JP2886784B2 - 股間部および股関節近傍保護用衣類 - Google Patents

股間部および股関節近傍保護用衣類

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JP2886784B2 JP6213062A JP21306294A JP2886784B2 JP 2886784 B2 JP2886784 B2 JP 2886784B2 JP 6213062 A JP6213062 A JP 6213062A JP 21306294 A JP21306294 A JP 21306294A JP 2886784 B2 JP2886784 B2 JP 2886784B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、股間部および股関節近
傍保護用衣類に関するものである。特に本発明は、自転
車、オートバイ、乗馬、その他のスポーツ用に好適な股
間部および股関節近傍保護用衣類に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、トライアスロンや、各種自転
車競技、サイクリングなどの自転車を用いるスポーツに
於いては、股間部がサドルなどから競技中に受ける衝撃
を緩和するために股間部およびその延長として前側は恥
骨部近傍までと後側は尾骨近傍までをカバーする保護パ
ッドがウェアーの内側面に縫製により取り付けられた短
パンツ状(半ズボン状)やそれより裾が長いズボン状の
保護用衣類が用いられている。
【0003】モトクロス、各種オートバイの競技などの
オートバイ用としては、あまり衝撃緩和を考慮したもの
がなく、自転車用のものが転用されて用いられている場
合がしばしば見受けられる。馬術その他の乗馬スポーツ
に於いても、あまり衝撃緩和を考慮したものがなく、乗
馬ズボンなどにおいてはズボン生地の磨耗を防止するた
めに皮革類がズボンにあてがわれている程度で、専用の
衝撃緩和用のインナーウエアーなどはほとんど市販され
ておらず、やむをえず通常の日常着用用のインナーウエ
アーを着用するか、必要に応じて、自転車用のものが転
用されて用いられている場合がしばしば見受けられる。
【0004】また、自動車ラリーなどサドルや鞍にまた
がる必要はないが、股間部が競技用の器具に接したり、
左右の股関節近傍の大腿部上部内側が相互にペタルアク
ション等で擦れる可能性のあるスポーツに於いては、こ
れらの部分への競技中に受ける衝撃を緩和するための保
護パッドが取り付けられた保護用衣類としてあまり適切
なものが見当たっていないのが現状である。
【0005】従来のこの種の衣類においては、例えば自
転車用の半ズボン状のスパッツタイプのウエアーを具体
例に取り上げて説明すると、通常、保護パッドは、前後
方向に於いては、前側は恥骨部近傍までと後側は尾骨近
傍までをカバーし、一方、左右方向においては主として
股間部をカバーする程度の幅で設けられており、且つそ
の周囲は縫製により本体に取り付けられて、縫製に使用
された縫製糸は肌側面に露出している。
【0006】具体的に市販されている最も典型的な短パ
ンツ状(半ズボン状)のこの種の保護衣類の一例を図1
1〜図14を用いて説明する。図11は従来の股間部保
護衣類の前側から見た平面概略図(ただし、両脇を折り
畳み線としてほぼ平らになるように折り畳んだ状態の平
面概略図。)、図12はその後側から見た平面概略図
(図11と同様に折り畳んだ場合。)、図13はその側
面側から見た場合の平面概略図(ただし、ズボンをズボ
ンプレッサー等でプレスするときに折り畳むのとほぼ同
様に折り畳んだ場合の側面から見た平面概略図)、図
はこの保護衣類の内面の保護パッドが取り付けられて
いる様子が見えるように保護衣類を裏返しにして股間部
に取り付けられた保護パッドがほぼ観察できるように広
げ、且つ足部を左右に広げた状態で股部上部から観察し
た状態の平面概略図を示している。
【0007】図11〜14に於いて、201が保護衣類
本体、202はその脚部、203は本体の裏側面に縫製
されている保護パッド、204は股下部、205、20
7は保護パッドの周囲の縫製ライン、212は保護用衣
類の本体の脚部の裾先での折り返し部分を示し、裾が裾
先で内側に折り返されて折り返し部分の縁が裾周囲方向
に縫製ライン213で縫製されている構造となってい
る。この裾の折り返しは内側に折り返されている場合と
外側に折り返されている場合があるし、また、更にテー
プ状物が縫製により取り付けられているものもある。図
13の210は保護パッド203の前側のほぼ先端で、
11を合わせて参照するとわかるように前部の恥骨近
傍をカバーできる部分まで伸びており、211は保護パ
ッド203の後側のほぼ先端で、図12を合わせて参照
するとわかるように後部の尾骨近傍をカバーできる部分
まで伸びている。
【0008】図14は図の紙面左右上下方向のうち上部
方向が前側(前部)、紙面下部方向が後側(後部)に相
当する。保護パッド203は下パッド部材203aと上
パッド部材203bとからなり、上パッド部材203b
は前側は人体の局部ないし陰部の近傍から後側は尾骨近
傍まで股間部をカバーしている。206は股下中央を前
後方向に伸びている上パッド部材203bの中央接ぎ部
の縫製ラインである。下パッド部材203aは前側は上
パッド部材203bよりもより前側までカバーしてお
り、通常恥骨近傍までカバーする程度に伸びている。後
側は尾骨近傍までカバーしており、前記上パッド部材2
03bの下に重ねられて縫製されている。下パッド部材
203aは、左右の接ぎ部縫製ライン208で接がれて
おり、これにより下パッド部材203aの前部が本体布
に取り付けられた際に、本体布と隙間が開いてパッカリ
ングが生じないようにしている。これらの保護パッド2
03はその左右方向は、股間部をカバーしている程度で
股関節をこえる部分まで脚部の裾方向に伸びて設けられ
ていない。
【0009】また、下パッド部材203aは、本体布側
にポリウレタン発泡体シート、肌側に厚手のパイル編物
ないしパイル織物が用いられた2重構造となっており、
上パッド部材203bは更にこの上から縫製されてお
り、上パッド部材203bとしては通常の織物や編物に
比べてやや厚手のセーム皮やそれに類似した風合の合成
皮革が用いられている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したような保護パ
ッドを有するウエアーを着用して前述したような各種の
スポーツをする場合、これらのスポーツの中にはかなり
の長時間を要するものも多く、例えばトライアスロン競
技では6時間程度自転車をこがなければならないし、サ
イクリングでも1日掛かりまたは数日掛かりのサイクリ
ングもあり、オートバイの耐久レースなどや自動車ラリ
ーなども長時間を要する。また、競技自体はそれほどの
長時間を要しないものでも、日頃の練習は必要であり、
練習にはどんなスポーツでも合計の練習時間はかなりの
長時間になる。
【0011】従って、自転車やオートバイ、馬術などの
場合は、サドルやシートあるいは鞍にまたがるため、例
えば前記従来の保護用衣類を着用した場合には、図14
の周囲縫製ライン205と、上パッド部材203b、下
パッド部材203aの縁の段差のある部分近傍はほぼ常
時サドルやシートあるいは鞍に当たり、体重などの重み
