JPS6367087B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は燃焼バーナの改良に係り、特に耐摩耗
性を向上させて設置環境に厳しい中での使用でも
充分に耐え得るように改良した耐摩耗性の燃焼バ
ーナに関する。

一般に工業用の燃焼バーナは、工業炉の目的等
に応じて設置され、中には雰囲気条件の厳しい工
業炉の内部に設置される場合がある。このような
場合に、筒状のバーナ本体はその外表面が火炎、
炉壁あるいは加熱物からの輻射を受けて非常に高
温となり、短時間で摩耗したり、又は焼損してし
まう。そのため、一般には工業用燃焼バーナのバ
ーナ本体の外周に従来から不定形耐火物が施され
ており、バーナ本体の摩耗や焼損を防止してい
た。この不定形耐火物として、従来は耐化物の粉
砕物を骨材としたキヤスタブルが多く使用され、
例えば第１図及び第２図に示すように、バーナ本
体１の外周面にスタツト２を用いてキヤスタブル
を施工し、所定厚の層状に形成した不定形耐火物
３を配設したものがあつた。

しかしながら、このようにバーナ本体１の外周
を不定形耐火物３で保護した燃焼バーナを炉内が
特に高温となるような工業炉内に設置した場合に
は、その分火炎、炉壁あるいは加熱物から受ける
輻射熱が強くなるため、不定形耐火物３の劣化及
び表面軟化が激しく、炉内に飛遊する摩耗物質に
よつて、不定形耐火物３の摩耗がより促進され保
護が充分でないという問題があつた。例えば、セ
メント焼成用のロータリーキルン（図示せず）の
場合、燃焼バーナの設置場所付近の炉内温度は、
1000〜1500℃に達しており、又、細粒化した高硬
度のセメントクリンカが炉内を飛遊するため、不
定形耐火物３の摩耗が激しく燃焼バーナの使用可
能時間は約2000〜3000時間程度となつていた。

このように、不定形耐火物３の摩耗が激しい場
合には、バーナ本体１の先端の噴出口４の下側形
状が変形、又は焼損してしまい、燃焼に悪影響を
与えたり、又は燃焼効率が落ちるといつた不具合
が生じ、又、これら不具合を防止するためには工
業炉の運転を停止してからバーナ本体１、又は不
定形耐火物３を補修しなければならなかつたの
で、工業炉の休止によつて生産量が大幅に減少
し、又、運転エネルギーを無駄に浪費するという
問題があつた。

本発明は、上述の欠点を解消すべくなされたも
のであつて、燃焼バーナの耐久性を向上させるこ
とによつて、工業炉及び燃焼バーナの長期連続運
転を可能とすることを目的としたものであり、こ
の目的を達成するために、本発明はバーナ本体の
外周に施工した不定形耐火物層の摩耗し易い部分
に高純度の酸化アルミニウム、炭化硅素あるいは
窒化硅素などの耐熱、耐摩耗性セラミツクを配設
したことを特徴とするものである。

以下添付図面に示す実施例に基いて本発明を詳
細に説明する。

第３図乃至第７図は本発明に係る燃焼バーナの
一実施例を示したものである。

第３図はバーナ本体１の外周面に施した不定形
耐火物３の下側外周面及び前面の下半部に耐熱、
耐摩耗性のセラミツクＣを装着したものである。
このセラミツクＣは第４図及び第５図に示すよう
な２種類のセラミツク小片部材５，６を所定場所
に複数枚並設することにより構成されたものであ
る。第４図に示されるセラミツク小片部材５は、
不定形耐火物３の下側外周面に配設されるもので
あつて、略矩形状の平面部７と、この平面部７の
上面中央部に形成された突起状の取付用スタツト
８とで構成されており、又、第５図に示されるセ
ラミツク小片部材６は、不定形耐火物３の前面に
配設されるものであつて、前記セラミツク小片部
材５の平面部７一側辺に垂直面部９が形成された
ものである。尚、平面部７は不定形耐火物３の外
周面と密接するように僅かに湾曲しており、また
垂直面部９は上端に向かつて幅狭となる台形状に
形成され、かつその上端面１０は凹状に湾曲して
いる。この実施例において、セラミツク小片部材
５，６は高純度の酸化アルミニウム、炭化硅素あ
るいは窒化硅素等の耐熱、耐摩耗性のセラミツク
材料によつて成形される。

