JPS637226Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はゴーグルの改良に関する。

従来、レンズと該レンズの周縁に嵌入されてレ
ンズを囲繞するフレームを備えたゴーグルにおい
ては、フレームは一体に形成されていた。そのた
めにフレームをレンズに嵌入する際は、フレーム
やレンズを変形させてねじ込むようにする必要が
あり、その嵌入組付作業は非常に困難なものであ
つた。またフレーム形状とレンズ形状は１対１に
対応するために、新規なデザインのゴーグルを製
作するためにはフレームとレンズを共に新しく製
作する必要があり、フレームをデザイン的に変更
する必要のないようなときは不経済なものであつ
た。

そこで、フレームを上下別体に形成し、係止体
によりレンズからの離脱を防止するようにしたも
のが実公昭38−16880号公報及び実公昭54−28800
号公報に開示されている。

しかし、前者公報開示のものでは、係止体は金
属製のコ字形体で、対向片の内面に内向突子を設
けたものであり、その内向突子を上下フレームの
凹部に嵌合するものである。そのため、内向突子
を凹部に嵌合する際、内向突子はコ字形対向片の
内面に設けられているため目視確認できないの
で、確実に嵌合できたか否かを判別できず、不慮
に係止体が外れていまう虞れがあつた。

また、後者公報開示のものでは、係止体は上下
フレームと一体的に成形されているが、係止体部
分は係脱のたびに繰返して変形するためフレーム
よりも破損し易い。そのため、係止体部分が破損
すればフレーム全体を交換しなければならない無
駄がある。また、フレームのみをデザイン変更の
ため交換する場合でも、あわせて係止体も成形す
る必要があり、やはり無駄が生じる。

本考案は、上記問題点を解決すると共に、ゴー
グルを顔面に取付けるバンドのゴーグルへの取付
けに必要な部品点数の削減を目的とし、その特徴
とするところは、レンズ２と該レンズ２の周縁に
嵌入されてレンズ２を囲繞するフレーム３を備え
たゴーグル１であつて、フレーム３がレンズ２に
上方から嵌入される上フレーム３ａと、下方から
嵌入される下フレーム３ｂとで別体形成されると
共に、これら上下フレーム３ａ，３ｂのレンズ２
からの離脱を防止する左右一対の係止体４，４を
備えているものにおいて、前記各係止体４の端部
に上下一対の上下方向に沿う係合突部１３，１３
が、その上下間隔が弾性的に拡開可能に設けら
れ、上下フレーム３ａ，３ｂの各左右端に被係合
孔１１ａ，１１ｂが上下に対向して設けられ、係
止体４の上下係合突部１３，１３は上下被係合孔
１１ａ，１１ｂに、その上下間隔が弾性的に拡開
されることで挿脱可能とされると共に縮小復元さ
れることで挿入状態が保持され、この挿入保持状
態でフレーム３ａ，３ｂのレンズ２からの離脱が
規制され、さらに係止体４が、ゴーグル１を顔面
に取付けるバンド５のゴーグル１への取付具を兼
用している点にある。

以下、本考案の実施例を図面に基き説明する。

第１図乃至第５図に示すスキー用ゴーグル１
は、合成樹脂製のレンズ２と該レンズ２の周縁に
嵌入されてレンズ２を囲繞する合成樹脂製のフレ
ーム３を備えている。そしてフレーム３の両端に
係止体４，４を介してバンド５が取付けられ、ま
たフレーム３の後面には顔あてパツド６が貼着さ
れている。

そしてレンズ２は透明なレンズ本体２ａと、レ
ンズ本体２ａの前面周縁に貼着された不透明な枠
体２ｂとを備えている。

フレーム３はレンズ２に上方から嵌入される上
フレーム３ａと、下方から嵌入される下フレーム
３ｂとで別体形成され、各フレーム３ａ，３ｂの
レンズ２への嵌入部は、レンズ本体２ａと枠体２
ｂとの双方に嵌入されるべく段付溝７とされてい
る。また上フレーム３ａの上面には空気抜き用開
口部８ａが設けられると共にその上に塵埃侵入防
止用のパツド９ａが被着されており、さらに上フ
レーム３ａの上面両側端には段部１０ａがそれぞ
れ形成され、そこに被係合孔１１ａが上下方向に
貫設されている。これと同様に下フレーム３ｂの
下面にも空気抜き用開口部８ｂが設けられると共
にその下に塵埃侵入防止用のパツド９ｂが被着さ
れており、さらに下フレーム３ｂの下面両側端に
も段部１０ｂがそれぞれ形成され、そこに被係合
孔１１ｂが上下方向に貫設されている。