が掛かって、この部分で左右方向に於いては股関節に、
また前部に於いては上パッド部材203bの周囲縫製ラ
イン205と、上パッド部材203bの縁の段差のある
部分近傍は局部や陰部と強くこすれ、また、前述したよ
うに、保護パッドの左右方向の幅が比較的狭いため、保
護パッド覆われていない部分は、例えばサドルの横にこ
すれたり、オートバイでのカーブを走行する際などいわ
ゆる横乗り状態(ライダーの股がサドルの中央から脇に
外れた状態で乗ること)で前記股関節近傍がより強くサ
ドルやシートと擦れたり、また、逆曲りのカーブなどに
さしかかった場合は、身体を反対側にずらせて体重移動
するためその反対側の股関節近傍が強く擦れ、ついには
擦過傷を生じ、痛くて着用に絶えられなくなるだけでな
く、傷により競技の続行にも支障を来すことも生じかね
ない。
【0012】また、このような衝撃緩和を考慮していな
い従来日常的に用いられているインナーウエアーなどを
着用した場合には、衝撃緩和性が悪いばかりでなく、裾
の折り返しや裾テープの厚みにより生じる段の部分や、
縫い目が肌に当たってこすれ、同様に擦過傷を生じるな
どの問題がある。
【0013】サドルなどにまたがらない類いのスポーツ
でも自動車ラリーなど股間部がシート等の用いるスポー
ツ用具に接するスポーツに於いては、衝撃緩和のために
前述した従来の自転車用の保護衣類を着用した場合、例
えば自動車ラリーなどに於いては、一般の人々の予想に
反して、アクセルやクラッチ、ブレーキの極めて頻繁な
ペタル類の踏み換えアクションが要求され、これらの動
作により股間部が自動車シートにこすれると同時に、左
右の股関節近傍が足のペタル踏みかえアクションにより
周囲縫製ライン205とこすれ、前述と同様に股関節位
置の皮膚に痛みや擦過傷を生じやすく、着用感がかなり
悪いという問題がある。
【0014】また、従来品は前述したように、パッドカ
バーなどにセーム皮やそれに類似した風合の合成皮革な
どの通気性の悪い素材が使用されているため、発汗した
場合にムレ易く、局部や陰部の衛生にも悪く、痒くなる
など着心地が悪いという問題もあった。
【0015】本発明は、従来のこれらの問題点を解決
し、(1)長時間の使用でも衣類と肌との摩擦による股
間部や股関節位置の皮膚に痛みや擦過傷が生じにくく、
通気性が良好でムレの少ない着心地改良され、また、
パッド芯が衣類本体の形状に沿って形よく縫製でき、且
つ、人体とフィットしやすい形状となり、運動の際に太
ももの動きがスムースに動かし得る着用感の優れた股間
部および股関節近傍を保護するための衣類を提供するこ
とを目的とするものである。
【0016】また、そのほか後述する本発明の好ましい
態様に於いては、前記目的のほかにそれぞれ各態様に応
じて更に次の様な目的を有する。 (2)即ち、更に本発明は、保護用パッドが衣類本体の
表側に現れておらず、外観がすっきりしたシンプルなデ
ザインの股間部および股関節近傍保護用衣類を提供する
ことを目的とするものである。
【0017】(3)更に本発明の別の目的は、人体が前
後に動いたり、サドルその他の使用しているスポーツ用
具との人体の前後方向からの接触による衝撃やこすれに
よる擦過傷の発生を防止し得る着用感の優れた股間部お
よび股関節近傍保護用衣類を提供することにある。
【0018】(4)更に本発明の別の目的は、適宜のク
ッション性(衝撃緩和性)と良好な通気性とを有し、衝
撃緩和性と優れた通気性とをバランス良く備えた好適な
股間部および股関節近傍保護用衣類を提供することにあ
る。
【0019】(5)更に本発明の別の目的は、パッド芯
を身体の股間部近傍の形状にほぼ適合する様に所定の形
に立体的に成形する場合に成形性が良好であり、コスト
も安価にすることができ、必要な衝撃緩和性を有する股
間部および股関節近傍保護用衣類を提供することにあ
る。
【0020】(6)更に本発明の別の目的は、パッド芯
が編物または織物で補強されて型崩れを防止でき、縫製
や裁断の際の取扱いが不織布のみからなるパッド芯に比
べて容易になり、毛羽立ったり毛だまができるのを防止
でき、またパッド芯が連続気泡の軟質ポリウレタン発泡
体の場合には、その表面の強度が改善されたパッド芯を
有するする股間部および股関節近傍保護用衣類を提供す
ることにある。
【0021】(7)更に本発明の別の目的は、パッド芯
の接ぎ部の縫製部分や凹凸の肌側への影響を緩和し、ま
た、接ぎ部の縫製糸が肌と擦れて肌を痛めることもなく
長時間着用しても着用感の低下が更に少なく、より着用
感の改良された股間部および股関節近傍保護用衣類を提
供することにある。
【0022】(8)更に本発明の別の目的は、パッドカ
バーの接ぎ部の縫製糸が肌側に現われてくることはな
く、接ぎ部の縫製糸との摩擦による着心地の低下が防止
でき、着用感の改良され、接ぎ部の縫製糸が摩擦によっ
て磨耗し、切断される恐れが少ない股間部および股関節
近傍保護用衣類を提供することにある。
【0023】(9)更に本発明の別の目的は、縫製に比
べて製造が容易であり、製造コストを低減することがで
きる股間部および股関節近傍保護用衣類を提供すること
にある。
【0024】(10)更に本発明の別の目的は、パッド
芯の接ぎ部での段差を少なくすることができ、着用感の
改良された股間部および股関節近傍保護用衣類を提供す
ることにある。
【0025】(11)更に本発明の別の目的は、裾部分
の厚みをより少なくでき、この部分の生地の段差や縫製
糸が皮膚と当たって擦れることによる着用感の低下が防
止された股間部および股関節近傍保護用衣類を提供する
ことにある。
【0026】(12)更に本発明の別の目的は、動作す
る場合の抵抗感がより少なくよりスムースに動作するこ
とができ、従って着用感が良好で疲れもより少なくし得
る股間部および股関節近傍保護用衣類を提供することに
ある。
【0027】(13)更に本発明の別の目的は、本発明
の機能を有効に利用し得る自転車用、オートバイ用、乗
馬用のいずれかのライディング用の股間部および股関節
近傍保護用衣類を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するため
に、本発明の股間部および股関節近傍保護用衣類は、次
のような構成を有する。
【0029】(1)着用者の股関節より下側に脚部の裾
線を有し、股部近傍に保護用パッドを有する短パンツ
状、または、ズボン状の衣類に於いて、前記保護用パッ
ドが、不織布または連続気泡の軟質ポリウレタン発泡体
からなるパッド芯とその上を覆う編物または織物からな
るパッドカバーとからなり、前記保護用パッドは股間部
から少なくとも着用者の股関節を越える部分をカバーし
得る程度まで脚部の裾方向に伸びて設けられており、且
つ前記パッド芯が、複数の部材からなり、前記複数の部
材が接ぎ合わされて身体の股間部および股関節近傍の形
状にほぼ適合する様に立体形状に仕上げられたパッド芯
であることを特徴とする股間部および股関節近傍保護用
衣類。
【0030】(2)保護用パッドが、保護用衣類本体布
の裏側に取り付けられている前記(1)項に記載の股間
部および股関節近傍保護用衣類。 (3)保護用パッドが、その前側は着用者の恥骨近傍ま
で、後側は尾骨近傍までカバーしている保護用パッドで
ある前記(1)項または(2)項のいずれかに記載の股
間部および股関節近傍保護用衣類。
【0031】(4)パッド芯を構成する不織布が目付
