JP5071392B2 - ベンチュリ管を用いた流体の混合方法 - Google Patents
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Description
このような熱量調整方法として、例えば特開昭63−265994号公報(特許文献1)には、気化した天然ガスをベンチュリ型の液・ガスミキサーに供給し、ベンチュリ管で発生する低圧を利用して、ベンチュリ管に液体の状態で供給される熱量調整剤を蒸発・混合させる技術が開示されている。
しかしながら、特許文献2においては、絞り部材を軸方向に移動させるための駆動方法が開示されていない。また、仮に駆動源が流路外にあるとすると、駆動軸が流路外へ貫通することになり、頻繁に可動する面をシールすることになるため、流体が可燃性であったり危険物であったりする場合には漏洩の問題が生ずる。また、軸を貫通させるために流路を曲げたりする必要もある。
また、特許文献4、5においても同様に、ガス流量の変動には対応可能であるものの、駆動源としてのモータをガス流路内に配設しているため、構造が複雑になる上に、駆動エネルギーを必要とし、さらに、モータ部への流体の流入を考慮すると、可燃性や腐食性を有している流体への適用が難しいという問題がある。
さらに、特許文献5に開示されたものにおいては、圧力・温度に基づいて「流量」を制御しているが、流体の混合の観点で重要となるのは、流量の変動に合わせてベンチュリ管のど部の流速を制御することであり、特許文献5のものではこのような制御をすることはできない。
前記ベンチュリ管上流側の流体圧と、前記ベンチュリ管のど部の流体圧の圧力差を利用して、可動体を、流路方向に移動させることにより、前記ベンチュリ管のど部の流路断面積を可変として、前記流路を流れる流体の流量が変化した場合にも、前記ベンチュリ管のど部の流速を所定の範囲に調整できるようにしたことを特徴とするものである。
前記流路内に配置され、流路方向沿って移動可能で、かつ断面積が流路方向に沿って変化する面を有する可動体と、該可動体の一部が移動可能に挿入されると共に前記可動体を作動させるための作動流体を収容するシリンダと、該シリンダ内の作動流体の圧力を調整する圧力調整手段とを備えたことを特徴とするものである。
図1は本発明の一実施の形態に係るベンチュリ型混合装置を模式的に示した説明図である。
本実施の形態に係るベンチュリ型混合装置は、LNGを気化した天然ガスにLPGを添加することにより増熱して都市ガスを製造する際に用いられるものである。
以下、各構成を詳細に説明する。
LPG供給管11はベンチュリ管3内にLPGを供給するためのものであり、LPG供給場所となるその開口部はベンチュリ管のど部もしくはベンチュリ管のど部より上流側となるように配設する。
可動体5は、流路に沿って上流側から下流側に向かって延びる棒状体からなるものであって、上流側端部が円柱状に形成され(「円柱状部5a」という場合あり)、円柱状に形成された部位の下流側が下流側を頂点とする円錐状に形成され(「円錐状部5b」という場合あり)、円錐状部5bの下流側が小径の円柱状に形成され(「小径円柱状部5c」という場合あり)ている。
可動体5の円柱状部5aは、シリンダ7内に挿入され、その外周面とシリンダ7の内面との間がシール部材21によってシールされている。
また、可動体5の下流側の小径円柱状部5cは、支持装置9によって支持されている。なお、支持装置9による支持の形態に関しては、後述する支持装置9の説明において述べる。
上記のように、可動体5は、上流側の端部をシリンダ7によって保持され、下流側の端部を支持装置9によって支持されて、流路に沿う方向にピストンのように移動可能になっている。
シリンダ7は、下流側が開口して上流側には底部が設けられた有底筒状体からなり、保持部材23によって保持されて流路中央部に配置されている。上述したように、シリンダ7には可動体5の円柱状部5aが挿入されている。また、後述するように第3連通管17が接続される。
支持装置9は、可動体5の下流側の小径円柱状部5cを、該小径円柱状部5cが流路方向に移動可能な状態で支持するものである。
