JPS635396Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、広くは電気的接続、一層詳しくは、
高電圧状態の下で現場において組立てることので
きる予成形式構成部品から成る電気コネクタ内の
有害な電気的ストレス集中を防ぐための内部スト
レス緩和システムに関する。

近年、特に軽工業地、商業地、居住地での埋設
式電力供給システムの開発に力が入れられてい
る。種々の配電機器、たとえばシールド式ケーブ
ルとか変圧器とか電気コネクタがこのようなシス
テムで用いるために考案されている。

これらの機器のうちでも、シールド式電気コネ
クタが開発されており、これは、電気ケーブルの
端部に現場で容易に組込んで電気的接続を容易に
行え、地下式配電システムの構成、すえ付けを迅
速に行えるようにした予成形式構成部品を包含す
る。このようなコネクタには種々の利点があるた
め、従来のコネクタで扱つていたよりも高い電圧
の下でも満足に作動する同じ形式のコネクタの需
要が高まつている。

予成形式コネクタ要素を用いる接続具の製造お
よび使用に際して生じる一つの重要なフアクタ
は、組立てた後の電気的ストレスの制御である。
これらのコネクタは種々の部品から現場で組立て
るので、種々の接合面に沿つたところに空気を捕
える可能性がある。このようなところでは少しで
も電気的ストレス集中があれば、コネクタの絶縁
性に有害な影響がある。電圧が高くなれば、それ
だけこの問題が大きくなる。

重要な場所で有害な電気的ストレスを潜在的に
軽減するための内部シールド式構造が開発され
た。しかしながら、高い電圧、すなわち25KV以
上で用いる電気コネクタで生じる有害なストレス
集中の問題を克服するには、なお改良を行わねば
ならない。

したがつて、本考案の目的は、組立て式の構成
部品から成る電気コネクタにおける有害な電気的
ストレス集中を防ぐための内部ストレス緩和シス
テムを提供することにある。

本考案の別の目的は、高電圧配電システムの電
気コネクタを作るために現場で組立てることので
きる予成形式弾性コネクタ部品を一体とした内部
ストレス緩和システムを提供することにある。

本考案のまた別の目的は、分割式内部シールド
を組立てた電気コネクタ内で結合する位置で電気
的ストレスの集中を軽減する内部ストレス緩和シ
ステムを提供することにある。

本考案のさらに別の目的は、内部シールド部分
を結合して電気的応力分布を有効に制御して有害
なストレス集中を防ぐ、内部シールド部分の境界
の特別な形状を提供することにある。

本考案のまたさらに別の目的は、構成部品の組
立ての際特別の組立手順とか技術を必要としない
上述形式の内部ストレス緩和システムを提供する
ことにある。

上記の目的と共に他の目的および利点は、電気
コネクタ内に設けた内部シールド付近の有害な電
気的ストレス集中を防ぐ内部ストレス緩和システ
ムを提供するものとして以下に簡単に述べる構造
によつて達成される。すなわち、この構造におい
て、電気コネクタは、軸線方向に延びる予成形式
弾性コネクタ構成部品から成り、内部シールド
は、コネクタ構成部品内に設けてあり、かつ軸線
方向に延びる半径方向の内外管状部分を有し、こ
れらの管状部分は、各々、連続した半径方向内外
部分に沿つて設けられた対応する半径方向内外軸
線方向面の結合部で互に組立てられる。半径方向
の内側部分は、各々、コネクタ構成部品のスリー
ブ状部分に設けてあり、このスリーブ状部分は、
弾性導電材料の第一部分と、これに隣接した弾性
絶縁材料の第二部分と有し、これら第一、第二部
分は、実質的に連続した隙間無し接合部に沿つて
結合してあり、この接合部は、第一部分の境界を
構成する円弧状に突出した輪郭を有する。

以下、添付図面に図示した好ましい実施例につ
いて一層詳しく説明するが、それによつて別の目
的および利点が明らかになると共に本考案を充分
に理解できよう。

特に第１図を参照して、電気コネクタは、配電
システムにおける一対の高電圧シールド式電気ケ
ーブル１０、１２の間に形成される。各ケーブル
１０、１２は、外部シールド１８内にある絶縁ジ
ヤケツト１６によつて囲まれた中央導体１４を有
する。ケーブルの端を接続するために、第一のハ
ウジング部材（すなわち、プラグ）２０をケーブ
ル１０の末端２２に嵌め込み、それをケーブルに
沿つて奥の方にすべらせる。これは、抵抗なく、
あるいはあつても少しの抵抗を伴うだけで行なえ
る。何となれば、ハウジング部材が、ケーブルの
外径よりもかなり大きい内径を有する軸線方向孔
２４を備えているからである。同様にして、第二
のハウジング部材（すなわち、ソケツト）２６も
ケーブル１２の末端に嵌め込んで奥の方に移動さ
せる。