0.05〜0.09g/cm3 の不織布である前記
(1)〜(3)項のいずれかに記載の股間部および股関
節近傍保護用衣類。
【0032】(5)パッド芯を構成する連続気泡の軟質
ポリウレタン発泡体が、見掛け密度0.02〜0.09
g/cm3 の連続気泡軟質ポリウレタン発泡体である前
記(1)〜(3)項のいずれかに記載の股間部および股
関節近傍保護用衣類。
【0033】(6)パッド芯が不織布または連続気泡の
軟質ポリウレタン発泡体と少なくともその片面に編物ま
たは織物が積層されたパッド芯である前記(1)〜
(5)項のいずれかに記載の股間部および股関節近傍保
護用衣類。
【0034】(7)パッドカバーが接ぎ部を持たないパ
ッドカバーである前記(1)〜(6)項のいずれかに記
載の股間部および股関節近傍保護用衣類。 (8)パッドカバーが接ぎ部を有するパッドカバーであ
って、前記パッドカバーの接ぎ部が、その縫い代や縫い
目がパッドカバーの接ぎ部の裏側で処理され、表側に接
ぎ部の縫い代や縫い目が現れていない構造である前記
(1)〜(6)項のいずれかに記載の股間部および股関
節近傍保護用衣類。
【0035】(9)保護用パッドが、パッドカバーとパ
ッド芯とが接着または熱融着により積層されてなる保護
用パッドである前記(1)〜(6)項、(7)項または
(8)項のいずれかに記載の股間部および股関節近傍保
護用衣類。
【0036】(10)パッド芯が股下中央を前後方向に
伸びる中央接ぎ部と前部恥骨部よりやや下の中央から左
右斜め上方向に伸びる前部接ぎ部を有し、前記接ぎ部が
パッド芯を突き合わせた状態でジグザグ状に縫製されて
いるか、または熱融着されてなる前記(1)〜(9)項
のいずれかに記載の股間部および股関節近傍保護用衣
類。
【0037】(11)股間部および股関節近傍保護用衣
類の本体の脚部の裾先が折り返し部分または裾先補強テ
ープを持たず裾先近傍に於いて前記折り返し部分または
裾先補強テープを縫製するための裾周囲方向の縫製を持
たない裾である前記(1)〜(10)項のいずれかに記
載の股間部および股関節近傍保護用衣類。
【0038】(12)保護用衣類を構成する本体布が伸
縮性を有する布である前記(1)〜(11)項のいずれ
かに記載の股間部および股関節近傍保護用衣類。(1
2)保護用衣類が、自転車用、オートバイ用、乗馬用の
いずれかのライディング用の衣類である前記(1)〜
(12)項のいずれかに記載の股間部および股関節近傍
保護用衣類。
【0039】
【作用】(1)本発明の股間部および股関節近傍保護用
衣類は、着用者の股関節より下側に脚部の裾線を有し、
股部近傍に保護用パッドを有する短パンツ状、または、
ズボン状の衣類に於いて、前記保護用パッドが、不織布
または連続気泡の軟質ポリウレタン発泡体からなるパッ
ド芯とその上を覆う編物または織物からなるパッドカバ
ーとからなっているので、保護用パッドのパッドカバー
として合成皮革、天然皮革などを用いた場合に比べて通
気性が良く、長時間の使用に於いてもムレが少なく衛生
的で、汗をかいても着用感の低下が少ない。また、パッ
ド芯も不織布または連続気泡の軟質ポリウレタン発泡体
からなるので通気性が保たれる。特に不織布の場合には
非常に優れた通気性を保持でき好ましい。
【0040】しかも、前記保護パッドは少なくとも着用
者の股関節を越える部分をカバーし得る程度まで脚部の
裾方向に伸びて設けられており、すなわち従来品では注
目されていなかった部分をカバーできるよう保護パッド
が脚部の裾方向に向って伸びている。したがって、問題
となる着用者の股関節部分には保護パッドの縫目や厚み
のある保護パッドの周囲縁部の段差もなく、保護パッド
の縫い目や布の厚みのある縁部が肌と強くこすれたり、
肌に喰い込んだりする恐れがなく、長時間の使用でも衣
類と肌との摩擦による痛みや擦過傷が生じにくい着用感
の優れた股間部および股関節近傍保護用衣類を提供でき
る。また、本発明においては、パッド芯が、複数の部材
からなり、前記複数の部材が接ぎ合わされて身体の股間
部および股関節近傍の形状にほぼ適合する様に立体形状
に仕上げられたパッド芯からなるので、パッド芯が衣類
本体の形状に沿って形よく縫製でき、且つ、人体とフィ
ツトしやすい形状となり、運動の際に太ももの動きがス
ムースに動かし得る着用感 の優れた股間部および股関節
近傍保護用衣類を提供できる。
【0041】(2)前記本発明の股間部および股関節近
傍保護用衣類においては、保護用パッドが、保護用衣類
本体布の裏側に取り付けられている本発明の好ましい態
様とすることにより、保護用パッドが衣類本体の表側に
現れていないので、外観がすっきりしたシンプルなデザ
インの股間部および股関節近傍保護用衣類を提供でき
る。
【0042】(3)また、本発明の股間部および股関節
近傍保護用衣類において、保護用パッドが、その前側は
恥骨近傍まで、後側は尾骨近傍までカバーしている保護
用パッドである本発明の好ましい態様とすることによ
り、人体が前後に動いたり、サドルその他の使用してい
るスポーツ用具との人体の前後方向からの接触による衝
撃やこすれによる擦過傷の発生を防止し得る着用感の優
れた股間部および股関節近傍保護用衣類を提供でき、好
ましい。
【0043】(4)また、本発明の股間部および股関節
近傍保護用衣類において、パッド芯を構成する不織布が
目付0.05〜0.09g/cm3 の不織布である本発
明の好ましい態様とすることにより、パッド芯を構成す
る不織布の目付が0.05〜0.09g/cm3 の範囲
であるので適宜のクッション性(衝撃緩和性)と良好な
通気性とを有し、衝撃緩和性と優れた通気性とをバラン
ス良く備えた好適な股間部および股関節近傍保護用衣類
を提供でき、好ましい。
【0044】(5)また、本発明の股間部および股関節
近傍保護用衣類において、パッド芯を構成する連続気泡
の軟質ポリウレタン発泡体が、見掛け密度0.02〜
0.09g/cm3 の連続気泡軟質ポリウレタン発泡体
である本発明の好ましい態様とすることにより、パッド
芯を身体の股間部近傍の形状にほぼ適合する様に所定の
形に立体的に成形する場合に成形性が良好であり、コス
トも安価にし得る。見掛け密度0.02〜0.09g/
cm3 の連続気泡軟質ポリウレタン発泡体を用いるの
で、通気性も比較的良好でかつ必要な衝撃緩和性を有す
る股間部および股関節近傍保護用衣類を提供でき、好ま
しい。
【0045】(6)また、本発明の股間部および股関節
近傍保護用衣類において、パッド芯が不織布または連続
気泡の軟質ポリウレタン発泡体と少なくともその片面に
編物または織物が積層されたパッド芯である本発明の好
ましい態様とすることにより、パッド芯が不織布の場合
には編物または織物で補強されて型崩れを防止でき、縫
製や裁断の際の取扱いが不織布のみからなるパッド芯に
比べて容易になり、毛羽立ったり毛だまができるのを防
止できる。またパッド芯が連続気泡の軟質ポリウレタン
発泡体の場合には、その表面の強度を改善することがで
き好ましい。
【0046】また、積層する編物または織物として抗菌
性や抗臭性加工が施された布や吸水性の良い布を用いる
こともでき、長時間の使用に於いても発汗やムレに対し
て衛生的な面からの改良を施すことも可能となり、痒み
などの生じにくいより着心地の良い股間部および股関節
近傍保護用衣類を提供でき、好ましい。
【0047】(7)また、本発明の股間部および股関節
近傍保護用衣類において、パッドカバーが接ぎ部を持た
