JPS6360245A - 高減衰能を有する鋳造品及びその製造法 - Google Patents

高減衰能を有する鋳造品及びその製造法

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JPS6360245A
JPS6360245A JP20393586A JP20393586A JPS6360245A JP S6360245 A JPS6360245 A JP S6360245A JP 20393586 A JP20393586 A JP 20393586A JP 20393586 A JP20393586 A JP 20393586A JP S6360245 A JPS6360245 A JP S6360245A
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ceramic
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Takao Horie
孝男 堀江
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Nabeya Co Ltd
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Nabeya Iron and Tool Works Ltd
Nabeya Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は高減衰能を有する新規な鋳造品及びその製造法
に係り、特に得られる鋳造品の物理特性における振動吸
収性を高め、以て高い減衰能を備えた鋳造製品を、冶金
的または機械的等の処理を加えることなく、有利に製造
することの出来る方法に関するものである。
(背景技術) 一般に、金属に振動を加えると、振動エネルギーはその
金属に吸収されて、振動は弱まり、最終的には静止の状
態に達するようになる。このように、物体が振動を吸収
する性質を減衰能と称するが、この減衰能という特性は
、金属材料では、その機械的性質である強度、硬度、弾
性係数、耐摩耗性、耐熱性、耐蝕性等と並び、非常に重
要な項目であり、精密加工を行なう工作機械のベッド、
フレーム等には、回転部の振動をベッド摺動部へ伝えな
いようにするために、減衰能の大きな鋳鉄品が選ばれて
いる。また、ピアノのフレームは、ピアノ弦と一体とな
ってピアノの振動体を構成しており、弦をハンマーで叩
いて振動させるときはフレームも当然振動することとな
るところから、振動エネルギー吸収の大なる材料を用い
て、フレームは作られるのである。
このように、工作材、自動車等の伝導部分には必ず繰り
返し衝撃、乾性摩擦等に起因する振動が生じ、そしてこ
の振動が固有振動に近づくにつれて共振を生じ、その結
果振幅は増大して、破壊に至ることがあるところから、
材質上は、初期における振動吸収の大きいことが望まし
く、高い減衰能が求められるのである。このため、鉄系
金属、なかでも鋳鉄は、一般に、そのようす減衰能が大
きいものであって、それ故前述の部品として、また−船
産業機械部品として、多く用いられてきているのである
ところで、鋳鉄の減衰能が大きい理由は、黒鉛の介在に
よって、応力による歪が正確な弾性状を示さず、かなり
塑性に近い状態で進行することにより、荷重を加えたり
、戻したりすると、荷重が戻るときには片状黒鉛の先端
に応力が蓄積されて歪の戻りを遅らせ、荷重の掛かると
きには蓄積された応力が加わって歪の進行を早め、振動
を受ける場合も同様の状態を現出することにある。そし
て、黒鉛の形が単純化するにつれて、振動エネルギーの
伝播面積が狭まるから、球状黒鉛鋳鉄においては減衰能
は小さくなり、黒鉛の存在しない鋼の減衰能は更に小さ
くなることとなる。
また、このように、減衰能に大きな影響を与える鋳鉄中
