JPS6360359B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、高速増殖炉の原子炉容器の燃料搬出
入用斜道を閉鎖するポートプラグ弁やポート弁の
シールを確実にする為のロツク装置に関するもの
である。

原子炉容器の燃料搬出入用斜道は、炉心の使用
済燃料を搬出し、炉外燃料貯蔵槽から取り出した
新燃料を原子炉容器内に搬入する燃料移送時以
外、放射線漏洩防止と高熱遮断の為に閉鎖しなけ
ればならない。

原子炉容器の燃料搬出入用斜道を閉鎖するに
は、斜道のトラツクに嵌入するプラグと斜道入口
を塞ぐポート弁とを一体にしたポートプラグ弁や
単なるポート弁が用いられる。これらポートプラ
グ弁やポート弁は斜道入口を塞いだだけではシー
ルが不完全であるので、圧着しなければならな
い。

例えば第１図に示される原子炉容器の燃料搬出
入用斜道１を閉鎖する着脱可能且つ回動可能な鎖
線に示すポート弁２は、矢印方向に回動して実線
の如く斜道１の入口を塞ぎ、次にポート弁２の外
周側に複数個取付けたボルト４を、その外周に固
設したフランジ５にて皿ばね６を押付けながら回
転し、斜道１の入口のフランジ７の下面に取付け
たナツト８に締付けて、ポート弁２のフランジ７
への圧着を保持している。尚９はポート弁２を斜
道入口部外周より取り外す際の吊り金具である。

ところで、このようにポート弁２を斜道１の入
口部外周に取付けて回動するにはパワーマニプレ
ータ付ホイストが必要であり、またボルト４を回
転してナツト８を締付けたりするにはマスタスレ
ーブマニプレータが必要であるので、斜道１のポ
ート弁２の取扱装置が繁雑となり、しかもポート
弁２を斜道１の入口のフランジ７へ圧着するまで
には、多くの工程を必要とするので、メンテナン
ス性、操作性が悪いものである。

本発明は斯かる問題を解消すべくなされたもの
であり、斜道を閉鎖したポートプラグ弁やポート
弁を斜道入口のフランジに簡単に圧着して完全シ
ールすることができ、また斜道の軸方向の熱膨張
も吸収でき、さらに故障時簡単に取外して燃料移
送セル外に搬出することのできるロツク装置を提
供せんとするものである。

以下本発明による燃料搬出入用斜道におけるポ
ートプラグ弁・ポート弁のロツク装置の一実施例
を図によつて説明する。第２図に於いて、１は原
子炉容器の燃料搬出入用斜道、１ａは斜道１内の
トラツク、１１は斜道１内のトラツク１ａに嵌入
して斜道１の入口を塞ぐポートプラグ弁で、斜道
１の延長上の位置に配された案内筒１２内に吊上
げ収容されている。１３は案内筒１２の上端に設
けられたポートプラグ弁１１の吊上装置、１４は
案内筒１２を燃料移送時に鎖線の如く回動して退
避させる支持装置、１５は案内筒１２の下端に設
けられたポートプラグ弁１１のプラグ１１ａの案
内装置で、ポートプラグ弁１１のフランジ１１ｂ
が通過する際下方に回動して退避するようになつ
ている。１６はポートプラグ弁１１の故障時に原
子炉カバーガス漏洩防止のために閉鎖するポート
弁である。１７は燃料移送装置で、燃料移送時原
子炉容器の炉心より斜道１のトラツク１ａを通し
て吊上げた使用済燃料入りバケツトを炉外燃料貯
蔵槽の斜道の位置にスイング走行させ、また炉外
燃料貯蔵槽よりそれの斜道を通して吊上げた新燃
料入りバケツトを原子炉容器の斜道１の位置にス
イング走行させるものである。１８は燃料バケツ
トの吊上装置である。

さて、斜道１を閉鎖するポートプラグ弁１１や
ポート弁１６を斜道１の入口のフランジ７に圧着
する為の本発明のロツク装置２０は、斜道１の入
口部外周側に設けられている。これの詳細を第３
図及び第４図によつて説明すると、２本並設され
た斜道１の入口のフランジ７の外周には上向きに
拡大するテーパ７ａが付され、ポートプラグ弁１
１やポート弁１６のフランジ１１ｂ，１６ａの外
周には下向きに拡大するテーパ２１が付され、各
斜道１の入口のフランジ７とポートプラグ弁１１
のフランジ１１ｂ又はポート弁１６のフランジ１
６ａを合せて斜道１を閉鎖した際、両フランジの
外周に両側方からクランプ２２を嵌合押圧するよ
うになつている。このクランプ２２は、他側方
（図において右側方）が２分割されて計３個有し、
この各クランプ２２はフランジの外周に沿つた円
弧面２３を有し、その円弧面には前記両フランジ
のテーパ７ａ，２１に合致する壁面を有する横向
きのＶ形溝２４が設けられている。