ないパッドカバーである本発明の好ましい態様とするこ
とにより、パッド芯の接ぎ部の縫製部分や凹凸の肌側へ
の影響を緩和し、また、パッドカバー自体も接ぎ部を持
たないので、接ぎ部の縫製糸が肌と擦れて肌を痛めるこ
ともなく長時間着用しても着用感の低下が更に少なく、
より着用感の改良された股間部および股関節近傍保護用
衣類を提供できる。また、特に接ぎ部を持たないパッド
カバーを用いる場合にはパッド芯も接ぎ部を持たないパ
ッド芯を用いて立体成形により得られる保護パッドとす
ることにより、より優れた着用感を有する股間部および
股関節近傍保護用衣類を提供でき、好ましい。
【0048】(8)また、本発明の股間部および股関節
近傍保護用衣類において、パッドカバーが接ぎ部を有す
るパッドカバーであって、前記パッドカバーの接ぎ部
が、その縫い代や縫い目がパッドカバーの接ぎ部の裏側
で処理され、表側に接ぎ部の縫い代や縫い目が現れてい
ない構造である本発明の好ましい態様とすることによ
り、パッドカバーの接ぎ部の縫製糸が肌側に現われてく
ることがないので、接ぎ部の縫製糸との摩擦による着心
地の低下が防止でき、着用感の改良された股間部および
股関節近傍保護用衣類を提供でき、また、接ぎ部の縫製
糸が摩擦により磨耗して切断される恐れが少なくなり好
ましい。
【0049】(9)また、前記本発明の股間部および股
関節近傍保護用衣類において、保護用パッドが、パッド
カバーとパッド芯とが接着または熱融着により積層され
てなる保護用パッドである本発明の好ましい態様とする
ことにより、縫製に比べて製造が容易であり、製造コス
トを低減することができる。
【0050】(10)また、本発明の股間部および股関
節近傍保護用衣類において、パッド芯が股下中央を前後
方向に伸びる中央接ぎ部と前部恥骨部よりやや下の中央
から左右斜め上方向に伸びる前部接ぎ部を有し、前記接
ぎ部がパッド芯を突き合わせた状態でジグザグ状に縫製
されているか、または熱融着されてなる本発明の好まし
い態様とすることにより、パッド芯の接ぎ部での段差を
少なくすることができ、着用感の改良された股間部およ
び股関節近傍保護用衣類を提供でき、好ましい。
【0051】また、これらの接ぎ部が存在することによ
り、パッド芯が衣類本体の形状に沿って形よく縫製で
き、且つ、人体とフィットしやすい状態に縫製でき、運
動の際に太ももの動きがスムースに動かし得る着用感の
優れた股間部および股関節近傍保護用衣類を提供でき
る。
【0052】(11)また、本発明の股間部および股関
節近傍保護用衣類において、本保護用衣類本体の脚部の
裾先が折り返し部分または裾先補強テープを持たず脚部
の裾先近傍に於いて前記折り返し部分または裾先補強テ
ープを縫製するための裾周囲方向の縫製を持たない裾で
ある本発明の好ましい態様とすることにより、裾部分の
厚みをより少なくでき、この部分の生地の段差や縫製糸
が皮膚と当たって擦れることによる着用感の低下が防止
された股間部および股関節近傍保護用衣類を提供でき、
好ましい。
【0053】(12)また、本発明の股間部および股関
節近傍保護用衣類において、保護用衣類を構成する本体
布が伸縮性を有する布である本発明の好ましい態様とす
ることにより、動作する場合の抵抗感がより少なくより
スムースに動作することができ、従って着用感が良好で
疲れもより少なくし得る股間部および股関節近傍保護用
衣類を提供でき、好ましい。
【0054】(13)また、本発明の股間部および股関
節近傍保護用衣類において、保護用衣類が、自転車用、
オートバイ用、乗馬用のいずれかのライディング用の衣
類である本発明の好ましい態様とすることにより、特に
自転車に乗った場合、オートバイに乗った場合、馬術の
場合に於いては、太ももを開いて跨がった形で乗るた
め、股間部が直接サドルやシートあるいは鞍などに触れ
るため、サドルやシートあるいは鞍などからの衝撃を比
較的ダイレクトに受けなければならず、また前述したよ
うに股関節部分がサドルやシートあるいは鞍などに強く
当接されて擦れが生じやすい状態になるが、本発明の衣
類は、これらの衝撃を緩和し、擦れによる痛み、擦過傷
の発生を防ぐに極めて好適でしかも通気性がよく、前述
の作用がより有効に発揮され、前記ライディング用の保
護用衣類として極めて有用である。
【0055】
【実施例】本発明の股間部および股関節近傍保護用衣類
は、着用者の股関節より下側に脚部の裾線を有し、股部
近傍に保護用パッドを有する短パンツ状またはズボン状
の衣類、すなわち、ウェスト部から少なくとも股関節を
越える部分に至る部分をカバーし股部を有する短パンツ
状またはズボン状衣類は勿論、少なくとも着用者のウェ
スト部から少なくとも股関節を越える部分をカバーしか
つ股部を有する衣類であれば、ウェスト部からより上方
の部分、例えば胸、背中などが一体となっているなど上
半身部分が付随している衣類も含まれる。すなわち本発
明で「短パンツ状またはズボン状の衣類」とは、短パン
ツ部分またはズボン部分を有しておれば、上半身部分な
どが一体的に付随している衣類も「短パンツ状またはズ
ボン状の衣類」として含まれると言う意味である。
【0056】本発明の股間部および股関節近傍保護用衣
類は、特に限定するものではないが、自転車、オートバ
イ、乗馬に関連するスポーツ、すなわち、これらのサド
ルやシートあるいは鞍などにまたがって行うスポーツ用
の股間部および股関節近傍保護用衣類や自動車ラリーな
どサドルやシートあるいは鞍などにまたがる必要はない
が、臀部や股関節部分などが競技用の器具に接するスポ
ーツ用の保護用衣類等として股間部や股関節部分近傍へ
の衝撃やその部分の肌への擦れの影響を緩和し、快適に
スポーツを行うに適した衣類として好適であり、特に自
転車、オートバイ、乗馬などのようにサドルやシートあ
るいは鞍などにまたがって行うスポーツのライディング
用の保護衣類として好適である。
【0057】以下、本発明の理解を容易にするために、
図面を参照しながら、本発明の一実施例の短パンツ状
(半ズボン状)の保護衣類について説明するが、本発明
は前述したように、この実施例のもののみに限定される
ものではなく短パンツの裾が更に長くなって膝より下の
下肢部にまで到達しているズボン状のものや、これらに
上半身部分などが一体的に付随している衣類なども含ま
れることは容易に理解されるところである。
【0058】図1は本発明の一実施例の短パンツ状(半
ズボン状)の保護衣類の前側から見た平面概略図(ただ
し、股部近傍の状態をわかりやすくするために両裾をそ
れぞれ左右方向に広げた状態で示してある。)、図2は
その後側から見た平面概略図(図1と同様に両裾をそれ
ぞれ左右方向に広げた状態。)、図3はその側面側から
見た場合の平面概略図(ただし、ズボンをズボンプレッ
サー等でプレスするときに折り畳むのとほぼ同様に折り
畳んだ場合の側面から見た平面概略図)、図4はこの保
護衣類の裏面の保護パッドが取り付けられている様子が
見えるように保護衣類を裏返しにして股部近傍部に取り
付けられた保護パッドがほぼ観察できるように広げ、且
つ足部を左右に広げた状態で股部上部から観察した状態
の平面概略図を示している。
【0059】図1〜図4に於いて、1が保護衣類本体、
2はその脚部であり、この実施例の場合には、脚部の裾
口3は股関節を越えて、大腿部のほぼ中間、つまり膝と
股関節のほぼ中間近傍まで伸びている。また、裾口3の
