JPS6350307B2 - - Google Patents
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- JPS6350307B2 JPS6350307B2 JP58242951A JP24295183A JPS6350307B2 JP S6350307 B2 JPS6350307 B2 JP S6350307B2 JP 58242951 A JP58242951 A JP 58242951A JP 24295183 A JP24295183 A JP 24295183A JP S6350307 B2 JPS6350307 B2 JP S6350307B2
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Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
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Description
本発明は、回路基板用の絶縁材料となる磁器組
成物、特に多層回路基板用の絶縁材料として最適
な磁器組成物に関する。 電子回路の高集積化が要求される今日、回路基
板は、益々多層化、小型化、薄型化されて高密度
化が図られる傾向にある。こうした中で高い信頼
性を得るため、多層回路基板は、高い絶縁性と高
い抗折強度並びに熱膨張係数の可及的小さいもの
が望まれている。 これまで多層回路基板用の絶縁磁器材料として
は、絶縁性の良好なアルミナ磁器が主として使用
されているが、このアルミナ磁器は、焼結温度が
1500〜1600℃と高温である。このため、予め磁器
シートの表面に配線用の導電材料を印刷し、これ
を磁器の焼結と同時に焼成するといつた方が採ら
れる多層回路基板の製造においては、上記導電材
料として専らW,MO,Pt等の高融点材料を使用
する必要があり、これが上記基板のコストを高め
る要因となつている。 換言すると、多層回路基板について上記導電材
料の面からコストの低減を図るには、同材料とし
てNi等の金属を使用することが必要であり、そ
れには、非酸化雰囲気中において1300℃以下とい
う比較的低い温度で焼結可能な絶縁磁器材料が要
求される。 本発明は、従来の磁器材料における上記問題を
解決すべくなされたものであつて、非酸化雰囲気
において1300℃以下の温度で焼結させることがで
き、しかも抗折強度に優れ、かつ熱膨張係数の小
さい絶縁磁器組成物を提供することを目的とした
ものである。 本発明による磁器組成物は、Li2Oを0.5〜
10mol%、CaO、SrO、BaO、ZnOの少なくとも
1種からなる酸化物を5〜45mol%、MgOを1
〜40.7mol%、Al2O3を1〜40mol%、ZrO2を1
〜30.3mol、SiO2を12.8〜65.6mol%の比率で含有
させた混合物を焼結させたものである。 以下、本発明の実施例として配合の異なる複数
の磁器組成物から試料を作製し、これについて実
施した試験の結果等について説明する。 別表における試料1は、同表に記載の通り、
SiO2を60.0mol%、CaO2を17.5mol%、MgOを
5.4mol%、ZrO2を1.0mol%、Al2O3を6.1mol%、
Li2Oを10.0mol%含有する磁器組成物から作製さ
れた試料である。先ずこの作製方法について説明
すると、最初にSiO2粉末を51.1g、CaCO3粉末を
24.8g、MgO粉末を3.1g、ZrO2粉末を1.7g、
Al2O3粉末を8.8g、Li2CO3粉末を10.5g宛秤量し、
これらをアルミナボールと共に約15時間ボールミ
リングすることにより、湿式混合した。 次いでこの混合物を脱水乾燥した後、空気中に
おいて約850℃の温度で約2時間仮焼成を行つた。
その後アルミナボールと共に湿式撹拌して粉砕
し、仮焼材料を作製した。次ぎにバインダとして
同材料に対し20wt%のポリビニルアルコールを
加えて混合造粒し、これを1000Kg/cm2の圧力で板
状に加圧成形した。次ぎにこれを炉に入れ、空気
中において600℃まで毎時100℃の割合で昇温し、
ポリビニルアルコールを燃焼させた。しかる後炉
の中をN2が98.5vol%、H2が3.0vol%の還元雰囲
気に変えて、1200℃の温度を3時間維持して焼成
し、試料1を得た。このときの焼結温度FTを別
表に示した。なお、試料は、試料の目的に従い、
直径1.6cm、厚さ0.1cmの円板形のものと、長さ2
cm、幅1cm、厚さ0.2cmの角板形のものをそれぞ
れ作製した。 この試料1については、次の方法により試験を
