JPS6354885B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は内燃機関に燃料を供給するための、エ
ンジンと調時関係をもつて駆動される噴射ポンプ
を有する型の液体燃料供給装置に関するものであ
り、この装置は噴射ポンプによる燃料の送り出し
時期を変化させるための可動のカムリングと、燃
料を噴射ポンプに供給するための低圧供給ポンプ
と、噴射ポンプにより送り出される燃料の量を変
化させるための燃料制御手段と、エンジンの速度
に応じて変化するように供給ポンプの出口圧を制
御する弁手段と、供給ポンプの出口圧に応じる流
体圧作動式ピストンと、このピストンの運動を上
記カムリングに伝えるためにこのピストンを該カ
ムリングに結合する手段とを有している。

エンジンが圧縮着火機関の場合には、このエン
ジンを能率的に始動及び作動させるために上記の
カムリングを次のように設定しなくてはならな
い： (a) 燃料の送り出し時期が速度の増大に伴つて早
められなくてはならない、 (b) エンジンに対する負荷が所定の値だけ減じら
れるにつれて燃料の送り出し時期が早められな
くてはならない、 (c) 冷間時にエンジンを始動させるため、通常の
運転間に行なわれる時期（タイミング）よりも
燃料の送り出し時期を遅らせることができる、 (d) エンジンが低温時においてアイドリングを行
う必要のある場合には、燃料の送り出し時期は
(c)における設定よりも早められなくてはならな
い、 (e) エンジンが既に加熱されていてアイドリング
する必要のある場合には、燃料送り出しの遅延
は(c)と(d)間に設定される。

本発明の目的は上記の要求を達成することので
きる形式の上記構成を有する液体燃料供給装置を
提供することである。

本発明では、上記の装置は、内部で上記のピス
トンが滑動可能なシリンダと、シリンダの一端と
低圧ポンプの出口とを連通している通路手段と、
このシリンダの他端内に位置している第１の弾性
手段と、この第１の弾性手段の夫々の端部と係合
している第１及び第２の取付手段と、これらの取
付手段間の最大距離を定めるための上記第１及び
第２の取付手段間の離間距離を調整する調整手段
と、この調整手段の設定を調整するため角度調節
可能な第１の制御手段と、エンジンに対する負荷
に応じて上記第２の取付手段の位置を調整するた
めに絞り弁と連動する第２の制御手段と、上記ピ
ストンをエンジンの始動に際して遅延位置に移動
させる第２の弾性手段とを有していて、このピス
トンに作用する流体圧力が最初にこのピストンを
上記の第２の弾性手段の作用に逆らつて移動さ
せ、次いでピストンに加えられる圧力が増大する
と上記の第１の弾性手段の作用に逆らつて移動さ
せるように成した事を特徴としている。

次に添付の図面を参照して本発明の燃料ポンプ
装置の実施例について説明する。

第１図を参照すると、本発明の装置が本体部１
０から成り、この本体部内に回転式円筒状分配部
材１１がとりつけられている。この分配部材はシ
ヤフトに結合されていて、エンジンと調時関係を
もつて駆動される。分配部材内に内孔１２が横方
向に伸びていて、この内孔内に一対のプランジヤ
１３がとりつけられている。プランジヤの外端が
カムフオロワ１４と係合していて、このカムフオ
ロワは角度調整可能なカムリング１５の内面と係
合可能なローラを含んでいる。

内孔１２は分配部材内に形成されている長手方
向の通路１６と連通していて、この通路１６は半
径方向に伸びている送出し通路１７と連通してい
る。分配部材が回転すると今度は送出し通路１７
が本体部１０に形成されている複数個の出口孔１
７ａと連通可能であり、使用時にはこれらの出口
孔がエンジンの夫々の噴射ノズルに接続される。

通路１６も本体部に形成されている入口孔１９
と整合する複数の半径方向に伸びている入口路１
８と連通している。本体部内には絞り弁２１を備
えた燃料制御手段も設けられていて、通路２０を
通つて流れる燃料がこの制御手段を通つて入口孔
１９に流動可能である。通路２０は入口２４を備
えている低圧供給ポンプ２３の出口と連通してい
る。ポンプ２３の回転部分が分配部材１１により
駆動され、供給ポンプの入口及び出口が供給ポン
プの出力圧力を制御するように作用する調圧弁２
５により相互連絡されているので、装置の駆動速
度により出力圧力が変動する。