部分は、通常行われるような裾端処理のための折り返し
がなく、その折り返し部分を縫製するための裾周囲方向
の縫製を行っていない、すなわち裾先がほつれないよう
に織られあるいは編まれている布(すなわち裾処理のた
めの縫製を必要としない布。)を使用している。こうす
ることによって、前述したように裾部分の厚みをより少
なくでき、この部分の生地の段差がより少くなり、この
部分によって生じた段差部分が皮膚と当たって擦れるこ
とによる着用感の低下が防止されて、より好ましい。但
し、もちろん保護パッド4と保護衣類本体1とが裾口部
分で縫製ライン6により縫製されていることは差支えな
い。尚、脚部が長い衣類の場合などに於いては裾口が折
り返されて2重構造になっていても差し支えない。
【0060】保護衣類本体1を構成する本体布は例えば
パワーネット編物、ツーウェイトリコット編物、ストレ
ッチサテン織物など、その他スパンデックス繊維使いの
各種の伸縮性を有する布(編物または織物など)が用い
られている。4は保護衣類本体1の内面側に縫製により
取り付けられている保護用パッドであり、5は保護パッ
ドの周囲の縫製ライン、6は前記保護パッドの周囲の縫
製ライン5のうちの裾部縫製ラインでこの例では裾口3
近傍に設けられている。すなわち、この実施例では保護
パッド4は股関節を越えて、大腿部のほぼ中間、つまり
膝と股関節のほぼ中間近傍まで伸びている裾口3とほぼ
同じ位置まで延びている。7は股部中央部、8はウェス
ト部、9、10、11は本体の接ぎ部、12、12´は
前部恥骨部よりやや下の中央20から左右斜め上方向に
それぞれ伸びるパッド芯の前部接ぎ部であり、実際には
この部分はパッド芯が本体布1や後述するパッドカバー
で覆われているので外部からは見えない状態になってい
る。13は保護パッドの前側の先端部でこの例では局部
や陰部を越えて恥骨部の上まで達している。14は保護
パッドの後側の先端部でこの例では股間部をカバーして
尾骨の近傍に達している。15、16、17は本体1の
後ろ側の接ぎ部である。また、図4で示されている18
は股部中央を前後方向に伸びているパッドカバーの接ぎ
部であり、またその下のパッド芯もほぼ同様の位置に接
ぎ部を有している。ただし、股部中央を前後方向に伸び
ているパッド芯の接ぎ部は、男性用と、女性用で異なる
態様にすることが好ましく、男性用は局部の膨らみがあ
るため、その膨らみが実現しやすいように、股部中央を
前後方向に伸びているパッド芯の接ぎ部は、保護パッド
の後側の先端部14からパッド芯の前部接ぎ部12、1
2´の交わる部分(前部恥骨部よりやや下の中央)20
までと、さらにこの交点20から保護パッドの前側の先
端部13の部分にも接ぎ部を設けている。女性用は陰部
に膨らみがないので、股部中央を前後方向に伸びている
パッド芯の接ぎ部は、保護パッドの後側の先端部14か
らパッド芯の前部接ぎ部12、12´の交わる部分(前
部恥骨部よりやや下の中央)20まででよく、この交点
20から保護パッドの前側の先端部13の部分には接ぎ
部がなく左右一体のピースを用いることにより、前部に
不必要な膨らみが生じないようにすることが好ましい。
前述した(12)項などで言う「パッド芯が股下中央を
前後方向に伸びる中央接ぎ部」とはこの両者を含む意味
である。
【0061】尚、パッド芯としては、上述したような態
様に於いては不織布が用いられ、特に目付0.05〜
0.09g/cm3 の不織布、より好ましくは0.06
〜0.07g/cm3 の不織布を用いることが好まし
く、適宜のクッション性(衝撃緩和性)と極めて優れた
通気性とを有し、衝撃緩和性と良好な通気性とをバラン
ス良く備えた好適な保護用衣類を提供できるので好まし
い。また、上記の態様に於いてパッド芯として連続気泡
の軟質ポリウレタン発泡体を用いることもできる。連続
気泡の軟質ポリウレタン発泡体としては見掛け密度0.
02〜0.09g/cm3 の連続気泡軟質ポリウレタン
発泡体を用いることが通気性も比較的良好でかつ必要な
衝撃緩和性を有するので好ましい。
【0062】また、パッド芯としては、不織布単独や連
続気泡軟質ポリウレタン発泡体単独でもよいが、例えば
図5にその断面模式図を示すように不織布やポリウレタ
ン発泡体51の少なくとも片面(図示した図5の例は両
面の場合を示した。)に編物または織物61、61´が
積層されたパッド芯を用いることが好ましく、このよう
なパッド芯を用いることにより、不織布の場合にはパッ
ド芯が編物または織物で補強されて型崩れを防止でき、
縫製や裁断の際の取扱いが不織布のみからなるパッド芯
に比べて容易になり、毛羽立ったり毛だまができるのを
防止できる。また、ポリウレタン発泡体の場合にはその
表面の強度を改善することができ好ましい。また、上記
いずれの場合においても、積層する編物または織物とし
て抗菌性や抗臭性加工が施された布や吸水性の良い布を
用いることも好ましく、かかる態様とすれば、長時間の
使用に於いても発汗やムレに対して衛生的な面からの改
良を施すことも可能となり、痒みなどの生じにくいより
着心地の良い股間部および股関節近傍保護用衣類を提供
できる。図6、図7に保護パッドのパッド芯の接ぎ部の
接ぎ合わせ縫製構造を説明するために、図6においては
接ぎ部近傍の部分断面模式図を、図7においては図6の
上から見た平面模式図を示した。図6、図7に於いて、
接ぎ部の縫製がパッド芯52a、52bを突き合わせた
状態で、この例では突き合わせ部分の上側に通常の比較
的薄手の織物ないし編物などの補強布62をあてがっ
て、当該補強布62と共に縫製ライン63でジグザグ状
に縫製されている。補強布62は必ずしも必須ではない
が、補強布を用いた方が縫製強度を大きくできるので好
ましい。このような縫製構造とすることにより、パッド
芯の接ぎ部での段差を少なくすることができ、より着用
感の改良された股間部および股関節近傍保護用衣類を提
供できるので好ましい。また、図示していないがジグザ
グ状の縫製の代わりに、同様にパッド芯52a、52b
を突き合わせた状態で熱融着により接合してもよい。熱
融着の場合は、パッド芯52a、52bの不織布を構成
している繊維の一部に熱融着繊維を用いてもよいし、パ
ッド芯52a、52bの突き合わせ部分の上下に熱融着
テープ(熱融着繊維シートからなるテープ状物を含む)
を当てがって熱融着をしてもよいし、この両者を併用す
るなど適宜の熱融着が採用できる。
【0063】次に図8に、本発明の保護衣類の保護パッ
ド部分が取り付けられている部分の断面の端面構造の一
例を概念的に示すために、保護パッドの取り付けられた
部分の股部中央部7から左右方向に切断した場合の断面
の端面図を示した。図1のA−A´方向の断面の概略部
分端面図に相当する図である。図8に於いてパッド芯5
2a、52bの縫製構造は図6に示した構造と同一であ
るので同じ部分には同じ符号を付して説明を省略した。
この例ではパッドカバー81は中央部に接ぎ部82を有
し、パッドカバー81の端部の縫い代84はパッド芯5
2a、52b側(以下裏側と略称する。)に折り曲げら
れて且つ、裏側で縫製ライン83によって縫製されてい
る。このような構造とすることにより、パッドカバーの
接ぎ部の縫製糸や縫い代が肌側に現われてくることはな
く、接ぎ部の縫製糸や縫い代との摩擦による着心地の低
下が防止でき、着用感の改良された股間部および股関節
近傍保護用衣類を提供できるので好ましい。また、85