の黒鉛は、種々の形態を示すが、何れも天然黒鉛と略同
−で、稠密六方晶系であるため、六角柱状構造が基本形
であり、そしてその引張強さは約2kg/1m”と小さ
く、脆弱であるため、椿の花びらが集まったような形を
しだ片状の黒鉛の存在は、鉄中における小さな空隙と考
えてよく、そのため黒鉛の量や形状、寸法が大きくなる
と、減衰能は増加することとなるが、また反面、強度の
低下にも繋がることとなる。
従って、工作機械、産業機械等において、その構造部品
に高い減衰能を望むときは、片状黒鉛鋳鉄を選びつつも
、相反する高い機械的性質を得るために、基地組織の改
善、構造の検討をしつつ、減衰能と機械的性質、両方の
中間位の値で採用されているのが、実情である。
一方、非鉄、鉄系金属の鋳造品において、その鋳造品の
凝固完成時に、その金属が有する比重を大幅にコントロ
ールすることは不可能に近く、例えば特殊鋳鉄品におい
て、鋳鉄の切削屑を、鋳鉄の融点以下の温度で加圧、急
速加熱する特殊な圧搾成形法において多孔質鋳鉄の試み
があるが、実験段階で終わっており、また一般的に基地
に異種金属を添加し4.微小な比重変化を図る手法はあ
るものの、これでは大幅な比重のコントロールは冶金的
に難しいものであったのである。
(発明の構成) ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として
為されたものであって、その要旨とするところは、三次
元網目構造を有するセラミックス多孔体が所定の鋳造金
属中に一体的に埋入されてなり、且つ該セラミックス多
孔体の三次元網目構造内に該鋳造金属が入り込んで、該
セラミックス多孔体に対するマトリクスを構成している
ことを特徴とする高減衰能を有する鋳造品にある。
また、本発明は、かかる高減衰能を有する鋳造品を有利
に得るために、溶融状態の金属溶湯を所定の鋳型の製品
キャビティ内に注湯し、目的とする形状の鋳造品を形成
せしめるに際して、該製品キャビティ内の所定位置に、
三次元網目構造を有するセラミックス多孔体を配置した
状態下において、前記金属溶湯の注湯を行ない、かかる
注湯された溶湯を該セラミックス多孔体の多孔構造内に
入り込ませて、周囲の溶湯と共に一体的に凝固させるこ
とにより、該セラミックス多孔体が所定位置に一体的に
埋設されてなる鋳造品と為して、該セラミックス多孔体
が包含されるようにしたことにより、該鋳造品の振動吸
収能を効果的に高めたことにある。
(構成の具体的説明) より具体的には、本発明は、第1図に示されているよう
に、鋳型内の所定位置に、第2図に示されている如きセ
ラミックス多孔体を配置せしめた状態下において、注湯
することにより、第3図、第5図に示されている如き、
高い減衰能と比重のコントロールされた鋳造品を製造す
ることを目的としたものである。
すなわち、第1図において、鋳型2は、上型2aと下型
2bとから構成されて、−i的な生型砂または樹脂を硬
化媒体に用いた自硬性鋳砂等にて製作されたものであり
、その鋳型2内には、陶器製湯道4、押し湯6、所定形
状の製品キャビティ8が形成されている。そして、この
キャビティ8内に、所定の三次元網目構造を有するセラ
ミックス多孔体10がセットされているのである。なお
、このような鋳型2のキャビテイ8下部は湯溜り12と
される一方、その上部に押し湯6.6が設けられ、所定
の金属溶湯16は取鍋18等より受湯口20を通じて注
湯されることとなる。
また、本発明の他の実施形態を示す第4図においては、
製品キャビティ8内にセラミックス多孔体10を浮いた
状態でセントするために、ケレン(C)IAPLET)
 22を用いて、上型2a、下型2b、側面の鋳型壁寸
法が設定されるようになっているのである。
要するに、第1図や第4図に示されるように、鋳型2に
形成された所定形状のキャビティ8内には、三次元網目
