JPS6359895B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この発明は、送電線の運搬及び敷設用の送電用
ケーブル運搬車に関する。

＜従来の技術＞ 現在、地街地には管路式、洞道式等の送電線の
敷設方法が、道路整備計画にあわせてさかんに行
なわれている。この場合、送電線の運搬には第１
図に示すようなケーブル運搬車が用いられてい
た。即ち、この従来の運搬車は、車体の荷台１上
に直径３ｍ〜3.5ｍ、幅2.3ｍの巻き取り用の回転
はするが上下に動かない固定ドラム２を１個だけ
載置したものであり、ケーブル３を上記固定ドラ
ム２に巻き取つた後に現場に運搬し、モータ９に
よりケーブル３を引き出し、定滑車を介して立坑
４内にケーブルを吊り込むようにしている。

一方、上記ケーブル運搬車は、例えば27.5万ボ
ルトの高圧を送電するに要する電線の直径は13cm
であるが、この電線を上記直径３ｍ〜3.5ｍ、上
記車軸よりやや小さい幅のドラムに巻回すると道
路の地上高制限である4.5ｍでは約800ｍまで巻回
できるものとなる。

＜発明が解決しようとする課題＞ したがつて、従来のケーブル運搬車では、接続
のない連続したケーブルの長さは限られたものと
なり、また、送電線を敷設するための立坑もケー
ブルの接続に合わせて800ｍ以内に制限された。

さらに将来、電力需要は都市化、過密化が著し
くなるに伴つて増大する傾向があり、供給電力も
大容量の電力が必要となり、高圧ケーブルは50〜
100万ボルトが使用されることが予想される。こ
のために、送電線の直径も16cmとなり、上記従来
のケーブル運搬車では約半分の長さのケーブルし
か巻回できず、作業能率が悪いだけでなく、一回
の敷設距離も半分ぐらいになつてしまうことが予
想される、また、特に最近では、建設用地の取得
が困難となつており、このことからも立坑の間隔
を長くする必要にせまられている。

この発明は、上記欠点を解決せんとするもので
あり、一定の地上高制限内でも、直径の太い送電
線をより長く巻回できるようにすることにより、
送電線の運搬効率を高めると共に、作業能率を向
上し、しかも、深い立坑で立坑間の間隔の長いと
ころでケーブルの敷設を可能にした送電線用ケー
ブル運搬車を提供せんとする。

＜問題点を解決するための課題＞ この発明は、上記目的に基づいてなされたもの
であり、その要旨は運搬車の車体の荷台上に、回
転軸を水平にした二個のドラムを、前後に並設
し、これらのドラムに巻回したケーブルを引き出
すようにしたものであつて、前記前後のドラムの
回転軸の両端を連結部材にて一体に挾持・連結
し、かつこの連結部材の中央部に設けた回転軸を
ジヤツキに連結して前記ケーブルを巻回した前後
のドラムを上下動可能にすると共に、前記連結部
材の回転軸を軸心としてケーブルを巻回した前後
のドラムをモータにより回転可能にした送電用ケ
ーブル運搬車にある。

＜実施例＞ この発明の実施例を第２図に基づいて説明す
る。運搬車の車体の荷台５上には、同一の直径か
らなる二個のドラム６，６が回転軸を水平にして
前後に並設している。これらのドラムに巻回した
ケーブル１０は、回転軸とクロスする方向に引き
出すようにしている。また、前記両ドラム６，６
は、回転自在に装着した中心の回転軸の両端を連
結部材７により一体に挾持・連結している。さら
に、連結部材７の中央部に軸着した回転軸には、
荷台５上に取り付けたジヤツキ８に連結してケー
ブルを巻回した前後のドラム６，６ごと上下動さ
せるようにしている。また、連結部材７の回転軸
は、これを軸心として前後のドラム６，６を一体
にして駆動ベルト１１を介してモータ９により回
転させるようにしている。

＜作用＞ まず、ジヤツキ８を作動させて連結部材７を介
して前後の両ドラム６，６を上昇させた後、モー
タ９により駆動ベルト１１を介してケーブル１０
を両ドラムへ楕円状に巻き取る。

次に、ジヤツキ８を再び作動して元の位置まで
下降させる。この状態で運搬車は地上高制限内に
あるから、所定の立坑４までケーブルを運搬し、
移動できる。

さらに、再びジヤツキ８を作動し連結部材７を
介して両ドラム６，６を一体に上昇させ、連結部
材７の中央に設けた回転軸をモータ９により回転
させながら、ケーブル１０の端部を立抗４内に挿
入し、吊り込み操作を行う。

操作完了後は、ジヤツキ８により両ドラム６，
６を元の位置に下降させればよい。

＜発明の効果＞ この発明は、荷台上にドラムを前後に二個並設
し、しかもこれらのドラムをジヤツキにより昇降
することができるので、より小さなドラム径のも
のでも従来の２倍ぐらいの長さのケーブルを１台
の運搬車に積載することができ、かつ前後のドラ
ムにケーブルを巻き取る際にはジヤツキを上昇
し、運搬車で移動するときは下降して地上高制限
内で運搬可能にし、かつ立坑からケーブルを吊り
込む折にはジヤツキでドラムを上昇して行うこと
ができる。

また、この発明を利用すれば、従来通り、27.5
万ボルト用ケーブルでは、各立坑間の長さを従来
の約２倍にすることができ、施工時間の短縮と経
費の節約に寄与できる。

さらに、50万ボルト用の大径ケーブルの敷設に
際しても、この発明を使用すれば立坑の間隔を従
来と同じくらいの長さにしても敷設することが可
能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来のケーブル運搬車の概略側面
図、第２図はこの発明による送電用ケーブル運搬
車の概略側面図である。 １，５……運搬車の荷台、２……固定ドラム、
３，１０……ケーブル、４……立坑、６，６……
ドラム、７……連結部材、８……ジヤツキ、９…
…モータ、１１……駆動ベルト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 運搬車の車体の荷台上に、回転軸を水平にし
   た二個のドラムを、前後に並設し、これらのドラ
   ムに巻回したケーブルを引き出すようにしたもの
   であつて、前記前後のドラムの回転軸の両端を連
   結部材にて一体に挾持・連結し、かつこの連結部
   材の中央部に設けた回転軸をジヤツキに連結して
   前記ケーブルを巻回した前後のドラムを上下動可
   能にすると共に、前記連結部材の回転軸を軸心と
   してケーブルを巻回した前後のドラムをモータに
   より回転可能にした送電用ケーブル運搬車。