は保護衣類本体1の本体布の一部を示しており中央部
(図1の股部中央部7に相当する部分)に接ぎ部86を
有し、本体布85の端部の縫い代87はパッド芯52
a、52b側(以下裏側と略称する。)に折り曲げられ
て且つ、裏側で縫製ライン88によって縫製されてい
る。このような縫製構造とすることにより、縫い代87
が外部に現れずに見栄えのきれいな保護用衣類を提供で
きるので好ましい。また、保護パッドが保護衣類本体1
の表側に取り付けられる場合には、図8に於いて85が
パッドカバーで81が保護衣類本体1の本体布の一部と
見なした構造にすることが好ましい。
【0064】尚、図8には図示されていないが、例えば
パッドカバー81とパッド芯52a、52bとの間に必
要に応じて、適宜、編物または織物を更に挿入してもよ
く、かかる編物または織物として抗菌性や抗臭性加工が
施された布や吸水性の良い布を用いることによって、長
時間の使用に於いても発汗やムレに対して衛生的な面か
らの改良を施すことも可能となり、痒みなどの生じにく
いより着心地の良い股間部および股関節近傍保護用衣類
を提供できるので好ましい。
【0065】また、図9と図10にパッド芯を構成する
各パッド芯の構成片に分解した場合の部分展開図の一態
様を示した。図9が男性用であり、図10が女性用であ
る。いずれも右側半分の構成片の展開図を示しており、
左側は左右対称であるので図示を省略している。前述し
た図4に於けるパッド芯の接ぎ部の説明と合わせて参照
するとより理解が容易になる。
【0066】図9の男性用パッド芯においてはパッド芯
の前部の構成片91とそれより後ろ側の主構成片92と
からなっており、図示していない左側の構成片も合わせ
ると4つの構成片からなっている。B−C、E−Fのラ
インでそれぞれ左側の各対応構成片と縫製されて図4に
於いて説明した股部中央を前後方向に伸びているパッド
芯の接ぎ部となる。男性用の場合はさらにC−Dライン
とE−Jラインが互いにやや凸になっていてこの部分を
相互に縫製する。こうすることによって、男性用は局部
の膨らみに対応しやすい構造とすることができるのでよ
り好ましい。左側の構成片についても同様である。GH
IJで囲まれる部分はパッド芯が脚部の裾方向に伸びて
いる部分である。図9に於いては脚部の裾方向への伸び
が図10のものに比べてやや短めの態様のものを示した
が、これに限定されるものではなく、少なくとも股関節
を越える程度以上に伸びていればよく、好ましくは股関
節と膝の間の大腿部内側の股関節寄りの大腿部内側上部
まで伸びていることが好ましい。この長さを数値で示す
ことは、着用者の身体寸法によって異なるので具体的に
規定することは難しいが、例えば標準的な成人の寸法
で、図1の股部中央部7から脚部の裾口3方向への長さ
にして、およそ12cm程度あれば股関節部分をこえる
程度の長さになると思われる。好ましくは前記寸法でお
よそ13cm以上が好ましい。
【0067】図10の女性用パッド芯においてもパッド
芯の前部の構成片91とそれより後ろ側の主構成片92
とからなっており、前部の構成片91のB−Cラインを
鎖線で示してあるのは、図示していないその左側部分は
B−Cラインで切れているものではなく、B−Cライン
で左右対象となって一体になった1つの構成片となって
いることを示している。従って女性用のパッド芯の構成
片は主構成片92が左右対称で2つに別れているので合
計3つの構成片からなる点が上記男性用の構成片と異な
っている。主構成片92はE−Fのラインでそれぞれ左
側の各対応構成片と縫製され、また、E−Kのラインで
C−Dのラインと縫製されている。E−KのラインとC
−Dのラインは互いにやや凹状の曲線ラインになってい
て、縫製により、女性の鼠蹊部近傍の形状により沿いや
すい形となる。
【0068】E−Kのラインの左側対象部分に於いても
C−Dラインの左側対象部分に同様に縫製されている。
女性用は陰部に膨らみがないので、前部の構成片91は
前述したように左右一体の連続した構成片が用いられて
いる。GHIJで囲まれる部分は脚部の裾方向に伸びて
いる部分であり、図10に於いては裾方向への伸びが図
9のものに比べてやや長めの態様のものを示したが、こ
れに限定されるものではないことは前述の通りである。
以上、図4、図9、図10を用いて説明したように、こ
れらのパッド芯は、パッド芯が複数の部材からなり、こ
れら複数の部材が接ぎ合わされて身体の股間部および股
関節近傍の形状にほぼ適合する様に立体形状に仕上げら
れたパッド芯の例である。かかる立体形状にすることに
より、パッド芯が衣類本体の形状に沿って形よく縫製で
き、且つ、人体とフィットしやすい形となり、運動の際
に太ももの動きがスムースに動かし得る着用感の優れた
股間部および股関節近傍保護用衣類を提供できる。パッ
ドカバーとしては接ぎのない連続シート状のパッドカバ
ーを用いることが好ましい。連続シート状のパッドカバ
ーを用いる場合にはパッド芯とパッドカバーの間に必要
に応じて適宜の熱融着性接着剤その他の適宜の接着剤を
介在させておいてパッド芯とパッドカバーとを接着した
保護用パッドを得ることができる。また、場合によって
は、パッドカバーおよび/またはパッド芯の構成成分に
熱融着性繊維などの熱接着性成分が含まれている場合に
は、別途接着剤などを用いなくとも、熱接着により接着
することも可能である。
【0069】また、図示していないが、本発明の保護衣
類の本体の脚部を更に長くしてズボン状にした場合に、
保護パッドは原則的には、股間部から股関節を越える部
分をカバーし得る程度まで脚部の裾方向に伸びて設けら
れていればよいが、前述したようにより長くしてもよ
く、また、股間部から股関節を越える部分までの保護パ
ッドが取り付けられ、更に必要な部分、例えば膝と踝の
間などに保護パッドが必要な場合にはその様な必要部分
に更に保護パッドを設けてもよい。
【0070】また、前述したパッドカバーについては、
編物または織物が用いられ、パッドカバーは、縫製によ
りパッド芯および/または本体布に取り付けられていて
もよく、また、パッドカバーはパッド芯と接着または熱
融着などにより積層されていてもよい。パッドカバーに
用いられる編物または織物としては、例えばトリコット
編物、平織物などの非伸縮性の編物または織物や、パワ
ーネット編物、ツーウェイトリコット編物、ストレッチ
サテン織物、その他スパンデックス繊維使いの各種の伸
縮性を有する編物または織物などが挙げられるが特にこ
れらのみに限定されるものではない。
【0071】また、図示していないが、保護用パッドは
必要ならば、衣類本体布の表側に設けられていてもよ
く、更には、衣類本体布の一部の部品の代替として保護
パッドを用いてもよい。つまり、股間部から少なくとも
着用者の股関節を越える部分に本体布を用いずに、この
部分を保護用パッドで代替してもよい。
【0072】
【発明の効果】(1)本発明の股間部および股関節近傍
保護用衣類は、通気性が良く、長時間の使用に於いても
ムレが少なく衛生的で、汗をかいても着用感の低下が少
なく、しかも、股間部や股関節部分は保護パッドで衝撃
が緩和でき、長時間の使用でも衣類と肌との摩擦による
痛みや擦過傷が生じにくい着用感の優れた股間部および
股関節近傍保護用衣類を提供できる。特に保護用パッド
のパッド芯として不織布を使用した場合には非常に優れ
た通気性を保持でき好ましい。また、本発明の股間部お