一側方のクランプ２２は両端部が２本のターン
バツクル軸２５の一側に装着され、他側方のクラ
ンプ２２は前記２本のターンバツクル軸２５の他
側に各々別個に装着され且つガイドバー２６に摺
動可能に支持されている。

各ターンバツクル軸２５は両端が両側の支持体
２７，２７′に回転可能に支持され、一側端部が
駆動力伝達装置２８と連繋されている。即ち、本
例では各ターンバツクル軸２５の一側端部にウオ
ームホイール２９が固着され、２本のターンバツ
クル軸２５上のウオームホイール２９には夫々ウ
オーム３０が噛合され、両ウオーム３０はターン
バツクル軸２５と直交するウオーム回転軸３１の
両端に固着され、ウオーム回転軸３１は前記一側
の支持体２７に固設された軸受３２に回転可能に
支持されている。そしてそのウオーム回転軸３１
の一端に燃料移送セル外の駆動装置（図示省略）
の鎖線に示す駆動軸３３が嵌脱自在に連結される
ようになつている。

前記支持体２７，２７′は斜道入口部近傍の架
台３４に対し斜道の軸方向に摺動可能且つ引抜可
能に保持されている。

尚、駆動力伝達装置２８はカバー３５に被わ
れ、またターンバツクル軸２５及びガイドバー２
６はジヤバラ３６に被われている。

次に上述の如く構成された本発明による燃料搬
出入用斜道に於けるポートプラグ弁・ポート弁の
ロツク装置２０の作用について説明する。

原子炉容器の炉心から斜道１のトラツク１ａを
通して吊上装置１８により吊上げた使用済燃料入
りバケツトを、燃料移送装置１７により炉外燃料
貯蔵槽の斜道の位置にスイング走行させ、吊上装
置１８により使用済燃料入りバケツトを吊降して
炉外燃料貯蔵槽に収容し、一方炉外燃料貯蔵槽か
ら斜道のトラツクを通して吊上装置１８により吊
上げた新燃料入りバケツトを燃料移送装置により
原子炉容器の斜道１の位置にスイング走行させ、
吊上装置１８により新燃料入りバケツトを吊降し
て原子炉容器の炉心に収容して、燃料の移送を終
えたならば、斜道１からの放射線の漏洩防止と高
熱遮断の為に、斜道１をポートプラグ弁１１にて
閉鎖する。即ち第２図の鎖線に示す位置にある案
内筒１２を支持装置１４にて実線に示す如く90度
回転させて斜道１の延長上に位置せしめ、次に案
内筒１２の上端の吊上装置１３にて案内筒１２内
に吊上げ収容したポートプラグ弁１１を吊降して
斜道１のトラツク１ａ内に嵌入し、ポートプラグ
弁１１のフランジ１１ｂが案内筒１２の下端を通
過する際、プラグ案内装置１５を下方に回動して
退避させ、フランジ１１ｂを斜道１の入口のフラ
ンジ７に合せて、斜道１を閉鎖する。

然して、この斜道１を閉鎖したポートプラグ弁
１１のフランジ１１ｂを斜道入口のフランジ７に
圧着する為の本発明のロツク装置２０は駆動力伝
達装置２８のウオーム回転軸３１の一端に燃料移
送セル外の駆動装置（図示省略）の駆動軸３３が
鎖線に示す如く嵌合連結されると、ウオーム回転
軸３１が駆動装置より回転せしめられてウオーム
３０、ウオームホイール２９を介してターンバツ
クル軸２５が回転し、該ターンバツクル軸２５上
の一側に装着されたクランプ２２と他側に装着さ
れたクランプ２２，２２が斜道入口のフランジ１
ａに向つて前進し、第３図及び第４図に示す如く
斜道入口のフランジ７とポートプラグ弁１１のフ
ランジ１１ｂの外周に横向きのＶ形溝２４が嵌合
押圧され、その押圧力の斜道１の軸方向への分力
にて前記両フランジ７，１１ｂが上下に挾圧され
て圧着され、斜道入口のシールが完全となる。そ
して駆動軸３３が駆動力伝達装置２８ののウオー
ム回転軸３１より切離される。

