JPS6358663B2

JPS6358663B2 -

Info

Publication number: JPS6358663B2
Application number: JP60257924A
Authority: JP
Priority date: 1985-11-18
Filing date: 1985-11-18
Publication date: 1988-11-16
Also published as: JPS62118945A

Description

【発明の詳細な説明】Ａ発明の目的 (1) 産業上の利用分野本発明は、ダイカストその他の鋳造用の中子の
製造に際して、中子にコーテイング層を施す装置
に関する。

(2) 従来の技術従来、鋳造用の中子は、砂を有機バインダー等
で固めて形成されており、このような中子におい
ては、耐圧性の大きいこと、表面にクラツクや空
孔等が生じないこと、等が要求されており、これ
らの要求を満たすために、たとえば特公昭57−
59013号公報に記載されているように、中子の表
面にコーテイング層を施すことが行われている。
そして、中子の表面にコーテイング層を施す方法
としては、液槽内のコーテイング溶液（粉末状の
耐火物や熱硬化性樹脂等の溶けた溶液）の成分が
沈澱しないようにコーテイング溶液を撹拌しなが
ら、このコーテイング溶液中に中子を浸漬させた
後、コーテイング溶液中から引き上げて乾燥させ
る方法が知られている。

従来のこの種の方法において使用される中子コ
ーテイング装置は、コーテイング溶液中で回転す
る撹拌機を液槽の一方に偏らせて配設し、他方側
に中子浸漬用のスペースを設けたり、または、左
右に細長い直方体形状の液槽の左右両端部に前記
撹拌機を配設し、中央部に中子浸漬用のスペース
を設けたりしていた。

(3) 発明が解決しようとする問題点前記従来の中子コーテイング装置は、液槽中に
おける撹拌機の位置が固定されているため、撹拌
機の位置から離れた位置では、コーテイング溶液
の撹拌が充分に行われないことがある。したがつ
て、撹拌機から離れた液槽部分においては、コー
テイング溶液の成分が沈澱したりして、コーテイ
ング溶液の全体的な均一性が確保できないので、
中子のコーテイング品質の均一性を確保できない
という問題点があつた。

本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもの
で、液槽内のコーテイング溶液を、その有効成分
が沈澱することのないように撹拌して、コーテイ
ング溶液の均一性を確保することを目的とする。

Ｂ発明の構成 (1) 問題点を解決するための手段前記目的を達成するために、本発明によれば、
撹拌装置は、前記液槽を跨いでその液槽の上面に
沿つて往復動するスライドベースと、このスライ
ドベースの両側部に垂設され、前記液槽内のコー
テイング溶液を撹拌すべくその溶液中で回転し得
る一対の撹拌機と、同スライドベースの中央部に
垂設され、前記液槽内のコーテイング溶液中に少
なくとも下部が浸漬される柱状のガイド兼撹拌部
材とより構成され、前記ガイド兼撹拌部材は、前
記液槽中央部の溶液をスライドベースの往動時に
一対の撹拌機に向けて案内すべく、先部がスライ
ドベースの往動方向を指向した山形の横断面形状
を有する第１案内部と、同液槽中央部の溶液をス
ライドベースの復動時に一対の撹拌機に向けて案
内すべく、先部がスライドベースの復動方向を指
向した山形の横断面形状を有する第２案内部とを
備える。

(2) 作用前述の構成を備えた本発明の中子コーテイング
装置は、スライドベースが液槽の上面に沿つた所
定位置に在るとき、中子浸漬スペース（すなわち
スライドベースに支持された撹拌装置が存在しな
い液槽内のスペース）に中子を浸漬してから引き
上げる。それから、スライドベースを液槽の上面
に沿つて往復動させると、スライドベースに支持
された撹拌装置も、コーテイング溶液を撹拌しな
がら往復動する。このとき、液槽内の、両撹拌機
の移動軌跡及びその近傍に存在するコーテイング
溶液は両撹拌機の撹拌作用によつて、またガイド
兼撹拌部材の移動軌跡及びその近傍に存在するコ
ーテイング溶液はガイド兼撹拌部材の移動に伴う
排除作用とその排除後における両撹拌機の撹拌作
用とによつて、それぞれ十分に撹拌され、従つて
液槽内の中子浸漬用のスペースを含む略全域を万
遍なく撹拌するので、液槽全域にわたつてコーテ
イング溶液の成分が沈澱するのが防止される。そ
れから、前記スライドベースが往復動して前記所
定位置に戻つた状態で、前記中子浸漬スペースに
新たな別の中子を浸漬してから引き上げる。これ
を繰り返すことにより、液槽中のコーテイング溶
液を広範囲に撹拌して常に均一状態に保ちなが
ら、中子表面にコーテイング溶液を付着させる。
そして、付着したコーテイング溶液を乾燥させる
と、中子表面に均一なコーテイング層が形成され
る。