よび股関節近傍保護用衣類においては、パッド芯が、複
数の部材からなり、前記複数の部材が接ぎ合わされて身
体の股間部および股関節近傍の形状にほぼ適合する様に
立体形状に仕上げられたパッド芯からなるので、パッド
芯が衣類本体の形状に沿って形よく縫製でき、且つ、人
体とフィットしやすい形状となり、運動の際に太ももの
動きがスムースに動かし得る着用感の優れた股間部およ
び股関節近傍保護用衣類を提供できる。
【0073】(2)また、本発明の股間部および股関節
近傍保護用衣類において、保護用パッドが、保護用衣類
本体布の裏側に取り付けられている本発明の好ましい態
様においては、保護用パッドが衣類本体の表側に現れて
いないので、外観がすっきりしたシンプルなデザインの
股間部および股関節近傍保護用衣類を提供できる。
【0074】(3)また、本発明の股間部および股関節
近傍保護用衣類において、保護用パッドが、その前側は
恥骨近傍まで、後側は尾骨近傍までカバーしている保護
用パッドである本発明の好ましい態様においては、人体
が前後に動いたり、サドルその他の使用しているスポー
ツ用具との人体の前後方向からの接触による衝撃やこす
れによる擦過傷の発生を防止し得る着用感の優れた股間
部および股関節近傍保護用衣類を提供できる。
【0075】(4)また、本発明の股間部および股関節
近傍保護用衣類において、パッド芯を構成する不織布が
目付0.05〜0.09g/cm3 の不織布である本発
明の好ましい態様においては、適宜のクッション性(衝
撃緩和性)と良好な通気性とを有し、衝撃緩和性と優れ
た通気性とをバランス良く備えた好適な股間部および股
関節近傍保護用衣類を提供できる。
【0076】(5)また、本発明の股間部および股関節
近傍保護用衣類において、パッド芯を構成する連続気泡
の軟質ポリウレタン発泡体が、見掛け密度0.02〜
0.09g/cm3 の連続気泡軟質ポリウレタン発泡体
である本発明の好ましい態様においては、パッド芯を身
体の股間部近傍の形状にほぼ適合する様に所定の形に立
体的に成形する場合に成形性が良好であり、コストも安
価にし得る。見掛け密度0.02〜0.09g/cm3
の連続気泡軟質ポリウレタン発泡体を用いるので、通気
性も比較的良好でかつ必要な衝撃緩和性を有する股間部
および股関節近傍保護用衣類を提供できる。
【0077】(6)また、本発明の股間部および股関節
近傍保護用衣類において、パッド芯が不織布または連続
気泡の軟質ポリウレタン発泡体と少なくともその片面に
編物または織物が積層されたパッド芯である本発明の好
ましい態様においては、パッド芯が不織布の場合には編
物または織物で補強されて型崩れを防止でき、縫製や裁
断の際の取扱いが不織布のみからなるパッド芯に比べて
容易になり、毛羽立ったり毛だまができるのを防止でき
る。またパッド芯が連続気泡の軟質ポリウレタン発泡体
の場合には、その表面の強度を改善することができ好ま
しい。
【0078】また、積層する編物または織物として抗菌
性や抗臭性加工が施された布や吸水性の良い布を用いる
こともでき、長時間の使用に於いても発汗やムレに対し
て衛生的な面からの改良を施すことも可能となり、痒み
などの生じにくいより着心地の良い股間部および股関節
近傍保護用衣類を提供できる。
【0079】(7)また、本発明の股間部および股関節
近傍保護用衣類において、パッドカバーが接ぎ部を持た
ないパッドカバーである本発明の好ましい態様において
は、パッド芯の接ぎ部の縫製部分や凹凸の肌側への影響
を緩和し、また、パッドカバー自体も接ぎ部を持たない
ので、接ぎ部の縫製糸が肌と擦れて肌を痛めることもな
く長時間着用しても着用感の低下が更に少なく、より着
用感の改良された股間部および股関節近傍保護用衣類を
提供できる。また、接ぎ部を持たないパッドカバーを用
いる場合に於いて、パッド芯も接ぎ部を持たないパッド
芯を用いて立体成形により得られる保護パッドとするこ
とにより、より優れた着用感を有する股間部および股関
節近傍保護用衣類を提供できる。
【0080】(8)また、本発明の股間部および股関節
近傍保護用衣類において、パッドカバーが接ぎ部を有す
るパッドカバーであって、前記パッドカバーの接ぎ部
が、その縫い代や縫い目がパッドカバーの接ぎ部の裏側
で処理され、表側に接ぎ部の縫い代や縫い目が現れてい
ない構造である本発明の好ましい態様においては、パッ
ドカバーの接ぎ部の縫製糸が肌側に現われてくることは
なく、接ぎ部の縫製糸との摩擦による着心地の低下が防
止でき、着用感の改良された股間部および股関節近傍保
護用衣類を提供できる。また、接ぎ部の縫製糸が外部に
現れていないので、縫製糸が摩擦によって磨耗し、切断
される恐れが少なくなる。
【0081】(9)また、本発明の股間部および股関節
近傍保護用衣類において、保護用パッドが、パッドカバ
ーとパッド芯とが接着または熱融着により積層されてな
る保護用パッドである本発明の好ましい態様において
は、縫製に比べて製造が容易であり、製造コストを低減
することができる。
【0082】(10)また、本発明の股間部および股関
節近傍保護用衣類において、パッド芯が股下中央を前後
方向に伸びる中央接ぎ部と前部恥骨部よりやや下の中央
から左右斜め上方向に伸びる前部接ぎ部を有し、前記接
ぎ部がパッド芯を突き合わせた状態でジグザグ状に縫製
されているか、または熱融着されてなる本発明の好まし
い態様においては、パッド芯の接ぎ部での段差を少なく
することができ、着用感の改良された股間部および股関
節近傍保護用衣類を提供できる。
【0083】(11)また、本発明の股間部および股関
節近傍保護用衣類において、股間部および股関節近傍保
護用衣類の本体の脚部の裾先が折り返し部分または裾先
補強テープを持たず裾先近傍に於いて前記折り返し部分
または裾先補強テープを縫製するための裾周囲方向の縫
製を持たない裾である本発明の好ましい態様において
は、裾部分の厚みをより少なくでき、この部分の生地の
段差や縫製糸が皮膚と当たって擦れることによる着用感
の低下が防止された股間部および股関節近傍保護用衣類
を提供できる。
【0084】(12)また、本発明の股間部および股関
節近傍保護用衣類において、保護用衣類を構成する本体
布が伸縮性を有する布である本発明の好ましい態様にお
いては、動作する場合の抵抗感がより少なくよりスムー
スに動作することができ、従って着用感が良好で疲れも
より少なくし得る股間部および股関節近傍保護用衣類を
提供できる。
【0085】(13)また、本発明の股間部および股関
節近傍保護用衣類において、保護用衣類が、自転車用、
オートバイ用、乗馬用のいずれかのライディング用の衣
類である本発明の好ましい態様とすることにより、特に
自転車に乗った場合、オートバイに乗った場合、馬術の
場合に於いては、太ももを開いて跨がった形で乗るた
め、股間部が直接サドルやシートあるいは鞍などに触れ
るため、サドルやシートあるいは鞍などからの衝撃を比
較的ダイレクトに受けなければならず、また前述したよ
うに股関節部分がサドルやシートあるいは鞍などに強く
当接されて擦れが生じやすい状態になるが、本発明の衣
類は、これらの衝撃を緩和し、擦れによる痛み、擦過傷
の発生を防ぐに極めて好適でしかも通気性がよく、前述
の作用がより有効に発揮され、前記ライディング用の保
護用衣類として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の短パンツ状(半ズボン状)