行つた。先ず、電気的特性については、上記円板
形の試料を用い、この両主面にインジウム―ガリ
ウム合金を塗布して直径1.4cmの電極を設け、比
誘電率ε、Q(qu′ality factor)及び抵抗率ρ(Ω
cm)を測定した。この内、抵抗率ρを別表に示し
た。なお比誘電率εは、1MHzの周波数で測定し
た電気容量により算出し、Qは、上記電気容量と
同時に測定した。また抵抗率ρは、100Vの直流
電圧の印加開始から30秒後の絶縁抵抗を測定し、
この結果から算出した。 物理的、機械的特性については、上記角板形の
試料を用い、熱膨張係数α(/℃)及び抗折強度
τ(Kg/cm2)を測定し、これを別表に示した。な
お熱膨張係数αは、20〜500℃の温度間における
線膨張係数を測定し、抗折強度τは、支点間距離
l=0.7cmの条件で破壊強度P(Kg)を測定し、τ
=3Pl/2wt2(Kg/cm2)の式により求めた。但し
wは試料の幅(cm)、tは試料の厚さ(cm)であ
る。 以下、試料2〜78についても、上記各磁器材料
がそれぞれ別表の各欄に示すような含有比率とな
るようそれらの粉末を調合し、試料1と同じ方法
及び条件(但し焼結温度は各々異なる)で作製し
た。このときの各試料の焼成温度FTを別表の各
欄に示した。またこうして作られた各試料につい
て、試料1と同じ方法、条件で上記諸特性を測定
し、この内、各試料の抵抗率ρ、熱膨張係数α及
び抗折強度τをそれぞれ別表に示した。同表から
明らかな通り、これら試料は、何れも焼結温度
FTが1300℃以下、熱膨張係数αが6.5×10-6/℃
以下、抵抗率ρが1×1013Ωcm以上であつた。 これに対し、上記の含有比率の要件を満たさな
い磁器組成物を使用し、上記試料と同じ方法及び
条件(但し焼結温度は各々異なる)で79〜89番ま
で11の試料を作製した。このときの焼成温度FT
を別表に示した。またこれらについても上記試料
と同じ方法、条件で諸特性を測定し、この内、各
試料の抵抗率ρ、熱膨張係数α及び抗折強度τを
別表に示した。同表から明らかな通り、これら試
料は、何れも焼結温度FTが1300℃以下、熱膨張
係数αが6.5×10-6/℃以下、抵抗率ρが1×
1013Ωcm以上という上記条件を少なくとも何れか
1つにおいて満足していないか、または焼結がで
きなかつたものである。 この結果は、各磁器材料の有する作用が、特に
前者のグループの試料において相乗的に発揮され
たことにより得られたものであるが、これら各磁
器材料の一般的作用とこれに対応する試験結果に
ついて述べると、次の通りである。 (1) SiO2の含有量が少ないと焼結温度が高くな
り、逆に多過ぎるても焼結温度が高くなる。試
料1〜78の中でこの含有量が12.8mol%と最も
少ないのは試料70であるが、同試料が1300℃で
焼結できたのに対し、これより少ない10.0mol
%の含有量を持つ試料79では、焼結に1350℃の
温度を要した。一方、試料1〜78の中でこの含
有量が60.0〜65.6mol%と比較的多いのは、試
料1,5,13,16,32,44,55,73,74である
が、これが何れも1000〜1250℃の温度で焼結で
きたのに対し、これ以上の68.0mol%の含有率
を持つ試料80では、焼結に1350℃の温度を要し
た。 (2) CaO、SrO、BaO、ZnOからなる酸化物の含
有量が少ないと焼結温度が高くなり、これが多
過ぎると焼結可能な温度の幅が狭くなり、焼結
が困難になる。試料1〜78の中でこれら酸化物
の総量が5.0mol%と最も少ないのは、試料12,
14,16〜20,22,44及び48であるが、これらが
何れも1150〜1200℃の温度で焼結できたのに対
し、3.0mol%と上記酸化物の含有量がこれよ
り少ない試料81では、焼結に1350℃の温度を要
した。一方、試料1〜78の中でこれら酸化物を
41.1〜45.0mol%と比較的多く含有する試料29,
52,77,78が何れも1000〜1050℃の温度で焼結
できたのに対し、これよりさらに多い50.0mol
%の酸化物を含む試料82では、焼結可能な温度
の幅が狭いため、工業化に適さなかつた。 (3) MgOの含有量が少ないと焼結可能な温度の
幅が狭くなり、また多過ぎると焼結温度が高く
なり、しかも絶縁性が低下する。試料1〜78の
中でMgOが1.0mol%と最も少ないのは、2,
3,7〜10,13〜15,19,21,26,28,30,
32,34〜36,46,50,55,57,59,73,77,78
であるが、これらが何れも1000〜1250℃の温度
で焼結できたのに対し、これ以下の0.1mol%