(3) 実施例以下、図面により本発明の一実施例について説
明する。

第１図及び第２図において、直方体状の液槽１
は、側壁２および底壁３から構成されており、側
壁２の上部外周には、側壁２よりも高さの高い外
壁を有する樋４が配設されている。そして、液槽
１内に入れたコーテイング溶液が側壁２を越えて
溢流したときには、樋４に流れ、これに連なる溢
流槽１４に溜まるようになつている。なお溢流槽
１４内のコーテイング溶液は適宜液槽１内に戻さ
れる。

前記液槽１の相対向する側壁部分の上端部に
は、一対のレールガイド５が平行に配設されてい
る。この一対のレールガイド５には、これと直交
する方向に延設され、前記液槽１を跨ぐスライド
ベース６が配設され、このスライドベース６に
は、複数のローラ７が設けられている。これらの
複数のローラ７は、前記一対のレールガイド５に
よつて転動可能に支持されている。

また、前記液槽１には、ラツク８が、第１図に
示すように、前記レールガイド５の外側に位置す
るように配設されており、前記スライドベース６
には、前記ラツク８と噛み合うピニオン９および
このピニオン９を駆動する往復用モータ１０が取
付けられている。そして、この往復用モータ１０
を、正逆両方向に回転制御することにより、前記
スライドベース６は、前記レールガイド５に案内
され、液槽１の上面に沿つて、第１図に実線で示
した所定位置P₁と二点鎖線で示した他の位置P₂
との間で、往復動するようになつている。

そして、スライドベース６が前記所定位置P₁
にあるとき、液槽１内には、中子浸漬用のスペー
スＳ（第１図参照）が形成されるようになつてい
る。このスペースＳは、第１図実線状態におい
て、スライドベース６およびこれに支持された後
述の撹拌装置が存在せず、中子を自由に出入させ
ることのできる液槽１内のスペースである。

スライドベース６の中央部下面には、ガイド兼
撹拌部材１１が一体的に垂設され、この部材１１
は、先部がスライドベース６の往動方向を指向し
た山形の横断面形状を有する第１案内部１１ａ
と、先部がスライドベース６の復動方向を指向し
た山形の横断面形状を有する第２案内部１１ｂと
を有して、全体として断面略菱形の角柱状に形成
されており、前記液槽１の底壁３に近接する位置
迄延設されている。前記スライドベース６下面
の、前記ガイド兼撹拌部材１１の両側には、一対
の撹拌機１２，１２が垂設されており、これらの
撹拌機１２，１２は、それぞれの位置に対応して
スライドベース６上面に配設されたモータ１３，
１３によつて、第１図矢印Ｒの方向に回転駆動さ
れる。

この実施例では、前記ガイド兼撹拌部材１１、
一対の撹拌機１２，１２およびモータ１３，１３
により、本発明でいう撹拌装置Ｕが構成されてい
る。

次にこの実施例の作用について説明する。

前述の構成をそなえた中子コーテイング装置
は、液槽１の上面に沿つて往復動するスライドベ
ース６が、前記所定位置P₁に在るとき、中子浸
漬用のスペースＳに中子を浸漬してから引き上げ
る。それから、前記撹拌装置Ｕの一対の撹拌機１
２を第２図矢印Ｒ方向に示すように互いに逆向き
に回転させながら、スライドベース６を液槽１の
上面に沿つて、前記撹拌装置Ｕとともに、前記所
定位置P₁と他の位置P₂との間で往復動させる。
そうすると、液槽１内の撹拌機１２が通過するス
ペースに存在するコーテイング溶液は、撹拌機１
２によつて撹拌され、また、液槽１中央部のコー
テイング溶液も、ガイド兼撹拌部材１１によつて
排除、撹拌されるとともに、両撹拌機１２に近づ
く方へ分離、案内されて、各撹拌機１２によつて
も更に撹拌される。したがつて、液槽１内のコー
テイング溶液は、液槽１内の中子浸漬用のスペー
スＳを含む広い範囲にわたつて撹拌されるので、
液槽内の略全スペースにわたつてコーテイング溶
液の成分が沈澱するのが防止される。このように
して、前記スライドベース６が１回往復動して前
記第２図の所定位置P₁に戻つた状態で、前記中
子浸漬スペースＳに新たな別の中子を浸漬してか
ら引き上げる。これを繰り返すことより、液槽１
中のコーテイング溶液を広範囲に撹拌して、常に
均一状態に保ちながら、中子表面にコーテイング
溶液を付着させる。そして、付着したコーテイン
グ溶液を乾燥させると、中子表面に均一なコーテ
イング層が形成される。