の保護衣類の前側から見た平面概略図である。
【図2】図1の本発明の一実施例の股間部および股関節
近傍保護用衣類の後側から見た平面概略図である。
【図3】図1、2に示される本発明の一実施例の股間部
および股関節近傍保護用衣類の側面側から見た場合の平
面概略図である。
【図4】図1〜3に示した本発明の一実施例の保護衣類
を裏返しにして股部近傍部に取り付けられた保護パッド
がほぼ観察できるように広げ、且つ足部を左右に広げた
状態で股部上部から観察した状態の平面概略図である。
【図5】本発明で用いるパッド芯の一態様の断面模式図
である。
【図6】本発明で用いる保護パッドのパッド芯の接ぎ部
の接ぎ合わせ縫製構造の一態様を説明するための接ぎ部
近傍の部分断面模式図である。
【図7】本発明で用いる保護パッドのパッド芯の接ぎ部
の接ぎ合わせ縫製構造の一態様を説明するための接ぎ部
近傍の部分平面模式図である。
【図8】図1のA−A´方向の断面の概略部分端面であ
る。
【図9】本発明で用いるパッド芯の一態様の分解部分展
開図である。
【図10】本発明で用いるパッド芯の別の一態様の分解
部分展開図である。
【図11】従来の股間部保護衣類の前側から見た平面概
略図である。
【図12】従来の股間部保護衣類の後側から見た平面概
略図である。
【図13】従来の股間部保護衣類の側面側から見た場合
の概略図である。
【図14】従来の股間部保護衣類を裏返しにして股間部
に取り付けられた保護パッドがほぼ観察できるように広
げ、且つ足部を左右に広げた状態で股部上部から観察し
た状態の平面概略図である。
【符号の説明】
1 保護衣類本体 2 裾部 3 裾口 4 保護パッド 5 保護パッドの周囲の縫製ライン 6 保護パッドの周囲の縫製ラインのうちの裾部縫製ラ
イン 7 股部中央部 8 ウェスト部 9、10、11 本体の接ぎ部 12、12´ パッド芯の前部接ぎ部 13 保護パッドの前側の先端部 14 保護パッドの後側の先端部 15、16、17 本体の後ろ側の接ぎ部 18 股部中央を前後方向に伸びているパッドカバーの
接ぎ部 20 前部恥骨部よりやや下の中央 51 不織布 52a、52b パッド芯 61、61´ 編物または織物 62 補強布 63 縫製ライン 81 パッドカバー 82 接ぎ部 83 縫製ライン 84 縫い代 85 表布 86 接ぎ部 87 縫い代 88 縫製ライン 91 パッド芯の前部の構成片 92 パッド芯の主構成片 201 保護衣類本体 202 裾部 203 保護パッド 203a 下パッド部材 203b 上パッド部材 204 股下部 205、207 保護パッドの周囲の縫製ライン 206 上パッド部材203bの中央接ぎ部の縫製ライ
ン 208 左右の接ぎ部縫製ライン 210 保護パッドの前側の先端 211 保護パッドの後側の先端 212 保護用衣類の本体の裾先での折り返し部分 213 縫製ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A41D 1/06 502 A41D 1/08 A41D 13/00 A63B 71/12

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着用者の股関節より下側に脚部の裾線を
    有し、股部近傍に保護用パッドを有する短パンツ状、ま
    たは、ズボン状の衣類に於いて、前記保護用パッドが、
    不織布または連続気泡の軟質ポリウレタン発泡体からな
    るパッド芯とその上を覆う編物または織物からなるパッ
    ドカバーとからなり、前記保護用パッドは股間部から少
    なくとも着用者の股関節を越える部分をカバーし得る程
    度まで脚部の裾方向に伸びて設けられており、且つ前記
    パッド芯が、複数の部材からなり、前記複数の部材が接
    ぎ合わされて身体の股間部および股関節近傍の形状にほ
    ぼ適合する様に立体形状に仕上げられたパッド芯である
    ことを特徴とする股間部および股関節近傍保護用衣類。
  2. 【請求項2】 保護用パッドが、保護用衣類本体布の裏
    側に取り付けられている請求項1に記載の股間部および
    股関節近傍保護用衣類。
  3. 【請求項3】 保護用パッドが、その前側は着用者の恥
    骨近傍まで、後側は尾骨近傍までカバーしている保護用
    パッドである請求項1または2のいずれかに記載の股間
    部および股関節近傍保護用衣類。
  4. 【請求項4】 パッド芯を構成する不織布が目付0.0
    5〜0.09g/cm3 の不織布である請求項1〜3の
    いずれかに記載の股間部および股関節近傍保護用衣類。
  5. 【請求項5】 パッド芯を構成する連続気泡の軟質ポリ
    ウレタン発泡体が、見掛け密度0.02〜0.09g/
    cm3 の連続気泡軟質ポリウレタン発泡体である請求項
    1〜3のいずれかに記載の股間部および股関節近傍保護
    用衣類。
  6. 【請求項6】 パッド芯が不織布または連続気泡の軟質
    ポリウレタン発泡体と少なくともその片面に編物または
    織物が積層されたパッド芯である請求項1〜5のいずれ
    かに記載の股間部および股関節近傍保護用衣類。
  7. 【請求項7】 パッドカバーが接ぎ部を持たないパッド
    カバーである請求項1〜6のいずれかに記載の股間部お
    よび股関節近傍保護用衣類。
  8. 【請求項8】 パッドカバーが接ぎ部を有するパッドカ
    バーであって、前記パッドカバーの接ぎ部が、その縫い
    代や縫い目がパッドカバーの接ぎ部の裏側で処理され、
    表側に接ぎ部の縫い代や縫い目が現れていない構造であ
    る請求項1〜6のいずれかに記載の股間部および股関節
    近傍保護用衣類。
  9. 【請求項9】 保護用パッドが、パッドカバーとパッド
    芯とが接着または熱融着により積層されてなる保護用パ
    ッドである請求項1〜5、7、8のいずれかに記載の股
    間部および股関節近傍保護用衣類。
  10. 【請求項10】 パッド芯が股下中央を前後方向に伸び
    る中央接ぎ部と前部恥骨部よりやや下の中央から左右斜
    め上方向に伸びる前部接ぎ部を有し、前記接ぎ部がパッ
    ド芯を突き合わせた状態でジグザグ状に縫製されている
    か、または熱融着されてなる請求項1〜9のいずれかに
    記載の股間部および股関節近傍保護用衣類。
  11. 【請求項11】 股間部および股関節近傍保護用衣類の
    本体の脚部の裾先が折り返し部分または裾先補強テープ
    を持たず裾先近傍に於いて前記折り返し部分または裾先
    補強テープを縫製するための裾周囲方向の縫製を持たな
    い裾である請求項1〜10のいずれかに記載の股間部お
    よび股関節近傍保護用衣類。
  12. 【請求項12】 保護用衣類を構成する本体布が伸縮性
    を有する布である請求項1〜11のいずれかに記載の股
    間部および股関節近傍保護用衣類。
  13. 【請求項13】 保護用衣類が、自転車用、オートバイ
    用、乗馬用のいずれかのライディング用の衣類である請
    求項1〜12のいずれかに記載の股間部および股関節近
    傍保護用衣類。
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