のMgOを含む試料83では、焼結可能な温度の
幅が狭いため、工業化に適さなかつた。一方、
試料1〜78の中で33.2〜40.7mol%とこの含有
量が比較的多いのは、試料18,56,70である
が、これら試料が何れも1200〜1300℃の温度で
焼結することができたのに対し、これ以上の
45.0mol%のMgOを含む試料84では、焼結に
1400℃の温度を要した。しかも前者は、抵抗率
ρが何れも1×1013Ωcm以上あつたのに対し、
後者は、1×1011Ωcmと低かつた。 (4) Al2O3は機械的強度に優れ、この量が多いと
抗折強度が高くなるが、この反面焼結温度が高
くなる。試料1〜78の中でこの量が32.2〜
40.0mol%と比較的多い試料19,23,49,57,
61,70では、2300〜2500Kg/cm2という高い抗折
強度が得られており、しかも焼結温度は、1250
〜1300℃であつた。しかし、これより多い
45.0mol%のAl2O3を含む試料85では、抗折強
度が2400Kg/cm2と、向上する傾向が見られない
うえ、焼結に1350℃という温度を要した。 (5) ZrO2の含有量が少ないと絶縁性が低下し、
これが多くなると焼成温度が高くなる。試料1
〜78の中で1.0mol%とこの量が最も少ないの
は、試料1,2,4,6,7,9,12,13,
16,17,21,23,27,29,31〜33,36〜38,
49,52,56,57,60,61.65,70,74,76であ
るが、これらの抵抗率ρが何れも1013Ωcm以上
あつたのに対し、0.1mol%とこれ以下の含有
量を持つ試料86の抵抗率ρは、1011Ωcmであつ
た。また試料1〜78の中で20.0〜30.3mol%と
この含有量が比較的多い試料20,43及び58が
1100〜1250℃の温度で焼結できたのに対し、こ
れ以上の33.0mol%の含有量を持つ試料87で
は、焼結に1350℃の温度を要した。 (6) Li2Oが少ないと熱膨張係数が大きくなり、
多過ぎると絶縁性が低下する。試料1〜78の中
で0.5〜0.9mol%とこの含有量が比較的少ない
のは、53,58,64,67,77といつた試料である
が、これらの熱膨張係数αが何れも5.9〜6.5×
10-6/℃以下であるのに対し、これらより少な
い0.2mol%の含有量を持つ試料88では、熱膨
張係数αが7.2×10-6/℃と高くなつている。
一方、9.8〜10.0mol%と試料1〜78の中でこの
含有量が比較的多いのは、1,9,22,24等の
試料であるが、これらの抵抗率ρが何れも1×
1013Ωcm以上であるのに対し、これらより多い
12,0mol%の含有量を持つ試料89の抵抗率ρ
は、1×1011Ωcmと低かつた。 なお、試料1〜78は何れも比誘電率εが9以
下、Qが500以上と、他の特性においても多層
回路基板として実用的な数値を得ることができ
た。これらの詳細な数値の掲載は省略する。 以上のように本発明による磁器組成物では、非
酸化雰囲気中において1300℃以下の温度で焼結さ
せることができる。このため、回路配線用の導電
材料としてNi等の金属を使用して多層回路基板
を製造することができるようになり、配線用導電
材料の面からコストの低減を図ることができる。
しかも本発明による磁器組成物で作製された基板
は、多層回路基板として実用的な特性を得ること
ができ、特に高い抗折強度と低い熱膨張係数が得
られることから、基板の小形化、薄形化に対応す
ることができるようになると共に、耐熱性の高い
多層回路基板を作製することができるようにな
る。
成物、特に多層回路基板用の絶縁材料として最適
な磁器組成物に関する。 電子回路の高集積化が要求される今日、回路基
板は、益々多層化、小型化、薄型化されて高密度
化が図られる傾向にある。こうした中で高い信頼
性を得るため、多層回路基板は、高い絶縁性と高
い抗折強度並びに熱膨張係数の可及的小さいもの
が望まれている。 これまで多層回路基板用の絶縁磁器材料として
は、絶縁性の良好なアルミナ磁器が主として使用
されているが、このアルミナ磁器は、焼結温度が
1500〜1600℃と高温である。このため、予め磁器
シートの表面に配線用の導電材料を印刷し、これ
を磁器の焼結と同時に焼成するといつた方が採ら
れる多層回路基板の製造においては、上記導電材
料として専らW,MO,Pt等の高融点材料を使用
する必要があり、これが上記基板のコストを高め
る要因となつている。 換言すると、多層回路基板について上記導電材
料の面からコストの低減を図るには、同材料とし
てNi等の金属を使用することが必要であり、そ
れには、非酸化雰囲気中において1300℃以下とい
