JPS636016B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は特に生体腔内における生体組織のクリ
ツプ装置に関する。

〔背景技術とその問題点〕

従来、内視鏡などを通じて体腔内に処置具を導
入し、体腔内の患部組織を切除したり、電気的に
焼灼したりする治療法が知られている。しかし、
この治療方法によれば治療部に多量の出血を生じ
たり、切除した傷口が治療しにくいなどの治療効
果上の問題があつた。

そこで、近年、この種のクリツプ装置が開発さ
れたものである。（実公昭53―20957号公報、実公
昭55―51444号公報）すなわち、この方式は体腔
内の切除すべき組織をクリツプで挾み、このまま
放置しておくことにより、挾まれた組織部分はや
がて壊死し、クリツプとともに脱落してしまう。
この方式によれば上記治療効果上の問題を解決で
きる。

ところが、上記従来装置のクリツプ１は第１図
で示すように折り曲げ交叉した基端部２の側方か
らクリツプ装置側のフツクを挿脱するしかなく、
その挿脱方向は矢印で示す１方向のみである。し
たがつて、体腔内の切除すべき組織をクリツプ１
で挾み込む装着作業を行なつた後、フツクはその
クリツプ１から容易に外れにくく、手間取ること
が多い。

〔発明の目的〕

本発明は上記事情に着目してなされたもので、
その目的とするところは生体組織をクリツプで挾
み込んだ後、そのクリツプからフツクを容易に取
り外せるようにした生体組織のクリツプ装置を提
供することにある。

〔発明の概要〕

本発明はクリツプと操作紐を着脱自在に連結す
るにあたり、クリツプ側に一部開口した鉤を設
け、これに操作ワイヤ側のフツクを係止するもの
で、これによりフツクをクリツプから容易に外れ
せることになる。

〔発明の実施例〕

本発明の一実施例を第２図ないし第７図にもと
づいて説明する。

第２図中１１は導入管であり、この導入管１１
はテフロンなどからなる可撓性のチユーブによつ
て形成され、たとえば内視鏡の挿通チヤンネルを
利用して体腔内に挿入できるようになつている。
また、この導入管１１内には先端にステンレス製
の短管などからなる連結用リング１２を取付け固
定した可撓性の操作部材としての操作管１３が進
退自在に挿通されている。この操作管１３はたと
えばステンレスワイヤを密着きしてなるものであ
る。また、この操作管１３の内部にはステンレス
製のより線などからなる操作ワイヤ１４が進退自
在に挿通されており、この操作ワイヤ１４の先端
には後述するクリツプ１５に着脱自在に係止する
フツク１６が取着されている。このフツク１６の
部材には掛け合せ用の切欠溝１７が形成されてお
り、そして、この切欠溝１７を形成することによ
り係合突起１８が形成されている。つまり、この
係合突起１８は操作ワイヤ１４の長手方向に対し
て直交する向きで突き出している。

上記クリツプ１５は第３図で示すようにステン
レス製の薄い帯板を真中部分で曲げ、その曲げ部
分を基端部１９としてなり、この基端部１９から
延びた両方の腕部２１，２１を互いに交叉させ
る。さらに、各腕部２１，２１の先端縁部を向き
合うように折り曲げてこれを挾持部２２，２２と
する。そして、挾持部２２，２２を開くように腕
部２１，２１に開拡習性を付与したものである。
また、上記基端部１９には後方へ突き出す鉤２３
が取り付けられている。この鉤２３はステンレス
製の薄板をほぼＪの字状に曲成し、その長いほう
の一端を上記基端部１９にろう付け固定したもの
である。また、他端は湾曲して鉤形をなすことに
より上記フツク１６を第２図で示すように係止す
るようになつている。また、この鉤２３はその下
側の一部に開口を設けてある。しかして、フツク
１６はその鉤２３から外すには、第３図で示す２
方向ａ，ｂのいずれからも外すことができる。

上記連結用リング１２には第４図で示すような
クリツプ締付け用リング２４が着脱自在に嵌着さ
れるようになつている。すなわち、このクリツプ
締付け用リング２４はステンレス製の短管からな
り、その一端部外周を小径とし、これを上記連結
用リング１２に嵌め込む係合小径部２５とすると
ともに、他端部内周面はテーパ状に形成してこれ
をクリツプ１５の両腕部２１，２１の傾斜面部を
押し込む傾斜押動部２６としたものである。ま
た、このクリツプ締付け用リング２４は第６図で
示すようにクリツプ１５の後半部を完全に嵌入で
きるように構成されている。