プランジヤ１３は噴射ポンプのポンプ要素を構
成していて、該プランジヤが第１図に示されてい
る位置にあると燃料が供給ポンプ２３から通路２
０、絞り弁２１及び入口孔１９を通り内孔１２に
供給される。分配部材が回転すると入口孔と１つ
の入口通路との連通が絶たれ、送り出し通路１７
が出口孔１７ａの１つと整合するようになる。か
くて内方への運動がカムフオロワ１４を介してカ
ムリングの内周面上に形成されているカムローブ
によりプランジヤに伝えられる。プランジヤが内
方へ移動させられ、出口孔１７ａを通つて燃料が
燃料噴射ノズルに送られる。分配部材が更に回転
するとサイクルが反復され、エンジンに供給され
る燃料の量は絞り弁部材２１の設定により定めら
れる。

前記した低温の始動時やアイドリング時のよう
にエンジンへの燃料の送り出しの時期を調整する
必要がある。この目的のためにカムリング１５の
角度位置調整が可能である。

このカムリングは上記の目的のために半径方向
に設けられている半径方向スタツドによりシリン
ダ２６内に位置しているピストン２２に結合され
ていて、このシリンダ２６は、通路２０からの燃
料接続を提供していることが好都合であるボルト
１０ａにより本体部１０に固着されている部分内
に形成されている。通路２０とシリンダ２６との
接続部に逆止め弁が組み込まれていて、この逆止
め弁の目的は、カムフオロワ１４と上記カムリン
グ上のカムローブとの係合により発生した反力が
上記半径方向スタツドに加えられた時にピストン
２２が移動するのを防ぐことである。

次に第２図を参照すると、ピストン２２は第１
及び第２の弾性手段により燃料の送り出しの時期
を遅らせる方向に付勢されている。第１の弾性手
段は両端が夫々第１及び第２のばね取付部２８，
２９に係合している一対のコイル圧縮ばね２７か
ら成る。第２の弾性手段は取付部２８とピストン
２２との間に位置しているコイル圧縮ばね３０の
形状を成している。

取付部２８，２９の間の最大軸方向距離を定め
るために調整手段30Aが設けられている。この調
整手段は取付部２８内に形成されている孔内に自
由に伸びているロツド３１の形状を成していて、
このロツドには孔を包囲している取付部の一部と
係合可能な円形クリツプ３２がとりつけられてい
る。ロツド３１の他端には横方向に伸びているピ
ン３３がとりつけられている。調整手段は更に環
状部材３４を有しており、この環状部材の構造は
第６図及び第７図に更に詳細に示されている。こ
れらの図から分るように、環状部材３４には一対
の外方に伸びている突出部３５が設けられてい
て、これらの突出部はシリンダ２６の端部用のほ
ぼ円筒状の端部密閉部材３７の内壁に形成されて
いる軸方向に伸びている溝３６と係合している。
図面から分るように、好都合には、端部密閉部材
３７には、シリンダ２６の端部に形成されている
補足的ねじ山と係合しているねじを切つた部分が
設けられている。環状部材３４は突出部３５，３
５により角度方向への運動を妨げられているが軸
方向に可動である。

第１ばね取付部２８から軸方向離間した環状部
材３４の表面は内方域と外方域に分割されてい
る。内方域は直径方向に対向していて本実施例で
は突出部３５と整合している一対の突出部３８を
含んでいる。内方域の突出部３８間に半円筒状形
のくぼみ３９が形成されている。第２図におい
て、ピン３３が突出部３８上に位置しているが、
第１の制御手段によりくぼみ３９内に配置される
位置に角度を成して可動である。この第１の制御
手段は管状端部を有している角度位置調整可能な
部材４１にとりつけられているレバー４０を含ん
でいて、この管状端部に内部にピン３３が配置さ
れる一対のスロツト４２が形成されている。レバ
ー４０は制御手段に結合されていることが好まし
く、エンジンが加熱されている時にエンジンを始
動する必要のある場合には、このレバー４０が第
２図に示す位置からピン３３がくぼみ３９内に配
置される位置へと角度的に移動する。この移動に
よりばね２７が第１および第２の取付部２８，２
９を互いに軸方向に引き離すことになる。従つて
ピストン２２はばね３０の力により完全に遅延し
た位置に持ち来たされる。

