JPS6350251Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、オートバイ乗りやスキーに好適な
つなぎ服に関するもので、その目的は、上体を前
傾前屈姿勢にフイツトしやすくして風圧を減じ、
風の侵入を少なくして操縦安定性を向上せしめ、
両膝の運動性を阻害せずに保護すると共に、膝部
から通気性を良好にして爽快な着用感のつなぎ服
を提供することにある。

従来から、オートバイやスキー用被服として上
衣とズボンとを連続せしめたつなぎ服が普及して
きている。

そこで、以下オートバイ用つなぎ服について説
明すると、オートバイは急カーブ地点では車体を
大きく傾斜せしめる関係上、膝が路面に接触して
ズボンを破損したり、膝を負傷することがあり、
これを予防するため膝部に緩衝体を縫着したもの
も提供されているが、膝部に緩衝体を縫着したも
のは膝の運動を阻害し、膝の背面にズボン皺が厚
く重なつて圧迫すると同時に発汗を促進し、不快
感が伴う欠点があつた。

上体は腰部を中心に前傾前屈した塔乗姿勢にな
るから、上衣の後身頃が緊張して窮屈にならない
よう後身頃の要部に襞を設けたものや、腰部に伸
縮生地を使用したものも提供されている。

襞を設けたものは、身体の前屈姿勢を阻害しな
いよう襞が伸長する状態で後身頃に形成するた
め、走行時に身体を起こすと襞が収縮復元して強
い風圧を受けると同時に、風が侵入すると襞がふ
くらんでバランスが崩れ操縦を誤る危険性があつ
た。

腰部に伸縮部を設けた作業用続服は、例えば実
公昭53−25611号公報に開示されているが、この
考案は内面に伸縮性生地を用い外面に縦横方向に
全く伸縮しない生地を縫着して外面に整然たる襞
を設けたものであり、該考案は前屈方向に襞相当
部分は伸縮するが、腰部の左右方向の伸びに対し
ては、横方向に全く伸縮しない襞構成になつてい
るため窮屈になつて運動を阻害する欠点があつ
た。

この考案は、これらの欠点を改良したもので、
その実施例を図面について説明する。

つなぎ服の前身頃Ａは、経緯伸縮性を有する生
地で上衣とズボンとを連続して形成し、両膝位置
１は前身頃と後身頃をカツトし、前身頃のカツト
部には皮革又は合成皮革でポケツト３を設け、フ
アスナーその他の係止具６によつて緩衝体２を挿
脱自在にし、該膝の背面カツト部には伸縮ネツト
地５を縫着し、後身頃Ｂは前身頃と同質又は同効
生地１０で上衣７とズボン８を形成し、腰部Ｄは
ホームベース状にカツト１１し、該カツト部には
前後左右方向に伸縮する伸縮性裏地９を前後左右
方向に伸長状態にして前後左右方向に伸縮する伸
縮性表地１０を重ねて多数の菱形模様に縫合Ｅし
たのち、伸長状態を解除して表面の前後左右に多
数の規則的な凹凸模様を形成した伸縮自在生地Ｆ
を縫着４して連続したつなぎ服である。

この考案は上記のように構成したから、このつ
なぎ服を着用してオートバイに乗り、上体を前方
に屈曲せしめる走行姿勢において、上体の屈曲に
つなぎ服の順応性はスムーズになり、前後左右へ
の運動量は増大する。

すなわち、前身頃Ａと後身頃Ｂとは経緯伸縮性
を有する生地１０で構成したから身体にフイツト
しやすくなり、又腰部Ｄはホームベース状カツト
１１にしたから身体の中心方向に広い欠除となつ
ており、該カツト部に前後左右方向に伸縮する伸
縮性裏地９を前後左右方向に伸長状態にして前後
左右方向に伸縮する伸縮性表地１０を重ねて多数
の菱形模様に縫合Ｅしたのち、伸長状態を解除し
て表面の前後左右に多数の規則的な凹凸模様を形
成した伸縮自在生地Ｆを縫着した。従つて後身頃
Ｂの腰部Ｄはホームベース状カツト１１による自
由度と伸縮自在生地Ｆとによつて伸縮性効果は相
乗し、前後左右方向ともスムーズに伸縮して前屈
走行姿勢にフイツトし、運動量が増大するのはも
ちろん、風圧を減少せしめる効果があり、又上体
にフイツトしているからつなぎ服の内部に風の侵
入する度合いも減少し、操縦性の良好なつなぎ服
になる。

さらに、誤つて転倒したとき伸縮自在生地Ｆの
表面の凹凸模様部がクツシヨン作用を奏し、腰部
の衝撃を緩和して傷害を軽くする効果がある。

次に、両膝部は前身頃と後身頃を適宜カツト
し、前身頃のカツト部にはポケツト３を設け、そ
の中に入れた緩衝体２によつて保護しているか
ら、走行時の路面との接触や転倒時の傷害を予防
できるものであり、緩衝体は固定せず挿脱自在と
したから、緩衝体の硬軟、材料等の選択が自由で
あると同時に膝の運動に順応しやすくなる。

又両膝部の背面（後身頃）カツト部には伸縮ネ
ツト地５を縫着してあるから、膝当りが柔らかく
なると共に、膝の屈伸運動がスムーズになり、し
かも通気性が良好になつて膝裏の発汗が減少する
から爽快な着用感のつなぎ服になる。

かくて、この考案のつなぎ服は、オートバイ乗
りに適するのはもちろん、上体を前傾前屈し膝を
屈伸させるジヤンプ等のスキー競技用つなぎ服に
実施して有益である。

【図面の簡単な説明】

この考案の実施例を示すもので、第１図は前身
頃平面図、第２図は後身頃平面図、第３図は膝部
断面図、第４図はホームベース状伸縮自在生地の
構成説明図である。 Ａ……前身頃、Ｂ……後身頃、Ｄ……腰部、Ｅ
……菱形模様縫合、Ｆ……伸縮自在生地、１……
両膝位置、２……緩衝体、３……ポケツト、４…
…縫着、５……伸縮ネツト地、６……係止具、７
……上衣、８……ズボン、９……伸縮性裏地、１
０……伸縮性表地、１１……ホームベース状カツ
ト部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上衣とズボンとを連続せしめるつなぎ服の腰位
   置の後身頃をホームベース状にカツトすると共
   に、該後身頃のホームベース状カツト部には前後
   左右方向に伸縮する伸縮性裏地を前後左右方向に
   伸長状態にして前後左右方向に伸縮する伸縮性表
   地を重ねて多数の菱形模様に縫合して伸長を解除
   し、表面の前後左右に多数の規則的凹凸模様を形
   成した伸縮自在地を縫着したことを特徴とするつ
   なぎ服。