JPS6364879B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電気アーク炉の電極密封装置に関す
る。

現在、電極開口の種々の密封装置がアーク炉で
使われている。これらの装置の１つは電極を取り
囲み、電極が動く余地を与えるように電極から距
離を置いて位置する鋼の室を備えている。このよ
うな装置の製造コストは高度の組み立てと溶接が
必要なために高い。更に、このような装置の使用
は、定期的に必要な装置の内部の点検と洗浄が行
なわれないことがあるという点と電極と装置との
間にアーク放電が起り、装置に損傷を与える結果
となるという点で不利である。

本発明の目的は電気アーク炉の電極の密封装置
を提供することにある。

本発明のアーク炉の電極密封装置は電極を取り
囲むようになされた環状室を備え、環状室は少く
とも１つの通路で形成されている直立円筒壁部材
上に耐火性材料で作られた輪形蓋部材を備え、少
くとも１つの通路は環状室の半径の接線方向に、
圧縮ガスを受け入れ、圧縮ガスを環状室に取り囲
まれた電極の回りへ排出して電極の回りの空間を
有効にシールするように接続されている。

直立円筒壁部材は好ましくは耐火性材料で製造
され、耐火性の輪形蓋部材と一体に形成すること
ができる。一体に形成する代わりに輪形蓋部材を
直立円筒壁部材から取り外しできるようにしても
よい。後者の場合には、直立円筒壁部材は耐火性
材料か別の適当な材料、例えば、鋼で構成しても
よい。更に、輪形蓋部材の下面は輪形蓋部材が直
立円筒壁部材上に正しく位置し、圧縮ガスを電極
の面の方へ導くように内側へ傾斜している。

１つの好ましい装置では、圧縮ガス源に接続さ
れている導入管が通路の端部内へ一部突出してい
て、導入管の環状室に遠い端部は朝顔形に張り出
されてもよい。環状室の半径方向内側の周面は完
全に開放されている。

耐火性の輪形蓋部材は耐火性材料を成形、冷間
圧縮、焼成して製造される。輪形壁部材は複数個
の部分から成り、複数個の部分が組み立てられる
と所望の輪形を形成するのが好ましい。

環状室が耐火性材料で作られた、一体の輪形蓋
部材と直立円筒壁部材から成る装置では、環状室
は適当な耐火性材料を成形、冷間圧縮、焼成して
製造してもよい。更に、この装置においては、環
状室は、組み立てられると所望の環状室を形成す
る複数個の部分から成るのが好ましい。金属帯が
組み立てられた部分の周囲に位置させられて、組
み立てられた部分を支持する。この装置において
は、圧縮ガス源に接続された導入管は組み立てら
れた部分を取り囲んでいる金属帯の内側に載置さ
れるかその金属帯に固着されてもよい。

環状室が分割されている装置においては、成形
された部分の当接し合う側面は、組み立てられや
すく、組み立てられた時に輪形蓋部材あるいは環
状室に安定を与えるよう補完し合う形を有してい
る。

本発明はもう一つの面においてアーク炉の電極
アーク炉の一面に形成された電極開口との間の空
間を密封する装置を提供する。この装置は、耐火
性材料でできた環状室を形成し合う複数個の協働
する部分の組み立て体から成り、環状室は電極を
取り囲み、上方輪形蓋部材と上方輪形蓋部材の半
径方向外縁から下がつている周壁とを備え、周壁
は少くとも１つの通路によつて形成されていて、
少くとも１つの通路は環状室の半径の接線方向、
圧縮ガスを導入管から受け入れ、圧縮ガスを環状
室に囲まれた電極へ更にその回りへ排出して電極
とアーク炉の壁との間の空間を有効にシールす
る。

以下添付の図面を参照して本発明の一実施例に
ついて説明する。

図面の第１図乃至第３図に図示されている密封
装置は環状室１を備えており、環状室１はその外
周に巻いた軟鋼帯２で結合されている複数個の分
割部分１ａ……１ｆを備えている。各部分１ａ…
…１ｆは、耐火性材料を圧縮乾燥と焼成すること
によつて形成される。

