JPS637295Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ベンチユリ型混合器に関するもので
ある。

ベンチユリ型混合器は混合度合と圧力損失が略
比例する関係にあるため、流量の適応範囲が狭い
という欠点があり、これの対策としてスロート部
の断面積を変化させるものがある。

しかし従来のスロート部の断面積を変化させる
ようにしたベンチユリ型混合器にあつては、流量
の変化に伴つて外部から何等かの手段で、例えば
スロート部の入口側と出口側の圧力を検出し、こ
の両圧力に基づいて、両圧力間の圧力損失が適当
になる様に、スロート部内に設けたテーパ状に形
成した心棒を手動操作等の外部的手段により軸方
向に移動して上記流量の変化に対応するようにな
つていた。

このため上記従来のベンチユリ型混合器にあつ
ては、流量が広範囲に変化するような部分に使用
しようとすると、スロート部の断面積を変化させ
るための手段が大がかりとなつてしまい、混合器
全体が大型化してしまうという不具合があつた。
また上記スロート部の断面積を変化させる手段が
手動操作等の外部的手段であつため、細かな流量
変化に追随しにくいという不具合があつた。

本考案は上記のことにかんがみなされたもの
で、ガス室内に流入するガス体の流量が広範囲に
変化する場合においても、心棒を操作するための
手段をコンパクトにすることができ、しかも流量
の変化に対する追随性が良く、装置全体の圧力損
失を略同一に保つことができるようにしたベンチ
ユリ型混合器を提供しようとするものである。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

図中１はシリンダ状に形成されたケーシングで
あり、このケーシング１はこれに嵌合するピスト
ン２にてガス室３と背圧室４とに仕切られてい
る。ガス室３の軸方向端部にはガス室３側から順
に、ベンチユリ入口５とスロート部６とデフユー
ザ７とが軸方向に連ねて設けてある。そして上記
ガス室３にガス入口８が、またスロート部６に混
合流体入口９がそれぞれ設けてある。また上記デ
フユーザ７と背圧室４とが連通管１０にと連通さ
れている。上記混合流体入口９はスロート部６を
環状に囲繞して設けた混合流体室１１に連通して
スロート部６の周壁に複数個開孔されている。１
２は混合流体室１１に接続した流入管である。１
３は上記ベンチユリ入口５、スロート部６、デフ
ユーザ７を貫通する心棒であり、これの基端が上
記ピストン２に固着してある。この心棒１３のス
ロート部６に対応する部分の形状は直胴部１４
と、この直胴部１４の両側にこの直胴部１４の径
より徐々に大径となる基部側テーパ部１５と、先
端側テーパ部１６とが設けてある。そしてこの先
端側テーパ部１６のテーパ面には螺旋翼１７が円
周方向に複数個設けてある。

上記ピストン２の背面は背圧室４の端部に外側
から螺合した調整ねじ１８の先端に対向してお
り、この両対向面間に差圧ばね１９が介在されて
いる。

ピストン２とガス室３側の側壁とはベローズ２
０にてシールされている。また調整ねじ部のシー
ルもベローズ２０にてなされている。

なお心棒１３の先端側テーパ部１６には、螺旋
翼１７に代えて螺旋溝を設けてもよい。

上記構成において、ガス入口８より流入したガ
ス、例えば空気はベンチユリ入口５より軸方向に
流れ、スロート部６を高速で通過し、このときに
混合流体入口９より混合流体、例えば燃料が吸い
出されて混合され、デフユーザ７を通つて外部
に、例えば触媒２２に向けて流出される。

このときのピストン２はガス室３の圧力とデフ
ユーザ７の圧力との差圧によつて移動する。すな
わち、スロート部６を流れる空気量が増加する
と、スロート部６の断面積が一定であればスロー
ト部６の流速が増加し、この部分での圧力損失が
多くなる。従つてガス室３とデフユーザ７との間
で、ガス室３側が高くなるように差圧が生じ、こ
れによつてピストン２が図中上方へ移動され、こ
れに固着された心棒１３は上記スロート部６の断
面積が大きくなる方向に移動して上記ガス室３と
デフユーザ７の圧力力が釣り合う位置で心棒１３
は停止し、スロート部６での圧力損失の増加が抑
制され、この部分での圧力損失はガス室３に流入
する空気の流量が変化しても一定になる。

ベンチユリ型混合器にあつては、上述したよう
に、混合度合と圧力損失が略比例する関係にある
が、上記のように流量が変化しても圧力損失が一
定であることにより、スロート６を流れる流量の
変化にかかわらず、混合流体の混合度合を一定に
することができる。

またスロート部６で混合されたガス流はデフユ
ーザ７を通る間に拡散混合されるが、このデフユ
ーザ７側に流出してきた混合ガス流は心棒１３の
先端側テーパ部１６のテーパ面に沿い、かつ螺旋
翼１７に案内されて渦流となることによりデフユ
ーザ７部で効率よく拡散混合される。

さらに上記作動時におけるガス室３とピストン
２との間のシールはベローズ２０にてなされる。
なおこのベローズ２０はＯリングより高熱に耐え
ることができるから、Ｏリングを用いた場合より
高温、高圧の流体の混合を長時間にわたつて行な
うことができる。

本考案は以上のようになり、ガス入口８を有す
るガス室３に、ベンチユリ入口５と混合流体入口
９を設けたスロート部６とデフユーザ７とを軸方
向に連ねて設け、上記スロート部６にテーパを有
する心棒１３を軸方向に移動可能にして挿入する
ベンチユリ型混合器において、ガス室３内に、ガ
ス室３のガス入口８側と背圧室４とを仕切るピス
トン２を摺動自在に、かつ気密的に嵌合し、この
ピストン２に上記テーパを有する心棒１３を、ピ
ストン２が背圧室４側へ移動したときに、スロー
ト部の断面積が大きくなるようにして固着し、ま
た上記背圧室４にデフユーザ７側とを連通した構
成となつているから、ガス室３内に流入するガス
体の流量が広範囲に変化する場合においても、心
棒１３を操作するための手段をコンパクトにする
ことができ、しかもその変化に対する追随性が良
く、装置全体の圧力損失を略同一に保つことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示す断面図である。 １はケーシング、２はピストン、３はガス室、
５はベンチユリ入口、６はスロート部、７はデフ
ユーザ、８はガス入口、９は混合流体入口、１３
は心棒、２０はベローズ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガス入口８を有するガス室３に、ベンチユリ入
   口５と混合流体入口９を設けたスロート部６とデ
   フユーザ７とを軸方向に連ねて設け、上記スロー
   ト部６にテーパを有する心棒１３を軸方向に移動
   可能にして挿入するベンチユリ型混合器におい
   て、ガス室３内に、ガス室３のガス入口８側と背
   圧室４とを仕切るピストン２を摺動自在に、かつ
   気密状に嵌合し、このピストン２に上記テーパを
   有する心棒１３を、ピストン２が背圧室４側へ移
   動したときに、スロート部６の断面積が大きくな
   るようにして固着し、また上記背圧室４とデフユ
   ーザ７側とを連通したことを特徴とするベンチユ
   リ型混合器。