JPS6354349B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、稲荷寿司を自動的に製造するに当つ
て用いられる油揚開口装置に関するものである。

（従来の技術） 稲荷寿司を自動的に製造するに当つては、所定
に成形された御飯を挿入し得るように油揚を袋状
に開口せしめる装置が必要とされ、既に各種の開
口装置が実用に供されている。

しかし、いずれの装置も半自動的な装置であつ
て全自動的な装置は末だ開発されていないのが実
状である。

周知の如く、油揚の開口は、これの一方の皮と
他方の皮を適当な手段で引張つて両皮同志を離別
させて行うが、軟体物であつて変形し易く、かつ
破損し易い性状の油揚を、前記引張り手段に対し
て自動的にセツト又は供給するのが困難であり、
従つて、例えば、実公昭51―3184号公報に開示さ
れているような、前記引張手段を一対の真空吸引
器で構成した開口装置においても、油揚製造工程
側から送られてくる油揚を、人手を介して前記真
空吸引器にセツト又は供給していた。

（発明が解決しようとする問題点） この為、その作業が煩しいと共に非能率的であ
つて稲荷寿司製造のスピードアツプ化を妨げてい
た。

本発明は、このようなことに着目し、これを解
決すべく各方面から鋭意検討の結果、全長に亘つ
て一定間隔に穿設された孔を有し間欠駆動される
ように装着された水平コンベアベルトを挟むよう
に、その上方に可動側抓み装置を、またその下方
に固定側抓み装置を配すと共に、両抓み装置が前
記孔を覆い隠すように載置されて搬送されて来る
油揚の皮を同一垂直面内において同時に抓み得る
ように装着すれば良いことを見い出したのであ
る。

（問題点を解決するための手段） すなわち、本発明に係る油揚開口装置は、全長
に亘つて一定間隔に穿設された孔を有し、かつ間
欠駆動されるように装着された水平コンベアベル
トと、前記孔を覆い隠すように前記コンベアベル
ト上に載置されて搬送されて来る油揚の上面側の
皮を抓み上方へ持上げる可動側抓み装置及び前記
可動側抓み装置と協動して前記油揚の下面側の皮
を抓む固定側抓み装置とを備え、前記両抓み装置
が、同一垂直面内において前記油揚の皮を抓み得
るように装着されていることを特徴とするもので
ある。

（実施例） 以下、実施例について図面に基いて述べると、
正面図である第１図において、１は水平コンベア
ベルト、２は可動側抓み装置、３は固定側抓み装
置を夫々示し、水平コンベアベルト１は、エンド
レス体で構成されると共に第１図の平面図である
第２図において示すように矩形の孔４を有してお
り、この孔４はコンベアベルト全長に亘つて一定
間隔Ｐに穿設されている。また、図示しないドラ
イブローラ及び複数のガイドローラで緊張状態に
支持され、かつ前記ドライブローラによつて間欠
駆動されて第１図の左側面図である第３図におい
て示す矢印方向へ移動し得るように装着されてい
る。

なお、前記ベルト１の駆動は、前記ドライブロ
ーラの外周面に円周方向に沿つて所定間隔に突設
されているピンを前記ベルト１の孔４内に挿入し
てベルトを係止することによつて行われるが、こ
の際、孔４内への前記ピンの挿入は、前記ドライ
ブローラが所定角度に回転される毎に挿入され
る。

次に、可動側抓み装置２について述べると、こ
の装置２は、フレーム５にピン６を支点として揺
動し得るように装着されたアーム７と、このアー
ム７に装着された抓み具８ａと、アーム７にピン
９を介して連結されたロツド１０とで構成され、
かつ抓み具８ａは、アーム７に固着された固定チ
ヤツク１１ａと、Ｙ矢視図である第４図において
示すように固定チヤツク１１ａとピン１２ａを介
して連結されると共にピン１２ａに巻着されたコ
イルバネ１３a₁〜１３a₃で付勢されてその下端が
固定チヤツク１１ａの下端に押付けられている可
動チヤツク１４a₁〜１４a₃と、可動チヤツク１４
a₁〜１４a₃に固着されたクリツプ１５ａと、可動
チヤツク１４a₂及びクリツプ１５ａに貫通されて
いる孔１６ａにその一端が挿入されて固定された
ワイヤー１７ａとで構成されている。なお、１８
a₁は固定チヤツク１１ａに固着されているワイヤ
ーガイドである。

