JPS63675B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は流体圧作動装置、特に流体圧に応答し
て作動するバルブ機構とスイツチ機構を有する流
体圧作動装置に関する。

（従来の技術） 従来、自動車等の排気ガスを制御するために
種々の流体圧作動弁装置、流体圧作動スイツチ装
置が提案されてきた。斯新な弁装置は例えば排気
ガス中のNOx等を低減させるための排気ガス再
循環システム中に配設されて、運転状態に応じて
排気ガス再循環制御を非作動にするために適用さ
れてきた。又、例えば上記スイツチ装置は、排気
系に配設されるO₂センサーからの信号によつて
空燃比を制御する電磁弁を作動させるために適用
されてきた。此の種弁装置、スイツチ装置は他の
排気ガス浄化システム中にも種々適用されてきた
ことは周知の通りである。

（発明が解決しようとする問題点） 上記した従来装置に於いては、上記弁装置、ス
イツチ装置が夫々独立して形成され、各システム
中に独立の配管をもつて配設されるものであつ
た。これは結局、高価な弁装置、スイツチ装置の
個別的製造になるとともに限定された空間内へ配
置が複雑となる等の不利益に至るものであつた。

そこで本発明は上記従来装置の不利益を解消す
る新規なバルブ機構とスイツチ機構を有する流体
圧作動装置を提供することをその技術的課題とす
る。

〔発明の構成〕

（問題点を解決するための手段） 上記した目的を達成するために講じた技術的手
段は、当該流体圧作動装置を入力ポート、出力ポ
ート及び信号圧ポートを有するボデイと、該ボデ
イ内に配設され、前記ボデイ内を前記信号圧ポー
トに連通する信号圧室と前記入力ポートに連通す
る一定圧室に区画するダイヤフラム型揺動部材
と、前記信号室内に張設され前記ダイヤフラム型
揺動部材を前記一定圧室側に付勢するスプリング
と、前記一定圧室内に配置され前記入力ポートと
前記出力ポート間の流体通路中であつて前記ボデ
イ上に設けられるシート部に前記信号圧室内圧と
前記スプリングの付勢力の釣り合いにより変移す
る前記ダイヤフラム型揺動部材によつて当接、離
間し前記流体流路を開閉制御する弁部材と、前記
信号圧室内に配置され前記ダイヤフラム型揺動部
材の変移に作動制御される一対の接点から成るス
イツチ手段とから成る構成としたことである。

（作用） これにより、信号圧に応答して流体通路を開閉
制御するバルブ機構と信号圧に応答して作動する
スイツチ機構を、効果的に一体的に構成でき、両
機構を別体且つ独立的に製造する必要がなくなり
安価にできると共に、限定空間内への配設を容易
にすることができる。

（実施例） 以下、添付図面に従い本発明装置の実施例を説
明する。

第１実施例を示す第１図に於いて、流体圧作動
装置１０は、互いに固着される樹脂製の第１、第
２ボデイ１１，１２を有する。該両ボデイ間に
は、両ボデイによつて外周を挟着され、その内周
に一体作動する樹脂製の揺動部材１３，１４が固
着されるダイヤフラム部材１５が配置され、それ
によつてボデイ内に大気圧室１６と負圧信号圧室
１７を区画している。大気圧室１６は、第１ボデ
イ１１の壁部１８に形成される通路１９、一対の
フイルター２０，２１、及び第１ボデイ１１に嵌
合される樹脂製キヤツプ２２と第１ボデイ１１の
間に形成され入力ポートとして機能する適宜通路
２３を介して、常時大気に連通している。尚、フ
イルター２０，２１はキヤツプ２２によつて第１
ボデイ１１の凹所に配設支持されている。第１ボ
デイ１１の壁部１８の内筒部２４内には、Ｏリン
グシール２５を介して樹脂製シート部材２６が配
置される。該シート部材２６はその外周に設けら
れるネジ部２７を介して内筒部２４の内周ネジと
螺合される構成であり、而してその左端切欠き部
２８を介して適宜螺進又は螺退されることによつ
て所望位置に調整配置され得る。シート部材２６
の左端と、内筒部２４内に密封的に固定配設され
るリテーナ２９間にはスプリング３０が介装さ
れ、而してシート部材２６のガタを防止してい
る。シート部材２６の右端は、第１揺動部材１３
を介して第２揺動部材１４の凹所３１内に延在し
ている。該凹所３１は第１揺動部材１３に形成さ
れる通路３２を介して常時、大気圧室１６に連通
しているとともに、その内部に弱いスプリング３
３によつてシート部材２６のシート部３４と通常
時当接している可動弾性弁部材３５を収容してい
る。斯様にして、通常時、大気圧室１６に常時連
通している凹所３１は、シート部材２６に形成さ
れる通路３６、従つて内筒部２４内の室３７、第
１ボデイ１１に設けられる出力ポート３８とは遮
断されている。