各外部シールド１８の一部が取除かれてケーブ
ル末端とシールド端３２の間に絶縁ジヤケツト１
６の一部３０を露出させる。次に、一対のスリー
ブ３４がそれぞれのケーブルの末端に一つ当て嵌
め込まれ、奥の方にすべらされる。

スリーブ３４は、好ましくは、弾性材料で作つ
てあり、絶縁性のスリーブ部分３６と、これと一
体となつた導電性のスリーブ部分３８とから成
る。これらのスリーブ部分３６、３８は、好まし
くは、一緒に成形されて一体の組立体をなし、接
合面４０が隙間なしに連続しているようになつて
いる。好ましくは、スリーブ部分の組成は、同じ
ポリマーを主要成分としていて強い接合を得る。
好ましいポリマーの一例として、デユポン社が
「NORDEL」の登録商標で市販しているエチレ
ン・プロピレン・テルポリマーがある。絶縁性の
「NORDEL」をスリーブ部分３６に用い、導電
性の「NORDEL」をスリーブ部分３８に用い
る。あるいは、特に比較的薄い部位のところで、
スリーブ部分３８の少なくとも一部をスリーブ部
分３６に塗布した導電コーテイングで代用しても
よい。本考案の目的のためには、「弾性体」なる
用語はこのようなコーテイングも含むことを意図
している。

各スリーブ３４は、その一端４４から他端４６
まで軸線方向に延在する内部孔４２を有し、この
孔は、スリーブ材料の弾性によつて拡張できる。
内部孔４２は、スリーブの端４４からスリーブ部
分３８の一部まで延びる第一の内面５０を有し、
この内面は、スリーブの他端にあつて直径のやや
大きくなつている第二の面５４と共に肩部５２を
構成している。第一内面５０と絶縁ジヤケツト１
６の外径との相対的な寸法は、絶縁ジヤケツト１
６を手でスリーブ３４に挿入し、スリーブがその
弾性によつて半径方向に拡大してそれを受け入れ
ることができる程度になつている。このようにし
て、内孔４２がその第一面５０に沿つて絶縁ジヤ
ケツト１６の露出した部分をしつかりと把持する
ことになる。これは、スリーブの端４４とシール
ド１８の端３２の間の絶縁ジヤケツトの外面に沿
つたクリープ経路の絶縁端力を増大させて絶縁ジ
ヤケツト１６に沿つて導体１４とシールド１８の
間に電流を流すことがなくなる。ケーブルに沿つ
たスリーブ３４の移動は、肩部５２がシールド１
８の端面３２と衝合するまで続けられる。この位
置で、内部孔４２がその第二内面５４に沿つて弾
力的に拡がつてシールド１８をつかみ、それと電
気的に接触する。各スリーブは、両スリーブ部分
３６、３８に共通の外面５６を有する。

スリーブ３４がそれぞれのケーブル上で正しい
位置になつたならば、保持リング６６の形態で示
すリテーナを各ケーブルの末端に嵌め、各スリー
ブの端４４との衝合関係において絶縁ジヤケツト
１６に取付ける。各保持リング６６は、好ましく
は、セツトスクリユー６８（第２図参照）の形態
で示す留め具によつて絶縁ジヤケツト１６に取付
けられる。これらのセツトスクリユーは、絶縁ジ
ヤケツト１６と確実に係合してリング６６を所定
位置に固定する。セツトスクリユー６８は、各リ
ング６６を半径方向に延びていて、必ずしもそう
ある必要はないが、ケーブルの導体１４と接触し
てもよい。各スリーブ３４は、このようにして、
保持リング６６によつてケーブル端に動かないよ
うに保持される。反対方向の移動に対しては、肩
部５２がシールド１８の端面３２と衝合すること
によつて保持される。したがつて、各スリーブ３
４は、第一、第二のスリーブ部分の両方に共通の
外径を有する外面５６を持ち、シールド１８の端
面３２がスリーブ部分３８によつて包まれて保護
されると共に、シールド１８が外面５６と電気的
に接続する。

