JPS637093Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は待合室や公園或いは競技場のスタン
ドなどに設置使用される簡易型のFRP製等の椅
子に関する。

一般にこの種の椅子はFRP等のプラスチツク
製一体成形品よりなる座席体（通称シエルと言わ
れている）を鋳鉄やステンレス或いはアルミニウ
ム合金等の軽合金などの金属製材料よりなる脚体
上部にねじ止めして構成している。ところでその
座席体の脚体に対するねじ止めは、該座席体が
FRP等のプラスチツク製であることから木ねじ
などで直接止めるわけにはいかず、又ねじを貫通
させてナツトを締め付けると該ねじの頭部やナツ
トが座席体の表面に露出することで体裁が悪く意
匠的に問題であると共に着座者の衣服を破つてし
まう欠点がある。

この考案は上記事情に鑑みなされたもので、そ
の目的とする処は、構成が簡単である上に、取付
けねじが座席体表面に一切露出することがなくし
かも取付け強度が大であると共に、適度なクツシ
ヨン性が得られ、また特に組立ての際のねじ止め
時にねじ孔の位置がずれているような心配が無
く、容易適確にねじ止め作業ができて組立てが非
常に簡便且つ確実となる椅子を提供することにあ
る。

つまり、この考案は金属製脚体の上部にFRP
等のプラスチツク製座席体をねじ止めしてなる椅
子において、上記脚体上部のねじ取付孔を有した
座支持部と対向する座席体下面部に環状突起を一
体に成形して設け、且つその環状突起が嵌合する
ことで位置決めができるように凹部を上面中央に
有すると共にフランジ付き金属製筒状ナツトをイ
ンサートすることで取付けねじを螺貫できるねじ
孔を中央に設けた加硫ゴム等の弾性体をその上面
に接着剤を塗布して上記座席体下面部に接着する
ことにより該座席体下面部と脚体上部の座支持部
との間に介在せしめ、その弾性体のねじ孔に脚体
上部の座支持部のねじ取付孔を介して取付けねじ
を螺合締付けて脚体に対し座席体を取付けた構成
で、非常に構成が簡単であると共に、ナツトをイ
ンサートした弾性体の座席体下面部への接着の際
の位置決めが環状突部と凹部との嵌合により簡単
且つ正確にできて、その後の施工現場等での取付
けねじのねじ込み締付けが容易確実で組立て作業
が簡便となり、しかもインサートナツトがフラン
ジを有して弾性体内部に埋設されていることで抜
け外れることがなく、これにて脚体に対する座席
体の取付け強度が大で濫れに外れたりすることが
なく、更に取付ねじの先端が弾性体の上面凹部及
び座席体下面部の環状突部の中央凹部分内にのぞ
むことで該座席体に直接当ることがなく、このた
め取付けねじの締付けが十分にでき、且つ弾性体
の弾性力により適度なクツシヨン性が得られて座
り心地の良い椅子となるものである。

以下この考案の一実施例を図面に従い説明す
る。図中１は待合室や競技場のスタンド等に設置
使用されるベンチの如き４人掛け用の簡易連結椅
子を示し、この連結椅子１は金属製脚体２とその
上部に取付けられたFRP等のプラスチツク製一
体成形品よりなる４個の座席体３…とからなり、
上記脚体２は床面上に左右に相離間して立設され
るそれぞれ鋼板プレス製の一対の支脚４・４と、
この左右支脚４・４上端にそれぞれ両端寄り部を
クランプするなどの手段で固定することで横架し
た前後一対の鋼管製連結材５・５と、この前後連
結材５・５上の長手方向等間隔を存した位置にそ
れぞれ跨がるようにして固定された４個の各々鋼
板プレス製支持台６…とから構成されていて、そ
の上部各支持台６…上に上記座席体３が一個づつ
後述する手段で取付けられて横一列に配設されて
いる。なお、各座席体３は背座一体のシエル形状
をなしている。