一方、固定側抓み装置３は、フレーム５に固着
されたアーム２０と、このアーム２０に装着され
た抓み具８ｂとで構成され、この抓み具８ｂは上
述の抓み具８ａと同一に構成されている。

なお、両抓み具８ａ，８ｂのワイヤー１７ａ，
１７ｂの他端は、Ｘ矢視図である第５図において
示すようにナツクル２２に固着されているピン２
３の孔に挿入されると共にボルト２４ａ，２４ｂ
の孔に挿入されてナツト締めにより固定され、か
つナツクル２２は、ピン２５を支点として揺動し
得るようにフレーム５に装着されていると共にピ
ン２６を介してロツド２７に連結されている。

また、フレーム５は図示しない装置本体に固着
されているブラケツト２９に固着され、そして、
ワイヤーガイド１８a₂，１８b₂はフレーム５に固
着されているブラケツト２８に固着されている。
なお、水平テーブル３１は図示しない装置本体に
固着されているが、このテーブル３１に穿設され
ている孔３２内に抓み具８ｂの上端部が挿入され
ている。

次に、本装置による油揚の開口態様について述
べると、可動側抓み装置２の抓み具８ａは、第１
図において鎖線で示す上方の位置へ移動されてい
る。すなわち、図示しない制御装置によつてロツ
ド１０が第１図において右方向へ移動され、従つ
て、アーム７がピン６を支点として左回りに揺動
されて鎖線で示す上方の位置へ移動されている。

また、両抓み装置２，３の抓み具８ａ，８ｂの
可動チヤツク１４a₁〜１４a₃，１４b₁〜１４b₃が
固定チヤツク１１ａ，１１ｂに対して離別されて
いる。これは、図示しない制御装置によつてロツ
ド２７が第１図において左方向へ移動され、ナツ
クル２２がピン２５を支点として右回りに揺動さ
れてワイヤー１７ａ，１７ｂを下方へ引張り、従
つて、抓み具８ａの可動チヤツク１４a₁〜１４a₃
がピン１２ａを支点として左回りに揺動されると
共に抓み具８ｂの可動チヤツク１４b₁〜１４b₃が
ピン１２ｂを支点として右回りに揺動されて所定
に離別されている。

そして、この状態において、水平コンベアベル
ト１が間欠駆動されて両抓み装置２，３の所へ味
付けされた油揚３０を搬送して来るが、この場合
において、油揚３０は第２図において鎖線で示す
ように孔４を覆い隠すようにベルト上に載置され
て搬送されて来る。なお、水平コンベアベルト１
の間欠駆動は両〓み装置２，３の所に配されてい
る水平テーブル３１の孔３２に対してベルトの孔
４を上下方向に整合させるように行われ、孔３２
上にベルトの孔４が位置されると駆動停止され
る。

すると、第１図において鎖線で示す上方の位置
へ移動されていた可動側抓み装置２の抓み具８ａ
が実線で示す下方の位置へ移動される。これは、
図示しない制御装置によつてロツド１０が第１図
において左方向へ移動され、従つて、アーム７が
ピン６を支点として右回りに揺動されて行われ
る。

なお、この状態においては抓み具８ａは、固定
チヤツク１１ａ及び可動チヤツク１４a₁〜１４a₃
の下端を、コンベアベルト１上の油揚３０の上面
に当接し油揚３０を孔３２内へやや押込むように
作用しており、かつ孔３２内へやや押込まれてい
る油揚３０の下面側は抓み具８ｂの固定チヤツク
１１ｂ及び可動チヤツク１４b₁〜１４b₃の上端に
当接し支持されている。

続いて、図示しない制御装置によつてロツド２
７が第１図において右方向へ移動され、ナツクル
２２がピン２５を支点として左回りに揺動されて
ワイヤー１７ａ，１７ｂを上方へ押上げる。