各ケーブルの末端に隣接した絶縁ジヤケツト１
６の部分がはがされて或る長さの導体部分７２を
各ケーブル末端２２、２８と絶縁ジヤケツトの端
面７４の間で露出する。これらの絶縁ジヤケツト
部分の除去はスリーブ３４および保持リング６６
の取付けの前でも後でもよいが、好ましくは保持
リングのすえ付けに続いて行なう。その場合、保
持リングは、絶縁ジヤケツト１６の端面７４の位
置を定めるための安内として役立てる。

導体１４の裸の端７６は、次に、長手方向孔８
２を有する管状金属コンタクト８０の形態で示す
電気コネクタ要素に電気的に連結される。各導体
１４が孔８２の端に挿入されてから、コンタクト
８０を８４、８６のところでクリンプして周知要
領でコンタクト１４を導体１４に固定する。

第一ハウジング部材２０は、弾性材料から作つ
た複合構造となつている。この複合構造は、絶縁
弾性体の内方部分９０と、導電弾性体の外方部分
９２とを包含する。これら内外の部分９０、９２
は、好ましくは、最初内方部分を成形し、次のそ
のまわりに外方部分を成形することによつて一緒
に成形されて複合ハウジング部材となる。したが
つて、ハウジング２０は単一組立体として結合し
た連続の内外部分を有す一体構造となつており、
内外部分９０、９２の接合面９４は連続した隙間
なしとなつていて電気的ストレスをハウジング部
材の長さ方向に制御するのを可能にする。両ハウ
ジング部材２０、２６は、好ましくは、スリーブ
３４のものと同じ材料で作られる。

第一ハウジング部材２０の内部孔２４は、その
一端に隣接して内外部分９０、９２に共通で軸線
方向に延在する第一部分９６を有する。この第一
部分９６と対応スリーブ３４の外面５６の相対的
な寸法は、ハウジング部材２０がスリーブ３４上
をケーブル端３２に向つて動かされたときに第一
部分９６が弾力的に拡がつて外面５６を防水状態
で把持するような程度になつている。

第二ハウジング部材２６もまた、内外の部分１
００、１０２を包含する複合構造となつており、
その内孔１０４もこれら内外部分１００、１０２
に共通であつて、この内孔１０４の第一部分１０
６と対応スリーブ３４の相対的寸法は、第一ハウ
ジング部材２０について述べたと同じ関係になつ
ている。ハウジング部材２０、２６は、互に防水
関係で協働する対応部分を備えており、これらの
部分は、第一ハウジング部材２０のスリーブ状プ
ラグ延長部１０７および第二ハウジング部材２６
の対応ソケツト１０８の形態で示してある。第２
図からわかるように、各ハウジング部材をケーブ
ル末端２２、２８に向つて引張る、すなわち互に
向つて引張ると、プラグ１０７がソケツト１０８
と係合してハウジング部材間に防水シールを与
え、それと共にプラグ部分１１０のソケツト部分
１１２との係合によつてハウジング部材の外方部
分９２、１０２間を電気的に接続する。ハウジン
グ部材２０、２６およびそれぞれのスリーブ３４
間のしまりばめは、外方部分９２、１０２がそれ
ぞれの第二スリーブ部分３８を把持してそれとの
電気的接触をなすのを保証し、したがつて、完成
コネクタ１１４を横切つて外方シールド１８の電
気的連続性を保証する。同時に、このしまりばめ
は、スリーブの外面５６の、各ハウジング部材の
内方部分に隣接した部分１１６に沿つたクリープ
経路の絶縁耐力を増大させる。

ハウジング部材２０、２６のそれぞれの内孔２
４、１０４は、それぞれ、第二孔部材１２０、１
２２を有し、これらの第二孔部材は、各々、ハウ
ジング部材がスリーブ３４上で一体のハウジング
組立体１１８に組立てられたとき、コンタクト８
０を密封収容する閉鎖室１２４を形成する。第一
ハウジング部材２０の第二孔部分１２０内には、
導電性と熱伝導性とを有する金属管１２６が設置
してあり、これは、ハウジング部材の組立ての際
第二ハウジング部材２６の第二孔部分１２２入
る。管１２６は、比較的剛くて、プラグ１０７の
内部支えとなつてプラグ１０７とソケツト１０８
に緊密なシールを与え、好ましくはアルミニウム
で作つてある。第一ハウジング部材は、弾性導電
材料の架橋部分１３０を備えており、この架橋部
分は、金属管１２６の一端１３２と第一孔部分９
６の軸線方向内面１３４の間に延在する。同様
に、第二ハウジング部材２６は、金属管１２６の
他端１３４と内孔１０４の第一孔部分１０６の軸
線方向内面１３８間に延在する弾性導電材料の架
橋部分１３６を包含する。したがつて、ハウジン
グ部材が一体のハウジング組立体１１８に組立て
られたときに、第２図でわかるように、閉鎖室１
２４が、コンタクト８０および導体１４と同心に
延びかつコンタクトの外面１４０から半径方向に
隔たつた導電導熱性材料の壁によつて囲まれるこ
とになる。ハウジング組立体１１８が一体ハウジ
ングの形態で供給され得ることも考えられるが、
上述のように、一対のハウジング部材を現場で組
立てる方が好ましいことがわかつた。