う比較的低い温度で焼結可能な絶縁磁器材料が要
求される。 本発明は、従来の磁器材料における上記問題を
解決すべくなされたものであつて、非酸化雰囲気
において1300℃以下の温度で焼結させることがで
き、しかも抗折強度に優れ、かつ熱膨張係数の小
さい絶縁磁器組成物を提供することを目的とした
ものである。 本発明による磁器組成物は、Li2Oを0.5〜
10mol%、CaO、SrO、BaO、ZnOの少なくとも
1種からなる酸化物を5〜45mol%、MgOを1
〜40.7mol%、Al2O3を1〜40mol%、ZrO2を1
〜30.3mol、SiO2を12.8〜65.6mol%の比率で含有
させた混合物を焼結させたものである。 以下、本発明の実施例として配合の異なる複数
の磁器組成物から試料を作製し、これについて実
施した試験の結果等について説明する。 別表における試料1は、同表に記載の通り、
SiO2を60.0mol%、CaO2を17.5mol%、MgOを
5.4mol%、ZrO2を1.0mol%、Al2O3を6.1mol%、
Li2Oを10.0mol%含有する磁器組成物から作製さ
れた試料である。先ずこの作製方法について説明
すると、最初にSiO2粉末を51.1g、CaCO3粉末を
24.8g、MgO粉末を3.1g、ZrO2粉末を1.7g、
Al2O3粉末を8.8g、Li2CO3粉末を10.5g宛秤量し、
これらをアルミナボールと共に約15時間ボールミ
リングすることにより、湿式混合した。 次いでこの混合物を脱水乾燥した後、空気中に
おいて約850℃の温度で約2時間仮焼成を行つた。
その後アルミナボールと共に湿式撹拌して粉砕
し、仮焼材料を作製した。次ぎにバインダとして
同材料に対し20wt%のポリビニルアルコールを
加えて混合造粒し、これを1000Kg/cm2の圧力で板
状に加圧成形した。次ぎにこれを炉に入れ、空気
中において600℃まで毎時100℃の割合で昇温し、
ポリビニルアルコールを燃焼させた。しかる後炉
の中をN2が98.5vol%、H2が3.0vol%の還元雰囲
気に変えて、1200℃の温度を3時間維持して焼成
し、試料1を得た。このときの焼結温度FTを別
表に示した。なお、試料は、試料の目的に従い、
直径1.6cm、厚さ0.1cmの円板形のものと、長さ2
cm、幅1cm、厚さ0.2cmの角板形のものをそれぞ
れ作製した。 この試料1については、次の方法により試験を
行つた。先ず、電気的特性については、上記円板
形の試料を用い、この両主面にインジウム―ガリ
ウム合金を塗布して直径1.4cmの電極を設け、比
誘電率ε、Q(qu′ality factor)及び抵抗率ρ(Ω
cm)を測定した。この内、抵抗率ρを別表に示し
た。なお比誘電率εは、1MHzの周波数で測定し
た電気容量により算出し、Qは、上記電気容量と
同時に測定した。また抵抗率ρは、100Vの直流
電圧の印加開始から30秒後の絶縁抵抗を測定し、
この結果から算出した。 物理的、機械的特性については、上記角板形の
試料を用い、熱膨張係数α(/℃)及び抗折強度
τ(Kg/cm2)を測定し、これを別表に示した。な
お熱膨張係数αは、20〜500℃の温度間における
線膨張係数を測定し、抗折強度τは、支点間距離
l=0.7cmの条件で破壊強度P(Kg)を測定し、τ
=3Pl/2wt2(Kg/cm2)の式により求めた。但し
wは試料の幅(cm)、tは試料の厚さ(cm)であ
る。 以下、試料2〜78についても、上記各磁器材料
がそれぞれ別表の各欄に示すような含有比率とな
るようそれらの粉末を調合し、試料1と同じ方法
及び条件(但し焼結温度は各々異なる)で作製し
た。このときの各試料の焼成温度FTを別表の各
欄に示した。またこうして作られた各試料につい
て、試料1と同じ方法、条件で上記諸特性を測定
し、この内、各試料の抵抗率ρ、熱膨張係数α及
び抗折強度τをそれぞれ別表に示した。同表から
明らかな通り、これら試料は、何れも焼結温度
FTが1300℃以下、熱膨張係数αが6.5×10-6/℃
以下、抵抗率ρが1×1013Ωcm以上であつた。 これに対し、上記の含有比率の要件を満たさな
い磁器組成物を使用し、上記試料と同じ方法及び
条件(但し焼結温度は各々異なる)で79〜89番ま
で11の試料を作製した。このときの焼成温度FT
を別表に示した。またこれらについても上記試料
と同じ方法、条件で諸特性を測定し、この内、各
試料の抵抗率ρ、熱膨張係数α及び抗折強度τを
別表に示した。同表から明らかな通り、これら試
料は、何れも焼結温度FTが1300℃以下、熱膨張
係数αが6.5×10-6/℃以下、抵抗率ρが1×