すると、可動側抓み装置２の抓み具８ａの可動
チヤツク１４a₁〜１４a₃がピン１２ａを支点とし
て右回りに揺動されると共に固定側抓み装置３の
抓み具８ｂの可動チヤツクb₁〜１４b₃がピン１２
ｂを支点として左回りに揺動され、その各端が固
定チヤツク１１ａ，１１ｂに対して圧接される。

すなわち、これによつて水平コンベアベルト１
上に載置されている油揚３０の上面側の皮を可動
側抓み装置２の抓み具８ａで抓むことができると
共に油揚３０の下面側の皮を固定側抓み装置３の
抓み具８ｂで抓むことができるが、この際、同一
垂直面内において同時に抓むことができ、従つ
て、油揚３０の皮を破損しないで確実に抓むこと
ができる。

次いで、図示しない制御装置によつてロツド１
０が第１図において右方向へ移動され、従つて、
アーム７がピン６を支点として左回りに揺動され
て鎖線で示す元の上方の位置へ抓み具８ａが油揚
３０の上面側の皮を抓んだまま移動される。この
状態を第６図において示す。

なお、このようにして開口された油揚３０には
図示しない装置によつて所定に成形された御飯が
挿入されるが、その後において、図示しない制御
装置によつてロツド２７が第１図において左方向
へ移動されてナツクル２２がピン２５を支点とし
て右回りに揺動されてワイヤー１７ａ，１７ｂを
下方へ引張り、従つて、抓み具８ａの可動チヤツ
ク１４a₁〜１４a₃がピン１２ａを支点として左回
りに揺動されると共に抓み具８ｂの可動チヤツク
１４b₁〜１４b₃がピン１２ｂを支点として右回り
に揺動されて固定チヤツク１１ａ，１１ｂから
夫々所定に離別される。

すなわち、これによつて、御飯が挿入された油
揚３０の抓みが解除され、続いて水平コンベアベ
ルト１が駆動されて御飯が挿入された油揚３０が
後工程へ搬送されると共に、次に開口しようとす
る味付けされた油揚が水平テーブル３１の孔３２
の所へ搬送されて来る。以下、同様、次々と搬送
されて来る油揚を自動的に開口することができ
る。なお、第１図中、３３は水平テーブル３１に
固着されているストツパー、１ａは水平コンベア
ベルト１のリターン側を夫々示し、孔４，３２は
抓み具８ａの下端及び抓み具８ｂの上端を挿入す
るに十分な大きさに設けられている。

以上、一実施例について述べたが、本発明にお
いては、水平コンベアベルト１は、これに穿設さ
れている孔を利用しないで間欠駆動し得るように
設けてもよく、また水平テーブル３１は装着した
方が好ましいが、省くこともできる。

（発明の効果） 以上、詳述したように、本発明によると、コン
ベアベルトで搬送して来る油揚を前記コンベアベ
ルト上から取り除かないでそのままで開口するこ
とができ、従つて、前後工程と関係させて連続的
な開口を行うことができて稲荷寿司製造を一段と
スピードアツプ化することができ、また、油揚を
破損せずに確実に開口することができる。

【図面の簡単な説明】

第１〜６図は本発明の実施例を示し、第１図は
油揚開口装置の正面図、第２図は第１図の平面
図、第３図は第１図の左側面図、第４図は第１図
のＹ矢視図、第５図は第１図のＸ矢視図、第６図
は開口態様を示す正面図である。 １……水平コンベアベルト、２……可動側抓み
装置、３……固定側抓み装置、４……孔、８ａ，
８ｂ……抓み具、３０……油揚。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 全長に亘つて一定間隔に穿設された孔を有
   し、かつ間欠駆動されるように装着された水平コ
   ンベアベルトと、前記孔を覆い隠すように前記コ
   ンベアベルト上に載置されて搬送されて来る油揚
   の上面側の皮を抓み上方へ持上げる可動側抓み装
   置及び前記可動側抓み装置と協動して前記油揚の
   下面側の皮を抓む固定側抓み装置とを備え、前記
   両抓み装置が、同一垂直面内において前記油揚の
   皮を抓み得るように装着されていることを特徴と
   する油揚開口装置。