JPS6361630B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、電気機械変換機としてステツプモー
ターを備えた小型指針表示式電子腕時計のムーブ
メント構造に関するものである。

昨今の高精度を誇る電子腕時計の普及は、外装
ケースのデザイン美の追求から、急速に時計ムー
ブメントの小型化、薄型化を押し進めることとな
つた。とりわけ指針表示式電子腕時計は、そのデ
ザイン面での要求が大きく、特に時計ムーブメン
トの大きさが、外装ケースのデザイン美に与える
影響の大きな婦人用ブレスレツトウオツチの様な
商品においては、超小型、薄型の指針表示式電子
腕時計を実現させることが急務であつた。

超小型化、薄型化を阻害する最も大きな要因
は、指針表示式電子腕時計は、電池をエネルギー
源として駆動されている為に、電池電圧が衰退し
てきたら電池を交換しなければならないというこ
とにある。

すなわち、時計ムーブメントの小型化、薄型化
に伴なつて電池サイズも小さくなり、電池容量も
少なくなる為に、電池寿命が必然的に短かくなつ
てくる。

一般的に電子腕時計の電池寿命は、少なくとも
１年以上を保証しなければ商品としての価値がな
くなつてしまう。

従来の婦人用ブレスレツトウオツチ用として使
用されている指針表示式電子腕時計のムーブメン
トにおいては、該ムーブメントを構成している時
計基板上に各エレメント、すなわち電池、電子回
路ブロツク、ステツプモータを構成するコイル、
同じくステツプモーターを構成するステータ、輪
列機構、表示時刻修正用部材を互いに平面的にず
らして配設していた。

本発明の意図する時計の超小型化、薄型化が、
前記の全エレメントのサイズを一率に縮小するこ
とにより達成できれば良いが、次のような阻害要
因が出てくる。すなわち電池の小型化により電池
容量は極度に減少し、逆にステツプモータのコイ
ルの小型化によりステツプモーターの消費電流は
増大するために、１年以上の電池寿命を保証する
ことが著しく困難となる。従つて、最小限の電池
寿命を維持するためにも、電池およびステツプモ
ーターの縮小率を他のエレメントの縮小率より押
えてムーブメントの小型化を図らなければなら
ず、従来の指針表示式電子腕時計の各エレメント
の配置構造では、超小型、薄型化は実現し得な
い。

本発明の目的は、上記従来の構成の欠点を解消
し、指針表示式電子腕時計の超小型化を達成する
ための最も有効な時計ムーブメント構造を提供す
ることにある。

以下、図面にもとづいて本発明の実施例を説明
する。

第１図は、本発明の１実施例による指針表示式
電子腕時計の配置構造を示す平面図、第２図は第
１図の要部断面図である。

時計ムーブメントの基板である地板１は、長辺
と短辺を備えた非円形の平面形状を有し、その略
中央部上には、輪列機構２が配置されており、前
記地板１の外周部上には、前記輪列機構２の周囲
のうち二方をＬ字状に取り囲む如く、ICチツプ
と時間基準振動子である水晶振動子を備えた電子
回路ブロツク３が配置されている。また該電子回
路ブロツク３に隣接する一方の長辺側領域には表
示時刻修正用部材４が配設されており、前記電子
回路ブロツク３と表示時刻修正用部材４とで、前
記輪列機構２を略コ字状に取り囲んでいる。尚、
水晶振動子は、表示時刻修正用部材４と反対側の
長辺側領域に、又ICチツプは、一方の短辺側領
域にそれぞれ配置されている。さらに表示時刻修
正部材４、電子回路ブロツク３、輪列機構２の大
部分を覆う如く、これらの上に電池ブロツク５を
積み重ねて配置し、該電池ブロツク５と隣接する
他方の短辺側領域、すなわち輪列機構２を囲む残
りの方向の地板１の外周部上に、ステツプモータ
ー６を配置している。

輪列機構２は、後述するローター７より四番車
８、三番車９、二番車１０、日の裏車１１、筒車
１２の順序の輪列伝達構造をとり、地板１と輪列
受１３により軸支され、輪列受１３は締結部１３
ａ，１３ｂにおいて２本のネジ１４，１５により
地板１にネジ止めされる。輪列受１３の締結部１
３ａ，１３ｂは、ネジ１４，１５の頭部をそれぞ
れ収容する如く凹部１３ｃ，１３ｄを有する。

ステツプモーター６は、棒状のコイル１６、ス
テーター１７、ローター７および電源接続用部材
１８より構成されている。

コイル１６は、ローター７を包囲しているステ
ーター１７の上に、ほぼ平面的に重ねて配設され
る。しかもコイル１６の長手方向は、地板１の短
辺と平行となるように構成されている。

ローター７は、ステーター１６に溶接によつて
一体化されている支持板１９と地板１により軸支
され、穴部１７ａ内に収納されている。又ステー
ター１７には、穴部１７ａに隣接し、且つその一
部が他方の短辺側に向つてくびれた凹部２１が形
成されている。コイル１６の巻線部１６ａの端末
２本は、電池２０と電子回路ブロツク３間の導通
を図る電源接続用部材１８の一部に設けた導通パ
ターンに電気的導通をとるべく端末処理されてい
る。