構造を有する所定のセラミックス多孔体10が配置、固
定せしめられることとなるのである。
なお、このキャビティ8内に配置、固定される、三次元
網目構造を有するセラミックス多孔体10は、第2図に
示される如く、例えばレティキュレーテッドタイプのウ
レタンフオームに炭化ケイ素(S i C)などのセラ
ミックスをコーティング、焼成して得られるセラミック
ス多孔体である。また、この多孔体の骨格材の比重は2
.8程度であるが(SiC系の場合)、見掛は比重は0
.42程度となり、更にその空孔率は60〜85%程度
、セル数が5〜8ケ/ 25 mm程度、熱膨張係数が
5.7XIO−6℃/(室温〜1000℃)程度、耐熱
温度が1550°C程度のものである。
そして、かかる鋳型2内へ注湯される溶融金属16は、
受湯口20、陶管製湯道4を通じて、キャビティ8内へ
入り、そこにセットされているセラミックス多孔体10
を充満しつつ、押し湯6へ達し、以て注湯作業が完了す
る。
また、注湯される溶融金属16に、非鉄、鉄系の限定は
ないが、セラミックス多孔体10へ溶融金属16が侵入
する際に、溶湯温度が低下することと、均質にセラミッ
クス多孔体10内部へ侵入させるために、注湯温度の設
定と、鋳造方案に工夫を要するし、溶湯16が均等にセ
ラミックス多孔体10内で凝固させられるようにするた
めに適当な溶湯ヘッドを必要とするため、適量な押し湯
6を設定せねばならない。
ところで、第1図の手法に従って製作された鋳造品14
には、キャビティ8内壁へ、セラミックス多孔体10が
接する状態で配置されるため、凝固後の鋳造品表面、若
しくは表面を機械加工した状態では、第3図に示される
ように、セラミックス多孔体10の網口模様が、現れる
ようになるのである。
一方、第4図においては、鋳型2壁とセラミックス多孔
体10との間にケレン22を介し、セラミックス多孔体
10を鋳型2内に浮かせた状態にて、所定の金属溶湯1
6が注湯されることとなるため、セラミックス多孔体1
0は完全に鋳包まれて、凝固完了後の鋳造品24には、
第5図に示される如り、該セラミックス多孔体10によ
る網目模様を見ることは出来なくなるのである。
なお、第1図及び第4図における湯溜り部12は、注湯
される金属溶湯16が一定の速度で且つ均等にキャビテ
ィ8とセラミックス多孔体10を充満させるために設け
られるもので、その容量、位置は目的とする鋳造品の形
状、大きさ、材質等の条件により適宜に設定されるもの
であり、鋳造完了後には、−iに機械加工等により除去
せしめられることとなる。
ところで、このように鋳型2の製品キャビティ8内にセ
ットされるセラミックス多孔体10は、ここでは、該製
品キャビティ8の大部分を占める大きさにおいて配置さ
れているが、その大きさや配置位置は目的とする鋳造品
の性能に応じて適宜に決定されるものであって、一義的
に規定することは困難であるが、一般に、鋳造品の中央
部分に位置するように、また鋳造品の容積の30%以上
の領域で、好ましくは50%以上の領域に位置するよう
にセットされることとなる。
そして、かくして凝固の完了した鋳造品は、通常の鋳造
工程と同様に、ショツトブラストによる清掃、グライン
ダー仕上げ、塗装工程等を経て、目的とする鋳造製品と
されるのである。
(発明の効果) かくの如き本発明によれば、工作機械部品や産業機械部
品、音響機器部品等に用いられる鋳造部品に、高い減衰
能が効果的に付与され、またその見掛は比重のコントロ
ールが容易に可能となるのであり、そしてそれによって
、完成商品の高精度化、高性能化、低振動、低騒音、更
には製品の軽量化と省エネルギー化等の効果を達成し得
たのである。
因みに、工作機械、一般産業機械、音9機器等において
は、その精度、性能、効果を高めるために、高い減衰能
と強度、剛性を得るべく、従来より鋳鉄品による鋳造品
が多く用いられて来ているが、それは、普通鋳鉄品によ