二つのハウジング部材２０、２６の組立てに先
立つて、金属部材１４２の形態にある熱伝導性部
材がコンタクト８０の外面１４０上に置かれ、そ
の結果、ハウジング部材の組立時、この部材１４
２は、コンタクト８０と金属管１２６を接続して
その間の隙間を横切つての熱の伝導を許す経路と
なる。したがつて、コンタクト８０から余剰熱を
消散させ、コネクタ１１４の能力を高めることに
なる。同時に、伝熱部材１４２は、導電性を持つ
ていて室１２４の壁とコンタクト８０および導体
１４の間のいかなる有害な潜在的差異をも除去す
る。第二ハウジング部材２６の架橋部分１３６も
ソケツト１０８の底１４３のまわりで１４４のと
ころにおいて連続していてプラグ１０７の端とソ
ケツト１０８の底の間の隙間を横切つての有害な
電気的ストレスを除去する。架橋部分１３０、１
３６は、好ましくは、それぞれのハウジング部材
２０、２６の内方部分９０、１００と一体に成形
され、各架橋部分と対応した内方部分との間に連
続した隙間なし接合面１４６を与える。

ハウジング１１８のスリーブ３４との組合わせ
は、現場での組立てを容易にする。これは、ハウ
ジングの対応する壁部分に対して薄い壁部分を与
えるスリーブ３４が、ケーブル、特にそのシール
ドに損傷を与えることなく手でケーブル上の正し
い位置に容易に置かれ得るからである。スリーブ
上でハウジング部材を引張るのに必要な力は、大
径のハウジング部材には加え易い。このような引
張力に応じて動かないように保持リング６６によ
つて固着されたスリーブ３４は、丈夫であり、弱
いシールド１８に直接引張力をかけないですむ。
さらに、異なつた直径のケーブルでもハウジング
の寸法、形状を変えることなく接続することはで
きる。ただし、スリーブ３４は、外径は同じでも
内径を変えなければならない。或る場合には、ケ
ーブル１０がケーブル１２と寸法を異ならせてい
ることもあるが、その場合内径の異なつたスリー
ブ３４を用いることによつて対処できる。したが
つて、正しくスリーブ３４を選ぶことによつて、
広い範囲のケーブル寸法にコネクタを合わせるこ
とができる。

ハウジング部材２０、２６の組立てによつて完
成したコネクタがケーブルの導体１４とシールド
１８の間に存在する高電圧に耐え得るように、外
方シールド１８付近の絶縁体内の潜在的な電気的
差異の分布が制御され、特定の場所で電気的スト
レスの値を有害な程度まで高めるようないかなる
集中も避けられる。電気的なストレスが集中しが
ちな場所としては、ハウジング部材２０、２６の
接合面１６０付近がある。これは、各ハウジング
部材の横方向表面の存在のためであり、これらの
表面が組立てたハウジング部材の対応端面となる
からである。

横方向表面１６２は、プラグ１０７の根元部１
６４とハウジング部材２０の外面１６６との間に
延在する。プラグ１０７のほぼ円筒状の表面が外
面１６６の外径よりも小さい直径となつているか
らである。同様に、横方向表面１７０が、ソケツ
ト１０８の端１７２とハウジング２６の外面１７
４の間に延在しており、これもソケツト１０８の
ほぼ円筒状の表面が外面１７４の外径よりも小さ
い直径となつているからである。ハウジング部材
２０、２６を組立てたときに、これらの横方向表
面１６２、１７０間に存在する隙間に空気が捕え
られる傾向があるため、および空気が比較的弱い
絶縁体であるため、これらの隙間は、放電を生ぜ
しめる可能性のある区域となり、ついにはそこで
の絶縁消失を招いてコネクタの破損に至らしめる
原因となるのである。