なお、支持装置9は、小径円柱状部5cを軽くロックするように支持するのが望ましい。軽くロックするように支持するとは、所定の力以上の力が作用したときに移動でき、それ以下の力では移動できないように支持する状態をいう。さらには、小径円柱状部5cのロック/アンロック状態を能動的に選択制御できるようにしても良い。
また、支持装置9は、可動体5の位置を検出する位置検出装置37(図3参照)を備える構成にしてもよい。
第1連通管13は、ベンチュリ管3よりも上流側の流路と連通する管体である。連通する流路はベンチュリのど部よりも十分に流路断面積が大きく、第1流体の流速が小さい箇所が望ましい。第1連通管13設置位置における第1流体の圧力を検出する第1圧力計25が設けられている。
また、第1連通管13には導出した流体の温度を検出する温度計27が設けられている。
第2連通管15は、ベンチュリ管のど部と連通する管体である。第2連通管15には、ベンチュリ管のど部から導出した流体の圧力を検出する第2圧力計29が設けられている。
第3連通管17は、流路内に配置されたシリンダ7と連通する管体である。
切替弁19は、第1連通管13、第2連通管15及び第3連通管17に接続されてこれら第1連通管13、第2連通管15、第3連通管17との間にあって、第1連通管13、第2連通管15のいずれかと第3連通管17とを選択的に連通させる機能を有している。
切替弁19はアクチュエータによって作動する制御弁であり、図1に示すように、第1圧力計25、第2圧力計29の信号を入力して、この入力信号に基づいて切替弁19の開閉制御を行う制御装置30が設けられている。
P0=P1+P2
動圧P1は流体の密度ρと流速Uを用いて
P1=ρ×(U^2)/2
と表され、流速の2乗に比例する。
従って、流速Uが小さいときには全圧P0はほぼ静圧P2と等しくなる。
P0≒P2
流速が大きくなると動圧P1が大きくなり、静圧P2は小さくなる。さらに、動圧P1は流速Uの2乗に比例するため、流速が大きくなると加速度的に大きくなる傾向にある。
流路断面積が大きい場所A(例えば、ベンチュリ管3の上流の流路)では流速UAが小さいため、静圧P2Aは全圧P0Aにほぼ等しく、また流速変化の影響も小さい。しかし、流路断面積が小さい場所B(例えば、ベンチュリ管のど部)では流速UBが大きく、全圧P0B=P0Aのもとでは、動圧P1Bが大きくなる分、静圧P2Bは小さくなる。また流速変化の影響も大きい。
すなわち
P2A≒P0A
P2B=P0B−P1B=P0A−P1B≒P2A−ρ(UB^2)/2
静圧差ΔP=P2A−P2B≒ρ(UB^2)/2
となる。
第1連通管13の接続を流路断面積が大きく流速の遅い箇所、第2連通管15.の接続をベンチュリ管のど部とすることにより、その静圧差はベンチュリ管のど部における流速UBの関数で近似できる。逆に静圧差の値から流速UBを導出可能となる。
なお、本明細書において用いている「圧力」もしくは「流体圧」という表現は、静圧のことを意味する。
このように、ベンチュリ管のど部での流速と、差圧ΔPとの間には相関関係がある。したがって、前記両部位の差圧ΔPを所定の値にするように制御することで、ベンチュリ管のど部の流速を所定の値に制御することができる。
次に上記のように構成された本実施の形態に係るベンチュリ型流体混合装置1の動作を説明する。
例えば、二次側の都市ガス需要量が減少し、流路を流れる流体の流量が減少すると、ベンチュリ管のど部における流速が減速する。ベンチュリ管のど部での流速が減少すると、LPGの微粒化が不十分となり、流体の混合が不十分となる。一方、ベンチュリ管のど部での流速を大きくしすぎると圧力損失が大きくなり望ましくない。
そこで、切替弁19が、上述したように動作してベンチュリ管のど部の流速を所定の流速に保つようにする。具体的には、切替弁19が次のように動作する。ベンチュリ管のど部を流れる流体の流速が低下すると、PBが高くなり、ΔPが小さくなる。ΔPが小さくなって所定の値より小さくなると、制御装置30は切替弁19に対して第1連通管13と第3連通管17を連通させるように制御する。これによって、圧力PAの流体がシリンダ7内に流入して、可動体5が図中右方向に移動する。可動体5が右方向に移動すると、ベンチュリ管のど部の開口面積が小さくなり、ベンチュリ管のど部を流れる流体の流速が増し、ベンチュリ管のど部を流れる流体の圧力が低下してΔPが大きくなる。このようにして、ΔPが所定値になれば、切替弁19は第1連通管13と第3連通管17の連通を閉止する。