1013Ωcm以上という上記条件を少なくとも何れか
1つにおいて満足していないか、または焼結がで
きなかつたものである。 この結果は、各磁器材料の有する作用が、特に
前者のグループの試料において相乗的に発揮され
たことにより得られたものであるが、これら各磁
器材料の一般的作用とこれに対応する試験結果に
ついて述べると、次の通りである。 (1) SiO2の含有量が少ないと焼結温度が高くな
り、逆に多過ぎるても焼結温度が高くなる。試
料1〜78の中でこの含有量が12.8mol%と最も
少ないのは試料70であるが、同試料が1300℃で
焼結できたのに対し、これより少ない10.0mol
%の含有量を持つ試料79では、焼結に1350℃の
温度を要した。一方、試料1〜78の中でこの含
有量が60.0〜65.6mol%と比較的多いのは、試
料1,5,13,16,32,44,55,73,74である
が、これが何れも1000〜1250℃の温度で焼結で
きたのに対し、これ以上の68.0mol%の含有率
を持つ試料80では、焼結に1350℃の温度を要し
た。 (2) CaO、SrO、BaO、ZnOからなる酸化物の含
有量が少ないと焼結温度が高くなり、これが多
過ぎると焼結可能な温度の幅が狭くなり、焼結
が困難になる。試料1〜78の中でこれら酸化物
の総量が5.0mol%と最も少ないのは、試料12,
14,16〜20,22,44及び48であるが、これらが
何れも1150〜1200℃の温度で焼結できたのに対
し、3.0mol%と上記酸化物の含有量がこれよ
り少ない試料81では、焼結に1350℃の温度を要
した。一方、試料1〜78の中でこれら酸化物を
41.1〜45.0mol%と比較的多く含有する試料29,
52,77,78が何れも1000〜1050℃の温度で焼結
できたのに対し、これよりさらに多い50.0mol
%の酸化物を含む試料82では、焼結可能な温度
の幅が狭いため、工業化に適さなかつた。 (3) MgOの含有量が少ないと焼結可能な温度の
幅が狭くなり、また多過ぎると焼結温度が高く
なり、しかも絶縁性が低下する。試料1〜78の
中でMgOが1.0mol%と最も少ないのは、2,
3,7〜10,13〜15,19,21,26,28,30,
32,34〜36,46,50,55,57,59,73,77,78
であるが、これらが何れも1000〜1250℃の温度
で焼結できたのに対し、これ以下の0.1mol%
のMgOを含む試料83では、焼結可能な温度の
幅が狭いため、工業化に適さなかつた。一方、
試料1〜78の中で33.2〜40.7mol%とこの含有
量が比較的多いのは、試料18,56,70である
が、これら試料が何れも1200〜1300℃の温度で
焼結することができたのに対し、これ以上の
45.0mol%のMgOを含む試料84では、焼結に
1400℃の温度を要した。しかも前者は、抵抗率
ρが何れも1×1013Ωcm以上あつたのに対し、
後者は、1×1011Ωcmと低かつた。 (4) Al2O3は機械的強度に優れ、この量が多いと
抗折強度が高くなるが、この反面焼結温度が高
くなる。試料1〜78の中でこの量が32.2〜
40.0mol%と比較的多い試料19,23,49,57,
61,70では、2300〜2500Kg/cm2という高い抗折
強度が得られており、しかも焼結温度は、1250
〜1300℃であつた。しかし、これより多い
45.0mol%のAl2O3を含む試料85では、抗折強
度が2400Kg/cm2と、向上する傾向が見られない
うえ、焼結に1350℃という温度を要した。 (5) ZrO2の含有量が少ないと絶縁性が低下し、
これが多くなると焼成温度が高くなる。試料1
〜78の中で1.0mol%とこの量が最も少ないの
は、試料1,2,4,6,7,9,12,13,
16,17,21,23,27,29,31〜33,36〜38,
49,52,56,57,60,61.65,70,74,76であ
るが、これらの抵抗率ρが何れも1013Ωcm以上
あつたのに対し、0.1mol%とこれ以下の含有
量を持つ試料86の抵抗率ρは、1011Ωcmであつ
た。また試料1〜78の中で20.0〜30.3mol%と
この含有量が比較的多い試料20,43及び58が
1100〜1250℃の温度で焼結できたのに対し、こ
れ以上の33.0mol%の含有量を持つ試料87で
は、焼結に1350℃の温度を要した。 (6) Li2Oが少ないと熱膨張係数が大きくなり、
多過ぎると絶縁性が低下する。試料1〜78の中
で0.5〜0.9mol%とこの含有量が比較的少ない
のは、53,58,64,67,77といつた試料である
が、これらの熱膨張係数αが何れも5.9〜6.5×
