JPS6365877B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

発明の分野 本発明は、電気抵抗体を用いた工業炉の炉床板
加熱装置に関する。用語「炉床板」とは、密閉さ
れたチヤンバ形炉、非加熱物体が通過するように
構成されたトンネル形炉など、種々の形の加熱炉
における炉内部に固定された炉床板と、平板形加
熱炉の炉床板との両方を意味する。 平板形加熱炉とは、炉の内部に互いに重ね合わ
された複数の平円盤状の炉床板を含む型の炉であ
る。 乾燥、焙焼、分解またはその他の反応などの熱
処理を受けるべき固体物質は、適当な手段により
このような炉床板に循環供給される。 従来技術 固定炉床板を有する加熱炉では、電気加熱を含
めて種々の加熱方式が用いられている。電気加熱
は一般に、加熱炉内の雰囲気に直接熱を放射する
ように構成された抵抗体、または炉床ないし壁の
耐火材料の中に埋設された抵抗体により行なわれ
る。 前記の平板形加熱炉は通常、加熱炉の密閉容器
内に直接導入される高温ガスで加熱されるか、ま
たは平板内を循環する水、蒸気、有機液体あるい
は溶融塩などの加熱流体により加熱されるかの何
れかである。このとき使用される流体は達成温度
により選択される。 これら従来の加熱炉においては、使用される加
熱手段に特有な不便な点を種々有する。 −高温ガス −この場合は高温ガス発生器を必要とし、発生器
は最も簡単なケースでもユニツトヒータ、より
一般には付属機器（貯蔵装置）やそれから発生
するガス流体に関連する特殊な問題を抱える燃
料ボイラであり、 −処理製品を所定の温度分布に置くことが困難で
あり、 −作業を制御雰囲気で、あるいは設定された可変
圧力下で行ない難く、更に、 −処理製品から粉塵が発生する。 −加熱流体 −この場合もまた付属機器や流体移動用機器（ポ
ンプ、タンク、配管、調整機器など）を有する
熱発生器を必要とし、 −流体の化学的性質に関連した火災や腐蝕などの
危険性を有し、 −加熱炉内に所定の熱分布を形成するのは高温ガ
スの場合より更に容易ではない。 −電気加熱炉 この加熱炉は一般に構造的に大きくなりかつ重
量をとる。更に耐火材料を使用すると、炉内部を
高度の真空に保つことが難かしくなる。 本発明は上述の諸点に鑑みなされたものであ
り、本発明の第１の目的は、溶融塩等の加熱流
体、高温ガスを使用する必要がなく、且つ電気抵
抗体用の耐火材料を用いずに被処理物体を高温
（約350℃以上）に加熱するための炉の金属性の炉
床板の加熱装置を提供することにある。 本発明の第２の目的は上述の第１の目的を達成
するための装置において、炉床板の剛性を改善す
ることにある。 本発明の第３の目的は上述の第１の目的を達成
するための装置において、炉床板の熱変形を補償
することにある。 本発明の第４の目的は上述の第３の目的を達成
するための装置において、炉床板の剛性を改善す
ることにある。 本発明の前記第１の目的は、炉の内部に配置さ
れて、該炉の金属性の炉床板を加熱するための装
置であつて、支持板と、該支持板の上面に配置さ
れた断熱層と、該断熱層の上面に配置された耐熱
性の金属板と、前記炉床板に接触することなく、
該炉床板の下方に位置するように、該金属板の上
面に配置された少くとも１個の電気抵抗体と、該
電気抵抗体を炉内雰囲気から遮断するための密閉
された囲繞を形成すべく、前記支持板の周縁と炉
床板の周縁とを連結するための周縁部材と、炉内
部と前記囲繞内部の間の圧力を均衡させるための
手段とからなる装置によつて達成される。 本発明の前記第２の目的は、炉の内部に配置さ
れて、該炉の金属性の炉床板を加熱するための装
置であつて、支持板と、該支持板の上面に配置さ
れた断熱層と、該断熱層の上面に配置された耐熱
性の金属板と、前記炉床板に接触することなく、
該炉床板の下方に位置するように、該金属板の上
面に配置された少くとも１個の電気抵抗体と、該
電気抵抗体を炉内雰囲気から遮断するための密閉
された囲繞を形成すべく、前記支持板の周縁と炉