第６図及び第７図は、上記セラミツク小片部材
５，６を不定形耐火物３の外表面に装着した状態
を示したものであり、不定形耐火物３の長手方向
に沿つてその外周面には下側半分に一方のセラミ
ツク小片部材５を並設し、又、不定形耐火物３の
先端角部には下側半分に、垂直面部９と平面部７
とを夫々前面側と外周面側とに配置した他方のセ
ラミツク小片部材６を円周上に沿つて並設したも
のである。又、隣接するセラミツク小片部材５，
６の間には、僅かな間隙が形成されており、加熱
時におけるセラミツク小片部材５，６の膨張によ
る破損を防止している。尚、これらのセラミツク
小片部材５，６は、例えば不定形耐火物３の施工
時にスタツト８を不定形耐火物３中に埋め込むこ
とによつて装着することができる他、不定形耐火
物３を養生した後に、別途、その外表面に取付孔
を設け、この取付孔にセラミツク小片部材５，６
の各スタツト８を挿入固定することによつても装
着することができる。

この実施例のように、セラミツク小片部材５，
６を使用する場合の利点としては、バーナ本体１
の大きさ、又は不定形耐火物３の層厚や表面面形
状の歪み等に左右されることなく施工することが
でき、又セラミツク成形が容易なことから均一の
品質を得ることができ歪み等の成型不良による破
損を防止することができる。更に、熱衝撃を強く
受ける過酷な条件では、時としてセラミツクにク
ラツクを生ずる虞れがあるが、上記実施例のよう
にセラミツク小片部材５，６を使用する場合に
は、一つのセラミツク小片部材に生じたクラツク
が他のセラミツク小片部材には及ばないために、
クラツクの成長を防止することができる。又、補
修する場合にも、個々のセラミツク小片部材を対
象とすればよいので、その取扱いが容易である
他、経済的にも有利である。

第８図乃至第１０は本発明に係る燃焼バーナの
他の実施例を示したものである。この実施例にお
いて、不定形耐火物３の外表面に装着されるセラ
ミツクＣは、不定形耐火物３の長手方向に沿つて
その外周下側面を覆う長板状のセラミツク小片部
材１１と、不定形耐火物３の前面の下半分を覆う
台形状のセラミツク小片部材１２とで構成されて
いる。これらセラミツク小片部材１１，１２の施
工は、不定形耐火物３の施工時に合わせて行なう
ことができ、例えば台形状のセラミツク小片部材
１２は、その裏面側に形成されたスタツト８を不
定形耐火物３の前面の所定位置に埋め込むことに
よつて装着することができ、又、長板状のセラミ
ツク小片部材１１は、不定形耐火物３が養生され
た後、円周上の下側面に形成した凹部に略密着さ
せた状態で並設し、更に同じ材質からなる環状の
セラミツク係止体１３を不定形耐火物３の外周に
挿着することにより配設することができる。尚、
この実施例の場合は、前記実施例で説明した利点
を得ることができる他、長板状のセラミツク小片
部材１１を補修のために取り替える場合には、環
状のセラミツク係止体１３を取り外すことによつ
て簡単に行なうことができる。

尚、上記両方の実施例に係る燃焼バーナは、セ
ラミツクを高純度の酸化アルミニウムで構成した
場合には約10000時間以上、炭化硅素又は窒化硅
素で構成した場合には約16000時間以上の寿命が
あつた。

以上説明したように本発明に係る燃焼バーナに
よれば、バーナ本体の外周に施工した不定形耐火
物の外表面に耐熱、耐摩耗性セラミツクを配設し
たから、燃焼バーナの耐久性を向上させることが
でき、工業炉及び燃焼バーナの長期連続運転が可
能となり、生産性の向上を図ることができた。
又、燃焼バーナの補修に際しても、セラミツクを
取り替えることにより行なうことができるから、
従来のようにキヤスタブルの補修に比して簡単、
かつ短時間に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の燃焼バーナにおけるバーナ本体
の一例を示す側面断面図、第２図は上記バーナ本
体の正面断面図、第３図は本発明に係る燃焼バー
ナの一実施例を示すバーナ本体の斜視図、第４図
及び第５図はセラミツク小片部材の各実施例を示
す斜視図、第６図は第３図中Ａ―Ａ線断面図、第
７図は第３図中Ｂ―Ｂ線断面図、第８図は本発明
に係る燃焼バーナの他の実施例を示すバーナ本体
の斜視図、第９図は第８図中Ｅ―Ｅ線断面図、第
１０図は第８図中Ｄ―Ｄ線断面図である。 １……バーナ本体、３……不定形耐火物、５，
６，１１，１２……セラミツク小片部材、１３…
…セラミツク係止体、Ｃ……セラミツク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ バーナ本体の外周を不定形耐火物によつて保
   護するようにした燃焼バーナにおいて、上記不定
   形耐火物の外周面及び前面に耐熱、耐摩耗性セラ
   ミツクを配設してなる燃焼バーナ。 ２ 不定形耐火物の外周面には略矩形状のセラミ
   ツク小片部材を並設したことを特徴とする特許請
   求の範囲第１項記載の燃焼バーナ。 ３ 不定形耐火物の外周面に長板状のセラミツク
   小片部材を並設し、その外周に環状のセラミツク
   係止体を挿着したことを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載の燃焼バーナ。