ばね２７から離れて存在している環状部材３４
の面の上記外方域が一対のカム輪郭４３を形成し
ている。

このカム輪郭に端面が当接する第２の制御手段
が設けられており、この制御手段は端部密閉部材
３７内に軸支されていて、その軸方向中心部に前
記の部材４１を相対回転可能に嵌挿せしめ、かつ
これを支承する作用も果たす環状部材４５（第４
図に詳しく示されている）が端部密閉部材３７内
に回動可能にされていて、該環状部材４５の軸方
向位置を定めるために前記端部密閉部材の内面に
周設されたステツプと係合しているフランジ部４
６を有している。

フランジ部４６からカム輪郭４３と夫々係合す
る爪の形をした一対の突出部４７が軸方向に伸び
ている。さらに環状部材４５は開放端部において
レバー４４が取り付けられている。環状部材４５
の角度上の設定は絞り弁２１の設定により変動
し、この目的のためにレバー４４がリンク機構
（図示せず）により絞り弁２１の作動リンク機構
に連結されている。

次いでピストン２２の作用を説明する。第２図
においてコイル圧縮ばね３０は完全に圧縮されて
いて、この圧縮の程度はエンジンの始動後の速度
がアイドリング速度に達する時まで維持される。
かくて始動時にはピストンがその最右極限位置に
あり、燃料の送り出し時期が完全に遅延させられ
る。

第２図と第３図で、レバー４０は低温アイドル
位置に設定されていて、オペレータ又は温度感知
作動装置によりこの位置に移動させられる。ピン
３３は突出部３８上に位置している。従つて、コ
イル圧縮ばね２７が調整手段により最大限度まで
圧縮されている。

エンジンが加熱されるとレバー４０がオペレー
タ又は温度反応装置により第２図の位置からほぼ
90度移動されピン３３がくぼみ３９内に配置され
るようになる。第２図に示す位置と比較すると、
コイル圧縮ばね２７が時期を遅延させるためにピ
ストンを右方へ移動させているが、エンジンが休
止しているとピストンがコイル圧縮ばね３０の作
用により完全に遅延した位置にあることが判る。
このことは、エンジンの冷間時における始動を容
易にするのに十分な燃料供給時期の遅れを確保す
る。

エンジンに対する負荷は各噴射行程にエンジン
に送り出される燃料の量に影響を及ぼし、送り出
される燃料の量は絞り弁２１の角度位置設定によ
り定められる。エンジンに供給される燃料の量が
絞り弁の角度位置変化により増大すると、即わち
負荷が増加するとレバー４４が第３図に示す位置
から第２図に示す位置へと移動させられる。環状
部材４５の突出部４７がカム輪郭４３に沿つて登
り、かくて環状部材３４がばね２７と共に右方へ
偏倚され、更にピストンが右方へ移動させられて
燃料のエンジンへの供給時期が遅延させられる。
逆に負荷が減じるとレバー４４が第２図に示す位
置から第３図に示す位置へと移動し、ピストンが
左方へ移動して時期が早められる。