第１ボデイ１１の壁部１８に螺合されるネジ３
９の螺進、螺退によつて配設位置が所望調整され
るリテーナ４０に一端が係止されていることによ
つて、その付勢力が調整可能なスプリング４１が
大気圧室１６内に配設されることによつて、両揺
動部材１３，１４を図示右方に付勢している。併
しながら、他方、両揺動部材１３，１４は負圧信
号圧室１７内であつて第２ボデイ１２に一端が係
止される付勢力の一層大きなスプリング４２の他
端によつて、図示左方に付勢され、結局、図示位
置に通常時は保持されている。負圧信号圧室１７
は、第２ボデイ１２上に設けられる入力ポート４
３を介して、負圧源例えば車輌のインテークマニ
ホールドに連結され、而して車輌の運転状態に応
じた負圧を受け得るようにある。今、負圧室１７
が所定の負圧を受けると、両揺動部材１３，１４
がスプリング４２の付勢力に抗して図示右方へ移
動され、従つて第１揺動部材１３の右端肩部４４
が弁部材３５をシート部３４から離間させるよう
に持ち上げる。斯様にして大気圧室１６を出力ポ
ート３８に連結するバルブ機構を構成している。

上記バルブ機構に於いて、前述したようにスプ
リング４１の付勢力を調整することによつて、相
対的にスプリング４２の付勢力をも調整すること
となり、而して揺動部材１３，１４を変移せしめ
る負圧室１７内の負圧値を所望に設定出来る。更
には、当該状態に於いて、前記したようにシート
部材２６の位置を適宜調整することによつて、通
常非作用位置から、第１揺動部材１３の肩部４４
が弁部材３５を開位置に持ち上げるまでの揺動部
材１３のストローク（変移）量を所望調整できる
こととなり、結局、バルブ機構を作動させるため
の負圧室１７内の負圧値を所要に設定出来ること
となる。尚、スプリング４１の調整による揺動部
材１３，１４を変移せしめる負圧値の所望設定は
後述のスイツチ機構のための作動圧の調整に係る
ものであり、斯様にして本流体圧作動装置１０
は、バルブ機構とスイツチ機構の夫々の作動圧を
適宜独立的に調整可能なものである。尚、出力ポ
ート３８は、例えば排気ガス再循環を制御する制
御弁のための作動負圧回路に連結されるものであ
る。

次に本流体圧作動装置１０内に配置されている
スイツチ機構について詳述する。

該スイツチ機構は、第２ボデイ１２の壁部４５
と一体な左方延在部４６内に配設されるリードス
イツチ手段４７を有する。該リードスイツチ手段
４７は、良導体の連結部材４８を介する一方接点
４９と他方接点５０を有し、連結部材４８と他方
接点５０は壁部４５の右方突出部５１に固定され
るベーク板５２に支持され、夫々のリード線（接
点４９に連結する一方リード線５３のみ図示され
ている）を介して適宜電源に連結されている。リ
ード線は第２ボデイ１２に嵌合されるキヤツプ５
４に対して適宜保持されていてもよい。尚、ベー
ク板５２はシリコンゴム等より成るシール部材５
６を介して配設されている。左方延在部４６をつ
つむべく延在する第２揺動部材１４の右方先端部
５７には永久磁石５８が配設され、該磁石の磁界
作用によりリードスイツチ手段を切換え作動させ
るものである。尚、本実施例に於いては、リード
スイツチ手段は常開スイツチとして構成され、前
述した第２揺動部材１４の右方変移による永久磁
石５８の右方変移が所定量なされると、リードス
イツチ手段の各接点４９，５０が閉じる旨作動す
る。該スイツチ手段は、それによつて例えば、車
輌の空燃比を制御するための電磁弁装置を作動さ
せる旨構成される。前述のスプリング４１の付勢
力調整に連動するスプリング４２の付勢力調整
が、負圧室１７に導入され揺動部材１４を変移さ
せる作動負圧値の調整となつて、結局スイツチ機
構の作動時期の調整に結びつくことは容易に理解
されるであろう。