ここで上記脚体２上部の各支持台６は略水平な
平板状となる座支持部６ａを四方即ち、前後左右
に延出していて、それらの座支持部６ａ…で座席
体３の下面四個所を支える構成とされ、その前後
左右各座支持部６ａ中央にはねじ取付孔７がそれ
ぞれ上下に貫通して形成されている。また座席体
３の上記各座支持部６ａと対向する下面部四個所
には補強を目的とした肉厚部３ａが円形台状にそ
れぞれ形成され、更にその各肉厚部３ａ下面中央
に同心円的に環状突部３ｂが一体成形されてい
る。なおその環状突部３ｂの中央凹部３ｃは上記
座支持部６ａのねじ取付孔７と上下に同軸線上に
対向配置する。こうした座席体３の下面部と座支
持部６ａ上面との間にはインサートナツトを有し
た弾性体８が介在されている。この弾性体８は加
硫ゴム等からなる厚肉円板状のもので、その上面
中央には上記座席体３の環状突部３ｂが嵌合でき
る凹部８ａが形成され、またその弾性体８の内部
には同心円的にフランジ９ａを有した金属製筒状
ナツト９がインサートにより埋設されてねじ孔９
ｂが構成されている。なおそのねじ孔９ｂの上端
は上記凹部８ａ内底面に開口し下端はこれと同軸
的に形成した孔８ｂに連通して、下側から取付け
ボルト１０を螺貫できるようになつている。こう
したインサートナツト付き弾性体８はその上面に
エボキシレジン、ポリエステルレジン、ユリアレ
ジン、フエノールレジン、シアノアクリレート、
ウレタン、アクリル、イソシアネート又は環化ゴ
ム等のゴム誘導体の一種又は２種以上より成る接
着剤１１を塗布して上記座席体３の肉厚部３ａ下
面に強力に接着されて該座席体３と座支持部６ａ
との間に介在されている。そしてその弾性体８内
のインサートナツト９のねじ孔９ｂに座支持部６
の下側から座金１２を介してねじ取付孔７より差
し込んだ取付けねじ１０が螺貫して締付けられて
いる。

而して、上述した構成の椅子１では、弾性体８
上面に接着剤１１を塗布して座席体３下面部に接
着固定する際、その弾性体８上面の凹部８ａに座
席体３下面の環状突部３ｂが嵌合するようにして
該弾性体８を座席体３下面に接着することで、そ
の接着位置決めが簡便且つ正確にでき、こうして
座席体３を脚体２上部の支持台６上に乗せれば、
各弾性体８の中心ねじ孔９ｂと該支持台６の各座
支持部６ａのねじ取付孔７とがそれぞれ同軸線上
に合致し、その各下側から取付けねじ１０のねじ
込みが容易にできると共に、その取付けねじ１０
先端が弾性体８の上面凹部８ａと座席体３の環状
突部３ｂ内中央凹部分３ｃ内にのぞむようになつ
て該座席体３に直接突き当ることがないので、そ
の取付けねじ１０の締付けも十分にできて、脚体
２に対する座席体３の取付け強度が大となり、し
かも弾性体８の弾力性により適当なクツシヨン性
も得られて座り心地の良いものとなる。

なお、この考案は上記実施例のみに限定される
ことなく、例えば連結椅子以外に一人づつ座われ
る単座の椅子（図示せず）であつてもよく、また
脚体も鋳鉄製やその他軽合金材料を使用してもよ
い。更に座席体３も特に背座一体形でなくても可
であり、単なる座部だけでもよい。

この考案は以上詳述した如くなしたから、構成
が簡単である上に、取付けねじが座席体表面に一
切露出せず、しかも取付け強度が大であると共
に、適度なクツシヨン性が得られて座り心地が良
い。また特にインサートナツト付き弾性体の接着
固定の位置決めが容易確実で、取付けねじのねじ
込み締付けが簡便にできて、組立て作業が楽であ
るなど、実用性大なるものとなる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は全体の斜視図、第２図は断面拡大図、第３図
は要部分の拡大断面図、第４図は弾性体だけの平
面図である。 １……椅子、２……脚体、３……座席体、３ａ
……肉厚部、３ｂ……環状突部、３ｃ……中央凹
部分、４……支脚、５……連結材、６……支持
台、６ａ……座支持部、７……ねじ取付孔、８…
…弾性体、８ａ……凹部、８ｂ……孔、９……筒
状ナツト、９ａ……フランジ、９ｂ……ねじ孔、
１０……取付けボルト、１１……接着剤、１２…
…座金。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属製脚体の上部にFRP等のプラスチツク製
   座席体をねじ止めしてなる椅子において、上記脚
   体上部のねじ取付孔を有した座支持部と対向する
   座席体下面部に環状突部を一体成形して設け、且
   つその環状突部が嵌合できる凹部を上面中央に有
   すると共にフランジ付き金属製筒状ナツトをイン
   サートすることで取付ねじを螺貫できるねじ孔を
   中央に設けた加硫ゴム等の弾性体をその上面に接
   着剤を塗布して上記座席体下面部に接着すること
   により該座席体下面部と脚体上部の座支持部との
   間に介在せしめ、その弾性体のねじ孔に脚体上部
   の座支持部のねじ取付孔を介して取付けねじを螺
   合締付けて脚体に対し座席体を取付けたことを特
   徴とする椅子。