電気的ストレス集中を避けながらこの有害な放
電を防ぐために、ハウジング部材２０の内外部分
９０、９２の接合面９４は、プラグ１０７のその
根元部１６４付近の表面まで延びている連続的な
輪郭となるように作つてある。同様に、ハウジン
グ部材２６の内外部分１００、１０２の接合面１
７６もソケツト１０８のその端部１７２付近の表
面まで延びている連続的な輪郭となつている。こ
のようにして、ハウジング部材２０、２６のそれ
ぞれの絶縁部分９０、１００内の電気的ストレス
は、有害な集中を生ぜしめる急激なパターン変化
のないシールド１８付近のほぼ連続したパターン
に従うことになる。接合面９４、１７６の外形お
よび電気的ストレスのパターンに関してここで用
いた「連続的」なる用語は、機械的な意味、すな
わち方向の変化がなめらかで漸進的なものである
という意味で用いる。

したがつて、それぞれの横方向表面１６２、１
７０付近の接合面９４、１７６の外形は、ハウジ
ング部材２０、２６の接合部を横切る良好な電気
的ストレスパターンを与えるのみならず、これら
横方向表面に沿つた電圧勾配を最小に減じ、それ
らの間にある隙間でのコロナ放電、およびそれに
伴う有害な影響を除去する。

このような望ましくない影響は、プラグ１０７
およびソケツト１０８の表面に接合面９４、１７
６を設けることによつて減じられ、または根本的
に除かれ得るけれども、接合面がプラグに沿つて
その根元部１６４から短距離１７８のところでプ
ラグの面と交差するように接合面９４をプラグ１
０７内に延ばすとよいことがわかつた。この場
合、外面９２は、ハウジング部材２０、２６の組
立時、ソケツト１０８の面と重なつて横方向表面
１６２、１７０間の隙間をすべて導電性材料で囲
むことになる。同様に、接合面１７６もその開放
端１７２から短距離ソケツト１０８の面と交差す
るように作つて外面１０２をプラグ１０７とその
根元部１６４付近で一部重なるようにするとよ
い。

第１、２図に関連して述べてきた構造はすべて
公知であり、米国特許第3656084号に詳しく記載
してある。以下に述べる改良を行うことによつ
て、このような電気コネクタをより高い電圧、す
なわち25KV以上でも使用することが可能とな
る。改良というのは、内部ストレス緩和システム
を設けることであつて、これは、コネクタの絶縁
部の特定の部位で潜在的な電気的差異を集中させ
る傾向を減じ、それによつてその部位での電気的
ストレス値の付随した増加（ストレス集中として
当業者間に知られている現象）の可能性を減じる
という効果を有する。それ故、この改良は、管１
２６と、架橋部分１３０、１３６を包含する弾性
導電管状部分によつて設けられた内部シールド付
近での有害な電気的ストレス集中を防ぐことにな
る。

観察したところによると、より高い電圧で、電
気的ストレスパターンの輪郭における比較的急激
な変化が、架橋部分１３０、１３６から成る内部
シールド部分の弾性導電材料からの移行部および
スリーブ３４の管状部分と架橋部分と係合するプ
ラグ延長部１０７の弾性絶縁材料からの移行部の
ある場所に生じる傾向がある。前記米国特許第
3656084号に図示されている装置では、これらの
位置での電気的ストレスパターン輪郭の変化は、
高電圧の下で急激となつて有害な電気的ストレス
の集中を生ぜしめ、絶縁消失を生ぜしめてついに
はコネクタを損傷させる可能性がある。

このような電気的ストレスの有害な集中を防ぐ
ために、分割式の内部シールドは、導電材料の部
分１８０、１８２の形態にある半径方向内方の部
分を備えており、これらの部分は、架橋部分１３
０、１３６の形態にある内部シールドの半径方向
外方の部分と係合する。各部分１８０は、スリー
ブ３４の隣接部分として構成してあり、好ましく
は、スリーブ３４の弾性絶縁材料部分３６と一体
に弾性導電材料で作つてある。したがつて、部分
１８０は、内部シールドの末端部となる。各スリ
ーブ３４の部分３６、１８０間の接合面１８４
は、隙間なしであつて、内部シールドの各末端を
構成する界面となる。同様に、プラグ延長部１０
７のスリーブ状部分は、好ましくはプラグ延長部
１０７と一体に構成してあつてかつ弾性導電材料
で作つた部分１８２を備えている。接合面１８６
は、隙間なしであつて、部分１８２の境界とな
る。したがつて、内部シールドの一方の部分が他
方の連続的な部分と結合する各位置には、連続的
な半径方向の内外部分に沿つて位置した対応する
半径方向内外方の軸線方向面の結合部がある。