以上の如く構成される流体圧作動装置の作用は
以下の通りである。

インテークマニホールド等から負圧室１７に供
給される負圧値が所定圧に至らずダイヤフラム１
５、両揺動部材１３，１４がスプリング４２によ
つて特に第１揺動部材の左端がシート部材の肩部
に当接している図示位置にあるとき、バルブ機構
及びスイツチ機構の各部は図示状態にある。従つ
て弁部材３５はシート３４に当接し、大気圧室１
６と出力ポート３８間の連通を遮断し、リードス
シツチ手段は常開状態にある。当該時は、図示し
ない排気ガス再循環制御弁は作動負圧を有効に受
け得る状態にあつて排気ガス再循環作用が可能で
あり、他方、スイツチ機構に連動する電磁弁装置
が非作用状態に維持されるため空燃比薄め作用が
防止されている。

負圧室１７に導入される負圧値がスプリング４
２の付勢力に打ち勝つ値に至ると、ダイヤフラム
１５、両揺動部材１３，１４が図示右方に変移す
る。揺動部材１３の右方変移に従いその肩部４４
が弁部材３５を弱いスプリング３３に抗してシー
ト３４から離間するように持ち上げ、大気圧室１
６をアウトレツトポート３８に連結する。斯様に
してアウトレツトポート３８から排気ガス再循環
制御弁の作動負圧を無効とさせるような大気ブリ
ードが行われ、排気ガス再循環作用が中断され
る。他方、揺動部材１４、従つて永久磁石５８の
右方変移に連動する磁石の磁界作用により、リー
ドスイツチ手段の両接点４９，５０が接触し、電
磁弁装置を作動させることによつて周知の空燃比
薄め作用がなされる。

次に第２図に従つて本発明の変形実施例を説明
する。尚、本実施例に於いて、第１図と実質的に
同様の構成、作用をする部材については第１図と
同様の番号にて示すものとし、詳細な説明を省略
する。

当該変形例に於いては、大気圧室１６内に付勢
力調整型のスプリングが配設されていないが、前
述の実施例のように配設されてもよいことは明ら
かであろう。而して当該実施例の流体圧作動装置
６０は、第２揺動部材１４と第２ボデイ１２に固
着される固定部材６１の間に張設されるスプリン
グ４２によつてダイヤフラム１５、両揺動部材１
３，１４が図示される所定通常位置に保持されて
いる。尚、バルブ機構については前述した実施例
と実質上同様な構成であり作用をするものであ
る。該変形例に於いてもシート部材２６はネジ部
２７によつて第１ボデイ１１に対して相対移動可
能であり、それによつて弁部材３５をシート部材
３４から離間持ち上げさせるための、第１揺動部
材１３の肩部４４のストローク調整が可能である
ことは前述の実施例と同様である。

第２揺動部材１４の右方には、その内部に通路
６２を有する棒状部材６３が圧入等により固着さ
れ、該部材６３の略中央部外周には、その外周が
固定部材６１と第２ボデイ１２によつて挟着され
るダイヤフラム部材６４の内周が固着されてい
る。斯様にして、負圧室１７と大気圧室６５が区
画されている。該大気圧室６５は、前記通路６
２、両揺動部材１３，１４間に配設され、特に水
分の通過を防止するフイルター６６、オリフイス
板６７を介して凹所３１に連結され、常時大気を
受けるように構成されている。

