JPS6365366B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、上下水または産業廃水から回収し
た汚泥を脱水する重力型脱水機に係り、特に凝集
剤混合装置を内装した重力型脱水機に関する。

凝集剤混合装置を内装した従来の重力型脱水機
は、第１，２図に示すように、円筒状漉格子より
なる外筒１の内側に、スクリユウ羽根２を配し、
このスクリユウ羽根２の内周に一方の端部を閉塞
し他方の端部近傍を開口した円筒状の内筒３を、
前記外筒１と同心に固着する。この内筒３の閉塞
端中央に尾部短軸４を突設し、この尾部短軸４を
尾部軸受５により支承する。

また内筒３の他端側には、端部近傍の側面に流
出口６を設けて開口すると共に、端面に外筒１と
兼用の鏡板７を固着する。この鏡板７の中央に頭
部短管８を内外連通して設け、その突端に駆動ホ
イール９を装着し、鏡板７と駆動ホイール９の間
にて頭部軸受１０により支承する。内筒３の内面
には、流出口６の近傍に軸に直角方向の輪状溢流
板１１を設けると共に、この溢流板１１と閉塞端
との間に溢流板１１に平行して複数個の攪拌板１
２をほぼ等間隔でかつほぼ均等な位相をもつて設
ける。さらに前記頭部短管８を介して内筒３内に
汚泥を注入するための注入管１３を貫入し、その
突端の開口を内筒３の閉塞端に近接して臨ませ
る。

駆動ホイール９により外筒１とスクリユウ羽根
２と内筒３とを注入管１３を軸にして回転させ
る。そして注入管１３を介して回収汚泥と凝集剤
とを内筒３内の閉塞端側に注入すると、回収汚泥
と凝集剤とは内筒３の内面に沿つた転動（以下転
流という）をしながら、溢流板１１の方向に流動
する。攪拌板１２は内筒３内を転流しながら流動
する汚泥と凝集剤とを混合する。スクリユウ羽根
２は流出口６から外筒１内に流出した汚泥を外筒
１の頭部（第１図の右側）から尾部（同図左側）
に向けて推進するのである。かくして外筒１は頭
部から尾部に向つて進む汚泥を、繰り返し転動さ
せながら重力脱水を促進するのである。

しかし、内筒３内の攪拌板１２は、汚泥の転流
方向と平行に設けられているので転流する汚泥を
攪拌する能力が小さく、汚泥と凝集剤との混合が
十分されないまま汚泥を外筒１に流出させて、凝
集剤を無駄にすると共に重力脱水能力を低下させ
る等の欠点があつた。

この発明は、汚泥と凝集剤との攪拌混合を促進
して凝集フロツクを高能率に生成すると共に、脱
水能力の高い凝集剤混合装置付きの重力脱水機を
提供することを目的とする。

この発明の要点は、凝集剤混合用内筒の内面に
該内筒の円周方向に延びる攪拌板を設けるととも
に、前記内筒のほぼ軸方向に延びかつ内筒面の接
線に対して45゜〜90゜傾斜した攪拌ブレードを設け
て、転流する汚泥を広域に攪拌し、汚泥と凝集剤
との混合能力を高めようとするものである。

この発明の構成を実施例の図面に基づいて説明
する。

第３〜１０図は本発明の実施例を示し、従来と
共通する部材は第１，２図と同じ符号を用いその
説明を省略する。

第３〜６図は第１実施例を示すもので、内筒３
の内面に設けた攪拌板１２の円周方向のほぼ中央
に、その点の接線に対して45゜〜90゜傾斜した角度
θを有し、内筒３のほぼ軸方向に伸びる攪拌ブレ
ード１４を、ほぼ等間隔に配設したものである
（本実施例の角度θはほぼ90゜である）。なお前記
傾斜の向きと角度θとは内筒３の回転方向と混和
状態によつて適宜決めるが角度θは45゜〜90゜が適
当である。

前記内筒３の閉塞端と溢流板１１との間に一時
貯留する回収汚泥と凝集剤とは、内筒３の回転に
よりその内面に沿つて転流する。攪拌ブレード１
４は内筒３と共に回転し、転流する回収汚泥並び
に凝集剤とがこの攪拌ブレード１４を通過すると
き、転流の上層流と下層流とを混合して凝集フロ
ツクの生成を促進する。そして凝集フロツクを生
成した汚泥は溢流板１１を越えて流出口６から流
出し、外筒１内を通過するとき効率よく重力脱水
される。

第７〜１０図は第２実施例を示すもので、攪拌
板１２の円周方向の両端に前記第１実施例の場合
と同様に傾斜した攪拌ブレード１４を設けたもの
である。この場合も前記第１実施例と同様の作
用、効果を奏するものである。

しかして従来装置と本発明装置とにより比較実
験したときの凝集剤薬注率と処理汚泥の含水率と
は第１１図に示すように、最適薬注率以下になる
と本発明による含水率の低下が顕著である。

以上説明したとおりこの発明は、円筒状漉格子
の内側に取り付けたスクリユウ羽根の内周に内筒
を取り付け、この内筒内にその円周方向に延びる
攪拌板を設けるとともに、前記内筒のほぼ軸方向
に延びかつ内筒面の接線に対して45゜〜90゜傾斜し
た攪拌ブレードを設けたことにより、内筒内に導
入した汚泥と凝集剤との攪拌混合を強制するか
ら、凝集フロツクの生成が十分促進されると共に
高能力の重力脱水を行なうことができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の重力脱水機の縦断面図、第２図
は第１図のＡ−Ａ断面図、第３図は本発明の第１
実施例を示す重力脱水機の縦断面図、第４図は内
筒、攪拌板、攪拌ブレードのみを示す第３図のＢ
−Ｂ断面図、第５図は同じく第３図のＣ−Ｃ断面
図、第６図は同じく第３図のＤ−Ｄ断面図、第７
図は本発明の第２実施例を示す脱水機の縦断面
図、第８図は第７図のＥ−Ｅ断面図、第９図は第
７図のＦ−Ｆ断面図、第１０図は第７図のＧ−Ｇ
断面図、第１１図は従来との比較実験を示すグラ
フである。 １：外筒、２：スクリユウ羽根、３：内筒、
６：流出口、１２：攪拌板、１３：注入管、１
４：攪拌ブレード、θ：傾斜角度。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 回収汚泥と凝集剤とを導入する円筒と漉格子
   状外筒との間にスクリユー羽根を設けて回転自在
   に支承した重力脱水機において、前記内筒の内面
   に、該内筒の円周方向に延びる攪拌板を設けると
   ともに、前記内筒のほぼ軸方向に延びかつ内筒面
   の接線に対して45゜〜90゜傾斜した攪拌ブレードを
   配設したことを特徴とする混和型重力脱水機。