床板の周縁とを連結するための周縁部材と、前記
支持板及び炉床板の剛性を向上すべく、該支持板
と炉床板とを連結する補強部材と、炉内部と前記
囲繞内部の間の圧力を均衡させるための手段とか
らなる装置によつて達成される。 本発明の前記第３の目的は炉の内部に配置され
て、該炉の金属性の炉床板を加熱するための装置
であつて、支持板と、該支持板の上面に配置され
た断熱層と、該断熱層の上面に配置された耐熱性
の金属板と、前記炉床板に接触することなく、該
炉床板の下方に位置するように、該金属板の上面
に配置された複数の電気抵抗体と、該電気抵抗体
を炉内雰囲気から遮断するための密閉された囲繞
を形成すべく、前記支持板の周縁と炉床板の周縁
とを連結するための周縁部材と、炉内部と前記囲
繞内部の圧力を均衡させるための手段と、炉床板
の熱変形を補償するために各電気抵抗体の温度を
個別に制御すべく炉床板の温度を計測するための
手段とからなる装置によつて達成される。 本発明の前記第４の目的は、炉の内部に配置さ
れて、該炉の金属性の炉床板を加熱するための装
置であつて、支持板と、該支持板の上面に配置さ
れた断熱層と、該断熱層の上面に配置された耐熱
性の金属板と、前記炉床板に接触することなく、
該炉床板の下方に位置するように、該金属板の上
面に配置された複数の電気抵抗体と、該電気抵抗
体を炉内雰囲気から遮断するための密閉された囲
繞を形成すべく、前記支持板の周縁と炉床板の周
縁とを連結するための周縁部材と、前記支持板及
び炉床板の剛性を向上すべく、該支持板と炉床板
とを連結する補強部材と、炉内部と前記囲繞内部
の圧力を均衡させるための手段と、炉床板の熱変
形を補償するために各電気抵抗体の温度を個別に
制御すべく炉床板の温度を計測するための手段と
からなる装置によつて達成される。 以下に本発明の好ましい具体例を添附図面を参
照しつつ詳説する。 第１図に炉床板１と本発明による炉床板加熱装
置とからなる加熱板を示す。炉床板加熱装置は円
板状の支持板６、支持板６の上面に配置された円
板状の断熱層５、断熱層５の上面に配置された円
板状の金属板４、金属板４の上面に配置された電
気抵抗体２、電気抵抗体２の温度が許容温度以上
に上昇しないようにするために該抵抗体の温度を
測定すべく設けられた安全用熱電対３、炉床板の
熱上昇による変形を防ぐために複数の抵抗体２の
温度を個別に制御すべく、炉床板の下面に設けら
れた温度制御用熱電対９、熱膨張可能な材料から
なる周縁部材７及び加熱板内部と炉内部との圧力
を一定に保つべく設けられた加熱板内部と炉内部
とを連通する圧力均衡管８とからなる。抵抗体２
から発生する熱は断熱層５及び耐熱性の金属板４
により効率的に炉床板の下面に放射される。上述
の構成を有する加熱装置を備えた加熱板は炉の内
部に配置されて使用される。 第２図に第１図の構成とほぼ同じ構成を有する
加熱装置と炉床板とからなる加熱板を平板形加熱
炉に適用した場合の例を示す。 平板形加熱炉は吊鐘形の通常の密封室１１をし
て形成され、この室内に相互に間隔をあけて６個
の加熱板が重ねて配置され、処理される製品に対
し一枚目の加熱板から次の加熱板へと循環する空
間が形成される。 各加熱板の直径は1.7ｍで全板厚は５cmであつ
て炉床板１と支持板６とは同一厚さであり、炉床
板１と電気抵抗体２との間の距離は約２cmであ
る。 被外装形の電気抵抗体は補強部材１０によつて
３分割された同心円状の加熱領域に夫々配置され
ている。 補強部材１０は、一方で支持板６には溶接で、
他方で炉床板１には差込み継手で固定されてい
る。 周縁膨張部材７は炉床板１と支持板６とをそれ
らの外周で結合している。圧力均衡管８は加熱板
内部と密封室１１とを連通するように形成されて
いる。 符号Ａの付された加熱板は円板状であり、符号
Ｂの付された加熱板は円板状であつて中央に穴が
設けられている。処理されるべき製品はインレツ
ト１２から導入され、アウトレツト１４から外部
に排出される。符号１５はガス又は空気排出口、
符号１３は加熱板取付用部材である。 抵抗体は最高操業温度として450℃まで発生可