このクリツプ装置はたとえば次のようにして使
用される。

まず、第２図で示すように操作ワイヤ１４のフ
ツク１６をクリツプ１５の鉤２３にかけ、また、
操作管１３の先端に連結用リング１２を嵌着して
上記操作ワイヤ１４および操作管１３を導入管１
１内へ引き込み、クリツプ１５を導入管１１内に
完全に引き込み収納する。このときクリツプ１５
は閉じた状態にある。

そして、この導入管１１ごと内視鏡のチヤンネ
ルを通じて生体腔内に導入したのち、操作ワイヤ
１４を押し進め、フツク１６を介してクリツプ１
５を第５図で示すように外へ突き出す。これによ
りクリツプ１５は開き、生体組織２７を挾むこと
ができるようになるから、挾み付けを必要とする
生体組織２７の部分に押し付ける。そこで、第６
図で示すように操作管１３を押してクリツプ締付
け用リング２４をクリツプ１５に被嵌し、そのク
リツプ１５を閉じる。これによつて挾持部２２，
２２は生体組織２７を挾み付ける。なお、上記操
作管１３を押し出すのみならず、操作ワイヤ１４
を引いても同様にクリツプ１５を生体組織に挾み
付けることができる。

ここで、操作ワイヤ１４を大きく押し出し、操
作ワイヤ１４を振り動かすと、そのフツク１６が
クリツプ１５の鉤２３から外れる。このとき、前
述したように鉤２３からフツク１６は一方向のみ
ならず２方向ａ，ｂのいずれでも外れる。もちろ
ん、その２方向ａ，ｂの間の方向でも外れる。し
たがつて、簡単に外れる。

なお、クリツプ締付け用リング２４はクリツプ
１５の後半部を押し付けているので、第７図で示
すようにそのクリツプ１５から抜けず、クリツプ
１５とともに体内に留置される。

第８図は本発明の他の実施例のクリツプ１５を
示す。このクリツプ１５は鉤２３をクリツプ１５
を作る部材の板から折り曲げて一体に形成したも
のである。つまり、クリツプ１５を作る帯板の長
手方向に対してほゞ直角な方向へ折り曲げること
により形成されている。

このように形成すれば、鉤２３がクリツプ１５
から外れにくく安全性が高い。また、鉤２３の固
着作業が不用で安価に製作できる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、クリツプからフツクを外す方
向が単一の方向ではなく少なくとも２方向以上に
なつたことから、適当にフツクを動かすだけで容
易にクリツプからフツクが外れる。したがつて、
操作時間の短縮化が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のクリツプを示す斜視図、第２図
は本発明の一実施例装置の先端付近の側断面図、
第３図は同じくそのクリツプの斜視図、第４図は
同じくそのクリツプ締付け用リングの斜視図、第
５図および第６図は同じくその使用状態における
先端付近の側断面図、第７図は生体組織を挾んだ
クリツプの状態図、第８図は他の実施例のクリツ
プの斜視図である。 １１…導入管、１３…操作管、１４…操作ワイ
ヤ、１５…クリツプ、１６…フツク、１９…基端
部、２１…腕部、２２…挾持部、２３…鉤。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 生体腔内に挿入可能な導入管と、この導入管
   内に進退自在に挿入された操作部材と、 上記導入管内に進退自在に挿入され先端にフツ
   クを取着した操作ワイヤと、 基端部を有しこの基端部より延出する腕部の先
   端に挟持部を形成して開拡習性をもつクリツプ
   と、 このクリツプの基端部に突設され上記フツクに
   着脱自在に係合する一部開口した鉤と、 上記操作部材の先端に着脱自在に装着され上記
   クリツプの腕部に被嵌して装着することによりそ
   のクリツプの挟持部を閉じさせるクリツプ締付け
   用リングと、 を具備してなることを特徴とする生体組織のク
   リツプ装置。 ２ 上記クリツプの鉤は一端をクリツプの基端部
   に固着し、他端をＵ字状に曲成した全体としてＪ
   字状の帯状板で構成したことを特徴とする特許請
   求の範囲第１項に記載の生体組織のクリツプ装
   置。 ３ 上記鉤は上記クリツプを形成する板状部材と
   一体に折り曲げ形成してなることを特徴とする特
   許請求の範囲第１項に記載の生体組織のクリツプ
   装置。