以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明
は、前記実施例に限定されるものではなく、特許
請求の範囲に記載された本発明を逸脱することな
く、種々の小変更を行なうことが可能である。

例えば、スライドベースを往復動させる手段と
しては、ピニオンとラツクを使用する代わりに、
油圧シリンダや駆動輪等他の駆動手段を使用する
ことも可能である。

Ｃ発明の効果以上のように本発明によれば、液槽内のコーテ
イング溶液を撹拌する撹拌装置を備えた中子コー
テイング装置において、前記撹拌装置は、前記液
槽を跨いでその液槽の上面に沿つて往復動するス
ライドベースと、このスライドベースの両側部に
垂設され、前記液槽内のコーテイング溶液を撹拌
すべくその溶液中で回転し得る一対の撹拌機と、
同スライドベースの中央部に垂設され、前記液槽
内のコーテイング溶液中に少なくとも下部が浸漬
される柱状のガイド兼撹拌部材とより構成され、
前記ガイド兼撹拌部材は、前記液槽中央部の溶液
をスライドベースの往動時に一対の撹拌機に向け
て案内すべく、先部がスライドベースの往動方向
を指向した山形の横断面形状を有する第１案内部
と、同液槽中央部の溶液をスライドベースの復動
時に一対の撹拌機に向けて案内すべく、先部がス
ライドベースの復動方向を指向した山形の横断面
形状を有する第２案内部とを備えるので、両撹拌
機を回転させつつスライドベースを往復動させる
と、液槽内の、両撹拌機の移動軌跡及びその近傍
に存在するコーテイング溶液は両撹拌機の撹拌作
用によつて、またガイド兼撹拌部材の移動軌跡及
びその近傍に存在するコーテイング溶液はガイド
兼撹拌部材の移動に伴う排除作用とその排除後に
おける両撹拌機の撹拌作用とによつて、それぞれ
十分に撹拌され、従つて両撹拌機の中間には回転
する撹拌機を特別に設けずとも、液槽内の略全域
に亘つてコーテイング溶液を万遍なく確実に撹拌
することができるから、そのコーテイング溶液の
有効成分の沈澱防止に効果的であり、コーテイン
グ溶液の均一性、ひいては中子のコーテイング品
質の均一性が確保される。しかも回転体であつて
比較的構造複雑且つ高価な撹拌機の使用個数を減
らして、装置の構造簡素化及びコストダウンに寄
与し得る。

また特に前記ガイド兼撹拌部材は、液槽中央部
の溶液をスライドベースの往動時に一対の撹拌機
に向けて案内すべく、先部がスライドベースの往
動方向を指向した山形の横断面形状を有する第１
案内部と、同液槽中央部の溶液をスライドベース
の復動時に一対の撹拌機に向けて案内すべく、先
部がスライドベースの復動方向を指向した山形の
横断面形状を有する第２案内部とを備えるので、
スライドベースの往、復動何れの移動時において
も、液槽中央部のコーテイング溶液を両撹拌機に
向けてスムーズに案内することができて、溶液が
ガイド兼撹拌部材に及ぼす流動抵抗を軽減するこ
とができ、しかも液槽中央部のコーテイング溶液
を該ガイド兼撹拌部材の両側に略均等に分配でき
て両撹拌機による撹拌効果の均等化に寄与し得
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明中子コーテイング装置の平面
図、第２図は第１図−線に沿う縦断面図であ
る。１……液槽、６……スライドベース、１１……
ガイド兼撹拌部材、１１ａ……第１案内部、１１
ｂ……第２案内部、１２……撹拌機、Ｕ……撹拌
装置。

Claims

【特許請求の範囲】

１液槽１内のコーテイング溶液を撹拌する撹拌
装置Ｕを備えた中子コーテイング装置において、
前記撹拌装置Ｕは、前記液槽１を跨いでその液槽
１の上面に沿つて往復動するスライドベース６
と、このスライドベース６の両側部に垂設され、
前記液槽１内のコーテイング溶液を撹拌すべくそ
の溶液中で回転し得る一対の撹拌機１２，１２
と、同スライドベース６の中央部に垂設され、前
記液槽１内のコーテイング溶液中に少なくとも下
部が浸漬される柱状のガイド兼撹拌部材１１とよ
り構成され、前記ガイド兼撹拌部材１１は、前記
液槽１中央部の溶液をスライドベース６の往動時
に一対の撹拌機１２，１２に向けて案内すべく、
先部がスライドベース６の往動方向を指向した山
形の横断面形状を有する第１案内部１１ａと、同
液槽１中央部の溶液をスライドベース６の復動時
に一対の撹拌機１２，１２に向けて案内すべく、
先部がスライドベース６の復動方向を指向した山
形の横断面形状を有する第２案内部１１ｂとを備
えることを特徴とする、中子コーテイング装置。