能である。消費電力は炉床板１の加熱に応じて22
または28kwである。即ち、炉床板１の加熱領域
に対応させると0.9から1.2w／cm²である。これら
の各領域は温度制御手段で制御される。この温度
制御手段は、 −抵抗体２に許容されている最高温度を指示する
安全警報器と、 −炉床板１上の最高使用温度を指示する警報器
と、 −温度上昇プログラム手段と、 からなる。 本発明に不可欠ではないこれらの手段は本発明
に制約を与えるものではない。 下記の加熱試験は製品がない状態で行なわれ、
炉の構造上の必要条件を確実に満足しているかど
うかを調べるために炉床板の変形測定が行なわれ
た。炉床板の変形は基準平面に対して計測される
が、周囲温度と使用最高温度との間の最大許容変
形量は10mm以下でなければならない。 下記の試験結果は複数回の加熱冷却の連続サイ
クルから求めたものである。

【表】 試験的にこの加熱炉を使用し、六水和硝酸ウラ
ニルの分解を２工程（脱水と脱窒素）で減圧下で
行なつた。得られる最終製品（三酸化ウラニウ
ム）は正確な物理的性質を有することが必要で、
この性質は部分的には残留水分および残留窒素と
関連し、これらは行なわれる熱処理工程にも関連
する。 各加熱板の種々の加熱領域を制御して複数の熱
分布形成を試験した。何れの場合も最終温度は
400℃に保持した。 次の表は水分と窒素の残留成分を示す。試験 H₂O％ Ｎ％ １ 0.84 1.46 ２ 0.22 1.31 ３ 0.53 1.18 ４ 0.80 0.95 ５ 0.66 0.87 ７ 0.82 0.85 窒素の比率は規則的に低下しているが、これは
製品の温度上昇率の増加と高温における保持時間
の増加とにより達成された。 これらの結果を必ずしも拘束するものではない
が、これらの装置により乾燥、分解、変態または
他の反応などの問題を良好な結果で解決可能であ
ることを示すものであり、このために操業条件を
処理ごとに調整しなければならないが、これがこ
の装置では特に容易に行なえる。 本発明の炉床板加熱装置は上述の構成を有する
ので以下の利点を有する。 主として放射による加熱効果を使用するので温
度分布は均一になり、局所的加熱部分の発生も防
止でき、耐火材料がないので、温度分布を厳密に
制御することが可能で、熱慣性容量も軽減され
る。 抵抗体は完全に密閉された気密性ケーシング内
に封入され、このケーシングは、この抵抗体を加
熱炉内の雰囲気または処理される製品による汚染
や腐食から遮断する。 加熱炉内が大気圧とは異なる圧力下にある場
合、上記のケーシング内部と炉内雰囲気との間を
圧力均衡管で連結することが可能である。 支持板と炉床板との周辺を周縁膨張部材で相互
に接続することにより剛性が向上する。 更に抵抗体は複数の加熱領域に分割可能で、各
加熱領域はそれぞれ個別の電力供給手段と温度制
御手段とを有し、これにより所定のいかなる温度
分布でも形成可能で、従つて反応も極めて厳密な
方法で行なわせると同時に炉床板の変形を発生さ
せる膨張差の補償も可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による加熱装置を備えた加熱板
を示す。第２図に第１図の加熱板と同様の加熱板
を平板形加熱炉に適用した場合の例を示す。 １……炉床板、２……抵抗体、３……安全用熱
電対、４……反射板、５……断熱層、６……支持
板、７……周縁膨張部材、８……圧力均衡管、９
……温度制御熱電対、１２……インレツト、１３
……支持部材、１４……アウトレツト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 炉の内部に配置されて、該炉の金属性の炉床
   板を加熱するための装置であつて、支持板と、該
   支持板の上面に配置された断熱層と、該断熱層の
   上面に配置された耐熱性の金属板と、前記炉床板
   に接触することなく、該炉床板の下方に位置する
   ように、該金属板の上面に配置された少くとも１
   個の電気抵抗体と、該電気抵抗体を炉内雰囲気か
