した刃先の一側面に
   当てがわれていることを特徴とする鋏。