第２図と第３図において、ばね２７の長さが調
整手段３０Ａにより定められることが分る。エン
ジンの速度が増大するとピストンに作用する力が
増大し、ピン３３が突出部３８上にあるかくぼみ
３９内にあるかにより定められる速度値において
ばね２７の予負荷が克服され、ピストンが左方に
移動して燃料の送り出し時期が進められる。燃料
送り出し時期の最大の繰上げはピストン２２のス
カートの端部と端部閉鎖部材３７とが当接した状
態により決定される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の装置の断面図であり、第２図
は第１図に示す装置の一部の断面図であり、第３
図は第２図に類似の断面図であり、別の位置にあ
る種々の部分を示している。第４から７図は第２
図、３図に示した装置の各部分の図である。 １０……本体部、１１……分配部材、１２……
内孔、１３……プランジヤ、１４……カムフオロ
ワ、１５……カムリング、１６……通路、１７…
…送出し通路、１７ａ……出口孔、１９……入口
孔、２１……絞り弁、２２……ピストン、２３…
…低圧供給ポンプ、２５……調圧弁、２６……シ
リンダ、２７，３０……コイル圧縮ばね、２８，
２９……取付部、３１……ロツド、３３……ピ
ン、３４，４５……環状部材、３５，３８……突
出部、３９……くぼみ、４０，４４……レバー、
４２……スロツト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内燃機関に燃料を供給するためエンジンと調
   時関係をもつて駆動される噴射ポンプと、噴射ポ
   ンプによる燃料の送り出しの時期を変化させるた
   めに可動のカムリングと、燃料を噴射ポンプに供
   給するための低圧供給ポンプと、噴射ポンプによ
   り送り出される燃料の量を変化させるための燃料
   制御手段と、エンジンの速度に応じて変化するよ
   うに供給ポンプの出口圧を制御する弁手段と、供
   給ポンプの出口圧に応じる流体圧作動式ピストン
   と、このピストンの運動を上記カムリングに伝達
   するために上記ピストンを該カムリングに結合す
   る手段とを備えており、更に内部で該ピストンが
   滑動可能なシリンダと、シリンダの一端の低圧ポ
   ンプの出口とを連通している通路手段と、このシ
   リンダの他端内に位置している第１の弾性手段
   と、この第１の弾性手段の夫々の端部と係合して
   いる第１及び第２のばね取付部と、これらのばね
   取付部間の最大距離を定めるための上記第１及び
   第２のばね取付部間の離間距離を調整する調整手
   段と、この調整手段の設定を調整するため角度調
   節可能な第１の制御手段と、エンジンに対する負
   荷に応じて上記第２の取付手段の位置を調整する
   ために絞り弁と連動する第２の制御手段と、上記
   ピストンをエンジンの始動に際して遅延位置に移
   動させる第２の弾性手段とからなることを特徴と
   する液体燃料供給装置。 ２ 前記の調整手段は前記の第１のばね取付部内
   で滑動可能なロツド部材と、該ロツドに支承され
   ていて上記の第１のばね取付部と係合する手段
   と、該ロツドと前記の第２のばね取付部の夫々と
   係合している第１及び第２の部材とからなり、こ
   の第１及び第２の部材が相対的に回転運動が可能
   であつて、部材が回転運動をすると、その部材間
   で相対的な軸運動が生じることを特徴とする前記
   特許請求の範囲第１項記載の液体燃料供給装置。 ３ 前記の第２の部材は環状形状であり、この部
   材から突出部が伸びており、又前記のシリンダ内
   において、軸方向の溝が形成されていて、上記の
   第２の部材の回転運動を防ぐために上記の突出部
   が上記の溝に係合していて、前記の第１の部材
   は、前記のロツドから横方向に突出していて、前
   記の第１の弾性手段から離れて存在する上記の第
   ２の部材の表面に係合しているピンの形状をなし
   ており、回転運動を上記のロツドに伝えるため
   に、前記の第１の制御手段がこのピンと係合して
   いることを特徴とする前記特許請求の範囲第２項
   に記載の液体燃料供給装置。 ４ 前記の第２の制御手段はフランジ部を形成し
   ていて、このフランジ上には一対の突出部が形成
   されており、これらの突出部が上記の第２の部材
   の方向に軸方向に伸びていて、これらの突出部と
   係合するカム輪郭が上記の第２の部材上に形成さ
   れていて、この第２の制御手段が回転運動を行な
   うとこの第２の部材に軸方向の運動が伝えられる
   ことを特徴とする前記特許請求の範囲第１項又は
   第３項の何れか１項に記載の液体燃料供給装置。 ５ 前記の第２の手段を前記の燃料制御手段に結
   合するリンク機構を含んでいることを特徴とする
   前記特許請求の範囲第４項記載の液体燃料供給装
   置。 ６ 前記の第２の制御手段が温度感知作動装置に
   連結されていることを特徴とする前記特許請求の
   範囲第１項記載の液体燃料供給装置。