次に係止体４は略矩形板状の弾性を有する合成
樹脂材製で、バンド５が挿通される長孔１２が貫
設されると共にその端部に上下一対の係合突部１
３，１３が上下方向に沿つて対向して形成されて
いる。そしてこの一対の係合突部１３，１３は、
レンズ２に嵌入された上下フレーム３ａ，３ｂの
両端それぞれで、上下フレーム３ａ，３ｂそれぞ
れの前記被係合孔１１ａ，１１ｂに挿入される。
ここで一対の係合突部１３，１３基端の間隔Ｓと
両被係合孔１１ａ，１１ｂが設けられている段部
１０ａ，１３ｂの表面間間隔S′はほぼ等しくされ
ている。これにより係止体４は両フレーム３ａ，
３ｂに架設状に係脱自在に係合して両フレーム３
ａ，３ｂがレンズ２から離脱するのを防止するこ
とができる。なお、一対の係合突部１３，１３の
被係合孔１１ａ，１１ｂへの挿入は、係合突部１
３，１３が第２図に仮想線で示すように弾性的に
押し広げられることにより行なわれる。これは抜
脱の際も同様である。

これにより、ゴーグル１の組立ては、レンズ２
の上下方から上下フレーム３ａ，３ｂを嵌入し、
係止体４，４を取付けるだけでよく極めて簡単に
行なうことができ、しかも上下フレーム３ａ，３
ｂがレンズ２から離脱することもない。また各フ
レーム３ａ，３ｂの一方のみの色彩、材質又は形
状等のみを変更するだけで異なつたゴーグルとす
ることができ、フレーム全体を変更するのに比べ
材料が節約できて経済的である。また各フレーム
３ａ，３ｂは変更せずに、レンズ２の上下幅を変
更するだけで異なつた大きさのゴーグルとするこ
ともでき、やはりフレームを新しく製作する必要
はなく経済的である。なお、顔あてパツド６は上
下フレーム３ａ，３ｂの後面に沿つて環状に貼着
されているのであるが、環状に一体形成されたも
のではなく、各フレーム３ａ，３ｂの後面形状に
沿つて別体に形成されている。この顔あてパツド
６は通常素材を打抜くことにより形成されるの
で、一体形成されると環状部分に囲繞された素材
部分が無駄なものとなつていたが、別体に形成す
ることによりその無駄な部分を減少させている。

本考案によれば、上下分割フレームのレンズか
らの離脱防止のため、フレームの被係合孔に挿入
される上下係合突部は、係止体の端部に設けられ
ているため、その挿入の目視確認が係止体により
遮られることはなく、不慮に係止体が外れてしま
うのを防止できる。また、フレームと係止体とは
別体であるため、係止体の損傷やフレームのデザ
イン変更の際には個別に交換でき、無駄をなくす
ことができる。

さらに、係止体が、ゴーグルを顔面に取付ける
バンドのゴーグルへの取付具を兼用していること
により、部品点数、組立工数を削減でき、コスト
の低減を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係るゴーグルの斜視
図、第２図は同分解斜視図、第３図は同フレーム
のレンズへの嵌入状態を示す断面図、第４図は同
係止体を取外した状態での要部背面斜視図、第５
図は係止体を取外した状態での側端面図である。 １……ゴーグル、２……レンズ、３……フレー
ム｛３ａ……上フレーム、３ｂ……下フレーム｝、
４……係止体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. レンズ２と該レンズ２の周縁に嵌入されてレン
   ズ２を囲繞するフレーム３を備えたゴーグル１で
   あつて、フレーム３がレンズ２に上方から嵌入さ
   れる上フレーム３ａと、下方から嵌入される下フ
   レーム３ｂとで別体形成されると共に、これら上
   下フレーム３ａ，３ｂのレンズ２からの離脱を防
   止する左右一対の係止体４，４を備えているもの
   において、前記各係止体４の端部に上下一対の上
   下方向に沿う係合突部１３，１３が、その上下間
   隔が弾性的に拡開可能に設けられ、上下フレーム
   ３ａ，３ｂの各左右端に被係合孔１１ａ，１１ｂ
   が上下に対向して設けられ、係止体４の上下係合
   突部１３，１３は上下被係合孔１１ａ，１１ｂ
   に、その上下間隔が弾性的に拡開されることで挿
   脱可能とされると共に縮小復元されることで挿入
   状態が保持され、この挿入保持状態でフレーム３
   ａ，３ｂのレンズ２からの離脱が規制され、さら
   に係止体４が、ゴーグル１を顔面に取付けるバン
   ド５のゴーグル１への取付具を兼用していること
   を特徴とするゴーグル。