る鋳造品では、鉄中に黒鉛が均一に分布し且つその黒鉛
が片状に存在することから、その脆弱で、軟らかい黒鉛
が、入力された振動エネルギーを吸収し、以て高い減衰
能を示すものであるために、黒鉛の存在しない鋳鋼品に
対して優れ、またその成形性にも優れていることが、大
きな理由となっているのである。
ところで、一般に、−周期当たりの振動エネルギー損失
率としての固有減衰能(S D C)は、下式: %式%) で求められるが、他材質との比較のため、比減衰率〔甲
= (x+   X、)/X+  xn :但し、X。
は最初に与えられた振幅であり、x7は0回振動後の振
幅である〕を見ると、第6図の如く、普通鋳鉄品(片状
黒鉛組織)が他の材質に比べ優れていることが判る。ま
た、第7図においては、普通鋳鉄品においても、引張強
さとの関係により、その比減衰率が大きく変化すること
が判る。これらのことは、鉄中における黒鉛の存在と、
黒鉛の形状により大きく変化することと、反面、鉄の組
織の相違によるものである。
従って、従来の鋳鉄品にあっては、高い減衰能と高い強
度を同時に求めることは難しく、完成した機械等に高い
精度と性能を求めるとき、減衰能と強度の中間位の材質
が選ばれることとなるのである。
これに対して、本発明により得られる鋳造品は、普通鋳
鉄品に存在する黒鉛に相当するセラミックス多孔体がマ
トリクスとしての鋳造金属中に、例えば鋳鉄中に存在し
、しかもそのセラミックス多孔体が三次元網目構造を為
し、その骨材を為すセラミックスが連続して、鋳鉄中に
存在することがら、普通鋳鉄品の黒鉛の存在と同じ意味
を持ち、。
その効果は非常に大きいものとなるのである。
すなわち、普通鋳鉄品の鉄中に存在する黒鉛は片状であ
るものの、その存在が不連続であるのに対し、本発明の
鋳造品におけるセラミックス多孔体の存在は、三次元網
目構造において、そのセラミックスの骨格が連続し、且
つ鋳鉄中に存在する黒鉛の数倍の容積を有することにあ
る。
また、セラミックス多孔体は炭化ケイ素などのセラミッ
クス粉体を主成分として作られるが、その物理的強度は
常温においても小さい荷重にて容易に破壊する程度のも
のであり、且つキャビティ内への注湯時においては、溶
湯金属の熱衝撃と溶湯金属の凝固時における膨張、収縮
の応力作用を受け、凝固した鋳造品の中に存在するセラ
ミックス多孔体の骨格は微細に寸断されたり、若しくは
そこにクラックが生じたりする。
このことは、セラミックス多孔体の骨格全体を溶融金属
が包み、引張強さが2kg/mm”にも達しないセラミ
ックス多孔体の骨格が三次元網目状に鋳造品の中に存在
し、もし仮に鋳造品中に介在するこの骨格を何等かの薬
品若しくは方法で溶かすことが可能だと想定すれば、鋳
造品中に三次元網目状の空隙が約15〜40%の容積に
て存在することになる。
従って、その空隙と想定した容積の中に、実際には脆弱
な物理的強度を有したセラミックス多孔体の骨格が、微
細に寸断されて、若しくはクランクを生じさせつつ、存
在するのである。
これによって、普通鋳鉄品の鉄中に存在する片状黒鉛が
振動エネルギーを吸収する以上の効果となり、著しい減
衰能を有する鋳造品となるのである。また、普通鋳鉄品
の引張強さは15〜35kr/ tl 2であるが、減
衰能と引張強さ、硬さは反比例し、高い減衰能と高強度
、高硬度の三条性を同時に求めることは難しく、従来に
おいては、その中間位の材質が選ばれているが、本発明
による手法に従えば、今まで、強度、硬さ、熱処理性等
には優れるが、減衰能において劣るために使用が難しか
った球状黒鉛鋳鉄、特殊合金添加鋳鉄、鋳鋼品において
も、高い減衰能を得ることが可能となったのである。
すなわち、球状黒鉛鋳鉄品の引張強さが40〜80kr
/1m”、鋳鉄品の引張強さが35〜70kg/l*t
とすると、セラミックス多孔体の存在により、鋳造品中