   ら遮断するための密閉された囲繞を形成すべく、
   前記支持板の周縁と炉床板の周縁とを連結するた
   めの周縁部材と、炉内部と前記囲繞内部の間の圧
   力を均衡させるための手段とからなる装置。 ２ 前記周縁部材は膨脹可能な材料からなる帯鋼
   である特許請求の範囲第１項に記載の装置。 ３ 前記圧力を均衡させるための手段は前記囲繞
   内部と炉内部とを連通する管である特許請求の範
   囲第１項又は第２項に記載の装置。 ４ 炉の内部に配置されて、該炉の金属性の炉床
   板を加熱するための装置であつて、支持板と、該
   支持板の上面に配置された断熱層と、該断熱層の
   上面に配置された耐熱性の金属板と、前記炉床板
   に接触することなく、該炉床板の下部に位置する
   ように該金属板の上面に配置された少くとも１個
   の電気抵抗体と、該電気抵抗体を炉内雰囲気から
   遮断するための密閉された囲繞を形成すべく、前
   記支持板の周縁と炉床板の周縁とを連結するため
   の周縁部材と、前記支持板及び炉床板の剛性を向
   上すべく、該支持板と炉床板とを連結する補強部
   材と、炉内部と前記囲繞内部の間の圧力を均衡さ
   せるための手段とからなる装置。 ５ 前記周縁部材は膨脹可能な材料からなる帯鋼
   である特許請求の範囲第４項に記載の装置。 ６ 前記圧力を均衡させるための手段は前記囲繞
   内部と炉内部とを連通する管である特許請求の範
   囲第４項又は第５項に記載の装置。 ７ 炉の内部に配置されて、該炉の金属性の炉床
   板を加熱するための装置であつて、支持板と、該
   支持板の上面に配置された断熱層と、該断熱層の
   上面に配置された耐熱性の金属板と、前記炉床板
   に接触することなく、該炉床板の下方に位置する
   ように、該金属板の上面に配置された複数の電気
   抵抗体と、該電気抵抗体を炉内雰囲気から遮断す
   るための密閉された囲繞を形成すべく、前記支持
   板の周縁と炉床板の周縁とを連結するための周縁
   部材と、炉内部と前記囲繞内部の圧力を均衡させ
   るための手段と、炉床板の熱変形を補償するため
   に各電気抵抗体の温度を個別に制御すべく炉床板
   の温度を計測するための手段とからなる装置。 ８ 前記周縁部材は膨脹可能な材料からなる帯鋼
   である特許請求の範囲第７項に記載の装置。 ９ 前記圧力を均衡させるための手段は前記囲繞
   内部と炉内部とを連通する管である特許請求の範
   囲第７項又は第８項に記載の装置。 １０ 前記温度を計測する手段は炉床板の下面に
   設けられた複数の熱電対からなる特許請求の範囲
   第７項から第９項のいずれか一項に記載の装置。 １１ 炉の内部に配置されて、該炉の金属性の炉
   床板を加熱するための装置であつて、支持板と、
   該支持板の上面に配置された断熱層と、該断熱層
   の上面に配置された耐熱性の金属板と、前記炉床
   板に接触することなく、該炉床板の下方に位置す
   るように、該金属板の上面に配置された複数の電
   気抵抗体と、該電気抵抗体を炉内雰囲気から遮断
   するための密閉された囲繞を形成すべく、前記支
   持板の周縁と炉床板の周縁とを連結するための周
   縁部材と、前記支持板及び炉床板の剛性を向上す
   べく、該支持板と炉床板とを連結する補強部材
   と、炉内部と前記囲繞内部の圧力を均衡させるた
   めの手段と、炉床板の熱変形を補償するために各
   電気抵抗体の温度を個別に制御すべく炉床板の温
   度を計測するための手段とからなる装置。 １２ 前記周縁部材は膨脹可能な材料からなる帯
   鋼である特許請求の範囲第１１項に記載の装置。 １３ 前記圧力を均衡させるための手段は前記囲
   繞内部と炉内部とを連通する管である特許請求の
   範囲第１１項又は第１２項に記載の装置。 １４ 前記温度を計測する手段は炉床板の下面に
   設けられた複数の熱電対からなる特許請求の範囲
   第１１項から第１３項のいずれか一項に記載の装
   置。