このように斜道入口のフランジ７にポートプラ
グ弁１１のフランジ１１ｂを圧着した本発明のロ
ツク装置２０は、その圧着力が斜道１を押付ける
方向に働かず、斜道１の軸方向に摺動自在に保持
されているので、斜道１が熱膨張すると、支持体
２７，２７′を介して架台３４上を斜道１の軸方
向に摺動して、斜道１の熱膨張を吸収することが
できる。

燃料移送時、ポートプラグ弁１１を斜道１のト
ラツク１ａより抜き取る場合、本発明のポートプ
ラグ弁ロツク装置を前記とは全く逆の手順で解放
すると良い。そしてポートプラグ弁１１を第２図
の如く案内筒１２内に吊上げ収容した後、鎖線の
如く案内筒１２を側方に回転して斜道１の延長上
の位置より退避させる。

然して本発明のロツク装置２０は架台３４に対
し斜道の軸方向に引抜可能となつているので、作
動が不具合な時や故障時或いは定期点検等の際、
駆動軸３３を駆動力伝達装置２８のウオーム回転
軸３１より切離すことにより簡単に架台３４より
取外して燃料移送セル外に搬出することができ
る。

尚、ポートプラグ弁１１の吊上装置１３、案内
筒１２の支持装置１４、プラグ案内装置１５等が
故障してポートプラグ弁１１で斜道１を閉鎖でき
ない場合は、ポート弁１６で斜道１を閉鎖するこ
とになるが、この場合も本発明のロツク装置２０
によりポート弁１６が前記と同様に斜道入口のフ
ランジ７に圧着されて、斜道入口のシールが完全
となる。

以上詳記した通り本発明のロツク装置によれ
ば、斜道入口を閉鎖したポートプラグ弁やポート
弁を簡単に斜道入口のフランジに圧着して完全に
原子炉カバーガスの漏洩を防止することができ、
且つ操作性に優れている。また本発明のポート弁
ロツク装置は、架台に摺動可能且つ引抜可能に保
持されているので、ポートプラグ弁やポート弁を
斜道入口のフランジに圧着しても斜道の軸方向へ
の熱膨張を吸収することができると共に、故障時
等において架台より取外して燃料移送セル外に搬
出することができてメンテナンス性に優れてい
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の高速増殖炉の燃料搬出入用斜道
に於けるポート弁の圧着手段を示す縦断面図、第
２図は原子炉容器と炉外燃料貯蔵槽との間の燃料
移送セル内の設備を示す概略図、第３図は本発明
の高速増殖炉の燃料搬出入用斜道に於けるポート
プラグ弁・ポート弁ロツク装置の側断面図、第４
図は第３図のＡ矢視平面図である。 １……燃料搬出入用斜道、７……斜道入口のフ
ランジ、７ａ……テーパ、１１……ポートプラグ
弁、１１ａ……プラグ、１１ｂ……フランジ、１
６……ポート弁、１６ａ……フランジ、２０……
本発明のロツク装置、２１……テーパ、２２……
クランプ、２３……円弧面、２４……Ｖ形溝、２
５……ターンバツクル軸、２７，２７′……支持
体、２８……駆動力伝達装置、３１……ウオーム
回転軸、３３……燃料移送セル外の駆動装置の駆
動軸、３４……架台。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 上向きに拡大するテーパを外周に付した燃料
   搬出入用斜道入口のフランジと下向きに拡大する
   テーパを外周に付したポートプラグ弁又はポート
   弁のフランジを合わせて燃料搬出入用斜道を閉鎖
   した際、両フランジの外周に両側方から嵌合して
   押圧する横向きのＶ形溝を備えた円弧面を有する
   複数のクランプと、該クランプを両側に装着せる
   ターンバツクル軸と、該ターンバツクル軸に連繋
   された駆動力伝達装置と、該駆動力伝達装置と嵌
   脱自在になされた燃料移送セル外の駆動装置の駆
   動軸と、前記ターンバツクル軸及び駆動力伝達装
   置が支持され斜道の軸方向に架台より引抜可能に
   なされた支持体とより成る高速増殖炉の燃料搬出
   入用斜道におけるポートプラグ弁・ポート弁のロ
   ツク装置。