10-6/℃以下であるのに対し、これらより少な
い0.2mol%の含有量を持つ試料88では、熱膨
張係数αが7.2×10-6/℃と高くなつている。
一方、9.8〜10.0mol%と試料1〜78の中でこの
含有量が比較的多いのは、1,9,22,24等の
試料であるが、これらの抵抗率ρが何れも1×
1013Ωcm以上であるのに対し、これらより多い
12,0mol%の含有量を持つ試料89の抵抗率ρ
は、1×1011Ωcmと低かつた。 なお、試料1〜78は何れも比誘電率εが9以
下、Qが500以上と、他の特性においても多層
回路基板として実用的な数値を得ることができ
た。これらの詳細な数値の掲載は省略する。 以上のように本発明による磁器組成物では、非
酸化雰囲気中において1300℃以下の温度で焼結さ
せることができる。このため、回路配線用の導電
材料としてNi等の金属を使用して多層回路基板
を製造することができるようになり、配線用導電
材料の面からコストの低減を図ることができる。
しかも本発明による磁器組成物で作製された基板
は、多層回路基板として実用的な特性を得ること
ができ、特に高い抗折強度と低い熱膨張係数が得
られることから、基板の小形化、薄形化に対応す
ることができるようになると共に、耐熱性の高い
多層回路基板を作製することができるようにな
る。
【表】
【表】
【表】
【表】
* 焼結温度の幅が狭いため焼結不能
Claims (1)
- 1 Li2Oを0.5〜10mol%、CaO、SrO、BaO、
ZnOの少なくとも1種からなる酸化物を5〜
45mol%、MgOを1〜40.7mol%、Al2O3を1〜
40mol%、ZrO2を1〜30.3mol%、SiO2を12.8〜
65.6mol%の比率で含有する混合物を焼成してな
ることを特徴とする絶縁磁器組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58242951A JPS60137869A (ja) | 1983-12-22 | 1983-12-22 | 絶縁磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58242951A JPS60137869A (ja) | 1983-12-22 | 1983-12-22 | 絶縁磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60137869A JPS60137869A (ja) | 1985-07-22 |
JPS6350307B2 true JPS6350307B2 (ja) | 1988-10-07 |
Family
ID=17096648
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58242951A Granted JPS60137869A (ja) | 1983-12-22 | 1983-12-22 | 絶縁磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60137869A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH069608Y2 (ja) * | 1988-02-18 | 1994-03-16 | 横河メディカルシステム株式会社 | サーフェイスコイル保持装置 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4816429A (en) * | 1986-08-25 | 1989-03-28 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Temperature compensating dielectric ceramic composition |
-
1983
- 1983-12-22 JP JP58242951A patent/JPS60137869A/ja active Granted
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH069608Y2 (ja) * | 1988-02-18 | 1994-03-16 | 横河メディカルシステム株式会社 | サーフェイスコイル保持装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60137869A (ja) | 1985-07-22 |
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