棒状部材６３の右端は、スイツチ作動用の可動
部材６８に当接可能に構成されている該可動部材
６８の右端はリテーナ６９を介してスプリング７
０の付勢力を受け、斯様にして可動部材６８の左
端は通常時、第２ボデイ１２に当接している。当
該通常時、棒状部材６３の右端は可動部材６８か
ら離間している。第２ボデイ１２には固定接点７
１が固定ネジ７２により固定され、更に可動接点
７３が固定ネジ７４により固定されている。該両
接点７１，７３はリード線（可動接点７３に連結
されるリード線７５のみ図示されている）を介し
て適宜電源に連結されている。可動接点７３は自
身の有する弾性力によつて通常時固定接点７１に
接触し、而して当該実施例に於いては、常閉型ス
イツチ機構を構成している。可動接点７３は、可
動部材６８に設けられる外周カツト部７６に係合
可能であり、而して、負圧室１７の負圧によつて
両揺動部材１３，１４、従つて棒状部材６３が可
動部材６８とう当接すべく右方変移し、その右端
によつて可動部材６８がスプリング７０に抗して
右方に変移すると、外周カツト部７６の肩部によ
つて可動接点７３が固定接点７１から離間してス
イツチ作用をする。尚、スプリング７０の右端は
リテーナ７７に係止され、該リテーナ７７の位置
は第２ボデイ１２に固着される樹脂製キヤツプ７
８にシリコンゴム等のシール部材７９を介して螺
合されるネジ８０によつて調整自在であり、而し
てスプリング７０の付勢力を調整可能である。こ
れは結局、棒状部材６３による可動部材６８の作
動力、つまりスイツチ作用を達成するための負圧
室１７内の所望負圧値を適宜調整可能であること
を意味する。８１は、第２ボデイに対してリード
線を密封的に保持するシール材である。

尚、本変形例に於けるスイツチ機構の作用は前
述の記載及び前記実施例から明らかであろう。本
変形例では常閉スイツチとして構成されている
が、該スイツチ機構に連動する電磁弁装置の作用
方向を逆にしておけば前述の実施例と同様のシス
テムに適用できることは明らかであろう。

尚、本発明に従う流体圧作動装置は、他のシス
テムに適用されてもよいことは明白である。

（発明の効果） 本発明に従う流体圧作動装置は、信号圧に応答
して流体流路を連通、遮断制御するバルブ機構
と、信号圧に応答して作動するスイツチ機構を、
効果的に一体的に構成配置させたので、従来のよ
うにバルブ機構とスイツチ機構を夫々別体且つど
くたつ的に製造する必要がなく安価であるととも
に、限定空間内の配設が容易であるとともに余分
の配管が不要であるという実用上の効果が大き
い。更にはバルブ機構とスイツチ機構に共通な部
分を構成したので上記効果は一層顕著となり、ひ
いては重量低減等の実用的効果に一層結びつくも
のである。尚、バルブ機構の作動圧の所望調整を
可能とするように、シート部材の配設位置を適宜
調整可能としてやれば、弁機能の所望作用が一層
保障されるという効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の一実施例を示す断面図、
及び第２図は変形例を示す第１図と同様の図であ
る。 １０，６０：流体圧作動装置、１１，１２：ボ
デイ、１３，１４：揺動部材、１５：ダイヤフラ
ム部材、１６：大気圧室、１７：信号圧室、２
３：入力ポート、２６：シート部材、２７：ネ
ジ、３４：シート部、３５：弁部材、３８：出力
ポート、４２：スプリング、４３：信号圧ポー
ト、４７：スイツチ手段、４９，５０：接点、５
８：永久磁石、７１，７３：接点。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 入力ポート、出力ポート及び信号圧ポートを
   有するボデイと、該ボデイ内に配設され、前記ボ
   デイ内を前記信号圧ポートに連通する信号圧室と
   前記入力ポートに連通する一定圧室に区画するダ
   イヤフラム型揺動部材と、前記信号室内に張設さ
   れ前記ダイヤフラム型揺動部材を前記一定圧室側
   に付勢するスプリングと、前記一定圧室内に配置
   され前記入力ポートと前記出力ポート間の流体通
   路中であつて前記ボデイ上に設けられるシート部
   に前記信号圧室内圧と前記スプリングの付勢力の
   釣り合いにより変移する前記ダイヤフラム型揺動
   部材によつて当接、離間し前記流体通路を開閉制
   御する弁部材と、前記信号圧室内に配置され前記
   ダイヤフラム型揺動部材の変移に作動制御される
   一対の接点から成るスイツチ手段とを備えてなる
   バルブ機構とスイツチ機構を有する流体圧作動装
   置。 ２ 前記シート部を前記ボデイに対し相対移動自
   在とさせ、前記弁部材を作動させるために必要な
   前記ダイヤフラム型揺動部材の変移量を調整可能
   としたことを特許請求の範囲第１項に記載された
   バルブ機構とスイツチ機構を有する流体圧作動装
   置。