JPS6356631B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、トラツキングエラーを生じることな
く円盤状記録媒体からそこに収録された情法を読
取る円盤状記録媒体の読取装置に関する。

〔発明の技術的背景〕

一般に、レコードデイスクのような円盤状記録
媒体（以下デイスクと呼ぶ）からそこに収録され
た情報を読取る場合、読取り用のピツクアツプを
デイスク上に形成されたうず巻状のトラツクに対
し、常に一定の状態で対向させる必要がある。従
来、上記ピツクアツプの支持構成としては一端が
回動自在に枢支されたアームの先端にピツクアツ
プを取付けたオフセツト形と、ピツクアツプをデ
イスクの半径方向に移動させるリニアトラツキン
グ形との２種があつた。

〔背景技術の問題点〕

しかし、オフセツト形のものは、ピツクアツプ
がデイスクの外周と内周との間を弧状に移動する
ため、ピツクアツプのある特定の水平方向と、デ
イスク上のトラツクの走行方向とのなす角（トラ
ツキング角）を常に一定にすることができない。
このようにトラツキング角に誤差が生じると再生
ひずみが生じてしまう。また、近年開発されたデ
イジタル・オーデイオ・デイスクには光学式のピ
ツクアツプを用いるものがあり、この場合、ピツ
クアツプはデイスクに非接触であるため、ピツク
アツプをトラツクに対し正しくたどらせるべくサ
ーボ機構を設ける必要がある。しかし、前述のよ
うにトラツキング角の誤差が生じると、この誤差
はサーボ用の信号に誤差を与えることになり、正
確なサーボ機能を困難にする。

従来、上記トラツキング角の誤差（トラツキン
グエラー）に対しては、アームを長くしたり、ア
ームにオフセツト角をつけること等により対処し
ていた。しかし、これらの手段は、トラツキング
エラーを少なくすることは可能でも、トラツキン
グエラーを零にすることはできなかつた。

これに対しリニアトラツキング形のものは、そ
の原理上、トラツキングエラーを生じないもので
あり、優れた再生特性を得ることができる。しか
し、実際の構成は各部の機構が複雑となり、しか
も高精度の部品を必要とするなど高価なものにな
り、実用性の面で問題があつた。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、トラツキングエラーをほぼ零
にでき、しかも簡単な機構により安価に構成する
ことができる円盤状記録媒体の読取装置を提供す
ることにある。

〔発明の概要〕

本発明は、一端が回動自在に枢支されたアーム
と、このアームに回動自在に連結され円盤状記録
媒体との対向によりこれから情報を読み取るピツ
クアツプと、上記円盤状記録媒体の回転中心を実
質的中心として回動自在に枢支される案内杆とを
備え、前記ピツクアツプを案内杆に対しその長手
方向に沿つて移動自在で、かつこの長手方向と常
時一定角度を成す如く取付けて、トラツキングエ
ラーをほぼ零にし、かつ簡素な構成としたことを
特徴とする円盤状記録媒体の読取装置にある。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明
する。第１図および第２図において、１１は円盤
状記録媒体、すなわちデイスクで、そのデイスク
面にうず巻状に形成されるトラツクには、デイジ
タル信号による情報を収録している。１２はター
ンテーブルで、モータ１３の回転軸１４に一体に
取付けられており、上記デイスク１１を保持す
る。従つてデイスク１１の回転中心とモータ回転
軸１４とは同心となる。１６は案内杆で、その一
端はモータ１３の軸受１７、すなわち、デイスク
１１の回転中心に回動自在に枢支されており、他
端はデイスク１１の半径方向に延出する。１９は
ピツクアツプで、デイスク面上のトラツクと対向
する対物レンズ２０を有し、この対物レンズ２０
にレーザの入射光および反射光を透過させ、トラ
ツクに収録されたデイジタル信号による情報を読
取る。このピツクアツプ１９は第２図および第３
図で示すように、前記案内杆１６が貫通する一対
の摺動部２１を持つ。このため、ピツクアツプ１
９は案内杆１６に対し、その長手方向に対して移
動自在でかつこの長手方向と常に一定の角度を成
すように取付けられる。２３はアームで、一端は
支軸２４により回動自在に枢支され、他端は上記
ピツクアツプ１９にピン２５を介して回動自在に
連結する。

上記構成において、デイスク１１の再生を行う
場合は、デイスク１１をモータ１３により回転さ
せるとともに、アーム２３を図示しない駆動機構
により支軸２４を中心に矢印Ｃの方向に回動させ
る。もちろん、このアーム２３の回動はデイスク
１１の回転速度に連動させたもので、その先端に
設けたピツクアツプ１９がデイスク面上のトラツ
クに沿つて移動するような速度で回動させる。

ここで、アーム２３の先端部はデイスク１１の
内周から外周までの間、弧状に移動するが、ピツ
クアツプ１９はアーム２３の先端にピン２５によ
り回動自在に支持されており、かつ一対の摺動部
２１により案内杆１６に対し、常にその長手方向
と一定の角度を成すよう規制されており、さらに
案内杆１６はデイスク１１の回転中心に回動自在
に枢支されているため、常に案内杆１６に沿つて
デイスク１１の半径方向に平行移動する。すなわ
ち、ピツクアツプ１９の第３図で示す中心線１９
ａはデイスク面上のあらゆる位置において、デイ
スク１１の半径方向に延びる案内杆１６と一定角
度（この場合平行）であり、このことは、ピツク
アツプ１９の読取部が、円周を成すトラツクの接
線方向と常に一致することである。従つてアーム
２３の回動によりトラツキングエラーが生じるこ
とはない。

なお、上記説明では、案内杆１６の回動中心を
デイスク１１の回転中心と一致させたが、案内杆
１６のデイスク円周方向の移動範囲が狭い場合
は、夫々の中心が互いに近傍にあれば実用上問題
はない。すなわち案内杆１６の回動中心はデイス
ク１１の実質的中心にあればよい。

また上記説明は光学式のピツクアツプを用いた
ものについて行つたが、もちろん本発明は一般的
な構成のピツクアツプを用いた場合についても該
当する。

〔発明の効果〕

以上のように本発明によれば、デイスクの回転
中心を実質的中心として回動自在に支持され、か
つデイスクの半径方向に延びる案内杆により、ピ
ツクアツプの角度および移動方向を規制するよう
にしたので、簡単な構成により、常にピツクアツ
プをデイスクの半径方向に沿つて平行移動させる
ことができ、デイスク面上のあらゆる位置におい
てトラツキングエラーをほぼ零にすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による円盤状記録媒体の読取装
置の一実施例を示す正面図、第２図は第１図の下
面図、第３図は第２図の要部を拡大した斜視図で
ある。 １１……円盤状記録媒体、１４……回転軸、１
６……案内杆、１９……ピツクアツプ、２３……
アーム、２４……支軸、２５……連結用のピン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一端が回動自在に枢支されたアームと、この
   アームに回動自在に連結され円盤状記録媒体との
   対向によりこれから情報を読取るピツクアツプ
   と、上記円盤状記録媒体の回転中心を実質的中心
   として回動自在に枢支される案内杆とを備え、前
   記ピツクアツプを案内杆に対しその長手方向に沿
   つて移動自在でかつこの長手方向と常時一定角度
   を成す如く取付けたことを特徴とする円盤状記録
   媒体の読取装置。