代表的な耐火材料は40.15重量％のアルミナと、
54.90重量％のシリコンと、1.30重量％の鉄と、
2.00重量％のチタニアと、0.35重量％の石灰と、
0.20重量％のマグネシアと1.10重量％のアルカリ
とからなる。

部分１ａ……１ｆが組み立てられた状態では、
環状室はリング状の上部カバー部材４とその半径
方向の外縁に下がつている周壁５とから構成され
る。環状室の周壁５内側には通路６が形成されて
おり、環状室の半径の接線方向に形成されてい
る。第２図から明らかなように、環状室は横断面
が逆Ｌ字状をしており、環状室の半径方向内側の
周面は完全に開放されている。環状室は、使用中
は、電気アーク炉の屋根の上の電極開口の回りに
置かれている煉瓦支持体上に据えられている。

軟鋼製の導入管８は通路６内へ一部突出してい
て、軟鋼帯２に固着されている鋼板３を貫いて所
定の位置に保たれている。第１図と第３図から分
るように、導入管８は朝顔形に張り出た端部９を
有し、朝顔形に張り出た端部９内に管ニツプル１
０がスペーサ１１によつて支持されている。管ニ
ツプル１０は適当にねじを刻んだ管路を通して圧
縮ガス源に接続される。

次に、第４図乃至第７図に図示されている密封
装置について説明する。繰り返しになるが、密封
装置は環状室１２を備え、環状室１２はアーク炉
の屋根１４上で煉瓦１３上に支持されてアーク炉
の電極１５を取り囲んでいる。環状室１２は直立
の円筒形壁部材１６と円筒形壁部材１６の上方リ
ム上に据えられている耐火材料でできた取り外し
のできるリング状の上部カバー部材１７とを備え
ている。円筒形壁部材１６は耐火材料で形成して
もよく、あるいは、例えば、鋼で製造されてもよ
い。直立円筒壁部材１６は基部１８を備え、基部
１８は内側壁１９と外側壁２０とを担持し、内側
壁１９と外側壁２０とは第１図と第３図の導入管
８に類似の導入管２２を通して受け入れられる圧
縮空気の通路２１を形成している。導入管２２は
朝顔形に張り出した端部２３を有し、朝顔形に張
り出した端部２３内には管ニツプル２４がスペー
サ２５によつて支持されている。管ニツプル２４
は管路２６によつて圧縮ガス源に接続されてい
る。

上部カバー部材１７は第６図と第７図に詳細に
図示されており、４つの部分１７ａ……１７ｄか
ら成つていて、各セグメントは耐火材料で形成さ
れており、成形、圧縮乾燥と焼成によつて作られ
る。部分１７ａ……１７ｄの互いに対向する端部
は、部分が組み立てられた際に垂直方向にも水平
方向にも互いに支持し合うように形成されてい
る。組み立てられると、部分は輪形蓋部材１７の
周囲に巻いた軟鋼帯２７で更に支持されてもよ
い。

上部カバー部材１７の下面は円筒壁部材１６上
に集中するようにまた環状室に囲まれた電極の面
上に流入するガスを導くように内側下方へ傾斜し
ている。

上述の密封装置の使用中は、加圧された高速ガ
スが導入管８あるいは２２内へ噴射され、大気か
ら空気の二次流を管の朝顔形張り出し端部９ある
いは２３内へ吸入し、導入管からの全流量は通路
６あるいは２１を通して環状室２１へ入る。空気
はほぼ接線状に環状室内へ導かれ、最初は渦状に
環状室の回りを流れて電極とアーク炉の電極と隣
接する壁との間にシールを施す。

上述した密封装置の一つの利点は、密封装置が
接触のためあるいは黒鉛電極に密接しているため
に万一摩滅した場合には比較的低いコストの耐火
性の環状室あるいは輪形蓋部材だけを取り替える
ことができることである。このような取り替え
は、第４図乃至第７図に図示された配置におい
て、密封装置の支持構造をアーク炉の屋根上の密
封装置の位置から取り外す必要がなく安く、速く
行うことができる。更に環状室あるいは上部カバ
ー部材の耐火性組成は電極と密封装置の重要な金
属面との間にアーク放電が生じるのを防ぐ。

第１図乃至第４図に図示された環状室１と第５
図乃至第８図に図示された上部カバー部材１８は
部分に分割された構造になつているが、代りに、
環状室と上部カバー部材はそれぞれ一体構造にさ
れてもよい。