また、本実施の形態においては、可動体5の駆動を、流路内に配置したシリンダ7へ流体の注入と排出によって行うようにしているので、流路外との摺動部がなく摺動面などに対するシールが不要となり、また別途動力が不要である。
しかも、可動体5を作動させる作動流体が流路を流れる流体であることから、不純物の混入もなく、さらに、可燃性、腐食性、危険性を有する流体への適用が可能になる。
またさらに、外部に駆動源を設ける必要がないので、例えば駆動軸を流路に挿入する必要もなく、それ故に流路を曲げたりする必要もない。
図2は本発明の実施の形態2に係るベンチュリ型流体混合装置31を模式的に示す説明図である。図2において、図1と同一部分には同一の符号を付してある。
本実施の形態のベンチュリ型流体混合装置31は、可動体5を下流側に付勢する例えばバネなどの付勢手段33を設けたものである。
付勢手段33を設けることで可動体5の駆動を円滑にすることができる。
流路内に流体が流れていない場合、可動体5は付勢手段33によって下流側に押されて下流側でかつ流路を塞がないように位置している。この状態では、ベンチュリ管のど部の流路断面積が小さいため、流路内に流体を流すと、ベンチュリ管のど部での流速が速くなり、ΔPは大きくなる。このとき、切替弁19が第2連通管15と第3連通管17を連通させるように動作し、この動作によってシリンダ7内の圧力がPBと同じになり、可動体5は図中左に向かう力を受け、可動体5が付勢手段33の付勢力に抵抗して図中左に移動する。そして、ΔPが所定値になるところで、停止する。
図3は本発明の実施の形態3に係るベンチュリ型流体混合装置35を模式的に示す説明図である。図3において、図1と同一部分には同一の符号を付してある。
本実施の形態のベンチュリ型流体混合装置35は、支持装置9に可動体5の位置を検出する位置検出装置37を設け、この位置検出装置37の位置情報と、第1圧力計25、第2圧力計29、温度計27のそれぞれの情報を入力して流路を流れる流体の流量を演算する流量演算手段39を設けたものである。
Q=αS{(2/ρ)(PA-PB)}1/2
但し、PA:ベンチュリ管の上流側の圧力
PB:ベンチュリ管のど部の圧力
ρ:流体の密度(PA,PB,T1より算出)
S:ベンチュリ管のど部の流路断面積
α:流量係数
このような自動圧力調整弁を用いれば別途弁を駆動するためのアクチュエータや該アクチュエータを制御する制御装置および弁駆動動力は不要となり、装置構成が簡単になる。
3 ベンチュリ管
5 可動体
5a 円柱状部
5b 円錐状部
5c 小径円柱状部
7 シリンダ
9 支持装置
11 LPG供給管
13 第1連通管
15 第2連通管
17 第3連通管
19 切替弁
21 シール部材
23 保持部材
25 第1圧力計
27 温度計
29 第2圧力計
30 制御装置
31 ベンチュリ型混合装置
33 付勢手段
35 ベンチュリ型混合装置
37 位置検出装置
39 流量演算手段
41 自動圧力調整弁
Claims (1)
- 流体の流路にベンチュリ管を設け、該ベンチュリ管の上流側から供給される第1流体に、ベンチュリ管のど部またはその上流側において第2流体を供給することによって両流体を混合する混合方法であって、
前記ベンチュリ管上流側の流体圧と、前記ベンチュリ管のど部の流体圧の圧力差を利用して、可動体を、流路方向に移動させることにより、前記ベンチュリ管のど部の流路断面積を可変として、前記流路を流れる流体の流量が変化した場合にも、前記ベンチュリ管のど部の流速を所定の範囲に調整できるようにしたことを特徴とするベンチュリ管を用いた流体の混合方法。
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