導電材料の部分１８０、１８２を設けたことに
よつて、電気的ストレスパターン輪郭の急激な変
化を除いてストレスを緩和し得るが、接合面１８
４、１８６を円弧状として対応する部分１８０、
１８２の円弧状境界面を凸状とすれば、すなわ
ち、対応する部分１８０または１８２内に円弧の
曲率中心を置けば、電気的ストレスパターンをよ
り有利に緩和できることがわかつた。「凸状」な
る用語は、円弧の半閉鎖性、すなわち境界面がま
ず絶縁材料の隣接部分に向つて外方に進み、次に
導電材料の部分に向つて除々に内方にもどつてく
る状態を説明しており、円弧状境界面の円弧の方
向を定義する。したがつて、接合面１８４、１８
６は、対応する部分１８０または１８２の境界を
なす凸状円弧輪郭を有する連続したものとなつて
いる。各凸状円弧輪郭の直径は、部分１８０また
は１８２の壁厚とほぼ同じである。したがつて、
接合部１８４は、スリーブ３４の壁厚とほぼ同じ
直径を有する凸状円弧輪郭をなし、接合面１８６
は、管状プラグ延長部１０７の壁厚とほぼ同じ直
径を有する凸状円弧輪郭をなす。

このようにして、各々、分割式内部シールドの
連続部分が結合される場所に凸状円弧輪郭を有す
る接合面を持つた導電材料の部分１８０、１８２
を設けることによつて、これらの位置での電気的
ストレスの集中を防ぐ内部ストレス緩和システム
を得ることができる。

上述の実施例がほんの一例であることは了解さ
れたい。本考案の精神および範囲から逸脱するこ
となく種々の変更を行い得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に従つて構成され、高電圧シー
ルド電気ケーブルの末端に組込まれた電気コネク
タの展開縦断面図、第２図はケーブル間の電気的
接続をを終えたコネクタを示す縦断面図である。 １０，１２……電気ケーブル、１４……導体、
１６……絶縁ジヤケツト、１８……外部シール
ド、２０……プラグ、２６……ソケツト、３４…
…スリーブ、３６，３８……スリーブ部分、４０
……接合面、６６……保持リング、６８……セツ
トスクリユー、８０……金属コンタクト、１０７
……プラグ延長部、１０８……ソケツト、１１４
……完成コネクタ、１１８……一体のハウジング
組立体、１３０，１３６……架橋部分、１８０，
１８２……導電材料部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 結合しようとしている高電圧電気ケーブルの一
   方１０に装着するようになつている第１の弾性ハ
   ウジング部材２０と、他方のケーブル１２に装着
   するようになつている第２の弾性ハウジング部材
   ２６と、各ケーブルの端付近に装着され、それぞ
   れ対応したハウジング部材内に収容されるように
   なつているスリーブ３４と、前記電気ケーブルの
   端を互いに電気的および機械的に結合する電気接
   点とを包含し、前記第１、第２のハウジング部材
   を結合したときにこれらのハウジング部材が前記
   スリーブおよび電気接点を囲むようになつている
   電気コネクタであつて、前記電気接点付近に位置
   する導電性内部シールドを包含し、この内部シー
   ルドが軸線方向に延びる半径方向外側の管状部分
   を有する電気コネクタにおいて、内部シールドが
   弾力性のある導電性材料の軸線方向に延びる半径
   方向内側の管状部分１８０、１８２を包含し、こ
   れら内外の管状部分１３０、１３６、１８０、１
   ８２が途切れなくこれらの管状部分に設けた対応
   する半径方向内外の軸線方向面の結合により互い
   に組合わされ、半径方向内側部分が各々スリーブ
   状部分３４、１０７に設けてあり、このスリーブ
   状部分が前記内側管状部分１８０、１８２を提供
   する第１部分とこの第１部分に隣接する弾性のあ
   る絶縁材料の第２部分とを有し、これらの第１、
   第２の部分がほぼ連続した隙間なし接合面１８
   ４、１８６に沿つて結合しており、この接合面１
   ８４、１８６が前記第１部分１８０、１８２の境
   界面を構成する凸状円弧輪郭を有する連続面をな
   すことを特徴とする電気コネクタ。