には15%程度の空隙が存在するようになるため、引張
強さは約20〜40%低下するものの、普通鋳鉄品の最
高値となり、且つ高い減衰能を得ることが出来、それ故
鉄系金属において減衰能の高い金属は普通鋳鉄品(片状
黒鉛組織)であるという従来の通念を大きく変えること
が出来るのである。
一方、鋳造品の見掛は比重のコントロールに関して、前
述の目的で用いられたセラミックス多孔体の存在は、そ
の比重が約2.8であることから、その用いられるセラ
ミックス多孔体の空孔率が80%とすると20%がその
鋳造金属のもつ真比重に置換されることとなって、該鋳
造金属の比重に応じて鋳造品の軽量化或いはその重量の
増大が図られ得ることとなる。
従って、第3図及び第5図のように、鋳造品14.24
内におけるセラミックス多孔体10の現り方、またセラ
ミックス多孔体10の空孔率、骨格の太さ等の条件によ
り異なるが、その金属の比重がセラミックス多孔体の比
重、例えば2.8を分岐点として、それより大きい時は
見掛は比重は少なくなり、一方、それより小さい時は見
掛は比重は大きくなるのであり、鋳鉄、鋳鋼のように比
重が7〜8の場合は、その見掛は比重は10〜25%程
度少なくなる。反面、2.8より少々比重の小さいA1
合金等の場合は、むしろ見掛は比重は大きくなる。
この効果は、設計時の諸条件の決定に際して、機能、強
度を下げることなく、軽量化が可能となることを意味し
ているのであり、本発明における、鋳造品に対して高い
減衰能を与える効果と、その見掛は比重のコントロール
とは、鋳造品の基本的な特徴を生かしつつも、今までの
通念を大きく変え、鋳造品の設計業務に新しい展開をも
たらすものとなったである。
(実施例) 以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発
明に従う実施例について、図面を参照しつつ詳細に説明
することとする。
先ず、第8図には、本発明に従う手法にて製造される、
高減衰能を有する鋳鉄品を用いた製品の一部が示されて
いる。この第8図に示されるものは、一般に、産業機械
等の据付時に機器の下に置かれて機器等の水平を正しく
出すために、その数個が用いられ、そしてボルトの微調
整により、その目的を為す据付はジヤツキであるが、そ
の目的の他に、機器の運転時における振動を据付は床面
へ伝えず、且つある一定の耐圧縮力を有することを特長
とするものである。
ところで、機器から発生する振動はボルト26を伝わり
、据付はジヤツキのベース28を通じ、床面へ伝わる。
従って、第8図の製品には、ジヤツキベース28に優れ
た減衰能が要求されているのである。
ここにおいて、かかる鋳造製品におけるボルト26の材
質は、350Cの炭素鋼とし、機械加工後、焼入れ処理
が施され、硬度はHRc=45程度とし、強度と耐摩耗
性が与えられる。
また、ベース28は、本発明に従う鋳造手法にて作製さ
れたものであり、そこにおいて注湯される溶湯は球状黒
鉛鋳鉄(FCD60相当)とし、C=3.72%、5i
=2.05%、Mn=0.60%、S=0.012%、
Mg=0.040%の化学成分を有する溶湯を球状化処
理後、注湯した。なお、セラミックス多孔体は炭化ケイ
素系のものを用い、その骨格材の比重;2.8、見掛は
比重: 0.42、空孔率:85%、セル数=5〜8ヶ
/ 25 *mであった。
かかる鋳造製品の減衰能の確認は、第8図におけるベー
ス28の試験片採取箇所:Aからフライス加工を施して
切り出し、得られた試験片の振動減衰試験を行ない、そ
の比減衰率を求めたところ、従来の普通鋳鉄の比減衰率
に比べ、著しく高い減衰率を得ることが出来た。
また、試験片から別加工した引張強さの試験においても
、2.85 kg/ *m”となり、普通鋳鳩と変わら
ない強度を有していることが判った。
なお、この据付はジヤツキ3個を用い、工作機械運転時
の振動伝播テストを行なったところ、従来の普通鋳鉄製