電源接続用部材１８は、２本の腕１８ａ，１８
ｂを有し、その中間部１８ｃでコイル１６の巻線
部１６ａの下面外周部に接着固定され、前記ステ
ーター１７の支持板１９とは、コイル巻線部１６
ａの下面側において、互いに平面的には重なら
ず、断面的には略同一の高さレベルに配置されて
いる。

さらに輪列受１３においては、ネジ１４による
地板１への締結部１３ａの一部が、コイル１６の
巻線部１６ａの一部に対して平面的に重なるよう
に、ステーター１７の凹部２１内へ嵌入されて地
板１に固定されている。更に前記ネジ１４の頭部
を収容している凹部１３ｃの周辺には、さらにコ
イル１６の端末処理板を兼ねる電源接続部材１８
の一部を収容する為の段差低部１３ｅも有してい
る。

以上説明したように、本発明はコイル、ステー
ターを平面的に重ねることにより平面スペースを
小型化したステツプモーターと、電子回路ブロツ
ク、および輪列機構、表示時刻修正用部材を平面
的にほぼ覆う如くに配設された電池とによつて、
すなわち隣接する電池とコイルによつて時計基板
の平面サイズがほぼ決まるような各エレメントの
配置構造をとることにより、時計ムーブメントの
超小型化、薄型化をしている点に特徴を有する。

特に、輪列機構を構成する輪列受の締結部を配
置するため、専用スペースを設けずに、コイルの
巻線部の一部と重なる位置に締結部を配置したこ
とにより前述の如き小型の時計ムーブメントを構
成できたものである。

又、輪列機構においては、輪列受の上面よりも
ネジ頭部が飛びだすことのないように輪列受の上
面に凹部を設け、且つコイルの下面側に接着され
た電源接続部材の一部を収容する如く、凹部の周
辺に段差低部を設け、部品の重なりの最も多い部
分の薄型化を実現可能にしたものである。

以上のように、本発明により特に電子腕時計の
大きさを飛躍的に小さくすることができ、超小型
指針表示式電子腕時計を容易に提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の実施例による時計ムーブメ
ントを示す平面図、第２図は、第１図の要部断面
図である。 １…地板、２…輪列機構、３…電子回路ブロツ
ク、４…表示時刻修正用部材、５…電池ブロツ
ク、６…ステツプモーター、７…ローター、８…
四番車、９…三番車、１０…二番車、１１…日の
裏車、１２…筒車、１３…輪列受、１４，１５…
ネジ、１６…コイル、１７…ステーター、１８…
電源接続部材、２０…電池。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 長辺と短辺を備えた時計ムーブメントを構成
   する地板等の時計基板と、ICチツプ及び水晶振
   動子等の時間基準振動子を備えた電子回路ブロツ
   クと、ローター、該ローターを収納するための穴
   部を有するステーター、棒状コイルより成るステ
   ツプモーターと、前記ローターの回転を指針に伝
   達するための輪列機構と、該輪列機構を支持する
   ための輪列受と、前記指針による表示時刻を修正
   するための表示時刻修正用部材と、前記電子回路
   ブロツクに電源を供給するための電池より構成さ
   れた小型指針表示式電子腕時計のムーブメント構
   造において、前記時計基板の略中央部に前記輪列
   機構を配設するとともに、該輪列機構の周囲を略
   コの字状に取り囲む如く、一方の前記長辺側には
   前記時間基準振動子を、他方の前記長辺側には前
   記表示時刻修正用部材を、一方の前記短辺側には
   前記ICチツプをそれぞれ配設し、更に前記輪列
   機構と前記時間基準振動子と前記ICチツプと前
   記表示時刻修正用部材の大部分を覆う如く、これ
   らの上に前記電池を積み重ねて配置し、又、前記
   時計基板上の前記電池および前記輪列機構と隣接
   する他方の前記短辺側領域には、前記棒状コイル
   が前記ローターおよび前記ステーター上に積み重
   ねられ、且つ前記コイルの長手方向が前記地板の
   短辺と平行になる如く前記ステツプモーターを配
   設して成り、しかも前記ステーターには、前記穴
   部に隣接し、且つ前記他方の短辺に向つてくびれ
   た凹部を形成し、該凹部内には、前記コイルの巻
   線部と重なるように前記輪列受の固定部を嵌入し
   て前記地板に固定したことを特徴とする小型指針
   表示式電子腕時計のムーブメント構造。 ２ 輪列受の固定部は、該輪列受を時計基板に締
   結するためのネジの頭部を収容するための凹部を
   備えていることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項記載の小型指針表示式電子腕時計のムーブメン
   ト構造。 ３ 輪列受は、固定部の周辺にコイルの端末処理
   板の一部を収納するための段差低部を有し、さら
   に該段差低部内にネジの頭部を収容するための凹
   部が形成されていることを特徴とする特許請求の
   範囲第２項記載の小型指針表示式電子腕時計のム
   ーブメント構造。