１つ以上の電極を有する炉に使う場合には、い
くつかの密封装置が使われ、各密封装置は１つの
電極を囲むように構成される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の密封装置を下から見た平面
図、第２図は第１図に図示されている装置の側断
面図、第３図は第１図と第２図に図示されている
装置に使う導入管の断面の断面図、第４図は本発
明よる密封装置の一部を断面で示した平面図、第
５図は第４図の線Ｖ―Ｖ線に沿つた断面図、第６
図と第７図は第４図と第５図に図示されている装
置の一部を形成している上部カバー部材のそれぞ
れ側面展開図と平面図である。 １……環状室、２……軟鋼帯、３……鋼板、１
ａ…１ｆ……複数個の部分、４……上方カバー部
材、５……周壁、６……通路、８……導入管、９
……朝顔形張り出し端部、１０……管ニツプル、
１１……スペーサ、１２……環状室、１３……煉
瓦、１４……屋根、１５……炉電極、１６……直
立円筒壁部材、１７……上方カバー部材、１８…
…基部、１９……内側壁、２０……外側壁、２２
……導入管、２３……朝顔形に張り出した端部、
２４……管ニツプル、２５……スペーサ、２６…
…管路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 電気アーク炉の電極と壁面の一面に形成され
   た開口との間の空間をシールする装置において、
   電極と距離を置いて電極を取り囲むとともに電極
   との間に環状空間を形成した少なくとも一部分が
   非導電性耐火材料からなる環状室１，１２を備
   え、前記環状室１，１２は直立円筒壁部材５，２
   ０と複数個の分割部分１ａ，……１ｆ，１７ａ，
   ……１７ｄからなる組立体を備え、前記分割部分
   １ａ，……１ｆ，１７ａ，……１７ｄは耐火材料
   からなるとともにリング状の上部カバー部材４，
   １７を形成し、前記直立円筒壁部材５，２０には
   少なくとも１個の通路６，２１が形成され、前記
   通路６，２１は環状室の半径の接続方向に形成さ
   れ、かつ、導入管８，２２に連通して圧縮ガスを
   受入れ、この圧縮ガスを電極の接続方向に電極の
   周囲に排出して、電極と環状室との間の前記環状
   空間を有効にシールすることを特徴とする密封装
   置。 ２ 前記リング状の上部カバー部材１７は前記直
   立円筒壁部材２０に取り外し可能に支持されてい
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載
   の密封装置。 ３ 前記リング状の上部カバー部材１７の下面は
   内側に傾斜して前記上部カバー１７が前記直立円
   筒壁部材２０に正しく位置決めされるようになつ
   ていることを特徴とする特許請求の範囲第２項に
   記載の密封装置。 ４ 前記導入管８，２２は前記通路６，２１の端
   部内へ突出していることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項に記載の密封装置。 ５ 前記環状室１，１２の半径方向内側の全周面
   が完全に開放していることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項から第４項のいづれか１項に記載の
   密封装置。 ６ 前記環状室１，１７は耐火性材料を成形し、
   冷間プレスし、または焼成して製造されることを
   特徴とする特許請求の範囲第１項から第５項のい
   づれか１項に記載の密封装置。 ７ 前記耐火性材料は、主にアルミニユームと珪
   素からなることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項から第６項のいづれか１項に記載の密封装置。 ８ 前記組立てられた分割部分１ａ……１ｆ，１
   ７ａ，……１７ｄの周囲に金属帯２，２７が取付
   けられ、前記導入管８，２２が前記金属帯２，２
   ７に固定されていることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項から第７項のいづれか１項に記載の密
   封装置。 ９ 電気アーク炉の電極と壁面の一面に形成され
   た開口との間の空間をシールする装置において、
   電極を取り囲むとともにリング状の上部カバー部
   材４とこのリング状の上部カバー部材と一体に形
   成された直立円筒壁部材５からなる耐火材料の環
   状室１を備え、前記直立円筒壁部材５には少なく
   とも１個の通路６が形成され、前記通路６は環状
   室１の半径の接続方向に形成され、かつ、圧縮ガ
   ス源に接続されていることを特徴とする密封装
   置。