据付はジヤツキに対し、優れた効果を確認することが出
来た。更に、試験片を一般機械加工後、精密研削仕上げ
を施し、精密に仕上げられた寸法にて計算された体積に
て、実重量を測定した結果、この試験片の見掛は比重は
5.98となり、通常の鋳鉄の比重は7.25程度であ
ることから、17.5%の比重低下コントロールが出来
たこととなる。
すなわち、上述の如く、本実施例における据付はジヤツ
キにおいては、鋳造という素材生産工程のみで、従来方
法では極めて困難であった水準以上の高い減衰能を得る
ことが出来たのであり、そしてまた、鋳造品の比重(見
掛は比重)をコントロールすることは極めて難しいとさ
れていたが、本発明により可能となり、鋳造品に対する
新しい展開、設計者の従来通念が変わり、機能、性能、
精度等、多種多様なニーズに大きな利益を生ぜしめるも
のである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施形態の一例を示す鋳型断面説明図
であり、第2図は本発明にて用いられるセラミックス多
孔体の表面形態の一例を示す説明図であり、第3図は第
1図の鋳型を用いて得られた鋳造品を示す斜視図であり
、第4図及び第5図はそれぞれ本発明の他の例を示す第
1図及び第3図に相当する図であり、第6図は各種材質
の材料における比減衰率と表面剪断応力との関係を示す
グラフであり、第7図は鋳鉄品の引張強さと比減衰率と
の関係を示すグラフであり、第8図は実施例において製
作された鋳鉄製品の断面説明図である。 2:鋳型      8:製品キャビティ10:セラミ
ックス多孔体 16:金属溶湯   14.24:鋳造品22:ケレン
    26:ボルト 28:ベース 第1図      18 第2図 第3図     85図

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)三次元網目構造を有するセラミックス多孔体が所
    定の鋳造金属中に一体的に埋入されてなり、且つ該セラ
    ミックス多孔体の三次元網目構造内に該鋳造金属が入り
    込んで、該セラミックス多孔体に対するマトリクスを構
    成していることを特徴とする高減衰能を有する鋳造品。
  2. (2)前記鋳造金属が、鋳鉄若しくは鋳鋼である特許請
    求の範囲第1項記載の鋳造品。
  3. (3)溶融状態の金属溶湯を所定の鋳型の製品キャビテ
    ィ内に注湯し、目的とする形状の鋳造品を形成せしめる
    に際して、該製品キャビティ内の所定位置に、三次元網
    目構造を有するセラミックス多孔体を配置した状態下に
    おいて、前記金属溶湯の注湯を行ない、かかる注湯され
    た溶湯を該セラミックス多孔体の三次元網目構造内に入
    り込ませて、周囲の溶湯と共に一体的に凝固させること
    により、該セラミックス多孔体が所定位置に一体的に埋
    設されてなる鋳造品と為して、該セラミックス多孔体の
    包含にて該鋳造品の振動吸収能を高めたことを特徴とす
    る高減衰能を有する鋳造品の製造法。
  4. (4)前記セラミックス多孔体が、前記注湯される金属
    溶湯よりも小さな比重を有するものであって、そのよう
    なセラミックス多孔体の包含にて前記鋳造品の見掛け比
    重が低下せしめられるようにした特許請求の範囲第3項
    記載の鋳造品の製造法。
  5. (5)前記セラミックス多孔体が、前記注湯される金属
    溶湯よりも大きな比重を有するものであって、そのよう
    なセラミックス多孔体の包含にて前記鋳造品の見掛け比
    重が増大せしめられるようにした特許請求の範囲第3項
    記載の鋳造品の製造法。
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